Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀

ページ名:Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀

登録日:2016/10/10 (月) 00:17:28
更新日:2024/01/29 Mon 11:00:11NEW!
所要時間:約 41 分で読めます



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驚 天 動 地


超 絶 武 侠


雷鳴、閃光、天地揺るがす轟きを鳴り物に物語は幕を開ける。
晴天にあって、霹靂を聞くかのごとき驚天動地の幻想奇譚――。




概要

『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀(サンダーボルトファンタジー トウリケンユウキ)』とは、2016年7月から9月までテレビで放送されていた日本、台湾共同で製作された人形劇。
放送されていたのはTOKYO MXの金曜23時~23時半の、いわゆる深夜アニメゴールデン枠。


さて、普通人形劇と言えば、NHK教育テレビで放送された『三国志』や『里見八犬伝』など、歴史武侠劇が馴染み深いだろう。
しかし、人形劇ゆえの「作り物」臭さに苦手意識を持つ人も少なくないはずだ。
だが、この作品で携わっている台湾の伝統芸能「布袋劇」は、衣装から小道具に至るまで精巧に作られた人形だけでなく、
アクロバティックなバトルシーン、爆発、光、果てには人体破壊のエフェクトまで手の込んだ作り込みで、アニメと遜色ないほどの迫力を見せている。
メイキングシーンを見ると操者が人形を雑にブン投げているだけだったりするのも見所。
このハイクオリティな人形劇を製作したのは、台湾で布袋劇制作会社のトップに立つ霹靂社。かつては台湾のレンタルビデオの10%を占めたほどの大会社である。


そして、今作を企画し、脚本、総監修を担当したのは、ニトロプラス所属で、『吸血殲鬼ヴェドゴニア』等のゲーム、『Fate/Zero』等の小説、『魔法少女まどか☆マギカ』等のアニメ、特撮作品『仮面ライダー鎧武』など、多数の人気作を手掛けた虚淵玄
かつて台湾で布袋劇に出会ったことがきっかけで、日本でも布袋劇を広めたいという思いが強まり、本作の企画をグッドスマイルカンパニーに持ち込んだという。
今作は、虚淵氏の初期の名作『鬼哭街』を彷彿とさせる武侠劇という原点に立ち返り、『まどマギ』で馴染んだ、「バッドエンド作家」虚淵とは別の側面を押し出した。
迫力のバトルシーンだけでなく、一癖も二癖もある強烈なキャラ、会話を中心とした策謀劇など、「虚淵節」が利いた先の読めない展開が多くの視聴者を惹きつける。


キャラクターデザインにはニトロプラスの三杜シノヴ、源覚、Niθ、中央東口が担当。
公式サイトや円盤特典には各作家によるイラストも掲載している。
音楽は『ALDNOAH.ZERO』や『進撃の巨人』の澤野弘之が担当。
サンジゲンによるCGエフェクトも加わっている。
主題歌はT.M.Revolutionの『RAIMEI』。これが流れるOPでは本編同様の迫力の人形劇を見せるが、内容は割とOP詐欺だったりする。



2017年12月には外伝小説(殺無生、刑亥の過去を描いた2本の中編収録)を原作とした『殺無生編』と後日談の『殤不患編』を収録した映画『生死一劍』が公開。
さらに、2018年に続編となる第2期が放映、続いて2021年には3期も放映される長期人気シリーズとなった。
また、3期のラストに続く続編の制作もアナウンスされている。



ストーリー

かつて魔界の軍勢と人間界が争った戦において、人間たちによって鍛造され、無双の力を発揮した数々の武器である「神誨魔械シンカイマカイ」。


戦の後、数多の神誨魔械は護印師らによって長く守られてきたが、その中でも護印師の「丹衡タンコウ」「丹翡タンヒ」兄妹によって守られてきた最強の武器「天刑劍」が、今まさに「蔑天骸ベツテンガイ」率いる悪の手に落ちようとしていた。
蔑天骸の追求から逃れる途中、丹翡は偶然にも「凜雪鴉リンセツア」「殤不患ショウフカン」の両名と出会い、その助力を得ることに。


奇縁により導かれた3人は、新たに加わる個性豊かな仲間たちと共に各々の思いを抱き、蔑天骸の居る七罪塔を目指すこととなるのであった。
(公式サイトより)



…しかし、七罪塔に到着後、物語は急転。様々な思惑を抱え、本性を表し始める「仲間」たち。果たして、最後に笑うのは誰だ?






登場人物


≪主要キャラ≫


  • 凜雪鴉(リンセツア)

「これ、そこな旅の人。まさかその傘を奪うつもりではあるまいな?」
CV:鳥海浩輔
こいつが主人公という時点で正直おかしいが主人公。
気品漂う謎めいた美しい旅人。
博識かつ知略に富んだ策略家であり、旅の一同を纏め上げる。
煙管を携帯し、煙による幻術を得意とする。
偶然知り合った丹翡の使命を察知し、彼女の旅に同行することを志願。
これまた偶然知り合った殤不患を引き入れ、各地の様々な曲者を口八丁で仲間に引き入れ、蔑天骸の本拠地七罪塔の攻略作戦を練る。
旅の仲間には鬼鳥キチョウと名乗るが、そのあまりの胡散臭さで殤不患には不審がられ、刑亥と殺無生には恨みを買われているなどとにかく不審さしかない男。

掠風竊塵リョウフウセツジンの異名を持つ、悪名名高き神出鬼没の大盗賊。
物品を盗むことそのものよりも、「狡猾で傲慢な悪党から盗みを働き、その鼻っ柱を折って誇りを傷つける」ことに何よりの生きがいを見出し、そのためなら第三者を利用する事も厭わない根っからの外道である。
(善人を狙うことはないが、では善人に迷惑をかけないかというとそんなことはまったく無い
蔑天骸に「10秒見て、5秒触れば寸分違わぬ贋作を作り上げられる」と言わしめる精巧な贋作製作者としての顔も有する。


また、最終回では天刑劍をもつ蔑天骸を圧倒。
しかも「おいおい力みすぎて(天刑劍を)折ってくれるなよ」との余裕を見せつける作中最強の剣の腕の持ち主。
でも本人曰く「剣の道には飽きた…」という理由で剣を窮めようとしていない。
曰く、剣の道は窮まれば真理に通じ若かりし頃はそれも良いかと思ったが、ある時「我が魂の愉悦は"偽り"と"欺き"の中にこそある」と気づいたから。
そして目的通り蔑天骸の鼻っ柱をへし折ることに成功したが、最後の最後で蔑天骸に死なれてしまい、悔しさにむせび泣く姿を見れなかったと劇中初めて激昂した。
その後は殤不患に改めて興味を持ち、危険な品を持つ彼を付け回せば自身が興味を示せる悪党どもも勝手に寄ってくるだろうと、付いて來るなと言われたにもかかわらず追っていく。


「困った時は友の手を借りる。それが人の世の倣いと言うものであろう?」


前作終了後より愉快なことを求めて殤不患を追っている。しかし何度追いついても逃げられるため、趣向を変えて帝の側近だと身分を偽り東離の警察機関・衙門に取り入っている。
曰く「殤不患なら行く先々で騒動を巻き起こすに違いない」実際当たっているが
その際再び鬼鳥キチョウの名を名乗っている。


薬毒についても心得があり、蠍瓔珞の毒を受け窮地に陥った殤不患の助力を申し出る。愉快を呼び込むエサに死なれちゃ困るからね


衙門を通じて知り合った西幽の捕吏(刑事)嘯狂狷に目をつけ、彼を誂うために暗躍する。
しかし追い詰められた彼が開き直って、魔剣を手に直接的に暴れまわる様になると露骨に不機嫌になって袂を分かった。


今回はその剣技を披露する機会が少なく、幻術を用いた策略を弄する事が多かった。
浪巫謠とは一時協力関係を結ぶも、会った当初からその本質を「悪」と見抜かれており、用が済むなり殺し合いにまで発展している。

技:天霜・煙月無痕[てんそう・えんげつむこん]



  • 刃無鋒ジンムホウ』 殤不患(ショウフカン)

「わかったよ。あんたは何も恥じなくていい。俺も本気出すからよ」
CV:諏訪部順一
もう一人の主人公というか、凜雪鴉が胡散臭すぎて初見ではこっちが主人公にしか見えない
東離の世情に疎く、西の国「西幽」から来たという流浪の剣客。二つ名は終盤にて捲殘雲が命名。
成り行きから出会った丹翡、凜雪鴉に巻き込まれる形で丹翡の使命に嫌々ながら同行する。
何かとぼやきの多い、斜に構えた皮肉屋だが、根はお人好しで人情深い。…おかげで貧乏くじを引きまくるが。
気功術・内勁の達人で、傷を癒やしたり掌底の一撃で鉄の檻を破壊するなどはできるものの、低級の死霊に苦戦するなど剣士としては今ひとつ。
――なのだが、第1話では「本気を出す」と宣言して殘凶を撃破しており、その強さには謎が多い。


西幽と東離は鬼歿之地と呼ばれる危険地帯を越えねば行き来できず、西幽から来たという彼の言は誰も信用していない。
他にも刑亥からは「いてもいなくても同じ、敵に回ってもどうと言うことはない」と言われ、殺無生からは「剣の技は無様」と言われ、狩雲霄からは「内勁はたいした物だ。しかし、それなりの達人ではあるが一流ではない。恐らく掌法か何かを極めた上で、何のつもりか剣士を装っているのだろう。」と言われ散々な評価。
その素性の知れなさで、他の旅の仲間からは小馬鹿にされる一方で不審に思われているが、素直な丹翡には「殤さま」と呼ばれ厚い信頼を寄せられている。


メイン主人公のはずの凜雪鴉の胡散臭さに比べ、キャラクターデザイナー曰く「格好良さよりも、彼と酒を酌み交わして色々話してみたい」という雰囲気。

刃がなく鉄ですらない、ただの木を銀色に塗っただけの木刀で戦い歩いてきた人物。
それどころか「愛刀」を手放した後も木の枝で鉄製の剣を穿ち、次々と玄鬼宗を殲滅、敵幹部も一撃で倒す猛者。
以前彼の刀を凜雪鴉が調べた際に驚愕する描写があったが、木製の人形劇という媒体のため視聴者は「剣に刃がついていなかったのではないか」程度にしか思っていなかった。まさか作中でも本当に木刀を持ち歩いていただけとは……。
(一応、彼が剣を扱う際に金属音がしていなかったという伏線はあったのだが)


なぜ木刀で戦うかについて捲殘雲へは「人を切るのは難儀なものだ。例えどんなに技を極めようと剣を軽々しく簡単に振うようになってはいけない」と諭し、「ただ俺くらい性根が俗物となると、常に自分を戒めてるのも面倒なんでな~。いっそ刃のついた剣など持ち歩かない方がいい」と言う。
ちなみに木刀そのものは「手入れがしやすくて軽い」とお気に入りらしい。
なお二つ名の刃無鋒(切れない刃≒なまくら)は、刹無生から剣に鋭さがないと言われた彼を揶揄し、捲殘雲が当てつけに名付けたものなのだが、彼の本質(いたずらに何かを切る意味が無いし、そもそも刃無しでも切ってみせる)には合致しており、また殤不患自身も気に入ってノリノリで名乗っている。


さらに、西幽において人心を惑わし天下を乱した魔剣・妖剣・聖剣・邪剣を36振りを回収し、『魔剣目録』という巻物に封印している。
悪魔祓いから神殺しまで何でもあり、最終回ではそのうちの一振り宇宙からやって来た刀工が作ったブラックホールソード』を使い、妖荼黎を封印した。
西幽からやって来たのは魔剣目録を悪人どもから守るために放浪していたところ、気がついたら鬼歿之地を越えて東離に着いていたとのこと。



全てに決着が着いた後は再び旅に出たが、凜雪鴉がちょっかいをかける気満々なことについては全く気がついていない。頑張れぼくらの殤不患おじさん。


「誰よりも強いのは、負けて生き延びた奴の仕返しに怯えたりしない奴だわな。ただの馬鹿とも言うかも知れんが。…な?俺は強ぇだろ?」


彼が東離にある護印師の砦の中でも屈指の守りを誇るといわれる仙鎮城を訪れ、『魔剣目録』を預けようとする所から物語が始まる。
第2期の主要人物は彼を追ってきた西幽出身者が多い。本来ならば人間に超えられるものではない鬼歿之地を、西幽の達人達が超えられる程度にしたのはだいたいこの人のせい。
その西幽では魔剣を悪用しようとした権力者から強奪した事など色々動いていた様で、「啖劍太歳」の悪名で名が通っている。


今回は指揮官としての才能も披露し、喪月之夜を持たされた際に操られた衙門の雑兵は達人集団と化し、嘯狂狷を一方的にぶちのめした。


1期では悪党一派である玄鬼宗が相手だったためか容赦なく斬り捨てていたが、
今回は話の流れ上傀儡とされた庶民や騙された役人を相手する事が多いので極力怪我をさせることがないように立ち回っている。

技:拙劍無式・八方氣至[せっけんむしき・はっぽうきし]
  拙劍無式・鬼神辟易[せっけんむしき・きしんへきえき]


  • 浪巫謠(ロウフヨウ)

「その眼差し、その息遣い、立ち振舞の全てが告げている。お前は『悪』だ!」
CV:西川貴教
『生死一劍 殤不患編』で登場。2期でも主要キャラを務める。
西幽では殤不患の相棒であった吟遊詩人。
聆牙を奏で音波を斬撃として放てる。
声に魔力が宿っており喋るだけで周囲に影響を与えるため、普段は寡黙に徹しており、楽器を奏でて感情を伝える。


かつてその歌を聞くために、庶民は悪事に手を染め*1、姫は『天籟吟者テンライギンジャ』と褒め称え最後には軍を動かした。
本気で歌えば龍の火炎をも押し返すほどの圧を発する。
更に耳もよく、目を閉じ視界を閉ざした状態で周囲の状況を把握、魔剣を持った蠍瓔珞を圧倒した。


類稀な『直感』を持ち、僅かな言動から相手の善悪を見極める事ができる。
凜雪鴉とは殤不患の解毒が済むまでは利害が一致していたため一時協力していたが、会った当初から『悪』と見做し斬る気満々だった。
更に諦空についても初対面で「生かせばこの世に災いをもたらす」と断じてその場で殺そうとした。実際いずれも当たっている
ただし後者については殤不患の前であっても問答無用で斬ろうとしたのに対し、前者は最終的に見逃している。


≪仲間達≫


  • 聆牙(リョウガ)

CV:小西克幸
浪巫謠が所持する魔琵琶。
彼の魔力を持つ声を浴び続けて自我を宿している。こっちはとてもお喋りで無口な浪巫謠に変わって説明したりするが、余計な事まで言う悪癖がある。
無作為にかき鳴らされるのが苦手で、余計な事を言っては浪巫謠にお仕置きされることもしばしば。
普段は琵琶の形をして実際に演奏する事もできるが、戦闘時には音波の刃を飛ばしたり、変形して刀剣になったりする。


  • 丹翡(タンヒ)

「私は鍛劍祠の護印師、丹翡と申します。どうか皆様、お見知り置きを」
CV:中原麻衣
天刑劍を祀る『鍛劍祠』を代々守護してきた「護印師」の一族の末裔の少女。
使用武器は霊力を帯びた翠晶鉄によって鍛造された丹家伝来の宝刀「翠輝劍」
天刑劍を狙った蔑天骸に追われ、兄を殺され柄を奪われ、凜雪鴉に御膳立てされる形でその敵討ちの旅に出る。
剣の腕は護印師の名に恥じず、丹輝劍訣の技を上達している。
プライドが高く使命を果たすことに誇りを持っているが、素直に他人を信頼し人間の善性を信じる正義感の強い性格。
反面、家の伝統や風習に固執する頑固で融通が利かない欠点も抱える。
自分の旅に同行してくれる6人の義士(笑)に感謝していたが…。
最後に捲殘雲と結ばれるが、木の枝で捲を叩きまくるSっ気を披露した。
技:丹輝劍訣・烈華誅夜[たんきけんけつ・れっかちゅうや]
  丹輝劍訣‧聖芒辟邪[たんきけんけつ・せいぼうへきじゃ]
  丹輝劍訣・灼彗馭虹[たんきけんけつ・しゃくすいぎょけい]


  • 寒赫カンカク』 捲殘雲(ケンサンウン)

「東離に轟く無双の丈夫!人呼んで寒赫こと捲殘雲の槍はここにあり!」
CV:鈴村健一
狩雲霄に弟子入りした若き槍使い。使用武器は長槍「騰雷槍」
東離で英雄として名を馳せることを夢見ており、英雄の誇りを掲げた狩雲霄を慕っている。
しかし、CVが鈴村健一なので、いじめられているようにしか見えない…。
お調子者で自信過剰な性格だが正義を貫く理想を高く持つ熱血漢。「刃無鋒(ジンムホウ)=切れない刃」の名付け親。
依頼主である丹翡に一目惚れし、彼女と心を通わせ合い最後まで彼女を守り抜くことを誓う。
最終話で念願かなって丹翡と結婚。しかし現実は甘くなく、尻に敷かれまくっている。
技:疾風迴旋[せんぷうかいせん]
  風雲龍撃[ふううんりゅうげき]←ごく普通の槍攻撃。調子づくと勝手に命名するらしい。
  蛟龍盤雲[こうりゅうばんうん]
  赫雷撼天[かくらいかんてん]


  • 睦天命(ムツテンメイ)

CV:東山奈央
劇場版『西幽玹歌』に登場。旅の女吟遊詩人。
卓越した音楽の腕と温厚な人柄を持ち、浪巫謠の閉ざされていた彼の心を開かせる程だった。
一方でその素性は謎だったが……


実は「啖劍太歳」殤不患の仲間で彼と共に神誨魔械を集めていた。
浪巫謠に近づいたのも彼の魔性の声を利用して警備を緩めて、神誨魔械を強奪する隙を作るためだった。
とはいえ、温厚な人柄も演技ではなく、彼を利用した事にも後ろめたさは感じていたようだが。


浪巫謠が殤不患と出会うきっかけを生んだ存在であり、殤不患共々その後の浪巫謠に大きな影響を与えた。



≪凜雪鴉の関係者≫


  • 鋭眼穿楊エイガンセンヨウ』 狩雲霄(シュウンショウ)

「既に死に場所が決したことを、貴様らは知るまい」
CV:小山力也
右目を眼帯で覆った弓の名手。使用武器は鋼の弓箭「銀牙」
東離で名の知れた英雄であり、歴戦を生き抜いた冷静沈着さで物事を見極める。
凜雪鴉とは古い馴染みで、彼の誘いから旅の仲間に加わる。
一方で、素性の知れない殤不患には人一倍疑い、彼の本性を見抜こうとする。

毅然とした英雄としての態度はただの偽装。
本性は金目当ての小悪党で、かつては英雄を志していたが今や誇りなど持っていないゲスである。
最期は妖荼黎の復活に恐れを覚え、再封印を訴えるも刑亥によって絞殺。死体は妖荼黎の眠る穴に落ちていった。

技:流星歩[りゅうせいほ]
  死門鏡影[しもんきょうえい]


  • 鳴鳳決殺メイホウケッサツ』 殺無生(セツムショウ)

「貴様の命運はこの殺無生の手の内にある……」
CV:檜山修之
左目を覆った冷酷非情の殺し屋。使用武器は双剣「鳳啼雙聲」
殺し屋の割にはヴィジュアル系な美形。OPでは殤不患のライバルのような扱いだが、特にそんなことはない。
凜雪鴉に激しい憎悪を抱き、彼を殺そうと付け狙っていたが、七罪塔攻略後自分の首を差し出すことを条件に出した凜雪鴉と手を組むことに。
天下無双の剣技の持ち主で、自分より強い相手には挑まずにいられない、剣客としての矜持を持つ戦闘狂。
なお殺し屋という設定だが、金で暗殺を請け負うという普通の殺し屋ではなく、趣味の道場破りを繰り返していたところ「うちを襲うなら先にあっちを襲ってくれ」と金で依頼されるようになり、気がつけばそれが稼業になっていたらしい。
脚本家曰く「クラウドファンディング道場破り代行業」

凜雪鴉とはかつては用心棒の関係を結んでおり、彼に友情を抱いていた。
ある時彼から剣の大会に出場し殺人から足を洗うことを勧められ、その大会で対戦相手を次々と斬り捨てていった。
しかし、それらは全て凜雪鴉が仕組んだ罠であり、「既に中止になった大会で見境なく暴れ、自分の師匠すらも斬り捨てた殺人鬼殺無生」の汚名を不動のものにされてしまい、育んだ友情すらも踏み躙られてしまった。


そんな凜雪鴉に憎悪を抱いた彼であったが、七罪塔にて剣の達人である蔑天骸に出会うと剣士としての誇りを優先し、彼との決闘を所望することとなる。
そして、蔑天骸の圧倒的な剣技によって打ち倒された彼は、仇敵である凜雪鴉に看取られ、蔑天骸によって丁重に弔われたのだった。

技:殺劫・百鳥朝鳳[さつごう・ひゃくちょうちょうほう]
  殺劫・黑禽夜哭[さつごう・こっきんやこく]


  • 廉耆(レンキ)

CV:山路和弘
凜雪鴉の盟友。
迴靈笛を所持し、旅に同行するはずだったが、偶然殺無生と出くわし、彼に見せしめとして殺されてしまう。しかも迴靈笛の音色は2流とコメントされる。
あの凜雪鴉の盟友なので、こいつも本性はロクなヤツじゃなかったに違いないというのが大方の視聴者の見解。



≪玄鬼宗≫

第1期の敵組織。
様々な宝剣魔剣を集めるべく東離を荒らし回る外道の盗賊集団。
本拠地は『七罪塔』。


  • 森羅枯骨シンラココツ』 蔑天骸(ベツテンガイ)

「この世において剣こそは力の証。何よりも揺るぎない真理の在り処」
CV:関智一
玄鬼宗の宗主にして、天下の聖剣、魔剣を収集することに執着する蒐集家。
性格は傲慢不遜にして冷酷。
「剣こそは力の証」を信条に掲げて剣技の頂点に立つために強力な剣を持つことを誇りとし、そのためにはいかなる敵をも排除し、各地に悪名を轟かせている。
魔術や死霊、魔物を操る妖術を駆使し、魔界と人間界の狭間にある魔脊山にて難攻不落の要塞「七罪塔」を抱えている。
軍勢や妖術もさることながら、鍛錬の果てに得た彼自身の無双の剣技によるプライドは天井知らずである。

天刑劍を手に入れ妖荼黎の封印を解いてしまうが「世界が荒れるならばむしろ望むところ」「それから改めて封印しなおせば俺の名も挙がる」と呵々大笑してその場を去ろうとする。
だが、その絶頂の瞬間を狙っていた凜雪鴉に剣の勝負を挑まれ、無双と信じていた剣の腕がコソ泥と見下していた彼に負けることに愕然とする。
そして凜雪鴉から「覚悟と情熱が結果と思うなら甘い夢だ(訳:努力じゃねぇんだよ、才能だよ、才能!バ~カ!!!)」と煽られた結果、なんと彼は妖荼黎を封じる天刑劍を破壊し、折った剣の破片に胸を貫かれて死亡。
自害という予想外の事態に狼狽える凜雪鴉を尻目に、満足気にこの世を去る。
殤不患曰く「どこの国にも蔑天骸みたいなバカがいる」とバッサリ斬られており、達人と魔人が跋扈するこの作品に於いて、実力はおろかその野望さえも陳腐極まるお山の大将の一人でしかなかったのである。


技:役魔陣・萬象盡滅[えきまじん・まんしょうじんめつ]
  役魔陣・暴亂黄泉[えきまじん・ぼうらんこうせん]



  • 凋命(チョウメイ)

「生かして返すな!我ら玄鬼宗を侮った報いを知らしめよ!」
CV:大川透
蔑天骸の側近。
主に忠実を誓う冷静沈着な剣客。
技:枯骨・朽心[ここつ・きゅうしん]



  • 獵魅(リョウミ)

「ホッホッホッ! いいわ。遺影はもっと二枚目にしてあげる」
CV:戸松遥
蔑天骸の部下。使用武器は「鴛鴦鉞」
蔑天骸を慕っており、彼に仇なす者には容赦しない女傑。味方であっても敗死した殘凶を見下すなど傲慢な態度を隠さないが…

しかしその態度とは裏腹に初戦であっさり狩雲霄に殺されかけて撤退したり
「OP映像からきっと狩雲霄と再戦するんだろう」と思った全視聴者の期待を裏切っていきなり目の前に現れた殺無生と戦う羽目になってしまい、特に苦戦させる事もなく殺されたりとポンコツ気味。
OPで狩雲霄を相手に体術を披露している姿が全盛期だった気がしてならない。やっぱりOP詐欺じゃないか
コミカライズ版では蔑天骸の幻覚術を利用し、狩雲霄に殺されかけるシーンをひたすら繰り返し再生して活路を見出すという特訓という名の拷問を受けていた。
しかし、この後の展開がTV版から改変されないと折角の特訓が無駄になってしまう運命にある獵魅ちゃんの明日はどっちだ

技:枯骨・砕腑[ここつ・さいふ]



  • 殘凶(ザンキョウ)

「玄鬼宗に楯突いた愚を思い知れ!」
CV:安元洋貴
蔑天骸の部下。使用武器は長剣「貪狼刀」
逃亡中の丹翡を追っていたが、彼女を助けた殤不患に討たれ自害する。

第1話でやられてしまったが、最終2話にて判明した殤不患の圧倒的強さに凋命が手も足も出なかったことを省みると、玄鬼宗の中では実力者だったのではないか?という説も。
評価が真逆の獵魅ちゃんは泣いてもいい

技:枯骨・血斬[ここつ・けつざん]



≪西幽朝廷関係者≫


  • 追命靈狐ツイメイレイコ』嘯狂狷(ショウキョウケン)

CV:新垣樽助
『生死一劍 殤不患編』で登場。
西幽から派遣された捕吏で西幽時代から殤不患と浅からぬ因縁を持つメガネ。
第2期では捕吏と言う立場を利用し、衙門に殤不患が大悪党であると吹き込む等暗躍する。
また眼鏡は幻術を見破る魔道具で、幻術を操る凜雪鴉にとっては天敵となる。


西幽では立場を利用して盗人を捕まえてはその宝物を没収した上で口を封じ、私腹を肥やすと言う極悪人。
しかし、余りに高価高名な盗品はいくら闇市場でも足が付くため、それを換金するために東離へやってきた。
殤不患と魔剣目録はその口実と言う始末。


だが、掠風竊塵に目をつけられたが運の尽き。悪人で権謀術数が得意とあってはまさしく彼の大好物である。天敵とは?
魔道具である眼鏡を贋物とすり替えられ、その謀略にハマって東離でも西幽でも立場を失う。
最終的に開き直ったお陰で掠風竊塵の興味の対象から外れ、魔剣を手に好き勝手やっていたが殤不患に敗北。
自業自得で魔剣も失うことになり、たまたま通りかかった婁震戒に取り入ろうとした所、果たし状代わりと言う役割を与えられてその出番を終えた。


  • 嘲風(チョウフウ)

CV:釘宮理恵
劇場版『西幽玹歌』に登場。西幽の皇女で、2期でも聆牙の口から存在が言及されていた。
表に出ない父・幽皇に代わり政務の全権を任されているが、その権力を悪用して、芸人達に残虐な遊戯を強いて楽しむ外道。
浪巫謠に心底惚れ込んでいたが……



≪神蝗盟≫

読みは「しんこうめい」。禍世螟蝗を教祖とする、西幽を脅かす邪教結社。
登場は「生死一劍」からだが、組織名は「西幽玹歌」のサイトで初めて明かされた。


  • 禍世螟蝗(カセイメイコウ)

CV:速水奨
『生死一劍 殤不患編』にて登場。千里眼のような力を持つ。
殤不患とは因縁があるらしく、「魔剣目録」を狙っている。その執念は異様とも言え、魔剣目録のためならば照君臨の復活すら「些事」と切り捨てる。
部下達の前に姿を現す事もなく、の紋章が描かれた石碑から指示を出す。しかもその石碑がある部屋にも萬軍破ら限られた者しか入れず、その真意を知る者はいない。


一度だけ殤不患らの前に姿を現した際には魔道で強力な神通力を操り、戦闘力は作中最強レベル。
回想では殤不患と浪巫謠、睦天命の3人を同時に相手しながら圧倒。不患達は天命の視力を奪われながらも、撤退するしかなかった。


ただ、3期後半にて本作でもっとも厄介な男に目をつけられた可能性がある。果たしてその命運は如何に…。


  • 蝕心毒姫ショクシンドッキ』 蠍瓔珞(カツエイラク)

「卑劣、邪道と忌み嫌われても、毒刃こそは我が研磨の粋!」
CV:高垣彩陽
『生死一劍 殤不患編』にて登場。禍世螟蝗の配下。
蠱惑的な美女で、毒の扱いに長けている。
この毒に関しては絶対の自信を持ち、「ひとたび自身の毒を受けたからにはその者は確実に死ななければならない」と言う矜持を持つ。
毒蟲による奇襲が主な戦い方だが、その毒蟲に魔術を組み合わせて分身を生み出す等と言った搦手を用いた直接戦闘も得意。
2期で早々に殤不患から魔剣目録の一部を奪うなど大物感を見せたが……

単身で鬼歿之地を超え、仙鎮城を一晩で陥落せしめる等相当の実力者であることは間違いない。
殤不患にも指摘されたが、毒を打ったからと慢心せず執拗に追撃を行い治療を妨害していれば彼を仕留めることもできただろう。
そう言う意味では1期2期通じて殤不患を最も追い詰めたと言っても過言ではない。


しかし、2期では基本的に相手が悪いとしか言いようがなく、序盤を除いて辛酸を舐める描写が多い。
殤不患や浪巫謠には度々敗退、諦空にはあしらわれ、権謀術策では嘯狂狷にも遅れをとる始末。
追い詰められて一時は七殺天凌を手に取るも、浪巫謠に敗れた後は再度封印。魔剣なしで殤不患と戦い敗れた事で全てを捨てて旅に出ようとした所で諦空と再会し…。



  • 水月刀螂スイゲツトウロウ』異飄渺(イヒョウビョウ)

CV:花江夏樹
3期で登場した、禍世螟蝗の配下。見るからに不健康そうな酷いクマを目の下に持っている。
分離も可能な双頭の鎌「狡蠱殺」を武器とする。
戦闘狂であり、殤不患を自分の手で打ち取ることを渇望している。

凜雪鴉に唆される形で捲殘雲の姿へと変化して、一行が分断したタイミングで殤不患から魔剣目録を預かるが、
目的を達したと油断しまくったところで、同じく凜に唆され凜の姿になっていた捲殘雲に殺されていた。
傍から見ると捲殘雲が七殺天凌に操られた凜雪鴉に殺されたように見えたが、実際は変装した異飄渺が変装した捲殘雲に殺されていたのであるが、
捲殘雲本人も呪縛を解かれた後「俺が殺した俺は誰だったんだ?」と異飄渺が死んだのを分かっておらず、主要キャラの知らんところでいつの間にか死んでいたという惨めな最後であった。


  • 百撃成義ヒャクゲキセイギ』萬軍破(バングンハ)

CV:大塚明夫
3期で登場した、禍世螟蝗の配下で、口元を仮面で覆った大男。
慎重派な性格で主が手を組むと決めた刑亥に対しても警戒心を隠さず接する。
本来は西幽の朝廷に仕える将軍であり、殤不患とも盟友とも呼べる関係だったようだが、
現在は禍世螟蝗に忠誠を誓い、朝廷の内通者として動いている。



≪護印師≫


  • 丹衡(タンコウ)

CV:平川大輔
護印師の一族の一人で、丹翡の兄。天刑劍の柄を守護していた。
蔑天骸から追われる最中、妹を逃がすために彼の相手を引き受け、無惨に討ち死にする。
技:丹輝劍訣・飛霞行月[たんきけんけつ・ひかぎょうげつ]
  丹輝劍訣・流陽凌日[たんきけんけつ・りゅうようりょうじつ]


  • 伯陽候(ハクヨウコウ)

CV:拝真之介
神誨魔械を守護してきた護印師にして、仙鎮城の城主。
丹翡の紹介状を持って訪れた殤不患から仙鎮城にて魔剣目録を預かるよう依頼されるも、結果的には伯陽候の方から半ば脅しのような形で引き取る。が、たった一晩で蠍瓔珞に奪われかけた。
自身も蠍の毒を受けて死地に陥ったが、殤不患の気功による応急処置にて一命を取り留める。ただしあくまで応急処置であり、その後しばらく床に伏せる事となった。
その折に訪れた嘯狂狷から、殤不患の悪評を有る事無い事吹き込まれる。当初は丹翡の紹介状を根拠に受け入れ難い様子であったが、凜雪鴉のダメ押し*2によって「殤不患=悪人」と思い込むに至る。


婁震戒が仙鎮城を襲撃した際には、部下の犠牲を伴う献身によって「三聖具」と呼ばれる特に強力な魔剣3本を持って逃げ延び、最低限のお役目は果たした。
最終決戦の後に誤解が解けた事で殤不患の元を訪れ、復興中の仙鎮城の守りが再び堅牢に戻るまで「三聖具」を預かって欲しいと依頼する。まるで堅牢だった時があるみたいな言い方だが



≪魔界≫


  • 泣宵キュウショウ』 刑亥(ケイガイ)

「外道めが!よくもぬけぬけと私の前に姿を現したな!」
CV:大原さやか
今回のオッパイ要員。使用武器は鞭「吊命棘」
子供の生き肝から若返りの薬を作り、生き人形を作るために美男子100人を切り刻んだと噂される、夜魔の森に住む冥界生まれの妖魔の女。
凜雪鴉からはかつて遊び半分で求婚されており、以来本気にしていたがそれを破棄されて以来大の人間嫌いになった。
人間嫌いで森の奥に引き籠っていたが、魔脊山攻略のための能力を買われ、因縁の相手である凜雪鴉の呼び出しに応じ、一同の旅に同行。
死人を操る妖術の使い手であり、死体を利用するえげつない戦術も躊躇なく使う根っからの魔性。

狩雲霄同様、金目当てで天刑劍を狙っていたかに見えたが、天刑劍による魔神封印を疑っており、同胞の復活を目論む。
苦労して復活させた同胞はその後、終始小馬鹿にしていたヤツに瞬殺されてしまいましたが、それが何か?


第2期では意外な形で登場することに・・・


  • 妖荼黎(ヨウジャレイ)

CV:田中敦子
窮暮之戰で人間界を襲った魔神の一体。天刑劍が討ち滅ぼしたとされていたが、実は封印されていただけだった。
天刑劍がなくなってヒャッハーしていたら、末恐ろしいやつに別の剣持ってこられて完全に封印された。


  • 妖姫・七殺天凌(ナナサツテンリョウ)

「さあ、今こそ天下に殺戮の狂宴を!我こそは七殺天凌!諸人の血潮を、欲望を、全て供物として召し上げる!」
CV:悠木碧
蠍瓔珞が魔剣目録から奪った2振りのうちのもう一方。西幽では有名な魔剣で、蠍瓔珞をして最後の最後まで抜くのを躊躇った厄介な魔剣。
その正体は意思を持ち人語を話す剣であり、更に魅了の魔力を常に周囲に撒き散らす。
人間は抜かれた刀身を見たが最後、理性を失い一心不乱にその魔剣を求めるようになってしまい、その無防備な所をあっさりと斬られてしまう。誘蛾灯ならぬ誘人剣。
或いはその状態で剣を奪える程の達人ならば元の所有者を殺し、さらに強力な剣の持ち手となって殺戮を加速させる辺り本当にタチが悪い。
また斬った相手の血を啜る事で魔力を増し、更に血を求めるよう持ち手を誘惑する。その際持ち手にも力を分け与える事により極上の快楽を与え更に傷を癒やすことも可能。
この誘惑は鞘に収まった状態でも発しており、意思の弱い者は抗うことができずに剣を抜き放ってしまう。


これら魅了の魔力は如何な達人であっても逃れる事はできず、殤不患や浪巫謠、凜雪鴉でも刀身を見ないよう戦うことを余儀なくされ、
嘯狂狷の持つ魔道具の眼鏡でも防ぐことはできない。作中で刀身を見て魅了されなかったのはただ一人だけである。
一方で強烈な自傷などのダメージを受けると強制的に魅了を解除出来るため、萬軍破は燃える剣で己の身を焼きながら戦うことで魅了に対抗していた。
ついでに単純に武器としても強力で、致命傷を負わずともかすり傷程度で瞬く間に血と生気を吸い取られ、これには達人であっても膝をつくほど。常人ならば即座に昏倒する。

その正体は、200年程前の西幽で皇室に取り入り、悪事の限りを尽くした妖魔・照君臨。西幽の皇室にしばしば嘲風のような暴君が現れるのも、皇族に残された彼女の血と妖力の残滓の模様。
刑亥とは姉妹であり、護印師によって正体を暴かれて聖剣で滅ぼされるが、そういった事態に備えて自分の血を浴びた器物に魂が憑依する様に仕組み、剣の姿となった後は七殺天凌として殺戮を続けていた。


3期ではついに自分の元の身体である照君臨の肉体を取り戻して復活を果たす。
周囲に魅了の魔力を振りまく妖術も健在で、相手をまともに直視出来ない戦いを強いられる殤不患と萬軍破を相手に圧倒的なアドバンテージを得て立ち回る。
特に殤不患としては何度か討ち取る機会があっても、照君臨に「自分の血を浴びた器物に魂が憑依する呪い」がある限り迂闊な剣で斬る事は出来ず、彼女の気力と体力が尽きるまで殺さぬように攻撃を続けるしかない。
照君臨はそんな消耗戦の隙に残った逢魔漏を見つけ、その力で再び逃走を図ろうとする。



「茶番はここまでだ!無界閣の外にさえ出ればもう貴様らに用はない…」

「追ってくるか…?だが、新たな逢魔漏を見つけても人間如きが十全に扱えるかどうか   



萬軍破も己が身を焼き尽くしてもはや瀕死となり膝を突いてしまう、その必死な姿を見下しつつ追いかけてくるのは結構だが人間如きが逢魔漏を使いこなせるものかと勝利を確信して嘲笑う照君臨、しかしそこに現れたのは本作きってのトラブルメーカージョーカーである凜雪鴉だった。



「まあ、そう難しいものでもないよ   少々コツは必要だがね」


「貴様…!!」


「さっき私も失せ物探しに使ってみたばかりだ   鏡よ鏡、照君臨を一番困らせる男はだあれ?とね」


「なにィっ!!?」



その瞬間に飛び出したのは七殺天凌を媛と崇めるヤンデレストーカー従僕の婁震戒であった。



「ああああああぁぁぁぐぉぉぉおおおッ!!?」


「さあ、在るべきお姿に戻られませい!!」


「ぁ……あ……震戒…貴様…」


「おおぉ……この輝き   この冷たさ   これでこそ麗しの我が君…!」



照君臨の身体を七殺天凌の刀身で過たず捉えて貫くと、再び剣の中へと封じ込められる照君臨。
震戒にとって己が添い遂げるべき媛とは照君臨が七殺天凌の刀身の中にいることが重要であって、照君臨の元の身体そのものは心底どうでもいいのである。



「な、何をする気だ震戒!?」


「媛よ…今度こそ、我等の約束の場所へ参りましょう   

(※そんな約束は誰もしていません)



凜雪鴉が事前に震戒達の邪魔はしないという取引をしていたので、震戒は渡された逢魔漏で七殺天凌を抱えて何処かへと去っていく。
その先は、もう誰にも邪魔されない静寂なる星の海   宇宙空間だった。



「おぉ……この闇……この静寂……まさに待ち望んだ結末   


「い、嫌だああ!!」

「帰らせてくれぇっ!!」

「誰か…助けてぇぇぇ!!!!!」



事ここに至って照君臨は漸く事態を把握し、悲痛な叫びを上げるがもはや後の祭り、助けを求めるその声は誰にも届くことはない。



「……震戒?返事をしろ!!」

「妾を独りにするな…震戒!!!」



人の身である震戒が宇宙空間で生きていられるはずもなく、とっくに物言わぬ宇宙空間的な意味で凍結して冷たい骸と化していた。
人々を裏から操る策謀を巡らし、人知れず暗躍を続けた妖姫は、己だけが死ねぬ身であったのが災いし、未来永劫何もない暗黒の海を彷徨うことになったのだ。
それはあまりにも惨めで、あまりにも自業自得で、あまりにも因果応報な最期であった………。



……とまあ、こんな哀れな末路を迎えてしまった照君臨だったが、実はもう一つ別の結末へと至る選択肢は存在していた。
それは一度不要となったはずの震戒の命を何故か助けたという、照君臨の性格としては非常に不可解な行動を取ったことについてである。
妹の刑亥から「情が湧いたのでは?(意訳)」と問われた際は激昂してその可能性を否定したが、それ以外に当時の震戒を助けるに足る理由がなかったのも事実なのである。
もしもその可能性を肯定し、震戒を信頼出来る配下として起用していれば、最終決戦で照君臨が勝利を収めていた未来も存在していたかも知れない。



  • 阿爾貝盧法(アジベルファ)

CV:三木眞一郎
魔宮第八位の高位魔族。時間と空間を操る魔術に長けており、自在に魔界と地上を行き来できる。
七殺天凌からある企みの為の協力を要請されるも、気乗りがしない事から最初は断る。しかし、魔界に迷い込んだ浪巫謠の歌を耳にし、それによりある事実に気付くと一転して要請に応じるのだが、その真意は…。

顔を隠して巫謠に単独で接触した阿爾貝盧法は、時空を遡る魔術で彼の心を嬲ると最後にある過去の光景を見せる。
それは巫謠の実母である咒旬瘖が彼を身籠もったいきさつだった。
当時、西幽の姫であった咒旬瘖こと聆莫言はある男と身分違いの恋をして子を授かるが、その人物の正体は彼女を弄ぶ為に近づいた妖魔であり、本性を現わすと聆莫言の両眼を負傷させ失明に追いやってしまった。その後、聆莫言は周囲から子を堕ろす様に促されるが、それを拒み産んで育てる事を選択すると聆莫言の名を捨てて人里離れた山へと逃れたのだった。
母の過去と自分の出生の秘密に愕然とする巫謠はある事に気付く、自分を弄んでいる目の前の妖魔と母を誑かした妖魔の声が同じだという事に。
かくして笑いながら素顔を見せた阿爾貝盧法は、最低最悪な形で息子・巫謠に父親の名乗りをするのだった。


  • 諾八地、阿毘郡、羅枷

魔界に迷い込んだ殤不患達と遭遇した魔族の三兄弟。
窮暮之戰で父を失っている他、長兄の諾八地は窮暮之戰の経験者である。
名前は字幕で明かされたのもで、公式サイトにも紹介が無いモブ同然の下位魔族だが、地の利もあって不患達を苦戦させた。



≪その他≫


  • 諦空(テイクウ)

「拙僧はあらゆる縁、目の当たりにした生と死の全てについて意味を問いたださねば気が済まぬ」
CV:石田彰
流浪の苦行僧。
気功の達人で、毒蟲に刺された老人を助ける、伯陽候の毒を抜く代わりに自身で引き受ける等と言った献身的な行いで人々の願いを聞き入れる。
ただしそれらの行為には必ず「意味」を問いただす。その中身がただの恫喝であっても気にしない。
何故ならば、自身の生も含めて全てのことに「意味」を失っているため。苦行僧に身をやつしているのもそのためだという。
浪巫謠と聆牙からは、人命に関わることにすら「意味」を問うその姿勢を危険視される。*3


  • 婁震戒(ロウシンカイ)

「こんなにも尊いものが血を求め美しく輝くと言うのなら…嗚呼、人生は戦うに値する!命は奪うに値する!!」
失っていた「意味」を七殺天凌に見出した諦空が、俗世に戻るにあたりかつての名を取り戻した姿。


元々蠍瓔珞の剣を悉く避けていた事から只者ではないと予想されていたが、作中でも指折りの剣の達人。
更に強力な魔剣である七殺天凌を手にしたことで、文字通り手がつけられない存在となる。
仙鎮城に単独かつ正面から討ち入りして壊滅させたのは序の口。強さの参考にならない?言うな
浪巫謠の聴力による戦闘には一度は圧されるものの僅かな交戦の後に破り、怒りに狂う歿王を一人で斃し、最終決戦では殤不患と凜雪鴉2人がかりでも止められなかった。


七殺天凌のことを「ひめ」と呼び崇め、一見その魅了の魔力に堕ちているような言動であるが、実際は心底から七殺天凌と言う剣の美しさに惚れ込んでいるだけで、魅了の魔力に掛かっては居ない。
故に七殺天凌の為(と自分が思い込んでいること)に真っ直ぐだが、七殺天凌の言う事を素直に聞くわけではない。


刀身を直視できないと言う強みを活かし殤不患と凜雪鴉の連携をも圧倒する強さを見せるが、魔剣と幻術を用いた奇策によりついに七殺天凌を手放す。
その隙に殤不患が七殺天凌を再び封印しようとするが、封印を拒む彼女の呼び声に応え、己の右腕と引き換えに七殺天凌を懐き、業火の谷の崖下に落ちていった。


ところが3期で生きていたことが判明
右腕を失い、意識朦朧とした状態で逢魔漏に触れてしまい七殺天凌と引き離されてしまう。
異次元に飛ばされた先で鬼奪天工に介抱され、失った右腕の代わりとして強力な武器を仕込んだ義手をもらったものの、
七殺天凌を失ったことで余裕を失っており、(悪気なく)七殺天凌を侮辱されたことで、元の世界に戻るのに協力した鬼奪天工に不意打ちでケガを負わせて、次元の狭間に捨て置いて1人帰還。
そこによりによって殤不患がいたため、「不患に七殺天凌を奪われた」と誤認してしまい……。


  • 歿王(ボツオウ)

CV:三宅健太
鬼歿之地にある「業火の谷」に住まう龍。
の身の丈の何倍はあろうかという着ぐるみ巨躯でありながら、岩を切り裂くような刃も容易く跳ね返す鱗を持ち、その翼をもって空を飛んでどこまでも追いかけて来て炎の吐息で焼き尽くすと言われる。
…が、2年前に殤不患が通った際に余りにしつこく追い回した為に翼の片方を斬り落とされ、今は空が飛べない。
傲慢不遜で人間の事を徹底的に見下しており、交渉の通じる余地はない。この性格もあって作中でもいろんな人物にボコボコにされており、ある意味第2期における最大の被害者。


  • 白蓮(ビャクレン)

CV:子安武人
過去に跳ばされた殤不患が遭遇した男。
後世では神誨魔械を授けた神仙だと伝えられているが、その正体は何らかの事故により土地ごと異世界「中原」から漂流した人間である。
そこで現住人が魔族に蹂躙される光景を見た白蓮はいてもたってもいられず、武器を手にして魔族と戦ったところ、
何故か自分の所持していた武器に故郷では無かった強大な力が宿っており、魔族達の撃退に成功。
さらに自分ごと異世界から転移した領域で鍛えた武器にも酷似した異能が宿ることが発覚し、手持ちの武器を片っ端から現住人に授け、
それでも足りずにその領域で数多くの武器を作って人々に授けたものが、神誨魔械の起源であった。
後世でその作り方が失伝していたのは、白蓮にも武器に強大な力が宿るメカニズムがよく分かっておらず、
精々「恐らく土地が異世界に転移したことで何らかの力が武器に宿るようになったのだろう」という推測しかできなかったため。
一応白蓮も魔族との戦いが終わった後は、これらの武器が世に災いをもたらすのではないかと懸念はしていたが、
同時に空に空間の裂け目ができ、修正力のような力でいずれ自分ごと土地が元の世界に戻る兆候があったため、
土地の力に由来するなら、自分や土地が元の世界に戻れば武器も力を失うのではないかという期待も抱いていた。
そして不患から魔剣目録を見せられ、説明されるまでもなく一目で傷や血糊から後の世で神誨魔械を巡り血みどろの争奪戦が起きていることを悟り、
やはり自分の行動は間違っていたと悔やみを見せるが、他ならぬ殤不患からそれを否定される。
魔剣目録を持ち歩く大役を背負わされた事を「世界を救った男への恩返しと思えば励みになる」と断言した不患に対して、
「自分はいつも友の力を借り、その至らなさ故に素晴らしい友との出会いに恵まれたが、この異境の地でも同じ幸運があった」と、
彼が送れる最大級の感謝の言葉を与えた。
そして、自分も不患と同じく自分の役割として今を生きる人々を救うことを誓い、殤不患の帰還を見届けた。
憂いていた事態の解決を託せる人間に出会えたためか、その姿は先刻よりもどこか晴々とした様子だった。
なお、殤不患の時代には異世界人という伝承は残っておらず、恐らくこの後故郷に帰還したと思われる。


その姿は本家霹靂の素還真に酷似しており、劇中の言動から化身か同一人物である可能性が極めて高い。
演じる子安氏も、かつて吹き替えで素還真を演じたことがあり、意図的なキャストと思われる。



  • 石仏(セキブツ)

CV:なし
とある荒れ寺に鎮座する仏様。
この石仏から傘を拝借すると、傘を返すまで貧乏くじをひかせ続けるという霊験あらたかな御仏。
しかし第二期が決定した以上、今後も殤不患に貧乏くじ引かせる気満々と思われる。



魔剣目録

聖劍・蕩塵
嗜・天狼
墨淵玄離
魔劍・墮日斬
喪月・厭寒魄
幽冥・萬世神伏
飲雪
孤煞瀾月
冥玄幽牙
百代昆吾
須彌天幻・劫荒劍
青燈孤照
凰刀蝶殺
炎殺・雷岳
斬・日月
炎邪黯刃
霹雷鳴劍
靂降風雲
狂鳳玄牙
刀影破
舞羽孤蝶
東風瀾月
離寒破辰
劍皇破佛
畫影空騰
震嶽尚方
龍淵
荒夢赤霄
六道殊月
琉光劍
古龍青雀
日月神息
九天玄冥
六問虛空
妖姫・七殺天凌(ナナサツテンリョウ)

  • 喪月之夜(もづきのよ)

蠍瓔珞が魔剣目録から奪った2振りのうちの片方。
突いた人間を傷つける代わりに傀儡と変え、所持者が操る事ができる。ただし戦闘力はあくまでその肉体に準じる為、達人が一般人を操ったとしてもそれだけでは大した戦力にはならない。
どちらかと言えば囮や頭数合わせに使える他、一般人を傷つけたくないと言う殤不患のような手合には手駒兼人質のような使い方が有効。
一方で嘯狂狷のような手合にはそこらの庶民や部下ですら人質としての価値がないため余り有効な魔剣ではない。
また扱うには人の上に立ち使役する将としての才能も要求され、もともと部下を持つ蠍瓔珞や嘯狂狷はある程度操っていたものの、己の身一つで生きてきた浪巫謠には殆ど扱えなかった。
とは言え後述の七殺天凌に比べれば圧倒的にデメリットが少ないため扱いやすく、蠍瓔珞はこの剣によって作り出した混乱と魔術、そして毒手を用いて殤不患に一撃を与えるに至る。
その後次々と持ち主を変える事になるが、終盤で大事な役割を果たす。


  • 灼晶劍

萬軍破が決戦の折に魔剣目録の中からその場で使用できるものとして選び取った剣。
刀身から高温の炎を発し直撃すれば魔族すら討ち倒し得るが、何らかの防護策を用意しておかなければ使用者の身体をも焼き尽くす。
当然アドリブで取り出した萬軍破にそのような準備はなく、西幽を護ると言う覚悟だけでその灼熱に耐え命を削りながら振るっていた。
なおこの剣を取り出す前にも数本の剣を試したものの、いずれも扱えないか剣に拒否された結果このような諸刃の剣を選ぶしかなかったのだが、
聖剣の類は扱うだけで厳しい修行や精神の潔白性が求められる、と言う間接的な形で作中はかませ役の多い護印師のフォローが為される形となった。



用語集


○窮暮之戰[きゅうぼのせん]
古代、魔界の軍勢と人間の間で行われていた最終戦争。



○神誨魔械[しんかいまかい]
魔神に対抗するために仙人から人類に与えられた武器。
実際には魔神を「殺す」ための武器ではなく「抑える」ためのものである。
中でも一際強力なのが天刑劍。



○護印師[ごいんし]
神誨魔械を守る使命を与えられ、聖域から一歩も出ずに監視している守護者。



○西幽[せいゆう]
物語の舞台、東離[とうり]の隣の国。殤不患の出身地でもある。
元々は西幽と東離を合わせて萬輿[ばんこう]と呼ばれる一つの国だったらしいが、
窮暮之戰で呪いをかけられ、荒野「鬼歿之地」に隔てられており、普通は両国の行き来はできない。



○鬼歿之地[きぼつのち]
窮暮之戰の折に形成された荒野。以来200年、西幽と東離を分断し続けている。
伝承では、空を舞い炎を吐く龍や、魔族との混血の食人族と言った魔性の類が跋扈し、如何な達人であっても生きて通る事は敵わないと言う。
…が、2年前に殤不患が通った際に龍の片羽を切り落とし、食人族の村を壊滅させると言った地ならしをした結果、
蠍瓔珞や浪巫謠と言った達人ならば単身で突破できる程度に弱体化している。
嘯狂狷が通った際は50を超える部下を引き連れていたが東離に着く頃には数えるほどまで減ってしまったとのことだが、
腕利きの護衛を用意すれば荷運びも可能な目算がついているらしい。



○衙門[がもん]
いわゆる現代における警察署。
嘯狂狷が緝察使の立場を利用して東離における拠点としたり、凜雪鴉が帝の勅使として適当をこいたりしたので、結局最後まで今回の騒動は「殤不患なる悪逆」の仕業だと思いこんでいた。



○仙鎮城[せんちんじょう]
東離にある護印師の砦の中でも屈指の守りを誇るといわれる聖域。魔界の軍勢の再来に備えて築かれた難攻不落の牙城。 (公式サイトより)
上記の評判を聞き、殤不患がわざわざ丹翡の紹介状まで用意して魔剣目録を預けに来たのに、
蠍瓔珞によって一晩で陥落しかけたり、婁震戒with七殺天凌によって日中堂々討ち入りされて神誨魔械の殆どが破壊されてしまう。
まあ前者は奇襲に関しては超一流だし、後者は結局作中では誰一人まともに止められなかったという意味では相手が悪かっただけで、軍勢を真正面から受け止めるには有効…なのかも知れない。


○無界閣[むかいかく]
時空の狭間を隧道で結ぶ強力な結界であった闇の迷宮を、魔界の呪力で徹底的に改装した空間であり、何処の時空にも属さぬ極めて不安定な結界。
その性質から過去の世界への移動も可能とするようだが、殤不患の発言などから推測するに『誰かに観測されてしまった事実は確定』されてしまい、歴史の改変は絶対に行えないと思われる。
おそらく殤不患も睦天命の失明をどうにかしようとしたが変えることは出来なかったが故の苦言であったのだろう。


にも関わらず七殺天凌は過去へと渡り、自分の元の肉体を取り戻すことに成功している。
これは当時の護印師達に刺殺された後に遺体が崖から転落したが、護印師も崖下に落ちた遺体の確認はせず、照君臨自身も後に七殺天凌と呼ばれる刺殺した剣に乗り移ったため『遺体がどうなったのか?』という事実は誰も観測していなかったので、過去を改変することに成功したと推測できる。



○逢魔漏[おうまろう]
3期のキーアイテム。
上述の「無界閣」に生えている植物から採取される魔性の鏡。
あらゆる異世界との往来を可能にする力があり、望みの場所を写した時を見計らって手で触れるとその世界への門となる。
ある程度の法則性はあるが、鏡の写す場所はランダムで制御できないという欠点はある。
掌サイズの小ささでも効果は変わらないので、適当にポキっとへし折ることで複数人に分けて持たせることが出来る。



〇魔界
魔族達や魔神の拠点。現在は人間界と繋がる門は閉じられており、特殊な手段でもない限り行き来は不可能。
統治者は魔王と呼ばれる存在で窮暮之戰を起こした当事者だが、神誨魔械でフルボッコにされたことですっかり弱腰になったらしく、
現在に至るまで人間界への干渉を禁じているという。


常に霊脈から溢れる魔力に満ちており、魔族は人間界の数倍の力を発揮可能で、雑魚魔族ですら殤不患を手こずらせる程。


コラボレーション

2015年のエイプリルフールに、本作と同じくニトロプラスが開発に参加しているソーシャルゲーム『刀剣乱舞』とのコラボ動画が公開された。
凜雪鴉と中の人が同じ三日月宗近が本編さながらの激しい剣劇を演じた。やってることはお菓子の取り合いだが。
翌年2016年のエイプリルフールには殤不患とやっぱり中の人が同じ千子村正による第二弾も公開されている。
2021年の春には虚淵玄が一部イベントの脚本を担当したソーシャルーゲーム『Fate/Grand Order』とのコラボ動画が公開され、凜雪鴉、殤不患とセイバーが共演することとなった。


上記コラボ動画では実際に制作された三日月宗近、千子村正、セイバーの人形が使用されているという力の入れよう。
しかも操作の関係上基本的に片手剣を左手で扱う布袋劇において、コラボ元のキャラクター設定通り日本刀や西洋剣での戦闘を実現している。
霹靂社の技術力パネェ。



狂荒驟雨催紙傘,図籠人浪跡步不休。


天地滂沱如何渡,追記修正任濁流。


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*1 いわゆるぼったくりバーで活動していたため。本人はそうと知らず寝床と三食の飯だけを報酬に働いていた
*2 曰く、「如何に護印師の名門とは言えうら若き乙女。海千山千の悪党が詐術の限りを尽くせば、籠絡されたとしても不思議はない。」…まんま第1期で彼自身が丹翡に行ったことである。しかも今まさに詐術によって籠絡されかけているのはうら若き乙女でもない伯陽候だったりする。
*3 曰く、人命よりも大事な「意味」を得てしまったら、正確には得たと思い込んでしまったら、その目的のためには人命を厭わない可能性がある

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