登録日:2015/11/21 sat 10:11:44
更新日:2024/01/16 Tue 13:04:51NEW!
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『時空の覇者 Sa・Ga3 【完結編】』(Final Fantasy Legend III)は、1991年にスクウェアから発売されたGB用RPGソフト。
初期GB最大のキラータイトルとなった初代「Sa・Gaシリーズ」の完結編として発売された。
前2作でプロデューサーを務めた河津秋敏はSFCでの新シリーズ(『ロマンシング サ・ガ』)の準備の為に開発から外れており、今作は当時新設されたスクウェア大阪の製作となっている。
これにより、前作までとは全くゲーム性どころか、雰囲気そのものの違う作品となっており、ユーザーからは多数の戸惑いの声が上がり、熱狂的なファンからは拒絶反応までが出されたとの事。
……これらの経緯から、肝心のゲーム内容やストーリーは悪くなかったにも関わらず、駄作認定されて来た歴史がある(※アンリミテッドサガ発売に併せた公式PVでも河津秋敏プロデュース作品では無いとして、シリーズの紹介ラインナップから外されてしまった事も)。
プロデューサーと音楽担当はスクウェア大阪の笹井隆司と藤岡千尋。
……しかし、2011年に20年の時を経てニンテンドーDSにて『サガ3 時空の覇者 Shadow or Light(SOL)』として3Dフルリメイク。
スタッフは前作『サガ2 秘宝伝説 GODDES OF DESTINY(GOD)』にも参加した三浦宏之プロデューサー以下のメンバーがそのまま開発を手掛けている他、今作にも河津秋敏が監修に参加。
オリジナルの設定を活かしつつも、従来の「サガシリーズ」に近いシステムへと再構築された。
これにより、旧来のファンからも概ね好評な反応を受ける事となった。
音楽ではGB版には関わっていなかったイトケンが三度アレンジに参加。
イトケンのラブコールに応え、原曲を手掛けた笹井の他、これが久しぶりのゲームでの仕事となる藤岡も参加する等、小規模なプロジェクトとされながらも豪華な顔合わせが実現した。
一方でGB版の移植は、Nintendo Switch、Steamおよびスマートフォン向けの『Sa・Ga COLLECTION』に収録されている。
【物語】
遠い昔、異次元の神々は戦いにやぶれて封印されたが、平和は長くは続かなかった。彼らは突然よみがえって、再び侵略を始めたのだ。同時に世界のすべての時代の上空に、奇妙な滝が出現。滝は多量の水と魔物を流し続け、全世界は海に沈もうとしていた。
過去の戦いで、驚異的な威力を発揮した戦闘機『ステスロス』。魔物たちは、分解され隠されたパーツを求め、各地に破壊と略奪をくり返していたのだ。主人公たちは、魔物の手から世界を救う旅に出ることを決意する。
【概要】
■GB版
一本道ながら攻略の自由度が高かった前2作に対して、主人公達に名前が設定されている。普通のRPGの様にレベルが存在し、武器に使用回数が存在しない。……等の要素に対し「サガらしくない」との批判の声が上がってしまった。
しかし、レベル制にした事による単純さもあり、シリーズでは一番攻略しやすかったとの声も。
モンスターに変身するシステムも引き継がれており、更にネジを付ける事によりロボットに変わる事も可能な他、それぞれの中間に当たる獣人とサイボーグなる種族も登場している。
因みに、当時としてはまだまだ珍しかったクトゥルフ神話が世界観や設定のベースになっている他、大阪らしさを意識したユニークな敵やアイテムが登場していた。
■DS版
初期サガシリーズ、フルリメイク第3弾。
前作から多数のデータが流用されている事に批判がある一方、却ってイメージの統一が出来ているとの好意的な意見も。
特徴的な基本システムをGB版から引き継ぎつつも、レベル制を廃止。
武器にも使用回数がついたがお金を払う事でリチャージする事も可能、とGB版を意識したかの様な仕様も。
また、変身している種族によりパラメーターの伸び方が違う…等、従来の「サガシリーズ」に近いシステムとなった(この為、効率よく育成する為には変身が不可欠に)。
尚、パラメーターは戦闘“中”に上がる為、強敵と闘っている内にパーティーが劇的に強くなる事もある。
その他としては『GOD』に続き、武器の熟練度が加わっており、これも種族によって得意な武器が設定されている。
武器は使い込む事により初代『ロマサガ』の様に武器毎に設定された必殺技を会得する事が出来る(シリーズお馴染みの技が多い)。
前作『GOD』同様に関連イベントが更に詳細になっており、ゲームを進めるだけでも様々なフリーシナリオが発生する。
イベント型のフリーシナリオではタイムスリップの設定を活かした結末の分岐が存在しており、周回プレイにより完全攻略となるイベントも多い(所謂“強くてニューゲーム”やエンディング分岐、難易度選択もある為、周回プレイは必須)。
GB版ではデューンとシリューしか喋らなかったのだが、DS版では主人公4人組に明確な個性が付けられており漫才のようなやり取りを見せる。
【主人公】
※4人にはそれぞれ、モンスターと同様に属性が振り分けられており、変身の際には属性の法則に従い変化していく。
また、基本設定は以下の通りだがゲームの仕様上(笑)の齟齬もある。
■デューン(火属性)
しゅじんこう。
世界を救うべく未来から送り込まれて来た子供達の一人で、パーティーのリーダー格。
基本種族は人間で、物理攻撃が得意。
GB版はとにかく鈍足で有名だった。
基本的には冷静なのだが、かなり思い切りのいい性格の持ち主で石頭。
よって、自分の判断だけで強引に仲間まで巻き込んでしまう場面もちらほら。
泣きボクロがチャームポイント。
■ポルナレフ(風属性)
おとこともだち。
未来から送り込まれた子供達の一人。
基本種族はエスパーで、攻撃魔法が得意。
GB版では一言も台詞が無かった。
クールなイケメン風に見えるが、実はお調子者でやや迂闊な性格。
そして、愛すべきバカ。
■ミルフィー(水属性)
おんなともだち。
未来から送り込まれた子供達の一人。
基本種族はエスパーで、回復魔法が得意。
GB版では一言も台詞が無く乳もデカかった。
思慮深く冷静…と紹介されているが、冷静と云うか割と冷徹(笑)な性格で、身内のミスに対しても容赦の無いツッコミを入れる毒舌姫。
貧乳。
……一方、自らが暴走した時には歯止めが利かなくなる場面も。
■シリュー(土属性)
すきなじょせい。
4人組では唯一の現代の出身。
基本種族は人間で、GB版ではデューンよりも強かった。
4人組の生まれ育ったダームの町の長老の孫娘で、未来組とは幼なじみ。
デューンとは相思相愛で、冒険には主に彼が心配で参加した。
祖父仕込みの拳法使い……らしい。
基本種族は人間で、素早さに長ける。
DS版ではイベント強化に伴い、名実共にヒロイン(笑)として活躍。
熱血気味で、やや生真面目すぎる部分も。
巨乳。
大根足(笑)。
料理は壊滅的らしい。
【種族】
基本種族から、各属性のモンスターの落とす肉かパーツ(DSはネジ)を得る事で、人間(エスパー)→獣人→モンスターと、人間(エスパー)→サイボーグ→ロボット→…へと変化する(各々の属性の法則により変化)。
属性によっては、変身せずに回復のみに留まる場合もある。
DS版では変身後の姿が解る様になり、同属性の肉やネジを得る事で変身さずに耐性やアビリティを取得させる事が可能。
人間とエスパー間での変身も可能になった。
■人間
あらゆる武器を使いこなし、特に物理攻撃が得意。
デューンとシリューの基本種族。
DS版ではパラメーターが使った武器に応じて成長し、長剣と刀の熟練度が伸び易い。
※早剣、体術も普通に成長させられる。
■エスパー
魔法が得意だが、人間とそこまで差はない。
ポルナレフとミルフィーの基本種族。
DS版では魔力の他に素早さが上がり易く、魔法の他に早剣、弓の熟練度が伸び易い。
■獣人
肉弾攻撃が得意。格闘技系の武器を使うことになる。
HPもかなり高い。
DS版では素早さとHPが上がり易く、体術と槍の熟練度が伸び易い。
■サイボーグ
物理攻撃が得意。
また、パラメーターが装備により変化する。そういう意味ではサガ2のメカに近い。
普通は装備を外したらパラメーターも下がるのだが、GB版では消耗アイテムを装備させ「装備を使いきってしまった場合」には、上がった分のパラメーターは下がらないと云う反則的なバグがあった。
DS版では装備を付けた分パラメーターが上がる仕様を考慮してか素の能力上限が低めに設定されてしまっている上に、肝心の装備で上がる数値は低めと使えないコに。
ただ見方を変えればデチューンできるので敵に合わせた速度で連携を塞いだりできる。
大剣や斧の熟練度が伸び易い。
■モンスター
肉を食べる事で変化する種族。
能力はそのモンスターに由来する為、それ以上の成長はしない。
他の種族と違って武器を使えないので聖剣も使えない。
敵だと一体しか出てこない巨大敵にも、普通に複数人が変身可能。
DS版では前作同様、最強クラスのモンスターや変異種(※DS版のみ)は変身専用になっているが、今回は最強クラスのモンスターが中ボスとして襲ってくることも。
アイテムと特殊能力に熟練度が適用される唯一の種族。
■ロボット/メカ(DS)
消費アイテムを買って能力成長させていく種族。そういう意味ではサガ1の人間に近い。
ただし魔法は使えない。
表示上限を越えて基本値+99(HPは+999)まで成長させることも可能。
普通にやってれば終盤の特殊能力は、ダメージ倍率最強の「殺しのダンス」(♪デンデロデンデロデンデロ)。
DS版では装備によりパラメーターが変化する種族。
サイボーグと比べ、装備によるパラメーターの振り幅の数値が大きい。
しかし、素のパラメーター自体は余り成長させられない為に育成には不向きだし、素早さに欠けるし、耐性が無いから属性攻撃にも弱いし、とぶっちゃけ使えないコに。
が、素早さが一番伸びるため真の格闘のプロがメカだったという意外すぎる検証結果があったりする。
火器や重火器の熟練度が伸び易い。
【その他の登場人物】
■メルローズ
4人組の兄貴分で、村のバトルトレーナー。
旅立ちの場所であるダームの町の守り人。
GB版は厳つい鎧におさげ髪な武闘派風。
DS版では全く見た目が変えられており、ラテン風味のナイスガイに。
擬似戦闘訓練装置「バトルトレーナー」を作り上げるほどのメカマニア。
■ディオール
4人組を慕う弟分。
未来世界ではレジスタンスを率いる漢。
DS版ではクソガキから成長する為、感動も一入である。
あるイベントによりサイボーグ化する*1。
■ネメシス
4人組を慕う妹分。
未来世界ではレジスタンスに加わる一方、ある秘密を狙われてもいる。
GB版では何故か格好がシスターだった。
DS版ではシスター風エロコスに。
まさかり装備の可憐な乙女。
■フレイヤ
過去世界で4人組が助けた幼女。
おおばば様の許しを得て現代に連れて来られた後、未来世界にてレジスタンスに。
エスパー設定だが、何故か格好は中華娘。
DS版ではイベントの結果により、境遇に劇的な変化(笑)が起きる。
■ボラージュ
未来世界から子供達を現代に託した人物。
最終章での強力な仲間。
何かしらの秘密を抱えている様だが……。
DS版ではタイムズ・ギアを託した人物でもある。
■ギル
ダームの町の長老で、シリューの祖父。
未来から送り込まれた子供達を託された。
拳法使い……らしい?
■おおばばさま
イレムの町の長老。
GB版では未来世界で最期を看取る事になるが、DS版ではほのぼのシーンに差し替えられた。
■クロノス
イレムの町の賢者。
ステスロス研究の権威……と云うかマニア。
■パルサー博士
ステスロス研究の第一人者で、ステスロス2号機の開発者。
■四賢者
嘗て、ソール神と共にステスロスに乗り込んだ英雄達。
バルザイ、シャルル、ズカウバ、マサムネの四人でデューン達に協力してくれる。
マサムネ以外の三人の名前はクトゥルフ神話に由来。
※DS版以降。
■ワンダラー
如何にも胡散臭い風体の仮面の男。
…通称1$様。
またの名をステスロスマン。
時空を超える場面にて、度々デューンに接触してくる。
進行に応じてタイムズ・ギアの機能の解放をしてくれるが……?
【用語解説】
■ステスロス
神話の戦いでソール神が操り、異次元の神々を駆逐したと言われる、時空をも越える力を持つ次元戦闘機。
現在は19のパーツが外され、本体のみが神殿に封印されていた。
デザインと名称は当時(湾岸戦争)の世相を反映して、ステルス戦闘機(F-117)から。
DS版では古代兵器らしいイメージに変更された。
詳細は当該項目へ。
■異次元の神々
嘗て、異世界から侵攻して来た恐るべき存在。
ソール神とステスロスに追い返された筈だったが突如として復活。
全時代に異世界と繋がる水瓶を出現させ、世界を水と魔物で満たし水没させようとしている。
詳細は当該項目へ。
■聖剣
異次元の神々の王、ラグナ神を倒す為に必要な4本の剣(エクスカリバー、正宗、草薙の剣、ソロモンソード)の事。
DS版では無理に使う必要こそ無いが、邪神に有効な聖属性装備。
※DS版以降。
■タイムズ・ギア
ステスロスの力を利用して、限定的ながら時空を操れる。
移動中・フリーシナリオ・戦闘にて使用する。
連携や攻撃ターンの増加に相当する○○ドライブが強力。
ステスロスで時代や次元をワープするたびにデューンの意識を自分の空間である「次元の狭間」への前に呼び、タイムズ・ギアの使い方を教えたり、隠された機能を解禁するなどして手助けしてきたワンダラー。
その正体はこの世界でたった一人の時空の狭間の住人であり、この狭間を介して時空間を移動できるのであらゆる未来を見通すことができた。
しかし、あるとき自分の命に危機が迫っていることを知る。
その契機はもちろん異次元の神々による侵攻である。
ただし彼の場合、差し迫っている危機の種類がみんなとは大きく違ったものであった。
彼は特殊な種族で、この時空の狭間という空間そのものに命の根源を預けている。
そして、異次元の神々による侵攻は、放っておけば最終的に2つの世界のどちらかが消滅してしまう。
時空の狭間は、2つの次元があるからこそ「狭間」として存在していられるのであり、次元が1つしか残らなければそこに「狭間」などない。
そのうえデューンたちの世界にいるソール神は、異次元の神々から分離した存在であり、もし異次元の神々に勝利するようなことがあれば異次元側を滅ぼしてしまう。
デューン一行にとっては異次元の神々を倒してくれるかもしれないと期待されていたが、ワンダラーにとってはどちらも敵であったのだ。
つまり助かるには、異次元の神々とソール神をベストなタイミングで相討ちに持っていくしかない。
ここから人知れず、2つの次元を上手く残しつつ異次元の神々による侵攻を停止させる手段をたった一人で探し始める。
デューンたちの時空を越える戦いを、互いの利益になるよう誘導しながら、作戦を進めていく。
もしデューンたちが自分の目論見どおりにステスロスを動かすことができたのならば計画は成功するだろう。
しかし旅の途中でデューン一行がパーツ探しより人助けを優先させたことから、ワンダラーの計画を狂わせてしまう。
人助けをしている間に異次元の神々の手で探し忘れていたパーツが持ち去られてしまったのだ。
パーツを手に入れないとステスロスは動かない、だから自分の計画に乗せることができない。
どうにかデューンの知り合いを利用してパーツを回収させてはみたが、今度はその知り合いが自分の想定外にステスロスの研究を開始。
未来予測に無かった2台目のステスロスを建造された挙句、それを使って別部隊が異次元へ戦いに行ってしまったのである。
当初の予測より大幅に時期を前倒ししての異次元攻略が始まってしまった。
この異次元は時の流れが無いので、時間を遡って歴史を覆すことができない。ここから先の計画には失敗が許されないのだ。
しかもこの別部隊は妙に強く、異次元攻略の行軍はとても順調であった。順調過ぎた。
そしてデューンたちの世界の出身であるから、ソール神の信奉者でもあった。
すると今のままではどうなるだろうか。答えは「説得などできないまま、ソール神と共倒れさせる前に異次元の神々だけが滅ぼされる」。
ワンダラーにとっては死神のように思えたことだろう。
そこで彼は、部隊のリーダーであるジュピターという男を不意打ちで倒すという、血塗られた選択を取らざるを得なくなる。
それでもなお、命の保証だけは考え抜いたうえで、被害を最小限にしつつ、デューンたちの助けにもなるよう、あらゆる手を尽くした。
のちにデューンたちも別部隊を追いかける形で異次元へ到着すると、ボラージュと名乗って正体を伏せながら直接共に戦う。
こうして、異次元の神々の首魁であるラグナ神がソール神を取り込んだ瞬間を狙ってこれを打倒。
見事、自分の守るべき次元の狭間と、デューンたちの世界をも守り抜いたのだった。
異次元から帰還したのちはボラージュとしての姿のまま、ジュピターの身体を蘇生させて計画は完了となった。
だが、蘇ったジュピター=デューンの父親が語った当時の状況から、デューンから不信感を抱かれ始めてしまう。
デューンたちは最終的に旅立ちを決めた時代で暮らしていくことを決定し、完成したタイムマシンで帰還するのだが、
不信感の正体を突き止めたことで尋問にかけるつもりで、表向きはお礼と招待という形でボラージュはタイムマシンへ招かれる。
こうしてボラージュは、ワンダラーという正体を隠し続ける限り逃げ場がない状況へ置かれ、その正体を看破される。
真相を悟ったデューンたちの指摘と、ジュピターが斃れた案件の不信感を問い詰められ、すべてを白状する。
一度決着をつけないと収まらないと判断したワンダラーは、真の最終ボスとしてデューンたちの相手をすることになった。
戦いののち、デューンたちの疑問はそれでもすべて晴れたわけではなかった。
ワンダラーは、自分のために最小限の犠牲で済むよう、互いの利益になる選択を採り続けるほど周到ではあった。
だが、自分の正体を秘匿するという面では、ちょっとした矛盾から簡単に推測できる程度に脇が甘いと見られていた。
真相を隠しつつ、それがたやすく露呈する立ち回りをして、一体なにがしたかったのか。
まして、あらゆる未来を見通せるほどの人物が考えたプランにしては雑すぎであり、どうしてもデューンは理解できなかったのだった。
そこでワンダラーは問いかける。
似たような選択がいくつかあって、なおかつ迫る危機に対処しなければならず、しかも何を選んでも結果に大差ない場合、キミならどうするのか、と。
実際終盤にデューンたちはこの質問にズバリ合致する事件に巻き込まれたのだが、彼らの場合はその選択を迷わなかった。
これがどうしてもワンダラーにとって不可解な答えであったのだ。
互いに理解できない部分がある者同士が交わすこの問答で、その答えが垣間見える。
あらゆる未来が見えるワンダラーは、あまりにも多過ぎる選択肢を提示されることになり、迷わざるを得なかった。
だからタイムズ・ギアをデューンに渡して、未来が見える者としての共感者になってもらい、その行動を観察して自分が迷った場合の答えを探ろうとしていた。
そう、これは「自分ではわからないことがあったら他人の選択を参考にする」という、人間ならごく簡単に採れる問題解決手段の一つである。
それがたまたま時空の狭間の住人という特殊過ぎる事情を抱えた唯一無二の種族であったため、そんな簡単なことも彼にとってはきわめて困難であった。
パッケージイラストには真の黒幕であるかのように描かれているが、とんでもないこと。
迷いもするし悩みもする、だからこそ考える、ましてや神などではない、ただの一個人でもある。
追記修正は未来で過去を救ってからお願いします。
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▷ コメント欄
- ラスボスがぐろかった覚えが有るが、クトゥルフベースだったのか -- 名無しさん (2015-11-21 10:35:01)
- 実はリメイク前の方が好きなんだ -- 名無しさん (2015-11-21 11:59:05)
- このゲームはもっと -- 名無しさん (2015-11-21 16:00:27)
- 途中送信した。もっとどっちも評価されるべき。ただ、サイボーグやロボットでも戦い抜けるようにしてほしかった… -- 名無しさん (2015-11-21 16:01:37)
- DS版は値崩れしていたのでかなり安く買えた。勿体ない気もするけれど… -- 名無しさん (2015-11-22 14:12:56)
- エンディングでジュピターやディオールを細胞の欠片から生き返らせたのはやり過ぎじゃないかと思った -- 名無しさん (2015-11-22 20:22:58)
- 一番最初にやったサガシリーズだったから、レベルアップ制もとくに違和感なくやれた。サガシリーズとしてではなくRPGゲームとして考えればかなりクオリティは高いと思う。 -- 名無しさん (2018-09-27 21:19:30)
- サガっぽくないところが作品らしさと思ってる人間としては、リメイク版はサガ3を名乗る意味が無いと思ってる -- 名無しさん (2019-12-03 21:17:54)
- ド直球の王道RPGだよな、GBであのボリュームもすごいと思うし -- 名無しさん (2021-08-11 20:04:29)
- GB版だと食い倒れ人形の姿をしたモンスターや版権的にマズい名前のモンスターがいるんだよな。特に某夢の国のネズミの名前のアイツは… -- 名無しさん (2021-08-11 20:33:49)
- DSリメイク前までは散々黒歴史扱いされていた。七英雄で言えば嫌われ者のクジンシー。 -- 名無しさん (2022-05-16 22:37:54)
- ↑7 この頃は安値がついてたのに、今やプレミアがついて1万円台になってるから驚きだ……サガコレクション発売を期にリメイク版の需要が上がったらしい -- 名無しさん (2023-06-24 03:33:29)
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