登録日:2016/10/11 (火) 01:59:59
更新日:2024/01/29 Mon 11:02:50NEW!
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所要時間30分以上の項目 東京レイヴンズ あざの耕平 呪術 陰陽道 陰陽師 神道 密教 修験道 真言宗 仏教 道教 天狗 式神 魔術 魔法 東レ 一覧項目 天台宗 奇門遁甲 占術 札 イッツリアルファンタジー ※危ないのでみだりに呪文を唱えないようにしましょう
「呪術の神髄が何だかご存じだろうか?」
「答えは、『嘘』です」
土御門夜光
概要
本項では東京レイヴンズにおける呪術の分類、軽い概要を記していく。
本作での呪術は現実のそれとはニュアンスが異なり、また複数の意味を持つ。
1つ目は万物にみちる霊気を扱う技術。
霊気は五感でとらえることはできないため、この技術を会得するには霊気を知覚できる見鬼の才能が必要となる。
2つ目は眼に見えない形而上の存在に対する作法全般。
これについては、下記の乙種呪術の項で説明する。
古代日本では密教、修験道、神道、そして陰陽道などの様々な呪術が存在していた。だが、それらは全て20世紀前半に起きた太平洋戦争を機に、一つの呪術体系へと統合されていくこととなる。
作中の人物によれば「人間の根底にあるものは仕組みだとする観点」が呪術の原点であり、その仕組みの「わかる」「わからない」のギリギリの領域を操る技術こそが呪術であるらしい。
古代から中世の呪術
各々の宗教観を通して世界の霊的構造を理解しアプローチを行う技術。
闇寺など多少の例外はあるが、近代以前は第一に信仰があり、その恩恵として呪術があったとされる。
また本作では多少のアレンジはあれど現実の伝承の多くが史実として扱われているので、近代以前の呪術史も同様に推移してきたと思われる。
- 陰陽道
中国から渡来した陰陽五行思想を発端に、日本にて成立した技術・学術体系。
万物はみな陰と陽の対立構造から生じ、それらは全て五行と呼ばれる循環構造に属し、また木火土金水のいずれかの性質を持つという観点から霊気を操る。
天文学や占術、遁甲術などの学問、道教*1や仏教、神道などの思想も取り込まれている 。
主な呪術:符術、式神の使役、占術など
著名な人物:賀茂保憲、安倍晴明、蘆屋道満など
- 密教
生きながらに仏と成る、即身成仏を目指す仏教の一派。
インドにて成立し、そのあと唐を経由して日本へと伝来した。
密教とは「秘密の教え」を意味し、言葉では説明することのできない仏の悟りの世界を表しており、仏教的宇宙観を示した絵図・マンダラ、仏尊の真理を宿す言葉・真言などが有名。
主な呪術:種子真言、真言、陀羅尼など
著名な人物:空海や伝教大師こと最澄など
また空海が開いた真言宗の密教は東密*2、最澄が開いた天台宗の密教は台密と呼ばれる
- 修験道
仏教と山岳信仰が習合した日本独自の宗教。この道を実践する者を修験者、あるいは山伏と言う。
日本の国土の7割以上が山であり、古来より人々は山と共に生きてきた。
山は様々な恵みをもたらしてくれる神域であり、また安易に足を踏み入れてはいけない魔境でもあった。
修験道とは、その山で修行を積むことで超自然的な能力を得て、衆生の救済を目指す宗教である
イメージ的には法螺貝を吹き、錫杖を持って登山してる感じ。また上記で述べたように混淆宗教で、仏教だけでなく陰陽道や神道などの影響も受けており、他系統の呪術を多く取り入れている。
主な呪術:天狗や山々の神々、仏尊への祈祷など
著名な人物:役小角など
日本土着の宗教。神々を尊び、その敬意を表すための作法全般。
万物には全て神が宿るというアニミズム的な傾向がある。神々の数がとても多く八百万と表される
日本神話では国産みを行ったイザナギとイザナミの夫婦神、太陽の象徴にして主神たる天照大御神、大魔蛇・八岐大蛇と死闘を演じたスサノオノミコト、書物にあまり記載のないツクヨミノミコトなどが有名。
またそうした日本古来からの神だけでなく、七福神を始めとした外来の神、平将門や菅原道真などの功績をなした人物、三種の神器の一つである草薙の剣や歌詠などの神具、お稲荷さまや因幡の白兎などの動物、自然の山々や河川、神木。変わったところでは子宝を願って性器を模した御神体を祀っている場所もある
主な呪術:祝詞、柏手など
著名な人物:国学者の賀茂真淵や本居宣長など
近現代の呪術
- 帝国式陰陽術
日本呪術史における中興の祖、土御門夜光が編纂した呪術体系。通称は帝式。
明治期、陰陽寮は新時代における必要性を疑われ廃止されたが昭和14年、世界情勢の悪化および麒麟児・土御門夜光の登場をきっかけに陰陽寮は再び歴史の表舞台に現れることとなる。
当時青年であった夜光に天稟を見出した軍部は陰陽寮を復活させ、そのトップである陰陽頭に彼を任命する。そして軍事利用を目的とした呪術体系の再編という一大事業を、夜光を旗頭に起こしたのである。
名称こそ陰陽術だが、その内容は陰陽道だけでなく密教・修験道・神道などの呪術を総括した膨大なものになっている。
またこの呪術体系の大きな特徴として「宗教色の排除」が挙げられる。これによって呪術の因果関係が明確化され、技術としての有用性・発展性に大きな可能性を見せることとなった。
ただ、日本呪術の集大成と言っていい帝式だが、あくまで過渡期に成立したものであり、普遍性や簡易性への配慮はあまりなされておらず、また現代では禁忌とされる危険な呪術が数多く存在する。
以下帝式と判明している呪術の一覧
- 百鬼夜行避け
- 雷除け
- 禹歩
- 甲種言霊
- 泰山府君祭
- 十字経雷法
- 尊勝仏頂陀羅尼法
- 御霊振
- 遠当法
- 汎式陰陽術
現代に生きる呪術体系。帝式を前身に持つが、その性質は大きく異なる。通称は汎式。
敗戦の気配が濃厚になった太平洋戦争末期、焦燥感に駆られた軍部は夜光にある呪術儀式を要請。帝都東京にて敢行させるが、それも暴走という最悪の形で終わる。
呪術儀式の失敗により、東京の環境は激変する。霊的偏向による瘴気や魔、作中の言葉に言い換えれば霊災の生じやすい状態が慢性化してしまう。
戦後の政府はその対抗策として呪術者たちを再び招集。陰陽寮は『陰陽庁』と名を変え、彼らに霊災への対処を任せる運びとなった。
その際に陰陽法が施行され、同時に帝式の姿も大きく変わることになり、この時誕生したのが汎式である。
帝式は強力ではあったが、その膨大さに比例して非常に雑多でもあったために習得することが至難のもの、汎用性に乏しいもの、人を害することに特化したもの、一個人が使用するには危険すぎるもの、そして魂に関わるもの。こうした呪術は汎式に組み込まれず帝式に、中には禁呪として残ることとなった。
汎式の呪術の特徴として、その普遍性・簡易性が挙げられる。
呪術の習得には見鬼の才をはじめとした様々な適性、厳しい訓練が必要とされるが、それでも帝式以前と比べて術式の整備は進められており、現在では呪術者となるためのプロセスがはるかに効率化されている。
汎式の成立により、呪術のスタンダード化が促進されたと言える。
以下汎式と判明している呪術の一覧
尚、下記の分類は作中で明言されたもの、または陰陽塾で教えている呪術を参考にしている
- 五行符
- 護符
- 治癒符
- 簡易式
- 汎式六壬
- 八卦
- 八陣結界
- 火界咒
- 大威徳法
- 不動金縛り
- 九字
- 早九字
- 相生・相剋
- 甲種呪術
陰陽庁によって実際に効果が認められ、陰陽法の甲種に分類された呪術。通称は甲種。
霊気を扱う技術の大体がこちらに分類され、そのためこちらの呪術は資格制となっており、用途にも厳しい制限が設けられている。
陰陽庁の規定している資格はⅠからⅢまであり、甲種の使用には陰陽Ⅱ種かⅠ種が必要となる。
ただ陰陽塾の塾生などは呪術を習う関係上、例外的に陰陽Ⅲ種取得者いわゆる準資格者に近しい立場として扱われ、機関の最高責任者の監督がある場合にのみ甲種の使用が許されている。
- 乙種呪術
因果関係が不明瞭であったため、甲種から漏れた呪術全般。通称は乙種。
古くからあるまじないや大多数の占術、心を縛る呪などもこちらに該当する。
運命や心など手触りの薄い領域においての事象がほとんどで、そのため技術と言うには曖昧な分野であり、乙種の使用に特別な資格は必要ない。
だが、これも一種の呪術であることには変わりなく、ある意味では甲種より恐ろしい呪詛もこの乙種には存在する。
またカテゴリーの枠が曖昧であるためか、非常に広がりのある分野でもある。
ちなみに作中の人物の私見になるが、世界で一番成功した乙種はサンタクロースらしい。
陰陽道系の呪術
符術
符、つまりお札を用いた呪術。
霊力を呪力に変換し、術式の書かれた符に注ぐことで呪術を発動させる
呪術のいろはであり、治癒符・護符・五行符・簡易式の式符などは全ての呪術者の基本技能と言っていい。
ほとんどの呪符は陰陽庁で作られているが、中には術者が手づから作り上げたものもあり、符術の優劣は記された術式の緻密さだけでなく術者が注ぐ呪力の質にも左右され、また呪力を工夫することでその効果も大きく変化する。
- 喼急如律令
呪符を用いる際に使われる結びの呪文。
読み方は「きゅうきゅうにょりつりょう」ではなく「オーダー」。この読み方の変化は上記の呪術改革の結果だと思われる。
本来これは古代中国の公文書に末尾に記されていた定型文であり、意味は「急ぎ律令の如くせよ」と言う。
現代風に訳せば「書類の通りさっさときちんと働いてね」といったところだろうか。
時代の変遷と共に用法が変わり、悪魔祓いの呪文として用いられるようになり、近現代にこの言葉は再び時代の色合いを反映し、新たな姿を得ることになった。
- 護符
災いを退ける札。簡易の呪壁を設け、対象を護る。
術式や呪力を工夫することで形状の変化、呪壁の縮小による防御力の集中、自動復元能力の付加なども可能。
使用者:冬児、京子、春虎、木暮、鈴鹿、夏目、比良田、江藤、夜光、山城、夜彦
使用巻:2、3、6~11、EX1、4、SOS3
分類:汎式
- 治癒符
対象のケガを癒し、疲労を解消する呪符。
治癒符と言っても色々あり、中には緊急時のために一般人でも使用できるよう術式の組まれたものがある*3。
使用者:春虎、大友、水仙、暁兎、夜光
使用巻:1、9、11、15、EX4、SOS2
分類:汎式
- 木行符
「――輝剣よ、天より降りて、霊樹に宿れ! 喼急如律令!!」
呪符を通して呪力を木気へと変換する符術。
イバラやツタなどを生み出し対象を拘束、あるいは攻撃する。
また木行には風や地震、雷なども含まれるため、呪符や呪力を工夫することでそれらを利用することも可能。
上記の呪文は雷法を用いたときのもの。
使用者:大友、天馬、春虎、夏目、千鶴、多軌子、祓魔官(9巻)、詐欺師、山城、古谷(EX2巻)、夜光、夕佳、霧夫、夜彦
使用巻:4、6~12、14、15、EX1~3、SOS1、3
分類:汎式
- 火行符
「邪符を焼き払えっ。喼急如律令!」}
呪符を通して呪力を火気へと変換する符術。
火炎にて対象を焼く。五行における攻撃の花形で、呪力を工夫すれば、炎を矢のように収斂させ火力を上げたり、火花を散らせ目くらましとして用いたりもできる。
使用者:夏目、藤原、春虎、大友、鈴鹿、多軌子、詐欺師、賢行、山城、霧夫
使用巻:1、3、5~14、SOS1
分類:汎式
- 土行符
「土気をもって凝らし固めよ……!」
「式神生成…! 喼急如律令!!」
呪符を通して呪力を土気へと変換する符術。
大地を隆起させ、防壁あるいは攻撃手段として活用する。
また大地の霊脈干渉*4、式符と併用して土人形の式神を作るなどの使用法もある。
使用者:呪捜官(1巻)、大友、春虎、夏目、多軌子、山城、鏡、夜光、夕佳、日奈
使用巻:1、6~8、14、15、SOS2
分類:汎式
- 金行符
&bold(){&font(#ffd966){{&font(i,110%){「叩き割れ! 喼急如律令!」}}}
呪符を通して呪力を金気へと変換する符術。
主に金属の刃を生成し、対象を攻撃する。
また金気は風とも相性がよく、風の呪術にも用いられる。
使用者:夏目、大友、江藤、多軌子、天馬、鏡、詐欺師、山城、夜彦
使用巻:6~10、SOS3
分類:汎式
- 水行符
「奔流よ、破れ…! 喼急如律令!!」
呪符を通して呪力を水気へと変換する符術。
水流を放ち、対象を押し流したり、痛撃を与える。
また呪力を工夫することで霧を展開し、目くらましとしても使える。
使用者:鈴鹿、大友、春虎、夏目、多軌子、鏡、冬児、山城、夜光、夕佳、日奈、星哉、陽太、夜彦
使用巻:3、4、6~12、14、SOS2、3
分類:汎式
- 太一真君の呪法
「――奇一奇一たちまち雲霞を結ぶ、宇内八方ごほうちょうなん、たちまちきゅうせんを貫き、玄都に達し、太一真君に感ず、奇一奇一たちまち感通――!」
「天御中主神の威を持って、これなる邪気、瘴気を一掃せん! 喼急如律令!」
天地開闢に関わった神々の一柱・天御中主神の呪法。
太一とは古代中国における宇宙の根元を表す哲学的概念であり、書物によっては太一真君と天御中主神は同じ存在とされることもあるらしい。
多数の呪符より発する浄化の光をもって対象の霊災を修祓する。かなり強力な修祓呪術であり、手負いとはいえフェーズがかなり進んだ霊災を一撃で祓ってみせた。
呪符の束を手のひらの上に乗せた状態で、上記の呪文を唱える。詠唱に喚起された呪符は宙を舞い、対象を環状に包囲していく。
最後に二行目の呪文を唱え、刀印を上段から振り下ろすことで呪術が発動する。
使用者:夏目
使用巻:3
分類:不明
- 五行連環
「バン、ウン、タラク、キリク、アク! 五行連環、喼急如律令!」
日本史上最高の陰陽師・安倍晴明に由来する呪的紋様セーマンの呪術。セーマンとは五芒星のことであり、晴明桔梗あるいは晴明紋とも呼ばれる。
呪術に対する防壁であり、また他の呪術への干渉、増幅などの役割もこなす。
金剛界五如来※の種字真言を唱え、セーマンを描くことで発動する。またセーマンは五行符を用いるパターンと、指で描くパターンがある。呪符を用いる場合は、最後に喼急如律令と唱える。
また呪文も五大明王の名号を用いるパターンがあり、それは以下の通り。
「東方降三世夜叉明王! 南方軍荼利夜叉明王! 西方大威徳明王! 北方金剛夜叉明王! 中央大日大聖不動明王! 五行連環、喼急如律令!」
密教では特定の仏尊の存在を、その性質に従って三種類の仏身観、如来・菩薩・明王に分類しており、これを三輪身と言う。
それによれば五大明王は、下記の五如来が姿を変えたものであると言われている。
使用者:夏目、大友、多軌子、夜光
使用巻:1、6~8
アニメ:2、3、14、15
分類:不明
※ 両界曼荼羅の双輪の一つ・金剛界において主柱とされる五尊。呪文の順に名号を挙げていくと
中心:大日如来
東方:阿閦如来
南方:宝生如来
西方:観自在王如来(阿弥陀如来)
北方:不空成就如来
となる
- 百鬼夜行避け
「東海の神、名は阿明、西海の神、名は祝良、南海の神、名は巨乗、北海の神、名は寓強、四海の大神、百鬼を退け凶災を祓うっ。喼急如律令!」
この世ならざる存在の群れ、百鬼夜行を退けるとされる秘術。
霊災たちを嫌忌させる特殊な呪力を放つ排斥呪壁。霊災およびそれに準ずる存在たちに重圧をかけることで、それらの接近を阻む。
霊災に対して極めて有効な呪術の一つ。その有効性から使用する術者が多く、またアレンジも多い
五行符をセーマン状に展開し、上記の呪文を唱えることで発動する。
ちなみに呪文の神たちは道教の海神であり、一部は黄庭遁甲縁身経という書物に記載されている。
使用者:大友、春虎、弓削、鏡、飛車丸
使用巻:6、7、9、14、15、EX4
アニメ:14、15、17
分類:帝式
- 護法封じ
「五行結びて霊脈を断つ―――喼急如律令!」
範囲内の霊脈を遮断する呪術。
護法と術者の間に通る霊的なパスを遮断する。
ただ強力な護法であれば、その状態でもある程度の自立行動は可能であり、その効果は封印というより制限と言った方が近い。
地面に五行符を五方向に配置し、手印を結びながら上記の呪文を唱えることで呪術が発動する。
使用者:多軌子
使用巻:8
分類:不明
- 簡易式
「――やっちゃえ」
式神の一種。最低限の術式しか組み込まれていない式符を用いた呪術。
基本的な運用法としては紙の状態のまま操作、あるいは呪力を注ぎ黒い人型のシルエットのような形に変え操作する。
意思を持つ使役式や高等人造式、一定の自立行動を可能とする人造式と異なり、基本的に操作は術者が一から十までしなければならず、また特殊な能力を持たない簡素な式神。
だが、術式が最低限ということは裏を返せばそれだけカスタマイズの余地があるということであり、術者の創意工夫があれば簡易式の用途は大幅に広がっていく。
作中では術者の個性を反映して、様々な形の簡易式が登場する。猫や鼠、人間、龍などの生き物やナイフなどの無機物の形をとり、戦闘の補助や情報収集、デコイとして用いられた。また空飛ぶトナカイやサンタ、ひとりでに演奏する楽器などのユニークなものもあり、これらはクリスマスの彩りとして作製された。
簡易式を得意とする鈴鹿は聖書のような呪具を用い、大量の式符を折り紙のように組み立て、豹や獅子、鷹などの動物の形を模した簡易式を生成する。
使用者:夏目、鈴鹿、美代、京子、天馬、春虎、鏡、大友、天海、D、鷹寛、多軌子、山城、飛車丸、木暮、詐欺師、夜光、霧夫、夕佳、日奈、夜彦
使用巻:1~15、EX1~4、SOS2、3
分類:汎式
- 蠱毒
「出でよ、邪霊ども! 喼急如律令!」
毒に毒を食らわせ、魔を煎じたかしりの式。
人を蝕む牙を有する蜘蛛や百足などを壺に収め、共食いを行わせる。
そして最後に生き残った最も強靭な蟲を形代にすることで、{{蠱毒}}が完成する。
呪詛式の名の通り蠱毒の核には蟲の怨念が根ざし、それを術式で呪力に変換し動力源としている。
黒く重々しいもやを体とする、瘴気を放つ一つ目の化け物であり、単純な攻撃ではその身を損なうことはできない。
専用の式符を握りつぶし、上記のような呪文を唱えることで、この式神が生成される。
使用者:呪捜官(2巻)、山城
使用巻:2、10、11
分類:不明*5
- 拘束の呪符
「眩め、封、閉ざせ―――喼急如律令」
対象の自由を奪う呪符。
並みの呪術者であれば、昏倒し意識を失う。
使用者:呪捜官(2巻)、山城
使用巻:2、11
分類:不明
占術
- 星読み
だから。
「……行ってあげて……」
現実から意識を乖離させ星の世界へと赴き、人の運命を読み解く呪術。またこの呪術を行う術者を指して星読みと呼ぶこともある。
最も強力とされる占術で、その精度は術と言うより予知能力に近い。
この星を捉える力は天与のもので、この稀有な才能を持った呪術者だけが星読みとなる。
古代より人々は天を見上げ、静かに移ろいゆく星々の運行に運命の法則性を見出してきた。天とは神のおわす場所であり、神を信じる人々にとって星の光とは音無き神の声に等しかったのである
とはいえ星読みの『星』は天体をさしたものではない。この場合の星とは人々の霊気が織りなす抽象化された世界のことであり、もっとスピリチュアルなものを指す。
星とは一種の比喩であり、星読みの視る世界もまた一様ではない。文字通り「霊的宇宙に浮かぶ無数の光点」として意識が捉える場合もあれば、「流動し広がる色彩の乱舞」である場合もあるなど、術者によって視える世界は異なるらしい。
星読みはその世界に意識を投じ、個々人が持つ星の動きを捉え、それぞれの未来あるいはそれらが織りなす世界全体の未来を読み解くのである。
しかし星からもたらされる情報は言語のように明確なものではなく、その兆候を掴むには術者の経験とセンスに頼らなければならない。
また星読みを行う際はその人物の霊気と星を該当させなければならない関係上、出会ったことのない人物を占うことができない。
他にも式神や霊災、生成りなどの霊気は通常と異なるため、これらの星は歪み、占うことが非常に難しくなる。
星読みは未来に対して大きなアドバンテージを有するが、それも完全無欠のものではなく、用いるには慎重な姿勢と深い思慮が求められる。
自身の意識と『星』の世界を霊的につなげることで、呪術が展開される。
また自身の意識をそこに誘導するために、六壬式盤が用いられる。
これは古来より陰陽師が用いてきた由緒正しい道具。地を表す正方形の方盤の上に、天を表す円盤を載せており、この形状は天円地方という古代中国の宇宙観に由来している))と呼ばれる占術の呪具を用いることが多い。
使用者:泰純、美代、&bold(){&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){京子}}*6
使用巻:9、11~14
分類:不明
- 汎式六壬
現代における占術の一種。
作中では名称が出るにとどまり、詳細については不明。
またこれとは別に六壬式占と呼ばれる占術があり、こちらはおそらく汎式成立以前に用いられてきたものだと考えられる。
この六壬式占は星読みの項でも説明した六壬式盤を使い、十二支・十二月将*7・十二天将*8などを頼りに吉凶を占う。
使用者:なし
使用巻:2、EX2(名称のみ登場)
分類:汎式
- 八卦
古代中国における占法・易経における八つの基本図形。
それぞれ乾、兌、離、震、巽、坎、艮、坤と言う。
作中では名称が出るにとどまり、詳細については不明。
使用者:なし
使用巻:EX2(名称だけ登場)
分類:汎式
その他の陰陽術
- 見鬼の術
「――祖霊安倍晴明の名において。汝、土御門春虎、我、土御門夏目の式神とする――」
夏目が春虎のため用いた呪術その1。
呪文を唱え、切った唇よりしたたる血を舌ですくい、その血をもって対象の頬にセーマンの模様を舌先で描き、対象を見鬼にする。
対象を見鬼にする呪術は他にもあるが、通常それらの効果は一時的なものがほとんであるのに対し、この呪術は半永久的に作用する。
土御門家の秘伝であり、様々な術式を組み合わせた複雑な呪術。根本部分となる術式はかなり高度なもので、夏目自身も完璧には理解できていないらしい*9。
8巻ネタバレ
実際のところ、これは対象を見鬼にする呪術などではなく、対象にかけられた見鬼の枷、その封印を解く呪術である。
土御門夜光の転生体である春虎は、土御門家の思惑もあってその見鬼の才を封じられた。
とはいえ、この封印は一定の段階で解くことも考慮されたものであり、そのため春虎の実父である土御門泰純は、養女である夏目にこの呪術を伝授した…というのは半分間違い。
ある程度の理論は確かに夏目に伝えられたが、術式を再構成したのは彼女自身であり、半ば独力で習得したものと言っていい。
ちなみにこの封印、十二神将やDを含む周囲の呪術者全員が気付かなったという地味にチートな呪術である(まあ、正確に言えばこれは「夜光の生まれ変わりは土御門夏目である」という乙種の偽装ありきの話であり、この甲種の封印だけで欺き通した訳ではないが)。
角行鬼と早乙女の二人は気付いていたが、この二人にしても春虎の式神からの推測であり、この封印をきっかけに感づいた訳ではない。
まだ塾生であった夏目がこの封印を解けるとは、流石に土御門家の面々でも予想できなかったらしい。
使用者:夏目
使用巻:1、8
分類:不明
死者を蘇らせるとされる秘術。詳細は個別項目を参照。
- 隠形
「――オン・マリシエイ・ソワカ――」
「――オン・アビテヤマリシ・ソワカ――オン・アビテヤマリシ・ソワカ――」
「――オン・アビテヤマリシ・ソワカ――」
対象に霊的な偽装を施す呪術。
気配を殺すだけの隠形もあれば、逆に気配を周囲と同化させるものや姿すら消してしまうもの等、一口に隠形と言っても種々様々である。
上位の呪術者は隠形中も他の呪力を練り上げたり、呪符や式神に隠形をかけ伏兵として配置するなど、様々な形で活用する。
戦闘中に隠形が使われる際は、相手に気付かれないよう発動させるケースがほとんどであり、その手順が明確に述べられたシーンは少ない。
下記では作中で一番丁寧な描写があった場面を参考にその手順について説明する。
大金剛輪印を結びながら上記一行目の摩利支天の真言を詠唱し、心臓部分・額・左肩・右肩・頭上などの体の各部位を加持。
続いて二行目の呪文を7度繰り返し、手印の形を隠形印に切り替え、術式に呪力を注いでいくことで発動する。
使用者:コン、大友、角行鬼、D、六人部、木暮、鵺、夏目、泰純、冬児、春虎、天馬、京子、比良田、天海、鷹寛、鏡、秋乃、鈴鹿、幼女先輩、羽馬、黒龍、獺祭、醴泉、鳳凰美田、ゼンタロー、隠形鬼
使用巻:2~15、EX1~4、SOS3、5
分類:汎式
- 隠形破り
隠形している対象の気配を察知し、刀印を用いてその空間に自身の呪力を突きつけることで、相手の隠形を破る。
使用者:鈴鹿、D
使用巻:4、6
分類:不明
- 八陣結界
時と方位を、天と地を読み解く遁甲術の大技。
汎式の中でもトップクラスの封印結界であり、これに閉じ込められれば脱出はまず不可能とされる。本来はフェーズ3以上の霊災に使用される。
対象を囲むように8人の術者を配置。その状態で呪文を詠唱すると、術者達の間に光の線が走り結界を形成。内部のものを閉じ込める。
使用者:呪捜官(1巻)、祓魔官(9巻)、夜叉丸、蜘蛛丸
使用巻:1、9、12
- 禹歩
中国における伝説の賢王・禹王の歩き方をもとに編まれたという道教の歩法。
独特のステップを踏み、霊脈に潜ることで目標地点へと一瞬で移動する。
帝式の禹歩は仙術とされる縮地と組み合わされたものであり、古代のそれとは異なる。
帝式の呪術は全体的に使い手を選ぶものが多いが、この呪術はその傾向がさらに強く、習得は極めて難しいとされる。
移動能力という点においては最優の呪術と言っていいが、移動の際は霊脈を必ず通らなければならないため、そこに異常があると使用が制限される脆弱性がある 。
また術者だけでなく、術者を含む複数を一斉に移動させることも可能。友達のいないかがみんには意味のない効果だけど。
使用者:鏡、大友、月輪
使用巻:3、9、11、13
分類:帝式
- 甲種言霊
「うるせえ、黙れ」
言の葉に宿る霊を喚起させる呪術。
呪力が乗せられた言葉によって相手の精神に干渉し、言葉の内容を強制させる。
ただし精神干渉は相手側に霊的抵抗が生じやすく、この呪術を実践レベルで使用するにはそれを突破する高い呪力と、精神的な隙に付け入る鋭敏さが必要となる。
対人で使用するのが一般的だが、使い手によっては霊的抵抗力の高い霊災にすら効果を発揮し、また式神などに内在する術式に干渉することも可能。
使用者:鏡、大友、天海、夜叉丸、夜光、宮地
使用巻:3、6、7、9、11、12、14、EX3
アニメ:7、14、22
分類:帝式
- 九字
「朱雀! 玄武! 白虎! 勾陣! 南斗! 北斗! 三台! 玉女! 青龍!」
平安時代の大陰陽師・蘆屋道満に由来する呪的紋様ドーマンの呪術。
紋様の形は縦に四本、横に五本の格子紋。描かれた紋様は呪壁となって対象を守護する。またこの呪壁は魔を祓う力があり、霊体への攻撃の手段としても用いられる。
上記の呪文を一つ唱えるのに合わせて手印を結び、それを九度行うことで呪術が発動する。
修験道の九字と効果はほぼ同じだが、こちらの九字が放つ光には退魔の力があり、この光を浴びたものは霊的なダメージを受ける。
使用者:夏目
使用巻:7、8、10
分類:不明
- 雷除け
「――東方、阿迦陀、西方、須多光、南方、刹帝魯、 北方、蘇陀摩抳――」}
雷害を避ける陰陽道の秘術。
一種の結界であり、術者を狙う電雷の軌道をそらし、直撃を避ける。ただ衝撃などは殺せないため、完璧に防御できる訳ではない。
それほど高度な術ではないが、限定的な状況でしか使用する機会がないため、汎式に組み込まれず帝式に残ることとなった
上記の呪文を唱えることで結界が展開される
使用者:弓削、山城
使用巻:8、10
分類:帝式
- 十字経雷法
「九天応元雷声普化天尊!」
道教の雷帝・九天応元雷声普化天尊の方術。
天よりいかずちを一閃させ対象を撃つ。雷法において最高峰の威力を誇る。
印を結びながら呪文を唱え、その練り上げた呪力を上空に捧げ、結びに上記の神の名を唱えることで呪術が発動する。
九天応元雷声普化天尊の名は十の文字で構成されており、それが十字経の由来となっている。
使用者:千鶴、夏目、夜光
使用巻:8、10、12、15
分類:帝式
- 八門法陣
遁甲術にある法陣。
対象を封じ込める呪的トラップ。力技では破るのは難しいとされる。
なお八門とは奇門遁甲において吉凶を示す八つの方位のことであり、それぞれ開門・休門・生門・傷門・杜門・景門・死門・驚門という名を持つ。
使用者:大友
使用巻:11
分類:不明
密教系の呪術
真言・陀羅尼など
真言は梵語(サンスクリット)のマントラの訳語で「真実の言葉、秘密の言葉」を意味する。
真理を悟るために、また仏様へと祈りを捧げるために唱えられる呪文。
陀羅尼も同様に梵語のダーラニーが由来であり、こちらも密教にて唱えられる呪文のことを指す。
- オン
真言の冒頭に用いて帰命(きみょう)の意をあらわす神聖な音。
帰命とは「全身全霊をもって仏や仏の教えに従う」という意味である。
- ソワカ
真言・陀羅尼の末尾に置く聖語。
和訳では「成就あれ」「かしこみ申しあげる」等の意味とされる。
- 摩利支天隠形
「――オン・マリシエイ・ソワカ――」
揺蕩う光の象徴たる天尊・摩利支天の真言を用いた隠形法。
陽炎を神格化した尊であり、対象に不可視の加護を授ける。
上記の真言を唱えることで呪術が発動する。
使用者:大友
使用巻:2、6
アニメ:14
分類:不明
- 摩利支天の結界
「オン・マリシエイ・ソワカ」
陽炎の天尊・摩利支天の呪術。
用途は防御ではなく回避。敵の術式の間隙をつき、攻撃をすり抜ける。
別の結界を複数展開し、そして上記の真言を唱えることで呪術が形成される。
使用者:大友
使用巻:9、11
アニメ:23
分類:不明
- 火界咒
「ノウマク・サラバタタギャテイビャク・サラバボッケイビャク・サラバタタラタ・センダマカロシャダ・ケンギャキギャキ・サラバビギナン・ウンタラタ・カンマン!」
あらゆる煩悩と魔を炎の憤怒にて消散せしめる闘尊・不動明王の真言。
またの名を大咒、あるいは金剛手最勝根本大陀羅尼。
汎式陰陽術の中で最もメジャーな修祓呪術。呪力の炎を以て対象を焼き祓う。
汎式の火界咒は物理的影響より霊的干渉を優先した術式となっており、特に霊災等に高い効果を発揮する。
術式が整備され一般化の進んだ汎式陰陽術の例に漏れず、この呪術の習得難易度も古代のそれと比べはるかに容易くなっており、その高い火力も相まって、プロの祓魔官にとって欠かせない呪術の一つである。
しかし、この呪術の特筆すべき点は火力というより、その上限の無さである。真の火界咒は、並みのそれとは比べものにならない霊威を発揮する。
根本印を結びながら真言を詠唱することで発動する。
使用者:鏡、祓魔官(3巻)、春虎、宮地、長官、夏目、常玄、木暮、冬児、大友、飛車丸、夕佳、日奈
使用巻:3、7、9~12、14、EX3、4、SOS1、3
アニメ:7、9、17、22~24
分類:汎式
- 慈救咒
「――ノウマク・サマンダ・バザラダン・センダンマカロシャダヤ・ソハタヤ・ウンタラタ・カンマン――」
五大明王の中心・不動明王の真言。またの名を中咒。
不動尊の苛烈さを示す炎をもって、対象を焼き尽くす。
剣印を結びながら、真言を唱えることで発動する。
また同じ不動明王の呪術である小咒の相殺手段として用いられる*10。
ただ作中の台詞によれば、本来同系統の呪術同士がぶつかった場合、相殺せずにどちらか一方に吸収されることの方が多いらしい))が、逆に火界咒には吸収されやすい。
使用者:大友、常玄、夜光
使用巻:9、10、14
分類:不明
- 小咒
「ノウマク・サンマンダ・バサラダン・カン!」
五大明王の中心・不動明王の真言。
不動尊のごとく激しい炎をもって、対象を焼く。作中では炎の蛇、あるいは火球となって相手に迫った。
剣印を結びながら、真言を唱えることで発動する。
アニメだとすごい火力になってた。避けられたけど。
使用者:鏡、宮地
使用巻:9、10、14
アニメ:23
分類:不明
- 結界護身法
「オン・キリキリ・ウンハッタ!」
苛烈さを以て衆生を救う不動明王の呪術。不動法の一つ。
外部からの霊的影響を完璧に遮断する。その防御は鉄壁と言っていいが、外から内だけでなく、内から外への影響も遮断されるので、この結界の展開中は攻撃できない欠点がある。
主に防御に用いられるが、その霊的遮断の特性を活かし、他の術式と組み合わせて対象を封じることも可能。
火焔印、智拳印*11、三鈷印を結びながら、真言を詠唱することで発動する。
使用者:山城、弓削
使用巻:8、11
分類:不明
- 霊縛法
「ノウマク・サンマンダ・バサラダン・センダンマカロシャダヤ・ソハタヤ・ウンタラタ・カンマン――」
「――オン・キリウン・キャクウン―――」
「――ノウマク・サマンダ・バザラダン・センダンマカロシャダヤ・ソハタヤ・ウンタラタ・カンマン」
悪を縛り屈服させる縄・羂索を持つ不動明王の呪術。
不動金縛りと同じ呪術だが、あちらは修験道の流れを汲む呪術なのに対し、こちらは密教の流れを汲む。
即効性の高い不動金縛りに対し、こちらは非常に煩雑な手順を踏む必要がある。
作中ではプロ上位クラスの呪術者たち複数に使用され、彼らを護る結界ごと縛り上げ、その圧力で昏倒させた。
まずは内縛印を結びながら、不動明王の慈救咒を唱える。
続いて剣印、刀印、転法輪印、外五鈷印、諸天救勅印を結び、その度に別の真言を詠唱。
最後に外縛印を結びながら再び慈救咒を唱えることで発動する。
使用者:常玄
使用巻:10
分類:不明
- 大威徳法
「――オン・キリクシュチリビキリ・タダノウウン・サラバシャトロダシャヤ・サタンバヤサタンバヤ・ソハタソハタソワカ――オンシュチリ・キャラロハ・ウンケンソワカ――」
「――オン・キリクシュチリビキリ・タダノウウン・サラバシャトロダシャヤ・サタンバヤサタンバヤ・ソハタソハタソワカ――オンシュチリ・キャラロハ・ウンケンソワカ――」
「――オン・キリクシュチリビキリ・タダノウウン・サラバシャトロダシャヤ・サタンバヤサタンバヤ・ソハタソハタソワカ……」
六面六臂六足*12を有する畏怖すべき叡智の化身・大威徳明王の呪術
密教における大呪法で、効果範囲内の霊災等を殲滅する。
汎式最高の火力を誇るが、その発動には大人数と大がかりな準備、また相手に対して位置的優位を掴む必要があり、その運用には様々な点で注意しなければならない。
対象を包囲する形で、五方向に複数の術者と炎をともした護摩壇を配置し、術者全員が大独股印を結びながら真言を唱えることで発動する。
術者たちの霊気は真言と護摩壇の炎を通して呪力へと変換され、その5つの呪力は線を描きながら五芒星を形成。多数の呪術者からなる呪力はその五芒星によって増幅され、相手へと降り注ぐ。
使用者:祓魔官(6巻)、宮地、夜光
使用巻:6、12、15
アニメ:14
分類:汎式
- 大威徳明王の真言
「オンアクウン!」
五大明王における西方の守護者・大威徳明王の真言。
作中では歩行法の上掛けにこの真言を用い、高速移動による体当たりを行った。
大独股印を結び、真言を唱えることで発動する。
使用者:大友
使用巻:6
アニメ:14
分類:不明
- 広目天の真言
「オン・ビロバキシャ・ナギャ・ジハタ・エイ・ソワカ」
四天王の一柱にして、諸龍王――水神を従える尊・広目天の真言。
作中では水行符の呪力を増幅させ、荒れ狂う濁流を引き起こした。
広目天印を結び、真言を唱えることで発動する。
使用者:天海
使用巻:7
アニメ:16
分類:不明
- 帝釈天の真言
「ノウマク・サンマンダ・ボダナン・インドラヤ・ソワカ!」
十二天における東方の守護者にして、仏教世界の中心たる聖山に住まう尊・帝釈天の真言。
この尊の前身はヴェーダ神話における英雄神インドラであり、インドラは雷を自在に操ったと言われている。
自身の霊気を雷気に変換し、対象へと浴びせる。
作中では雷法の補助を行う式神との霊的なつながりを強化するために用いられた。
帝釈天印を結びながら真言を唱える。
使用者:千鶴、夏目
使用巻:8、10、12
アニメ:3、18
分類:不明
- 羅刹天の真言
「オン・ジリチエイ・ソワカ」
十二天における西南の守護者にして黒身の鬼神・羅刹天の真言。
自身の霊力を黒い噴霧状の呪力に変え、相手に絡みつき動きを妨害、あるいは体の内部に侵入し自由を奪う。
羅刹天印を結び、真言を唱えることで発動する。
使用者:夜叉丸
使用巻:9、12、13
アニメ:21
分類:不明
- 熾盛光法
「術式開放――――『プラジュヴァローシュニーシャ』」
如来の肉髻を神格化した尊・熾盛光仏頂の力を用いた台密の修法。
この呪術の光を直視したものは瞬時にめしい、無明の世界へと落ちることになる。
またこの光は視覚だけでなく、見鬼の力にも作用する。
熾盛光仏頂の梵名を唱えることで呪術が発動する。
使用者:大友
使用巻:9
アニメ:23
分類:不明
- 胎蔵大日如来の真言
「ノウマク・サマンダボダナン・アビラウンケン」
万物を総該した無限宇宙の全一たる尊・大日如来を成す双輪の一つにして、森羅万象を包括する慈悲の象徴・胎蔵大日如来の真言。
作中では手印なし、詠唱だけの簡易の発動にも関わらず、敵の式神数体を瞬時に消滅させた。
使用者:長官、夜光
使用巻:9、15
分類:不明
- 水天法
「タニヤタ・ウダカダイバナ・エンケイエンケイ・ソワカ!」
「ナウマク・サンマンダ・ボダナン・バルナヤ・ソワカ!」
十二天における西の守護者にして、天より恵みをもたらす尊・水天の呪術。
膨大な量の水の雫を生み、対象を打つ。また続きの真言を唱えることで、その無量の水気を自在に操ることができる。
龍索印を結び、上記の真言を唱えることで発動する。
使用者:夜光、飛車丸
使用巻:9、10、14
アニメ:24
分類:不明
- 尊勝仏頂陀羅尼法
「ナマサマンダ・ボダナン・カロン・ビギラナハン・ソ・ウシュニシャ・ソワカ!」
如来の肉髻を神格化した尊・尊勝仏頂の陀羅尼。
肉髻とは頭頂部の椀状の盛り上がりのことを指す。これは真理の体得者である如来に表れた身体的特徴で、神秘的な力が宿るとされている。
数ある陀羅尼の中でも最強の一つ。帝式の中でも屈指の大技だが、反面この呪術を使いこなすことは極めて難しい。
大日印を結び、上記の呪文を唱えることで発動する。
アニメだと小咒に出番を奪われた可哀想な呪術。
使用者:鏡、夜光
使用巻:9、15
分類:帝式
- 烏枢沙摩明王の真言
「オン・シュリマリ・ママリマリ・シュシュリ・ソワカ!」
穢れを光に還し、界の清浄を保つ尊・烏枢沙摩明王の真言。
結界強化の呪術。この尊の加護を賜った結界はあらゆる害を弾き、対象を守護する。
作中では数百人が常駐する建物の結界を、この呪術をもって一息で補修・強化した。
烏枢沙摩明王印を結びながら、真言を唱えることで発動する。
使用者:弓削
使用巻:9、10
アニメ:22
分類:不明
- 牛頭天王の真言
「オン・牛頭・デイバ・誓願・随喜・延命・ソワカ!」
疫病や災厄より人々を護る、あるいはそれらを人々にもたらす畏るべき尊・牛頭天王の真言。
練り上げた陰の呪力を以て霊的災害の発生を促す。
三鈷印を結びながら上記の真言を唱え、呪力を霊脈に注ぐことで呪術が発動する。
牛頭天王はかつて疫病を司る神とされていた。だが祭り上げられる過程において、加護を願うことで人々を病災から遠ざける除疫神となったと言われている。
使用者:蜘蛛丸
使用巻:13、14
アニメ:7
分類:不明
- 毘沙門天の真言
「オン・ベイシラ・マンダヤ・ソワカ!」
武をもって仏教を守護する四天王の一尊・毘沙門天の真言。
作中ではこの呪力を込めた神刀を地面に打ち立て、大地の霊脈を乱した。
使用者:木暮
使用巻:11
分類:不明
- 毘沙門天の陀羅尼
「オン・チシャナバイシラ・マダヤマカラシャヤヤクカシャ・チバタナホバガバテイマタラハタニ・ソワカ!」
軍神・毘沙門天の調伏の陀羅尼。
かの神の加護を得ることで、術者の霊気は毘沙門天の名に相応しき武威を帯び、霊力が大幅にブーストされる。
ただし術者にも相応の負担を強いるためか、あまり長時間の使用はできず、印を結び、呪文を唱えることで発動する。
使用者:木暮
使用巻:9、13
分類:不明
- 金剛童子法
「オン、キャニドニ、ウンハッタ!」
密教の憤怒の守護神・金剛童子の真言。
魔の降伏に効験あらたかとされる。
真言を唱えることで発動する。
使用者:陰陽将校
使用感:15
分類:帝式
種子真言
一音節をもって行う呪術。密教において仏尊を象徴する呪文。
作中での使い手の多くが霊力に優れていること、また一息で強力な呪力を練り上げる描写が見られることから、出力の高い術者向けの呪術だと推測される。
- 軍荼利明王の種子真言
「――हुं――」
五大明王における南方の守護者、外敵を打ち砕く尊・軍荼利明王を示す種子真言。
作中では霊災や呪詛式への攻撃、あるいは防御に用いられた。
使用者:鏡
使用巻:3、9、11
アニメ:7、22
分類:不明
- 孔雀明王の種子真言
「――म――」
毒を、魔を食らう尊・孔雀明王を示す種子真言。
作中では鬼気を放つ敵に用いられた。
使用者:夜叉丸
使用巻:9
アニメ:21
分類:不明
- 大威徳明王の種子真言
「ह्रीः」
怨敵調伏の尊・大威徳明王の種子真言。
作中では呪術へのカウンターとして使用された。
使用者:木暮
使用巻:EX4
分類:不明
その他の密教系呪術
- 阿字観
万物の慈母たる大日如来を象徴する阿字を用いた瞑想法。
自身の霊気を循環させ、かけられた呪的トラップの有無を調べ一掃する。
また霊気の流れを整えることで、自身の霊気を浄化しベストの状態にする作用もある。
法界定印 *13を結んだ状態でअ(阿。サンスクリットにおける第一の梵字)を脳裏に描き瞑想を行う。
使用者:弓削、木暮、夏目
使用巻:8、9、12
分類:不明
- 独鈷杵の投擲
密教の法具である独鈷杵の投擲。
作中では敵の翼を穿ち、墜落させた。アニメだとファンネルになってた
独鈷杵は金剛杵の一種である。その起源はインド神話にあり、ヴァジュラと呼ばれるインドラの武器であった。
ちなみに弘法大師には『飛行の三鈷』という逸話があり、それによれば大師が唐から投げた三鈷杵が、日本海を越えて高野山へ落ちたと伝えられている。
なんか高野山にクレーターができてそうな逸話だが、見つかった三鈷杵は松に引っかかってた程度で済んだらしい。
使用者:宮地
使用巻:3
アニメ:8、9
分類:不明
修験道系の呪術
- 不動金縛り
「緤べて緤べよ、ひっしと緤べよ、不動明王の正末の本誓願をもってし、この邪霊悪霊を搦めとれとの大誓願なり! オン・ビシビシ・カラカラ・シバリ・ソワカ」
悪を縛り屈服させる縄・羂索を持つ不動明王の呪文。不動法の一つ。
綱状あるいは綱状の呪力を放ち、対象の動きを拘束する。対象は人間だけではなく、霊災の拡大を防ぐためにも用いられる。
汎式の中でも高い汎用性、使い勝手の良さを誇り、ほとんどのプロがこの呪術を習得しており、アレンジのしやすい呪術でもあるためバリエーションの幅がとても広い。
例を挙げると、手印や詠唱の省略、散弾のごとく放ち対象の各部位を拘束、複数の呪壁と連動、他の呪術の布石としての運用、相手の展開する呪壁ごと束縛、外より内への霊的効果の重視…など様々。
転法輪印、呪縛印を組みながら呪文を唱える。
また呪文も別のバージョンがあり、それは以下の通り。
「緤べて緤べよ、金剛童子――オン・ビシビジ・カラカラ・シバリ・ソワカ!」
上記のパターンの呪文は、式神にかけられた呪術の束縛をほどくために使用された。
使用者:祓魔官(アニメ1話)、大友、藤原、美代、江藤、京子、夏目、鈴鹿、弓削、春虎、夜叉丸、山城、宮地、理妟、木暮、蜘蛛丸、飛車丸、夕佳、日奈
使用巻:2、3、6~15、EX2、4、SOS1
アニメ:1、15、22
分類:汎式
- 九字
「臨、兵、闘、者、皆、陣、列、在、前――!」
大陰陽師・蘆屋道満に由来する紋様・ドーマンの呪術。
縦に四本、横に五本の格子紋を空中に走らせ、それを呪壁として活用する。またこの紋様には魔を祓う力があり、霊体への攻撃手段としても用いられる。
上記の呪文を一字唱えるのに合わせて手印を結び、それを九度行うことで呪術が発動する。
九字には様々な形式があり、汎式では修験道のそれが採用されている*14。
使用者:大友、冬児
使用巻:6、11
分類:汎式
- 早九字
「臨! 兵! 闘! 者! 皆! 陣! 列! 在! 前!」
ドーマンの呪術の略式。効果は九字とほぼ同じ。
上記の呪文を一文字唱えるのに合わせて刀印を切ることで格子紋を描き、呪術を発動させる。
またこれにはさらに略式があり、五指をもって引っ掻くように格子紋を切るパターンがある。この場合、詠唱は省略される。
使用者:春虎、鏡、多軌子、D(アニメ版のみ)
使用巻:3、8、9、11、14
アニメ:7、14
分類:汎式
- 蛇避けの呪
「――ひがしやまつぼみがはらのさわらびのおもいをしらぬかわすれたか――」
獰猛な蛇を遠ざけ、毒ある牙より身を護る呪文。
超音波のような波動を発生させ、蛇に浴びせ絶命させる。
作中の描写より生きている蛇だけでなく、式神のような霊的存在の蛇にも効果がある。
手印を結び、上記の呪文を唱えることで発動する。
使用者:大友
使用巻:6
分類:不明
- 天狗経
「南無大天狗小天狗十二天狗有摩那天狗数万騎天狗、先ず大天狗には、愛宕山太郎坊、比良山次郎坊、鞍馬山僧正坊、比叡山法性坊、横川覚海坊、富士山陀羅尼坊、日光山東光坊、羽黒山金光坊、妙義山日光坊、常陸筑波法印、彦山豊前坊、大原住吉剣坊――」
「――総じて十二万五千五百、所々の天狗来臨影向、悪魔退散所願成就、悉地円満随念擁護、怨敵降伏一切成就の加持っ、おんあろまやてんぐすまんきそわか、おんひらひらけん、ひらけんのうそわか!」
六道より外れた魔縁にして、霊峰を聖域たらしめる山神の化身・天狗の呪術。
四十八の大天狗から始め、日本各地におわす全ての天狗に祈りを捧げ、呪力を練り上げる。
作中では烏天狗の強化、および二つ銘則宗に大威徳法の呪力を収斂するために唱えられた。
二つ銘則宗はこの祈祷文にも登場する日本八天狗の筆頭たる愛宕山太郎坊の加護を受けた神刀で、天狗経はその神通力を高めるのにうってつけの呪術である。
また愛宕山太郎坊と大威徳法の間にも、伝説上の因縁がある。
清和天皇の母である染殿皇后にとりついた魔縁の太郎坊を、天台宗の名僧・相応が大威徳法の霊験をもって屈服させたというものだ。
そして太郎坊はそれを機に天狗道より解脱し、以降は仏道に帰依するようになったと言われている
愛宕山太郎坊は崇敬を集める修験道の尊でもあり、その霊威を纏う二つ銘則宗は大威徳法とも霊的親和性が高いとされている。
この祈祷文は江戸時代に書かれた真言行者祈禱秘経という書物に記されている。この書物自体は密教系だが、天狗経のルーツは石鎚山*15の修験道にあると言われている。
使用者:木暮
使用巻:6
アニメ:1、14
分類:不明
- 神鞭法
「サラティ・サラティ・ソワカ―――オン・マリシエイ・ソワカ」
武の加護をもたらす天尊・摩利支天の呪術。
呪力の鞭を形成する呪術。これを対象に叩きつけることで、強い霊的な衝撃を与える。
人差し指を親指でたわめて弾く弾指という仏教の行法を3度行い、上記の呪文を唱えることで発動する。
ただこの呪術を用いた場面では同時に摩利支天の結界も張っており、上記の呪文が神鞭法だけでなくそちらの発動を兼ねていた可能性もある。
使用者:大友
使用巻:9
アニメ:23
分類:不明
- 魔界偈
「天魔外道皆仏性、四魔三障成道来、魔界仏界同如理、一相平等無差別」}
一切衆生にある仏性を説く涅槃経の一文。まかいげ。
悪魔外道の障害を除くされ、霊災に高い効果を発揮する。
使用者:陰陽将校
使用感:15
分類:帝式
神道系の呪術
- 最上祓い
「――高天原 天つ祝詞の太祝詞を持ち加加む呑んでむ。祓え給い清め給う――」
天に意を奏上し、けがれを清める祝詞。
陰と陽、五行などの種々様々な気の偏りを削ぎ、あるいは逆に不足を補いならし、周辺一帯の霊的な浄化を行う。
上記の祝詞を唱え、柏手を打つことで呪術が発動する。
使用者:夜光、長官
使用巻:10、14
分類:不明
- 御霊振
「一、二、三、四、五、六、七、八、九、十――」
「――布留部、由良由良止、布留部」
皇室にて行われる儀式・鎮魂祭にて用いられた呪法。また玉振りの術という呼称もある。
魂に関わる禁呪であり、極めれば死者すら蘇らせるとされる。作中では転生した魂を覚醒させるために用いられた。
用意した十個の玉を振りながら、布瑠の言と呼ばれる上記の呪文を唱えることで発動する。
日本の史書である先代旧事本紀や、律令の解説書である令義解では十種の神宝 *16を用いた秘儀とされている。前述した十個の玉はこの十種の神宝の見立てとして用いられている。
使用者:多軌子、夜光
使用巻:8、16
アニメ:19、20
分類:帝式
- 八幡神の称名
南無八幡大菩薩――
古来より武の象徴として英傑たちに奉じられてきた皇祖神・八幡神こと八幡大菩薩の称名(しょうみょう)*17
術者を中心に全方向へと霊気を放出し、周囲に存在する術や式などを吹き飛ばす。
霊力を呪力に変換する術式が多い本作では珍しい、霊力そのものを扱う術。作中では呪術よりもっと以前の原始的な技と描写されている。
上記の呪文を唱え、足踏みや柏手を打つことで発動する。
八幡神は武神であり、そのためこの呪文は呪術者より武芸者に多く唱えられてきた歴史がある。
彼らは戦場での武運を願い、また自身を鼓舞するために、この呪文をもって八幡神へと祈りを捧げてきた。
使用者:八瀬童子、夜叉丸、蜘蛛丸、相馬章輔
使用巻:7~9、SOS4
アニメ:16、20、22
分類:不明
- 八目の荒籠鎮めの呪詛
「此の竹葉の青むが如、此の竹葉の萎むが如、青み萎め!またこの塩の盈ち乾るが如、盈ち乾よ!また此の石の沈むが如、沈み臥せ!」
古事記の応神天皇の項に登場するいにしえの呪い。
母神が兄弟神のいさかいを治めるために、この呪いを用いた。やつめのあらこしずめのとこい
本来この呪術は神話にのみ登場するもので、近代のどの呪術系統にも残されていなかった。
これは十二神将の一人が対D用の切り札として独自に再現したもので、そのため術式自体はほぼ現代のオリジナルと言っていい。
被せた籠をもって対象を封じ込め、その密閉された空間を陰の気による呪詛や高温の熱風で満たし、対象を蹂躙する。
詛戸(とこいど。笹の葉にくるまれた小石)に一つまみの塩をかけ、上記の呪文を詠唱することで発動する。
この呪術の発動には籠が必要であり、作中では呪符の紙片や呪術などを籠の見立てとして用いている。
この呪詛を破るには術者の置いた詛戸を返さなければならないが、相手はこの呪術の籠によって閉じ込められているため、独力でそれを返すことは極めて難しい。
使用者:大友、鏡、夜光
使用巻:6、9、14
アニメ:14、23
分類:オリジナル
- 蟇目神事の神言
「ひふみよいむね、こともちろらね、しきるゆいとは、そはたまくめか!」
弓矢を用いて邪を退散させる神事にて唱えられる呪文。
作中では火気を矢の形状に収束するために用いられた。
本来の神事では鏑矢を射て、その音色を用いて魔を祓う。
弓をつがえる構えをとり、上記の神言を唱えることで発動する。
またひふみ祝詞というものがあり、それは上記の呪文にとてもよく似ているが、関連があるかは不明。
使用者:飛車丸
使用巻:9、14
分類:不明
- 遠当法
「あんたりをん、そくめつそく、びらりやびらり、そくめつめい、ざんざんきめい、ざんきせい、ざんだりひおん、しかんしきじん、あたらうん、をんぜそ、ざんざんびらり、あうん、ぜつめい、そくぜつ、うん、ざんざんだり、ざんだりはんっ!」
帝式にある神仙道系の呪文。
対象の空間に物理的衝撃を見舞い、相手を殺傷する。
上記の呪文を唱え、結びに柏手を打つことで発動する。
使用者:大友
使用巻:6
分類:帝式
- 邪気祓い
「神火清明、神火清明、神火清明―――」
瘴気を火をもって祓い清める呪法。
火打石で切り火をしながら詠唱する。
使用者:陰陽将校
使用感:15
分類:帝式
その他
- 呪詛返し
術が破られた際に生じる現象、およびそれを利用した技。
呪術とは制御された呪力であり、そのコントロールが破られれば、力は術者へとリバウンドする
特に呪詛は怒りや恨みといった負の霊力を利用している関係上、効果がより顕著に出る。
使用者:京子、シェイバ、金鬼
使用巻:2、7、SOS1
アニメ:5
- 咆哮
呪力の込められた咆哮。
鵺や鬼、烏天狗や龍などの霊的存在たちの鳴き声はそれだけで一つの呪術であり、高い霊的効果を持つ。
彼らの咆哮は対象の術式あるいは霊体に作用し、場合によっては物理的影響力すら持つ。
霊災である鵺の咆哮は瘴気を帯び、周囲の霊体を毒のごとく侵し、ダメージを与える。
式神として使役される烏天狗の声は対象の感覚を惑わし、術式を大きく掻き乱す。
また複数をもって包囲し、互いの鳴き声を反響させ合うことで、呪術に対するジャミングとしても機能する。
使用者:鵺、黒龍、獺祭、醴泉、鳳凰美田、北斗、ゴズ、メズ、冬児、ゼンタロー
使用巻:3、6、9、11、14、EX4
分類:なし
- 霊的存在たちの呪術
ここでは式神などの霊的存在たちの特殊能力を紹介していく。
霊狐は狐火を操り、烏天狗は風を巻き起こし、また呪力の礫を対象へと投擲する*18。
水鬼は水の奔流を駆使し、風鬼は木気の風を自在に起こす。
“ある鬼”の生成りである冬児は第三封印を解除することで、鬼気の炎をその身に纏うようになる※
使用者:コン、黒龍、獺祭、醴泉、鳳凰美田、冬児、水鬼、風鬼
使用巻:2、3、5~7、9~14、SOS2~5
分類:なし
※ 13巻ネタバレ
茨城県常総市の西福寺という寺院には、将門公を祀る炎石と呼ばれる碑がある。
逸話では夜中にこの碑を運び出そうとした旗本が、碑より噴出した火炎に恐れをなし、逃げ帰ったと言われている。
- 金気の風
金気に属する風の呪術。
作中では術者の呪力を反映してか、漆黒の色合いを帯びている。
刀印を薙ぐように振るうことで呪術が発動する。
また続いて墨痕のような呪印を描くことで相生が起こり、漆黒の呪水が生まれる。
使用者:D、夜光
使用巻:6、9、11、13
分類:不明
- 百鬼夜行
フェーズ4・百鬼夜行を引き起こす、道摩法師の呪術。
両の手をもって二つの呪印を描き、自身の式神である牛頭鬼・馬頭鬼の影を呼び出す。
それらの放つ鬼気を用いて周囲の霊気を歪め、フェーズ4を発生させる。
使用者:D
使用巻:6
分類:不明
- 蛇の呪術
自信の杖を細かく裂き、獰猛な蛇に変える呪術。
式符を用いてはいないが、おそらくこの蛇は現代で言う簡易式に相当するものと思われる。
使用者:D
使用巻:6
分類:不明
- ×印の封印
霊力や見鬼を封印する呪術。
対象の霊力量を制限、あるいは完全にゼロの状態にする。またより厳しい封印だと、見鬼に対しても作用するものもある。
文字の出現以前、古墳時代の土器や埴輪にも×の印は見られ、この模様には古来から封印の意味があったと考えられている。
また子供のお宮参りの時に鍋墨や紅などで額に「×」「犬」「肉」を書く「あやつこ」という魔除けの風習があり、これもモチーフの一つかもしれない。
対象の額に×のタトゥーを彫り、術式をその霊体に刻むことで、封印が機能する。
使用者:長官
使用巻:なし
分類:不明
- 幻術
「――光を閉ざせ、夜よ、闇よ。暗黒の帳を下ろせっ。喼急如律令!」
対象を惑わす対人呪術。
また単に惑わすだけでなく、より深く幻術にかかると見当識を失い、対象は意識を奪われる
また霊的存在は人間と異なるため幻術にはかかりにくい。
ちなみに上記の呪文は、呪符を用いて対象の視覚を奪ったときに唱えられたもの。
使用者:夏目、天海、大友、山城、D、千方
使用巻:5、7、9、10、14、EX4、SOS5
分類:不明
- 封印緩和
上記の霊力の封印を一時的に緩和する呪術。
封印に隙間を設け、そこに偽の術式を嵌め、その隙間を一定時間維持させる。
封印を解除する訳ではないが、これを行うには術式を騙す手管、言い換えればハッキングのような高度な技術が要求される。
呪文を唱え、対象の封印を自身の血で塗りつぶすことで、呪術が発動する。
使用者:大友
使用巻:6
分類:不明
- 天壇封印
「聖域を閉ざし、邪気を遠ざけん――天壇封印!」
泰山府君祭の祭壇・天壇を利用した結界。
祭壇内で丸鏡を掲げながら上記の呪文を唱えることで霊気が目覚め、鏡および天壇の四方を囲む鳥居から五色の光が立ち昇り、それらが消失すると同時に結界が形成され、光は丸鏡が黄、鳥居はそれぞれ黒、青、朱、白の色彩を帯びている。
この配色・位置関係は五行に対応しており、詳細は以下の通り。
木行:青、東
火行:朱、南
土行:黄、中
金行:白、西
水行:黒、北
使用者:美代、長官
使用巻:6、14
分類:不明
- 歩行法
歩行をサポートする呪術。
作中では義足の呪術者が、戦闘での立ち回りをスムーズにするために用いたもので、また他の呪術をもって歩行法の効力を増幅させることも可能。
複雑な形の印を描くことで、呪術が発動する。
使用者:大友
使用巻:6
分類:不明
- 筋力強化
呪力による筋力強化。
拳で戦う呪術者とかほとんどいないので、全然使用されない。
使用者:鏡
使用巻:3
分類:不明
- 木っ端微塵剣
「無闇滅法! 分別皆無! 木っ端微塵剣」
全天狗が泣いた神刀・二つ銘則宗の無駄遣い。
人間を跡形もなく吹き飛ばすほどの威力を込めた一撃。
ギャグ時空でなかったら即死だった。
使用者:木暮
アニメ:11
分類:不明
- 寝なくても平気な呪術
夏目が春虎のため用いた呪術その2。
最長一週間はいけるらしい。なお副作用は不明。やめてくださいしんでしまいます。
使用者:夏目(未遂)
使用巻:2
分類:不明
- 邪神召喚
「――えろいむえっさいむ、えろいむえっさいむ――えこえこあざらく、えこえこあざらく――」
「――ふんぐるい、むぐるうなふ――くとぅるふ、るるいえ――いあ! いあ! にゃるらとてっぷ、つがー!」
夏目が春虎のため用いた呪術その3。
春虎の風邪を治すために行われた儀式。だが生贄は春虎。&bold(){&color(springgreen){ああ!窓に!窓に!}。
高位の霊的存在につながるチャンネルを開く辺り、実はフェーズ5と関係があるかもしれない
ちなみに風邪の特効薬を開発できたらノーベル賞ものらしい。
あと漫画版のこの話は神回。邪教崇拝に傾倒していく可愛いょぅι ゙ょが見れるのは東レだけ!(宣伝口調)。
使用者:夏目
使用巻:5
分類:不明
- 『何が飛び出す? ドキドキ、一発ギャグ』の呪符
相手の心と体を操る恐るべき呪術。
この呪符に攻撃されたものは色々な意味で死ぬ。
呪符にセットされた内容は様々で、古いものから新しいものまである。当たりなんかないけど。
対象の精神に作用する点から、甲種言霊かそれに類する呪術がこの符に用いられていると思われる
ちなみに甲種言霊を文字に起こす技術は神扇・天海大膳のものであり、この符を作成した大友は彼の部下であった。なにこの無駄な背景。
使用者:冬児
使用巻:EX2
分類:不明
- 法華経
「若不順我咒、悩乱説法者、頭破作七分、如阿梨樹枝、令百由旬内、無諸衰患、若於夢中、亦復漠悩――南無妙法蓮華経!」
日蓮宗の法華経陀羅尼品にある悪霊退散の祈念文。
木剣と数珠を掲げながら、上記の呪文を唱える。
使用者:陰陽将校
使用感:15
分類:帝式
- 口寄せ
東北などに古くから伝わる、死者の魂を呼び寄せる儀式。
イタコのそれが有名だが、この呪術自体は現代では乙種に分類される*19。
使用者:顕明
使用巻:15
分類:不明
- 逆神楽
「草も木も…我が大君の国なれば――……」
「――いづくか鬼の棲なるべし」
上記の歌を記した神剣・歌詠を用いた儀式。
かつて金鬼・風鬼・水鬼・隠形鬼の四体の鬼を率い、朝廷に反旗を翻した伝説の呪術者・藤原千方。
歌詠は、その千方を打倒した英雄・紀朝雄(きのともお)が振るっていた神剣である。
現代を生きる歌詠の主・八雲暁兎と、剣の巫女である紀之部夕佳と紀之部日奈。
陰陽塾の塾生でもある三人に、藤原千方を名乗る少年がこの逆神楽を持ちかけるところから東京レイヴンズ Sword of Songの本当の物語がスタートする。
逆神楽の決まりは以下の通り
1.他人に話してはならない
2.出てくる四鬼は一人ずつ。順番に一対一で戦う。ただし剣の巫女は例外とする
3.歌詠の主は勝利する度に宝を手に入れる。その分、次の戦いは有利となる
4.歌詠の主は一度でも負けてはならない。もし負けた場合、その時点で逆神楽は終わりとなる
四鬼と歌詠との戦いを通してこの神楽は進行していき、そして四鬼を全て倒すことで、歌詠の主は逆神楽から解放される。
※ SOS3巻ネタバレ
「ありがとう、歌詠の主よ。逆神楽は、いま、なった」
逆神楽の真の目的は、四鬼の開放である。
かつて紀朝雄と彼に付き従う剣の巫女たちに敗れ、宝具によって本来の力と姿を奪われた四鬼たちを、歌詠を以てその封印を解いていくことこそがこの儀式の本質である。
神楽とは、本来は神をまつるために奏される舞楽のことを言う。
逆神楽。この言葉の冠に「逆」の字があるのは、この儀式は神ではなく“鬼”をまつるために奏される剣舞だからなのかもしれない。
逆神楽が終わり、四鬼は復活。
呆然とする暁兎たちに、千方は新たな呪術・歌神楽※の始まりを告げる。
※ SOS5巻ネタバレ
- 歌神楽
「…草も木も…天地(あまつち)発(ひら)き…在るならば人住むが如(ごとく)鬼とて住まん…!」
互いの宿願を詠んだ歌を二本の歌詠にそれぞれ刻み、歌を競い合わせる神事。
歌詠は剣の巫女の魂を得ることで真の神具となり、それを以て天の裁決を仰ぐ。
この呪術は謎が多く、その原理など不明なところがある※
大地の霊脈を非常に大きな規模で用いること、また神事という言葉から、フェーズ5に関わる呪術だったのかもしれない。
ちなみに古事記の冒頭には「天地初めて発(ひら)けし時」とあり、上記の呪文の一部はここからの引用だと思われる。
※ SOSは連載途中、雑誌が休刊し、掲載場所が変わるなどのトラブルがあった。
使用者:千方、四鬼、暁兎、夕佳・日奈、夜彦、紀朝雄、剣の巫女(古代)
使用巻:SOS1~5
分類:古式
※ ライトノベル「東京レイヴンズ」のスピンオフ漫画。略称はSOS
ちなみにこちらでSOSの一話が試し読みできる。
- 水気を用いた移動の呪術
水鏡のような場を展開し、その鏡の上に乗った者を指定の場所へと移動させる。
術理は不明だが、おそらく禹歩と同じく霊脈を用いているものと推測される。
使用者:水鬼
使用巻:SOS4・5
分類:不明
技術
ここでは各呪術における共通する技術の傾向などを述べていく。
相生・相克
五行にはそれぞれ関係性があり、活性化させるものを相生、殺すものを相克とされる。
相生、あるいは相克は通常の符術より難しく、プロかそれに準ずるレベルでなければ扱うことは難しい。
符術以外に真言などでも五気に関する呪術はあり、それらを以て相生・相克を行うことも可能。
- 水生木
「水流の如く迫り木梢を伸ばし捉えよ! 喼急如律令!」
水気による木気の増幅。
水は木々を潤し、その生命力を高める。
使用者:大友、春虎、夏目、鏡、山城、夜光
使用巻:6~15
分類:汎式
- 木生火
「宝具よ。鬼の木気を破魔の火気に変えたまえ――五行相生、木生火!」
木気による火気の増幅。
木々を糧にすることで、炎はその勢いを強める。
また他のバリエーションとして、雷火が弾ける高熱の黒煙を発生させる相生もある。
使用者:大友、春虎、鏡、天馬、京子、夏目、霧夫、夜彦
使用巻:6、7、9、12、14
分類:汎式
- 火生土
「炎を導き、灰を地に帰せ! 火生土! 喼急如律令!」
火気による土気の増幅。
火は灰を残し、灰はやがて凝り土気を生じさせる。
また他のバリエーションとして、烈火を土中に潜らせ溶岩の噴出を導く相生もある。
使用者:春虎、鏡、夜光、夕佳
使用巻:7、14、SOS5
分類:汎式
- 土生金
「――土精を食みて金剛の如く硬く断て! 喼急如律令!」
土気による金気の増幅。
金属は地中で熟し、鉱床が形成される。
また十二支も五行に対応しており、土行である龍と金行である鳥の式神を用いた土生金の相生も存在する。
使用者:多軌子、夏目、山城
使用巻:8、10
分類:汎式
- 金生水
金気による水気の増幅。
大気に潜む水は、金属によって冷やされ露を結ぶ。
使用者:大友、D、夏目、夜光
使用巻:6、8、9
分類:汎式
- 五行変転
「五行変転、符呪の舞――喼急如律令!」
三つ以上の五気を用いた相生。
使用者:大友、春虎、夏目、鏡
使用巻:6~9、12、14
分類:汎式
- 土剋水
「黒き水魔を堰き止めよ! 喼急如律令!」
土気による水気の打破。
水は土中に沈み、流れを散じさせていく。
使用者:呪捜官(1巻)、大友、春虎、飛車丸、夜光、夕佳、日奈
使用巻:1、6、7、15、SOS2
分類:汎式
- 金剋木
「五行の理をもって、鋭なる金気、沌せし木気を滅さん! 金剋木! 魔瘴退散!」
金気による木気の打破。
しなやかな樹木は、鍛えられた鋼によって両断される。
使用者:木暮、夏目、多軌子、光泰の妻
使用巻:1、7、8、16
分類:汎式
- 水剋火
水気による火気の打破。
水は熱を鎮め、火の勢いを奪う。
使用者:夜光、飛車丸
使用巻:6、8~10
分類:汎式
- 木剋土
「――目覚めよ地中の精! 木剋土!」
木気による土気の打破。
植物は己の生育のために、大地を贄にする。
この土気を剋するという点から、地震は五行における木行に含まれている。
使用者:夏目、宮地
使用巻:4、14
分類:汎式
- 火剋金
――待たせたな。
「火剋金! 喼急如律令!」
火気による金気の打破。
火の灼熱によって、金鉄はその形を失う。
使用者:大友、春虎、夏目
使用巻:6~8
分類:汎式
その他の技術
- 共鳴増幅
互いの霊気を共鳴させ、呪力あるいは見鬼の感度を増幅させる。
作中の描写より、双子の呪術者だけが可能な特殊技能の模様。
使用者:夕佳・日奈、白蘭・玄菊
使用巻:12、SOS1、3
- 霊脈干渉
世界にある霊気の流れ、霊脈に干渉する技術。
毘沙門天の真言、牛頭天王の真言はここに該当する。
護法封じは敵の術者と式神の間にある霊気の流れを遮断するものであり、大地の霊脈に干渉する上の二つとは技術の傾向がやや異なると思われる。
他にも禹歩対策として霊脈の流れを乱す、霊脈そのものを捻じ曲げる、土行符を用いて霊脈にトラップを仕掛ける、また霊脈を噴出させて攻撃に転用する呪術などがある。
風流なものでは霊脈を集中させ、樹木の活力とし、花を開かせるものもある。
また泰山府君祭や禹歩なども広義には霊脈干渉の呪術であるが、ここでは分類外とさせていただく。
使用者:六人部、多軌子、D、星宿寺の僧、木暮、蜘蛛丸、夜叉丸、夜光、千方
使用巻:3、8~14、SOS2
- 式符以外を形代にした簡易式
簡易式の形代には通常式符が用いられる。
だが上位の呪術者たちの場合、式符以外のものを形代にして式神を生成することができる。
天海は呪詛の符を簡易式に仕立てあげ、Dは縦に裂いた自身の杖を無数の蛇に変え、夜光は土行符を1尺(30cm)ほどの金釘へと変化させた。
また4巻の簡易式のアマガエルは、天馬曰く水行符を形代にしている可能性があるらしい。
使用者:大友、天海、D、夜光
使用巻:4、6、7、14
- 自分以外を対象にした隠形術
隠形は自身だけでなく他者や物、もしくは空間や場所自体にかけることができる。
戦闘では特に呪符や式神を隠形させ、対象に奇襲をかけることがある。
使用者:六人部、夏目、大友、天海、山城
使用巻:3、4、6、7、9、10、14
- 複数の式神の有機的連携
多数の式神を連携させる技術。
遠隔操作する場合は、司令塔となる式神が他に用意される。
夜叉丸は検知式であるモデルWI2アウルアイを司令塔に、10体のモデルWA1スワローウィップを操作する。
滋岡はモデルML28迦桜羅を司令塔に、数十体のモデルG1仁王改とモデルG2夜叉改を部隊規模で展開し、霊災を殲滅する。
鈴鹿は50体以上の種々様々な動物の簡易式を、多軌子や夏目も20体以上の鳥の簡易式を操る場面があるが、彼女らは式神の連携面でそれほど優れた描写が見られなかったため、ここでは除外させていただく。
使用者:夜叉丸、滋岡
使用巻:9、12、14
- 式神を用いた呪術
式神の霊気、あるいは術式を用いた呪術。
百鬼夜行や烏天狗の咆哮によるジャミングが該当する。
他にも髭切の霊力を用いての呪術のブースト、龍の水気を用いた木気の相生、龍の飛行の軌跡を用いて印を描く修祓呪術、鴉羽や月輪を用いた呪術などがある。
使用者:D、鏡、夏目、木暮、夜光
使用巻:6、8~12、14、15、EX3
- 魂の呪術
対象の魂に干渉する呪術。
泰山府君祭、御霊振はここに該当する。
他にも対象の姿を変える際に魂へと干渉しカムフラージュを行うもの、式神を用いて死者の魂を肉体に繋ぎとめるもの、自身の霊体を媒介に魂を憑依させる、呪具である巻物に対象の名を刻むことで魂を封じる呪術などがある。
使用者:鈴鹿、比良多、早乙女、夜光、長官、夜叉丸、蜘蛛丸、多軌子、D、顕明、佐月、千方
使用巻:1、3、6、9、13~15、SOS1、5
- 結界固定の解除
結界の固定を解いて動かす技術。
展開した結界を放射し周囲の術式を一掃する、対象に向けて投射し攻撃に転用するなどの用法がある。
また弓削は複数の結界を動かし、敵の呪術を吸収する壺のような形状にして運用した。
使用者:江藤、春虎、弓削、夏目
使用巻:7~10
- 霊災の発生
霊的災害を発生、あるいは促進させる技術。
霊災は霊脈と関係が深く、そのため上記の霊脈干渉と共通する呪術が多い。
牛頭天王の真言、百鬼夜行はここに分類される。
他に特殊な陰の呪力をもって対象の五気を穢し霊災に近い状態に陥らせる、霊災を発生させる呪具の作成、口寄せで鬼を作る、などがある。
使用者:D、六人部、多軌子、夜光、顕明
使用巻:3、6、7、12~15
- 呪力同調
「――代なる形なれば、而して主なり。破れいっ」
対象の呪力と自身の呪力をシンクロさせ、術式に干渉する技術。
上記の呪文は敵が張った結界を、その敵の式神の一部を媒介にして術式の上書きを行ったときのもの。
他に作中では金剛五如来の五行連環を、五大明王の五行連環を用いて同調させ無効化した。
また小咒、慈救咒、火界咒、不動金縛りなどは全て不動明王の系統に属する呪術であり、これらがぶつかった際も呪術干渉が生じる。
基本的にはどちらか一方に吸収されることが多いが、上位の呪術者であればその現象を逆手にとることも可能。
使用者:D、多軌子、大友、夜光、木暮
使用巻:6、8、9、14、EX4
- 手順の簡易化
手印や詠唱を省略して、呪術を発動させる技術。
作中では不動金縛り、早九字、火界咒などが簡易化されて用いられた。
簡易化が行われるのは汎式がほとんどであり、帝式で省略されたケースがあるかどうかは微妙
上記の他に胎蔵大日如来の真言で、手印の省略が行われた。
また雷法のサポートを専門とする高等人造式がおり、それを用いることで簡易化を図っている。
使用者:大友、鏡、弓削、千鶴、夏目、長官、山城
使用巻:2、3、8~12、14
追記・修正は陰陽Ⅲ種を取得してからお願いします
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▷ コメント欄
- 東レの項目作成しました。結構あやふやな部分も多いと思うので、何か間違ってる部分があればご指摘お願いいたします。あと公式設定集の発売はよ。 -- 名無しさん (2016-10-11 02:11:26)
- よくぞここまでまとめた。立て主さんおつかれさんです。 -- 名無しさん (2016-10-11 18:05:35)
- この文章量やり過ぎィ!(歓喜 立て主乙と言わざるを得ない。しかしこうしてまとめられたのを見ると、東レはしっかり拘って作られてるのが分かるなあ。 -- 名無しさん (2016-10-11 19:59:31)
- これは凄い。 -- 名無しさん (2016-10-12 23:33:24)
- 何たる情報量。ここまでするのは大変だったでしょう、お疲れ様です -- 名無しさん (2016-10-12 23:41:58)
- ここの東レの関連項目は(何故か)やたら充実してるのに作品自体の項目はないのな… -- 名無しさん (2019-11-12 20:39:17)
- いや、あったわw -- 名無しさん (2019-11-12 20:39:52)
- この項目を読んで初めて五行思想の相生・相克が理解で来たんだよな。 -- 名無しさん (2021-10-22 02:46:30)
#comment
*2 この名称は、空海が東寺を真言密教の根本道場としたことに由来している
*3 EX2巻P275参照
*4 14巻P191,464
*5 呪詛式は禁呪であり、そのため汎式に組み込まれている可能性は低いと思われる
*6 9巻ネタバレ
*7 太陽が黄道上のどの位置にあるかを表したもので、この指標は西洋の黄道十二星座とも対応している
*8 北極星を中心とする星や星座を元に作られた象徴体系
*9 7巻P71参照
*10 相殺手段として用いられた際は小咒側の呪力が勝っており、逆に慈救咒側の呪力が勝っている場合、同様に相殺するかは不明
*11 金剛界の大日如来の結ぶ印。羯磨印(かつま――)とも言う。胸の前で、左手を拳に握って人差し指だけ立て、それを右手で握る。忍者がドロンするときの手の形。アイエエエ
*12 六つの顔、腕、足の意
*13 仏教の手印の一つ。禅を行う時よく組まれる。一休さんがポクポクしてるときの手の形
*14 7巻P369
*15 四国愛媛県の霊峰。日本七大霊山の一つ。奈良時代より続く修験道の修行場で、役小角や空海もここで自身の験力を鍛えたと伝えられている
*16 饒速日命が天より降る際に、天神御祖から授けられたとする宝物。内訳は鏡2種、剣1種、玉4種、比礼(一種のスカーフ)3種となっている
*17 仏を心中に念じ、その名を口に称(とな)えること。唱名とも言う
*18 天狗の名がついた自然現象・怪奇現象に天狗風・天狗礫という言葉がある。
*19 原作7巻P158
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