ゼネバス・ムーロア

ページ名:ゼネバス_ムーロア

登録日:2014/10/30 Thu 19:33:08
更新日:2023/12/21 Thu 13:20:18NEW!
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ゾイド zoids ゼネバス帝国 皇帝 トミー へリック共和国 風族と地底族の継承者 血の因縁 機獣新世紀の姿無きキーパーソン ゼネバス・ムーロア



ゼネバス・ムーロアとは、トミー(現・タカラトミー)がかつて展開していた駆動ギミック付プラモデルシリーズ、『ゾイド』の登場人物。メカ生体版バトルストーリー(旧シリーズ)において敵方の前半の大ボス的な位置にいた。機獣新世紀版(新シリーズ)でも未登場ながら重要なキーパーソンとして名前が出ている。



生い立ち

ゾイド星(新シリーズでは惑星Ziに改名)最大の大陸、中央大陸にて風族を中心にして興された「へリック共和国」において生を為す*1
国王であり風族族長のヘリック・ムーロアI世(後のへリック共和国大統領となる長男と同名であるため、こう表記)はある時、地底族族長ガイロス(ガイロス帝国及び同国皇帝と同名であるが、一説によると建国に関与していたとされる)の妹を第二夫人として娶ることとなる。
その第二夫人との間に生まれた二男こそが後のゼネバス・ムーロアであった。



人物

兄・ヘリックII世に負けず劣らず勇猛果敢で、一介の戦士としても指揮官としても非常に優秀であった。
ヘリックII世は幼少時の恩義もあってか共和国軍の司令官に彼を任命している。
生来、非常に優しい心の持ち主でありプライベートでは思いやりがあってとっつき易い、好人物だった。
その思いやりの強さは幼少時、自分の制止を無視して父のゾイドを無断操縦した末に大事故を起こした兄を、「自分が事故を起こして兄を巻き添えにした」と嘘を吐いてまで庇ったことからも分かる(この時の恩義から兄は、父が母にプロポーズした際に送った腕輪をゼネバスに譲っている)。
しかし、その一方で武人・軍人としてのプライドも非常に強く、ヘリック共和国軍のトップに据え置かれてからは常々戦闘の機会を虎視眈々と狙い、立場故に常々外征論を主張したり理屈抜きで戦いを求めるような発言を繰り返すなど公では好戦的過ぎた。
その好戦性は多くの部下から好意的に見られていたようだが、兄弟間の対立はエスカレートし、ZAC1978年に独断で軍を動かそうとしたのを兄に止められたことで遂に決定的な溝が生じてしまう。



ゼネバス帝国建国から滅亡、そしてその後

忍耐の限界を迎えたゼネバスは決起し、中央大陸統一記念日に部下たちを引き連れてクーデターを敢行。
中央大陸西部の一部を制圧したことで共和国議会において司令官解任と共和国追放が可決されてしまう。
なお、この一連の騒動の影にはヘリックI世の実子であると同時に地底族族長の血筋にも連なるゼネバスを快く思わなかった議会の陰謀があると言われており、議会は隙あらばゼネバス謀殺も辞さなかったとか。
加えて、議会の暴走に気づいたヘリックII世がゼネバスを守るために暗躍していたとの未確認情報もある。
この騒動自体も旧ヘリック共和国建国以前から繰り広げられてきた民族間対立や、ヘリックII世が推し進めた軍縮に対する軍内部の反発が背景にあったことを付記しておく。


クーデター成功後、地底族族長の旧臣たちからの進言も受けてゼネバスは父に倣うかのごとく自身の名を冠した『ゼネバス帝国』を樹立、同国皇帝に即位する。
ゼネバス帝国は軍縮で居場所を無くす運命にあった将兵たちの受け入れ先でもあり、それもあってか国民皆兵制度が採られていたりと軍事優先で後ろ暗い部分も多い政治体制であった。
しかし帝国の主要民族である地底族が、元から好戦性溢れる気質で更に基本思想が「欲しい物は敵から奪うのが当たり前」だったため政治体制を気にする国民は殆どいなかった模様。
そんな国民の気風に助けられた面もあったとはいえ、乏しい国力でヘリック共和国相手に善戦し続け、内政の方もこれといった失策が見られなかったあたり、ゼネバスには政治家としての才能もあったことが伺える。
数十年にわたる一進一退の攻防の果てに、一度はガイロス帝国(この名前はメカ生体版ではまだ未登場だった)への亡命を余儀なくされるも、同国の支援を受けて再び中央大陸に侵攻。
デスザウラーの破滅的なまでの戦闘力の助けもあって今度はヘリック共和国首都・ヘリックシティの制圧に成功する。
しかし、マッドサンダーの登場に優位は崩れ、またしても中央大陸からの遁走を余儀なくさてしまう。


闘志衰えぬゼネバスは二度目の救援をガイロス帝国に打診するが、土壇場で裏切ったガイロス帝国は軍(当時は暗黒軍名義であった)を派遣してゼネバスを攻撃。
残存戦力を奪われた挙句、長女・エレナと共に拘束されてしまう。
こうして、ゼネバス帝国は滅亡したのである。
大陸間戦争中は旧ゼネバス帝国軍将兵を動かすための駒として監禁生活を強いられていたが、この時点で既に兄との和解を決意しており、幼少時に兄と共に作った暗号で秘密裏にヘリック共和国と交信。
ヘリックII世もゼネバスを助ける気満々であり、彼のために大規模な救出作戦を展開するなど積極的に動いていた。
しかし、そんなヘリックII世の必死の行動も空しく、グランドカタストロフで発生した混乱の中でゼネバスは、兄・ヘリックII世との和解が叶わぬまま静かにこの世を去った。
ゼネバス・ムーロア、死亡年月日不明、享年不明、死因も……不明。



彼が遺した影響と因縁

上記のような経緯もあってゼネバスの死はヘリックII世の心に消えることのない傷として残っており、グランドカタストロフ直後の戦いを描いた『リバースセンチュリー』ではゼネバスを助けることができなかった悔恨をエレナに語り、時には亡きゼネバスに助けを求めるなど、ヘリック二世の心の傷の大きさと深さがどれほどのものだったのかを窺い知ることができる。
また、馴れ初めは不明だがゼネバスはガイロス帝国の名族プロイツェン家のある令嬢とただならぬ仲となっていたらしく、彼女との間に第二子である長男を儲けている(ただし長男の存在を知っていたかは不明)。
長男及び旧ゼネバス帝国軍将兵(+その子孫たち)がガイロス帝国に抱く不満と怨念は強く、新シリーズでは巡り巡って彼らが報復を実行したことでガイロス帝国は国としての形を維持するのが精一杯になるほど弱体化し、戦いの表舞台から退場することとなる。
更にゼネバス帝国自体も「ネオゼネバス帝国」として復活、中央大陸全土の制圧に成功。
このように、ゼネバス・ムーロアという男は死後も新シリーズにおけるキーパーソンとしてその存在を誇示することとなったのだ。



人間関係

  • ヘリック・ムーロアII世

異母兄。
兄弟仲は極めて良好で、それもあって大統領制移行後も兄から重用されていた。
ところが兄の根っからの穏健路線とは合わなかったため溝が生じ、当初は議会での些細な対立程度だった兄弟喧嘩も最終的には中央大陸を二分する戦争にまでスケールアップしてしまう。
取り返しのつかないレベルにまで対立する羽目になったものの兄弟愛そのものは健在であり兄の長男、すなわち甥が生まれた際には、戦時中にも拘らずかつて兄からプレゼントされた腕輪を甥に譲っている(しかも素直な祝福の言葉付き)。
兄の方も当初からゼネバスと和解するつもりだったため、上記のように大規模な救出作戦を展開したりと、積極的に歩み寄ろうとしていた。


  • ヘリック・ムーロアI世

実父。
かつて暗黒大陸からの軍勢が中央大陸に攻め込んだ際、全部族の軍をまとめ上げて撃退に成功した後、ヘリック共和国を建国して中央大陸を統一した偉大な英雄であるが、それは中央大陸で続く醜い部族間戦争を憂う余り悪魔の所業に縋り付いた結果であった*2
当人は己の所業に対する良心の呵責に最期まで苛まれ、ゾイド星人としては78歳という異例の若さで早世している。
亡くなる前にこの件をヘリックII世とゼネバスに明かしており、口外しないようにと釘を刺しつつも、二人に手を取り合って生きるようにと言い遺した。
このことは公式ストーリーブック第一号「ヒストリーオブゾイド」に記載されている。
可愛い息子たちが袂を分かつのではないかと不安に駆られての行動だったのだが、皮肉なことにゼネバスのプライドの高さと複雑な出自がそれを現実の物にしてしまった。


  • エレナ・ムーロア

長女。
実は現時点で旧シリーズと新シリーズの両方に登場している唯一の人物である。
新シリーズで何の因果かヘリック共和国大統領になっているが、「リバースセンチュリー」にて過去に何があったのかがわずかながら語られている。


孫。
エレナの息子であるが、出生にまつわる詳細を聞かされていないため、ゼネバスが自分の祖父であることは知らない。


  • ギュンター・プロイツェン

長男。
何らかの方法で自分の出生を知っており、それもあってかゼネバスの無念を晴らさんとする意志が強く、ゼネバス帝国復興のために暗躍し続けた。
その執念と覚悟の甲斐あってガイロス帝国への復讐を果たし、命を賭してゼネバス帝国復活の礎となる。


  • ヴォルフ・ムーロア

孫。
ギュンターの息子であり、後のネオゼネバス帝国第二代皇帝。
幼いころからゼネバス帝国皇帝としての教育を受けていたのだが、どうにもゼネバスの性分が遺伝でもしたのか、ギュンター譲りの冷厳な容姿に反して幼少時のゼネバスを彷彿とさせるほどの心優しい好人物として育った。


  • ガイロス(地底族長)

母方の伯父。中央大陸の地帯族長であった人物。
つまりエレナとギュンターの大伯父にあたる。
なお、ゼネバスと面識があったかは不明(恐らくまずないと思われる)。
設定上はガイロス帝国の初代皇帝とは別人なのだが、少なくとも地底族長ガイロスは暗黒大陸に渡りガイロス帝国建国の礎を作っている。その後の動向は不明だが、少なくともガイロス皇帝は一代で帝国を成立させている*3






追記・修正は在りし日の陛下を知るPK師団構成員、もしくはヴォルフ陛下に忠誠を誓うネオゼネバス帝国軍将兵にお願いします。


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  • かわいそうな兄弟だな。 -- 名無しさん (2014-10-30 20:11:05)
  • ハーマン -- 名無しさん (2014-10-31 10:37:57)
  • 誤送信失礼、ハーマンはアニメでも出てくるのに、大統領は名前から変更されてんのね。てことはヘリック王族の血縁設定も無いのか? -- 名無しさん (2014-10-31 10:38:56)
  • ↑多分そうなんじゃない?ゼネバス関連の設定もアニメじゃマルッとカットされてるし惑星Ziの古代史自体もバトストとアニメじゃ全然違うからまあ仕方ないよなとは思う -- 名無しさん (2014-10-31 12:16:18)
  • アニメはバトストのパラレルワールドなんで、ムーロア家にまつわる設定は存在しないよ。 -- 項目作った人 (2014-10-31 18:51:50)
  • ゼネバス亡き後のガイロス帝国は残された旧ゼネバス帝国の国民を奴隷として扱ってたな -- 名無しさん (2014-11-02 20:13:16)
  • ヴォルフ……(´;ω;`) -- 名無しさん (2015-01-15 23:44:46)
  • ヘリック、ゼネバスが対立してたってより、双方が自身の派閥を抑えきれなくなって戦争状態に陥ったってのが真相だと思う -- 名無しさん (2017-04-25 01:20:30)

#comment

*1 建国当初のヘリック共和国は王政が併設された議会制民主国家だったのだが、コトブキヤのHMMシリーズでは諸外国を戦争で武力統治したヘリック王国という国家が前身にあったとする設定へ改変されている
*2 密かに暗黒大陸へと渡ったヘリックⅠ世が同大陸の軍団に中央大陸を攻撃するよう唆し、その後中央大陸においてライバル部族であった地底族とともにこれを打破した。ただし、HMMシリーズでは経過が改変され、彼の所属するヘリック王国が部族間抗争に介入・鎮圧し、大陸を制覇した設定となっている。
*3 HMM版では設定が変更されてガイロス帝国の建国者兼初代皇帝となっている。同シリーズでは風族長ヘリックのマッチポンプが存在しないため、ガイロス帝国の侵攻は中央大陸を平定するためのガイロスの策謀だったとされている。

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