登録日:2016/02/10 Wed 17:56:44
更新日:2024/01/19 Fri 13:35:34NEW!
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star_wars ジェダイ 主人公 スター・ウォーズ スカイウォーカー マーク・ハミル エースパイロット 英雄 双子 兄 希望 新たなる希望 島田敏 水島裕 飛田展男 弟子 師匠 ルーク sw ドゥークーの系譜 ルーク・スカイウォーカー 渡辺徹
「僕はジェダイだ。かつて、父がそうであったように」
ルーク・スカイウォーカー(Luke Skywalker)は映画「STAR WARS」シリーズの登場人物。
同作のエピソード4.5.6にて主人公を務めた、ジェダイの騎士となる男。
演じるのはマーク・ハミル。日本語吹き替え版は島田敏、水島裕、渡辺徹、飛田展男等が担当している。
●目次
【人物】
基本的には温厚で人当たりも良い好青年。
年相応(エピソード4時点で19歳前後)に好奇心や冒険心を持ち、血気にはやり苛立ちを覚える場面も少なくない。
機械いじりやビークルを乗りこなすのが得意で、地元であるタトゥイーンの仲間内では一番の腕を持つパイロットだった。
ジェダイとしての才能も持っており、オビ=ワンとの特訓ではすぐにコツを掴んでいた。
これらの才能は、かつてジェダイとして活躍した父親から受け継いでいる。
ハン・ソロとは当初ソリが合わなかったが、最終的には無二の親友となる。
レイア・オーガナは当初一目惚れした相手だが、後に判明する彼女とのつながりは非常に強いものであった。
一方で怒りっぽく短気な面があり、相手より先に抜刀してしまう悪癖もある様子*1。EP5の時点でヨーダからも短気さを警告されていたが、EP8ではそれが原因でとうとう取り返しのつかない事態を招いてしまったことが明かされた(下記折り畳み参照)。
【来歴】
エピソード4以前
ルークは銀河帝国成立直後に、医療惑星ポリス・マサで双子の妹と共に生まれた。
母親は2人を名づけた後亡くなる。
ルークと妹は父親からジェダイの血筋を受け継いでおり、当時成立したばかりの銀河帝国にとっては排除すべき存在であった。
銀河帝国から身を隠すべくルークと妹は離れて育てられることになり、ルークはオビ=ワン・ケノービによって砂漠の惑星タトゥイーンへと連れて行かれ、
父方の叔父夫婦であるラーズ夫妻の下で育てられた。
幼少期にはタトゥイーンに住む謎の老人ベン・ケノービと出会っているが、ベンを好かない叔父に咎められている。
父親に関してはパイロットだったが事故で死んだと叔父から聞かされており、後にベンから真実を聞くまではその話を信じていた。
エピソード4
周りの友達が星を出て行き、自分は星を出れないことに憤りを感じており、
あの手この手で自分を引きとめようとする叔父とはしばしば対立していた。
しかし、2体のドロイドを手にしたことでその運命を大きく変える。
ベンことジェダイマスターオビ=ワン・ケノービによって語られた父親の真実、叔父夫婦の死、宇宙への旅立ち、そしてベンの死など怒涛の経験をする。
父親譲りのライトセーバーをベンから渡されるが、この頃はほとんど使わない。というより適切な訓練を受けていないので使えない。
ヤヴィンの戦いでは持ち前のパイロット適性とフォースによってデス・スターの破壊に成功して大総督ウィルハフ・ターキンを倒し、
反乱同盟軍の英雄として名を馳せる事になる。
エピソード4~エピソード5の間
映画では描かれていないこの間も、反乱同盟軍の一員として任務に参加している。
この頃、帝国側はデス・スターを破壊した者の名を知り、ダース・ヴェイダーと皇帝が興味を抱いている。
エピソード5
冒頭で氷の惑星ホスの原生生物ワンパに襲われるが、フォースとライトセーバーで窮地を脱するなど成長が見て取れる。
フォースの霊体として現れたベンにより、沼の惑星ダゴバに住むジェダイマスターヨーダの元へ導かれ、修行を積む。
しかし、ハンとレイアの危機を察知して修行を中止し、ヨーダの制止を無視してまでクラウド・シティへと向かい、ダース・ヴェイダーと対峙する。
しかしヴェイダーとの戦いで追い詰められ、右手(とライトセーバー)を切り落とされ、さらに衝撃の真実を知らされる。
以下、無用な心配だとは思うがネタバレ注意
「Obi-Wan never told you what happened to your father」
(オビ=ワンから父親の話は聞いていないだろう)
「He told me enough! He told me you killed him!」
(話は聞いているさ!お前が父を殺したと!)
「No, I am your father」
(違う。お前の父は私だ)
「No. No! That's not true! That's impossible!」
(ウソだ…そんなのウソだ!そんなはずあるもんか!)
「Search your feelings; you know it to be true!」
(心を読んでみろ。本当だと気づくはずだ)
「NOOOOOOO! NOOOOOOOO!!!」
(嘘だぁーーっ!!)
ダース・ヴェイダーこそがルークの父親アナキン・スカイウォーカーであった。
なんとかクラウド・シティから脱出するも、肉体、精神共にルークは大きく疲弊していた。
エピソード5~エピソード6の間
この間には同盟軍の任務、ジェダイの修行の続きや、失ったライトセーバーに代わる新たなライトセーバーを製作している。
エピソード6
反省を経て修行を積み、新しいライトセーバー(ヴェイダーも「実に見事な出来栄えだ」と手放しで称賛した逸品)を製作し、剣技も上達、フォースによるマインドコントロール、フォースグリップなども会得している。
ジャバの宮殿では巨獣ランコアを倒し、処刑場の戦いでは複数の賞金稼ぎを切り伏せてハンとレイアを救出。
仲間を指揮しつつ総力を結集して、暗黒街の巨頭ジャバ・ザ・ハットの支配に終止符を打った。
その後ヨーダの元へ戻り再び修行を行おうとするが、既に必要ないと言われヨーダの最期を看取る。
今際の際のヨーダから妹が居る事を知らされ、レイアが妹である事を見抜く。
同盟軍に合流後、第2デス・スターのシールド発生装置破壊任務に就く。
シールド発生装置がある緑の惑星エンドアに降りる際、第二デス・スターの宙域を巡回するスーパー・スター・デストロイヤーにヴェイダーがいることを感じ取る。
エンドア降下後、同盟軍は原住民のイウォーク族と手を結びシールド装置破壊を計画するが、ルークは単身ヴェイダーの元へと乗り込む。
父親を倒すためではなく、父親をフォースの暗黒面から連れ戻すためにである。
ヴェイダーにより皇帝の前まで連れて来られたルークは、皇帝から暗黒面に勧誘される。ルークはこれを論外に拒絶、皇帝を斬ろうとするがヴェイダーに阻まれ、ヴェイダーとの戦いが始まる。
最初は平静を保ったまま戦うも、レイアのことを持ち出されると逆上。怒りの力(暗黒面の力)でヴェイダーを押し切りその右手を切り飛ばした。
(なおこのシーンの強く足を踏み込んでの強打の連打は、後に設定されるライトセーバー剣技第5フォーム「シエン」を強く連想させる姿だった。)
その姿を喜んだ皇帝から、ヴェイダーに止めを刺して自分に仕えるよう指示された。だが皇帝の誘いの言葉の甘さと、自分と同じように義手だったヴェイダーの斬られた手首の断面を見て、ルークは己を取り戻した。そして彼は言い切った。
お前には従わない。お前の負けだ、皇帝。
僕はジェダイだ。かつて父がそうであったように。
(I’m a Jedi, like my father before me.)
毅然とした拒否。
これを聞きルークを暗黒面に落とす余地はもはや無いと理解した皇帝からフォース・ライトニングを浴びせられ、窮地に陥る。
電撃を浴びせ続ける皇帝、父に助けを求めるルーク、その光景を見続けるヴェイダー。揺らぐヴェイダーは皇帝を倒し、ルークを救った。
しかし、皇帝のフォース・ライトニングを浴びたヴェイダー=アナキンは生命維持装置が壊れてしまう。
父を第2デス・スターから連れ出そうとするルーク、アナキンは自分がもう長く持たない事を悟り、マスクを外すようルークに頼む。
「Luke, help me take this mask off.」
(このマスクを外してくれ)
「But you'll die!」
(死んでしまうよ!)
「Nothing can stop that now. Just for once, let me look on you with my own eyes. 」
(私はもう―助からん。せめて―1度だけ―この目でおまえの顔が見たい)
(マスクを外す)
「Now...go, my son. Leave me.」
(私はいい、行け息子よ。私を置いて)
「No, you're coming with me. I won't leave you here. I've got to save you!」
(一緒に連れて行くよ、父さんを救うんだ!)
「You already have, Luke. You were right. You were right about me... Tell your sister... you were right...」
(もう救ってくれた、ルーク… お前は正しかった、私には善の心が残っていた。妹にも―そう言ってやれ…(事切れる))
「Father... I won't leave you.」
(父さん… 一緒に行こう)
ルークはシャトルに父の遺体を乗せ、炎上する第2デス・スターから脱出し、エンドアで遺体を火葬した。
仲間との祝勝会にやってきたルーク。レイアやハンと勝利を祝う中、自分たちを見守る霊体のベンとヨーダ、そしてジェダイへと帰還した父の姿を見つけるのだった。
エピソード6~エピソード7の間
反乱同盟軍が新共和国となり、銀河帝国の脅威が去ってからはジェダイの再建に努めていた。
弟子の指導の傍ら、ジェダイやシスの遺物の捜索もやっていたようで、続三部作の回想シーンやスピンオフ等ではたまにその様子も描かれる。
EP7冒頭に登場したロア・サン・テッカはこの時期にジェダイの遺物探しの旅で同行した仲である。
各種スピンオフでの活躍(EP9以降に公開された作品のネタバレも含むので注意)
- EP9
回想シーンにて、エンドアの戦いの翌年レイアにジェダイの修行をつけていたことが明かされている。この際の模擬戦ではレイアが勝利しており、実力差はほとんど無くなっていたようだ。
また、正確な時期は不明だがランドと共にシス信奉者のカルト集団「シス・エターナル」の本拠地を捜索していたことも語られており、その際の手記がEP9におけるレイたちの道標となる。
- ドラマ『マンダロリアン』
シーズン2最終回でまさかの登場。
マンドーが全力で戦ってようやく一体破壊できたダーク・トルーパーの軍団を軽々と全滅させ、ベビー・ヨーダことグローグーの「本来の仲間」であるジェダイとしてグローグーを迎え入れた。
サプライズ登場と紛うことなき全盛期の圧倒的実力で視聴者を熱狂させたが、
一方でドロイドを斬り捨てながら通路を進む構図はローグ・ワン終盤のダース・ベイダーと重ね合わせられており、その後幼い子を親元から(合意の元とはいえ)連れ去る姿はクローン戦争時代の旧ジェダイを思わせると、後に起こる悲劇を踏まえた上で見るとまた違った意味合いも込められている、という見解も。
なお演者もマーク・ハミル氏ご本人だが、流石に本人の年齢とマンダロリアン時のルークの年齢が合わなすぎる為に「ディープフェイク」というAI技術を用いたモデリングに加えて、声に至ってはEP3の頃のを合成する等最新技術の惜しみない投入により物凄い若返りを果たしている。本人もとても気に入っていたとか。
- ドラマ『Book of Boba Fett』
5話にてまたしてもサプライズ登場。
父の弟子アソーカとも既に面識があったことが明かされた。
竹林の広がる星で新ジェダイ・オーダーの建設を開始しており、引き取ったグローグーをその最初の弟子として育てていた。
EP5でヨーダを背負ってダゴバの沼地を走り回った時のようにグローグーを背負って森を駆け回り、木の頂上から大自然を見せて「フォースのバランス」を見い出すことを説いた。(実はこのシーンはEP8からの引用であり、初めての瞑想でいきなりフォースのバランスを見い出したレイをルークが逸材と称したシーンから。)
一方で、指導は一見上手くいっているかと思いきや実際はグローグーが旧ジェダイ時代の記憶を思い出していることに依る面が大きく、アソーカに助言を求めつつ進めていた。
また、同話ラストではマンドーとグローグーの絆を分かりながらもジェダイとマンダロリアンのどちらかの道を選ばせる方針を取っている。(マンドーに応対したアソーカも、グローグーに会えば余計苦しませることになるとしてマンドーをグローグーに会わせずに帰らせた。)
ちょうどマンドーとグローグーの関係がEP2のアナキンとシミの間にあった未練と似たような構図となっており、グローグーの選択に視聴者の注目が集まっている。
さらに同シーンにてEP3でシディアスに弾き飛ばされたヨーダのライトセーバーは紆余曲折を経てルークの手に渡り保管されていることも明らかとなった。
- コミック『Vader』誌
オーダー66を生き延びたジョカスタ・ヌーの最期の戦いを描く第二巻『潰えた遺産』にて、少しだけ登場。
彼女が未来のジェダイのために遺して隠していた資料や遺産が、長い年月ののちこの時期のルークにより発見されている。
- コミック『Rise of Kylo Ren』
カイロ・レン誕生の詳細と彼が率いるレン騎士団の詳細を描くコミック作品。
回想シーンにて幼いベン・ソロとロア・サン・テッカを連れてジェダイ遺跡を捜索した際の様子が描かれており、この頃から既に存在していたレン騎士団およびその当時のリーダーであるレンという男と交戦。ライトセーバーの使い手を含む多対一というハンデがあるにも関わらず、圧倒的な実力差で打ち破っている。(しかも不殺で)
なお、この対決はジョカスタの遺産の発見よりは後であることが台詞から読み取れる。
この頃には弟子も大勢増えており、ジェダイ再建は順調かに思われたが…?
しかしある時、自身の教え子であったカイロ・レンが反乱を起こし、他の教え子たちを何人か惨殺した後、自分に賛同する者達を連れてダークサイドへ傾倒してしまう。
この出来事に心を痛めたルークは「最古のジェダイ寺院」を探すと言い、姿を消した。その行方はハンやレイアですら知らない。
また、長きに渡ってルークの相棒だったR2-D2は、ルークが姿を消すと同時に自らの機能を停止させてしまった。
この頃になると都市伝説的存在となっており、辺境の惑星ジャクーで暮らしているレイがその名を聞いて驚いていることからも分かる。
エピソード7
劇中の活躍(ネタバレに注意)
自分の居場所を記した「スカイウォーカーの地図」という断片的な地図を残しており、
新共和国の非正規組織『レジスタンス』と帝国軍残党『ファースト・オーダー』の双方がルークの行方(を知る地図)を捜していた。
途中でルークのライトセーバー(1本目)やR2-D2が登場するも、ルーク本人が出てくるのはエピソード7のラスト。
スカイウォーカーの地図を完成させたレイが向かったのは、一面が海で覆われた惑星オク=トー。
海に浮かぶ島に居たのはルークであった。レイがルークにライトセーバーを見せるところで、エピソード7は終了する。
ちなみにEP7で判明しているスカイウォーカー家の家系図はこのようになっている。
アナキン―パドメ
|
|―――|
ルーク レイア―ハン・ソロ
|
カイロ・レン(ベン・ソロ)
エピソード8
前作のラストでレイと対面し、父親のライトセーバーを手渡され…
劇中の活躍(ネタバレ注意)
甥ベンの教育に失敗したこともあって完全に世捨て人になっており、レイから渡されたセイバーも投げ捨ててしまう始末。レイの修行も当初拒否したものの、R2-D2の(かつてのレイアのメッセージを見せるという「ずるい」)説得で渋々承諾する。
フォースはジェダイの力ではなく、宇宙中のありとあらゆる物質を繋いでいるということ*2を瞑想を通じて教え、それを通じてレイが瞬時にフォースの流れの中にバランスを見出す才能を見せたことに感心する様子も見せていたが、その最中レイがオク=トーの地下洞窟の暗黒面に引き込まれそうになり、それがかつてレイと同等の才能を見せたカイロ・レンの姿と重なったことで瞑想の修行はそこで切り上げてしまった。
カイロ・レンのことについては当初「裏切られた」と語っていたが…
その真実
……闇を見たのだ。訓練のさなかに、闇が彼の中に広がるのを。
しかもその闇は深く、私の想像をはるかに超えていた。既にスノークに囚われていた。
このまま行けば彼は破壊と苦痛と死、そして私が愛したものすべてに終わりをもたらす、止めるには今しかない、本能が私にそう告げた!
なんと、決定的なきっかけはルークが一瞬の迷いからベンの寝首を掻こうとしてしまったことであった。
スノークによる誘惑や祖父への憧憬もあり、彼の中で揺れつつある暗黒面への恐れがルークを迷わせてしまったのである。
ライトセーバーを起動したところでまた迷っていたが、まさにその瞬間ベンが目を覚ましてしまった。
当然、寝ているそばでライトセーバーを向けているところを見られて誤魔化せるはずもなく、ベンは天井を崩して抵抗。ルークが脱出した時には寺院は破壊され多くの弟子が殺され、残りの弟子はカイロ・レンとともに姿を消した後であった。
公開後のエピソード8はファンの間で賛否が大きく分かれたが、ルークについてもこの行動に対する批判が噴出。「完全な暗黒卿であった父を信じたのに、光と闇の間で揺れているだけの甥は信じられないのか」という声が多く上がった。
演じたハミル自身も、撮影当時は自らの考えていたルーク像との違いをなかなか受け入れられなかったようで、「1から10まで納得はしていないがベストを尽くす」とも語っていた(最終的には映画完成後に考えを改めているが)。
肯定的に見れば、カイロ・レンが暗黒面に堕ちてしまった経緯に説得力を持たせることには成功したものの、やはり過去作でのルークの勇姿を知っているファンからしたら、中々この事実を受け入れられないのも無理はない。
なお、「フォースで予知した未来を回避しようとした結果逆にその未来を引き寄せてしまった」として見れば、
かつて妻の死を防ごうとして暴走した父の姿と重なるとも取れる…かもしれない。
…が、EP5でヨーダに「未来を見てそれを自分の都合のいい方向に変えようとするな。今ある現実と向き合え」と言われたにもかかわらず、結局同じ過ちを繰り返していることにもなってしまうが。
一方、これらの批判に対してEP8監督のライアン・ジョンソンは「(ルークを)再発する傷や欠陥を克服する、真の神話の英雄として描かないと」と反論するなど、現在でも議論の絶えない場面となっている。
付け加えると、EP6の勇姿から見落としがちであるものの、ルークは一人のジェダイとしてはEP6で大成したものの師匠としての経験はゼロであったことが何より大きい。
実際旧共和国時代のジェダイ達の間でも、順当に出世していたがパダワンを持った途端壁にぶつかった…なんてことは多々あったとされ、そんな「未熟な師」に助言できる立場として先輩のジェダイや長老ヨーダの存在があった。
先駆者であるヨーダもオビワンもいない中で初めて師という立場に就き、複数人の弟子を鍛えつつジェダイの再興という大事まで同時に背負ってしまったルークもまた、かつてない不安と重圧により失敗してしまったのかもしれない。
そう考えると、今作でルークが霊体のヨーダと再会し師とはどうあるべきものなのか諭されるシーンは、旧三部作では描かれなかったルークの「師として」成長した瞬間を描いたと言える。
この件でディズニーが槍玉に挙げられることも多かったのだが、EP9公開からしばらく後に明かされたところによると闇落ちしたソロ夫妻の息子と世捨て人ルークと第三者の少女という構図はほぼジョージ・ルーカスが提示した内容に沿っていたらしい(闇落ちの経緯までは不明)。
しかもこの当初案ではEP6後に新共和国は成立せず30年間戦乱の世が続く中で隠遁しているという状況だったという。
コミック『The Rise of Kylo Ren』で明かされた更なる詳細
実はルークは……というかその場にいた全員がこの件に関して大きな思い違いをしていたようである。
そもそも弟子たちの死はベンによるものではなく、直後の落雷による火災(スノーク/シディアスのテレパシーに無意識に呼応したベンの暗黒面のフォースが呼び寄せたような描写となっている。)によるもので、全員が帝国時代生まれだったこともありベンも含めて積極的に殺し合いをする度胸などなかったらしい*3。というか、新たなヴェイダーを生まないための教育が上手くいきすぎていて誰一人戦士にさえなりきれていなかったのだ。
ベンと共にいなくなった弟子についても、ベンについて行ってダークジェダイと化したのではなく、火災を起こしてしまった失敗から自棄になり逃亡したベンを追いかけた三人の生き残りのことであり、そのうちの一人であるタイという青年はベンを説得する寸前まで行っている。
結局のところ、ルークが師として未熟だったことに変わりはないのだが、それ以外の不運や事故が幾重にも積み重なったが故の悲劇でもあるという形に落ち着いている。
そして…
真実を知ってもなおカイロ・レンにも光の可能性はあると主張したレイは、彼を救うことを決意しルークにも協力を求めたものの、失敗した過去を吐露しすっかり心が折れてしまっていたルークは、カイロ・レンを生んでしまった自分が行っても力にはなれないと座り込んでしまい、レイは単身ファルコンで飛び立っていった。
いよいよもってジェダイの終焉を感じ、ルークはオクトーの寺院を焼き払おうとする。そんなルークを一人の老人……偉大なるマスター・ヨーダが見守っていた。
数十年ぶりの師匠との再会を前にしてもルークの想いは揺るがなかったが、未練を断ち切れるはずもなく……あるいはかつて自身にジェダイの未来を託したヨーダが見ている前での申し訳なさもあったのだろう。ルークは火を放つ直前で躊躇してしまう。
ところがそんなルークを見て、ヨーダ自らがフォースによる天候操作で雷を落とし寺院を焼き払った。
「カビ臭い本のことなど忘れるがよい」
「ジェダイの神聖な書です!」
「多少の知恵は付くじゃろう。だが、あの娘レイが持つものを超えるものはない。」
ベン・ソロを失いレイまで失ってはならないと諭すヨーダに、ルークはレイの期待に応えられないと弱音を吐露するが、それを分かっているかのようにヨーダは、
「学んだことを伝えよ。強さと熟練の技……そしてなにより、弱さと愚かさ。失敗も伝えよ。それが大事じゃ。」
失敗こそが最高の師である、と教えを授けた。
かつてジェダイが滅んだ失敗からヨーダがルークに教えられる全てを託したように、成功だけでなく失敗も弟子に伝え、いずれは弟子が自分を越える存在となるよう導くこと。それこそが全ての師の役目であると。
その言葉は、ルークを立ち上がらせるのに十分なものだった。
師として失敗したルークは今、師とはどうあるべきかを学んだのだ。
そして再起したルークは惑星クレイトに逃げ込んだレジスタンスの前に突然現れた。レイアに言葉をかけた後、単身でファースト・オーダーの軍勢に立ちはだかる。レーザー砲の集中砲火を受けてなお平然と立っており、カイロ・レンは自ら決着を付けるべく向かっていった。
なぜかジェダイ・オーダーを再建しようとしていたころの姿に若返っており、しかもつい先ほどレイとカイロ・レンの戦いで壊れたはずのアナキンのライトセーバーを持っているが…?
素晴らしい。今お前が言ったことは全て間違っている。
今日再び反乱軍が立ち上がる。戦いは始まったばかりだ。
そして、私は"最後のジェダイ"ではない。
カイロ・レンの斬撃に対して一切防御を行わず、そのすべてを回避するルーク。上記の言葉を投げかけた後、今度は剣を収めた。無防備になったルークをカイロ・レンの凶刃が襲ったかに見えたが、なんと剣はルークの体をすり抜けていた。
実はこのルーク、オク=トーにいる本物のルークがフォースで映し出した幻影であった。
最初から時間稼ぎ(と、カイロ・レンを動揺させること)が目的だったのである。
しかし、この技を使ったことによりルークはその力を使い果たした。故郷タトゥイーンのそれとよく似たオク=トーの二つの太陽が沈む中、その肉体はフォースと一体となり消え、師たちと同じく霊体となった。
その安らかな最期を、遥か彼方で妹レイアと最後のジェダイ・レイは確かに感じ取っていた。
そして発進するミレニアム・ファルコン。そこには、レイがオク=トーからこっそり持ち出したジェダイの書物が収まっているのであった。
その後…
ジェダイの神聖な武器を粗末に扱うな。
自身の正体を知り、自暴自棄になっていたレイの前にフォースゴーストとして再び姿を現した。
レジェンズ
『エピソード6』のエンドアの戦い後、戦闘技術に限れば往年の騎士団のジェダイと比較しても目を見張る水準に達していたルークではあったが、自ら騎士団を再興することに関しては消極的だった。
当人の当初の目標だった帝国打倒と友や父の救済を成し遂げていた上に、ほぼ叩き上げの我流でノウハウを体得した自身が他人を導くことに対して、自信が持てなかったからである。
しかし、ルークに弟子入り志願した若者を追い返したことが切っ掛けで大規模な暴動と悲劇につながったことから、ジェダイ騎士団の遺産とオビワンのように生き延びた先達を探して、自分なりに新たな騎士団を再興することを誓う。
その過程で、クローンとして復活した皇帝や帝国の新たな大提督スローン、自身の右手から生まれたクローンのルウクとその創造主ジョルース・スボース、
新興ジェダイ騎士団の本拠地としたヤヴィン4に封印されていた古代シスの暗黒卿エグザ・キューンと、いくつもの困難と難敵に直面し続けた。
ルークの新騎士団では、修行の早い段階で瞑想を通して自身の暗黒面と対峙させる方針を採っていた。
それをどう乗り越えていくかルークも手助けをしながらも各々に考えさせて乗り越えることで、個々の成長を促そうとしていた。
己の弱さや醜悪さに愕然として出奔しダークジェダイへと堕ちた者も一人では済まず、一大反政府組織を結成してしまった例もあった。
だが、ルークに引けを取らない溢れんばかりの才能故に師や仲間を軽んじ暗黒面へと堕ちた弟子キップ・デュロンのように、後々になって克服し、ルークを支える一番弟子となった者も居る。
ルークの命を狙っていた皇帝の腹心である闇の女戦士マラ・ジェイドとは割と早々に和解し*4、
10年ほどアプレンティス兼任務上のパートナーである期間を経て結婚に至り、息子のベン・スカイウォーカーも授かった。
後にマラとの悲劇的な離別*5を経た後も、ルークは息子や仲間と共に銀河の問題を解決し続けた。
外宇宙からの侵略が多発した時期にグランド・マスターとなったルークは、旧共和国時代以上の苦難に度々直面した。
かつての分離主義運動の興隆期には、元老院の政治運営から極力距離をとった結果、超然とした存在として尊崇された時期はあれど理解者や仲間を得難くかったことが破滅に繋がった。
これを反省点として、ルークの時代では元老院と密に連携をとる方針を採り政治運営に積極的に関わるようにしていた。
だがこれはこれで、政争に巻き込まれた挙句にルークが責任を取らされて騎士団を追放され、騎士団と元老院の対立が深刻化すると言った別の問題も発生し、常に立ち位置にも苦慮し続ける羽目になった。
しかし、外敵への対応の温度差等から騎士団のタカ派の弟子達と意見的対立が起こることはあれど、ルークの弟子達はグランドマスターに相応しいのは彼しか居ないと全幅の信頼を寄せていた。
仲間の助けを得ながら困難を乗り越えて忍耐強く平和とフォースの理解を追求し続け、グランドマスターとなった後も、いざ重い腰を上げて前線に立てば、一線級のジェダイとなった彼の甥達も舌を巻く絶技で敵を圧倒する。
その姿はまさしく「希望」にふさわしいと言えるだろう。
ヤヴィンの戦いから130年後にもケイド・スカイウォーカーという末裔が活躍しており、そんなケイドの前にルークはフォースの霊体として姿を現したという。
【ライトセーバー】
1本目のライトセーバーは、父アナキン・スカイウォーカーがクローン戦争時に作ったもの。光刃の色は青。
ムスタファーの戦いでベン(オビ=ワン)がヴェイダーを倒した際に、持ち去って自宅に保管していた。
ルークに受け継がれるも、クラウド・シティの戦いで右手と共に失われたが、何らかの形で回収されマズ・カナタの城に保管されていた。
マズからレイへと渡されるもレイは受け取り拒否、代わりにフィンが使用していたが、最終的にはレイの手に渡る。
カイロ・レンは、自身が尊敬するダース・ヴェイダーが使っていたこのライトセーバーに執着を見せており、
フォースを使って手元に引き寄せようとしたが、その手に収まる事はなかった。
レジェンズではルークの右手と共に回収され、その右手の細胞から作られたクローン「ルウク」が使うライトセーバーとして再びルークの目の前に現れるが最終的に奪還され、ルークの手でマラ・ジェイドに手渡された。
エピソード6に登場するライトセーバーはルーク自身が作ったもの。光刃の色は緑。
ベンのライトセーバーと似た形をしており、標準的なライトセーバーと比べて柄の部分がやや長い。
レジェンズ分類以降はクリスタルの出所がしばらく不明であったが、のちに正史のコミックスで自称クリスタルの専門家からフォースと同調する前の生のカイバークリスタルを渡され、それを自らのセーバーに使用したと言う事が語られた。
【トリビア】
- 顔の傷跡
ルークがエピソード5の冒頭でワンパに襲われるシーンは、ルーク役のマーク・ハミルがエピソード4公開直前に自動車事故で負った顔の傷を、作品内設定に落とし込むために作られたと言われている。
- ライトセーバーの色
ルークのライトセーバーはエピソード4、5が青でエピソード6は緑色だが、エピソード6公開前の予告編やイラストでは青いライトセーバーを使っている。製作途中では青色のライトセーバーを使う設定だったためである。
では何故緑に変えられたかと言うと、序盤のセールバージのシーンで、青いセーバーだと撮影現場であるサハラの空の色に溶け込んで見えなくなってしまう為だとか。
- 名字
当初はスカイウォーカー/skywalkerではなくスターキラー/starkillerという名前だったが、製作中に改められた。
この名前は、ゲーム『スター・ウォーズ フォースアンリーシュド』で採用された他、エピソード7にて意外な形で再登場する。
ついでに言うと初期稿では名前もアナキン・スターキラーで、ルーク・スカイウォーカーはベン・ケノービの方の名前だった。
- 服の色
エピソード4→5→6と話が進むにつれてルークの衣装が白から黒へと変化しているが、これはダークサイドへ近づいているルークの精神面を表している。
追記、修正はクラウドシティの底にある風向計にしがみついてからお願いします。
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*2 EP5や『クローン・ウォーズ』シーズン6で語られたコズミック・フォースとリビング・フォースの概念である。
*3 ベンの闇すらまだEP2の頃のアナキンの鬱憤に近い程度のものだった。ルークは(スノーク(=その背後にいるシディアス)の影もあって)深読みしすぎたのである
*4 先述のルウクの一件で「ルーク・スカイウォーカーを暗殺する」という皇帝の命令を達成して呪縛から解放された形になったせいもある。
*5 別行動している間に闇落ちした甥のジェイセン・ソロ/ダース・カイダス(=カノンのカイロ・レンの元ネタ)に殺害されてしまった
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