登録日:2013/02/18 (月) 17:24:40
更新日:2023/12/14 Thu 11:04:48NEW!
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mtg クリーチャー 青 インビテーショナルカード 汚いなさすが青きたない 瞬速
マジック:ザ・ギャザリングに登場するカード。
青のクリーチャ-。イニストラードに収録され、レアリティはレア。
以下カードテキスト。
瞬唱の魔導士/Snapcaster Mage (1)(青)
クリーチャー - 人間(Human) ウィザード(Wizard)
瞬速
瞬唱の魔道士が戦場に出たとき、あなたの墓地にあるインスタント・カード1枚かソーサリー・カード1枚を対象とする。
それはターン終了時までフラッシュバックを得る。そのフラッシュバック・コストは、それのマナ・コストに等しい。
(あなたはあなたの墓地にあるそのカードを、そのフラッシュバック・コストで唱えてもよい。その後それを追放する。)
2/1
……おわかりいただけただろうか。MTG……いや、カードゲームをやっている人ならわかるだろうが、こやつ相当なパワーカードである。
なぜこのカードがパワーカードなのか?
カードゲームのほとんどはアドバンテージの獲得、すなわち自分のカードと相手のカードの1:1以上の交換を目指す。
しかしそれは相手も同じなので、結局互いの思惑が相殺され1:1の交換に落ち着くケースがほとんどである。
MtGにおいて青が持つ機能である呪文へのカウンターも、基本的には1:1交換以上の仕事はしない。
さて、あなたは現在デュエル中でカウンターカードを手に握っていたとしよう。
相手が強力な呪文をプレイした!そこをすかさずカウンター!
このカウンターカードは墓地に落ちる。これは1:1交換である。
さて次のターン、相手が同様に強力な呪文をプレイ!
そこでこちらはまず(1)(青)を払って瞬唱の魔道士をプレイ!
誘発型能力でフラッシュバックを持たせたカウンター呪文で打ち消し!
結果どうなるか。
相手:強力な呪文を2枚失った。
自分:カウンターカード1枚を失った。戦場には2/1が残っている。
明らかに2マナの仕事ではない。
またアドバンテージの獲得のみではない。
墓地の呪文を唱えられるということは、強力な呪文の5枚目以降の水増しになるという見方もでき、軽量かつ有用な呪文を多数採用していれば選択の幅も大幅に増す。
5枚目の対抗呪文にも稲妻にも神の怒りにもなれる。しかもアタックに参加できる生物つき。
登場した時点でヤバさがハッキリわかっていたカードだったが、何よりスタンダードで大暴れしたのは秘密を掘り下げる者(以下デルバー)を中核に据えたデッキ、Delver-Bladeであろう。
秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets (青)
クリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
あなたのアップキープの開始時に、あなたのライブラリーの一番上のカードを見る。
あなたはそのカードを公開してもよい。これによりインスタント・カードかソーサリー・カードが公開された場合、秘密を掘り下げる者を変身させる。
昆虫の逸脱者/Insectile Aberration
クリーチャー — 人間(Human) 昆虫(Insect)
飛行
3/2
ルーン唱えの長槍/Runechanter's Pike (2)
アーティファクト — 装備品(Equipment)
装備しているクリーチャーは先制攻撃を持つとともに+X/+0の修整を受ける。
Xは、あなたの墓地にあるインスタント・カードとソーサリー・カードの総数である。
装備(2)
変身条件としてデッキトップにスペルが必要なデルバー。
スペルを採用していればいるほど強力になる瞬唱の魔道士。
そしてスペルを墓地に落としまくると強烈なクロックを叩きだすルーン唱えの長槍。
これらの完璧なシナジーから生じるロック状態の圧倒的制圧力は正に白青的砂嵐の小宇宙。
このデルバー・瞬唱の二大チート生物に聖トラフトの霊を加えたレガシー級青生物三銃士を擁したデルバーデッキは一年の間トップメタをひた走り続けた。
おまけにアヴァシンの帰還参入時に投入された修復の天使はまるで初めから相方であったかのような相性の良さを見せ、トップメタの地位をさらに盤石にした。
が、ローテーションでミラディンの傷跡〜基本セット2012が落ちると
- 積み込みによりデルバーの変身を支え事故も減らせる「思案」
- 軽量にして中盤までは確定カウンター、終盤でも腐りにくい「マナ漏出」
- テンポをもぎ取りアタッカーの道をこじ開けついでにライフも奪う「蒸気の絡みつき」
- テンポロス一切ナシで情報と追加ドローを手に入れられる「ギタクシア派の調査」
といった強力なスペルが軒並み失われデルバーデッキ自体のパワーが落ちた節がある。
さらに新ブロックのラヴニカへの回帰では瞬唱の魔道士への対策カードも増えるわ、主に他デッキタイプがテコ入れされるわと割と逆風な環境である。その環境の中でもデルバーはトップメタからは退いたが、トリコフラッシュなどのデッキに使用されキチンと結果を残し、スタンダードを去り下の環境へとその主な活躍の場所を移していった。
このカードパワー、もちろんスタンダードでのみ通用するものではなくモダン・レガシー等あらゆる環境でお呼びがかかる性能なのである。
まぁ能力の性質上、カードプールが広がる=軽量で強力なスペルの選択肢が増えるほど強くなるので当然と言えば当然。
価格も馬鹿にならず一枚2300〜3000ほど。
闇の腹心・タルモゴイフ・石鍛冶の神秘家と並んで「レガシー級2マナ生物四天王」などと呼ばれている。あれ、赤は・・・
余談その1
イニストラードはゴシックホラーをモチーフにしたブロックである。
つまり、中近世ヨーロッパであり、狼男であり、吸血鬼であり、スリーピー・ホロウであり、フランケンシュタインの怪物であり、ナイトメアー・ビフォア・クリスマスな世界なワケである。
そこに颯爽と現れたレアカードが、ロックマンみたいなバスターを腕につけたアジア系の兄ちゃん(おっさん?)である。
繰り返しになるがイニストラードは「ゴシックホラー」というフレーバー部分がまずありきで、それを再現するためにカードやシステムが存在する「トップダウン方式」で作られた。
そこになぜ上記のような人物が登場したのか。
それは、これがインビテーショナルカードとして作られたからである。
インビテーショナルカードとは、要するにインビテーショナルという大会での優勝を記念してその人のデザインした(あるいはモチーフとしてイラストに描かれた)カードを作ることである。
この対象となった2007年の大会の優勝者がアジア系ポルトガル人で、今回は本人とカード開発部との相談の結果、デザインでなくイラストにのみ採用されたため、このようなことになったというわけである。
ちなみに元の案はこんな感じ
非公式/非実在カード
Denying Channel
土地
(T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。
(2)(青)(青),Denying Channelを捨てる:呪文1つを対象とし、それを打ち消す。
元のデザインは、色マナが出ない以外欠点がない土地として土地のスロットに入れることができるカウンター、それも起動型能力による打ち消しなのでこれ自体が非常に打ち消されづらいという利点がある。どう考えても瞬唱より遥かにひどいことにしかならない。
どう調整してもまともなカードパワーにならないため、元デザインを破棄して1から作り直す事になった。2007年の大会賞品であるカード化が2011年まで遅れたのは、そういった事情がある。
余談その2
炎の斬りつけ、稲妻のらせんといったカードは、瞬唱の魔導士との組み合わせが強すぎるという理由で再録が断念された。
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▷ コメント欄
- ワープロ項目から内容移動 追記とかあればオナシャス -- 名無しさん (2014-03-05 10:56:30)
- 確かインビテーショナルで提出されたカードより強くなってるんだっけ -- 名無しさん (2014-03-05 11:45:17)
- ↑カウンター付きの土地じゃなかったかな -- 名無しさん (2014-03-05 12:33:56)
- こいつが存在するせいで軽量スペルの性能を抑えなけりゃならなかったんだよな。 -- 名無しさん (2014-03-05 14:26:27)
- 稲妻のらせんェ… -- 名無しさん (2014-03-05 16:58:04)
- カナスレはアカン、デルバーくんも駒もwillも過不足なく自然に使えるから相乗効果はまさに歯車的砂嵐の小宇宙 -- 名無しさん (2014-03-05 17:05:04)
- ヤソコンver.2012夏での薬瓶経由の挙動は見てるだけで恐怖を覚えたw -- 名無しさん (2014-03-05 22:07:30)
- >明らかに2マナの仕事ではない。 そりゃそうだ自分はカウンター呪文2回分のコストを払ったんだから。仮にそれが対抗呪文だとしたら、合計6マナ支払ったことになる。 -- 名無しさん (2014-04-07 04:39:22)
- 6マナで対抗呪文2回と実質1枚ドローと2/1が出てておかしくないってたか、これだから青は。。。 -- 名無しさん (2014-07-15 20:57:56)
- 2/1がインスタントで出てきて墓地のスペルなんでももう一回使えるのが2マナのカードの仕事ではないって話なんだが大丈夫かこいつ -- 名無しさん (2014-08-29 14:14:26)
- 2マナ四天王の赤は無事にヤンパイが出たな。無色の十手入れて六武衆で -- 名無しさん (2014-09-05 11:34:52)
- >(2014-08-29 14:14:26) その墓地にあったスペルを唱えたところまで瞬唱の魔道士の実績に計上されてるのがおかしいって話。大丈夫じゃないのはお前 -- 名無しさん (2014-10-17 12:19:14)
- 「インスタントタイミングでFBを付加して2/1を残す」のが2マナの仕事じゃないって意味だろ、大丈夫か -- 名無しさん (2014-11-20 03:07:48)
- オマケにスペルの扱いに長けた青。2マナで出来る仕事じゃないって意味だよな、大丈夫か大丈夫か -- 名無しさん (2014-12-01 16:22:21)
- フラッシュバック付けてるのは瞬唱であって元のカードじゃないんですが。だったらdark ritualじゃなくて出したクリーチャーが強いだけ、とか言えちゃうぞ -- 名無しさん (2015-01-31 04:37:27)
- イラスト元の人はアジア系だけど国籍はポルトガルということで、こいつ自体のあだ名は「ポルトガル人」 -- 名無しさん (2015-04-29 17:27:57)
- 石鍛冶、ポルトガル、ボブ、タルモ…強いなあ ポルトガルの場合他を考慮しなくても使えるのが余計強い -- 名無しさん (2015-04-29 17:38:48)
- マナばっか見てるからバカになる。2マナ2/1瞬速ってだけで強いのにターン中に墓地のインスタントかソーサリーを手札に戻してんのとだいたい同じなんだぞ。2マナで2/1を1体と墓地回収でおかしくないわけがない -- 名無しさん (2015-06-01 15:45:50)
- goldfishの統計見れば分かるけど、モダンで使用率1位のクリーチャーがコイツ。タルモの二倍使われてる。早く禁止されろ。 -- 名無しさん (2015-08-14 11:24:25)
- ↑完全に同感。モダンだが「出産の殻」禁止の理由の1つに「包囲サイのような強力なパートナーがどんどん環境が広くなるにつれて出てくるから」ってのgふぁあったけど何でコイツには当てはまらんの? -- 名無しさん (2015-08-25 01:50:25)
- ↑やっぱ、日本は青使いが多いから、瞬唱禁止にしたら、プレイヤーが逃げて儲けが減るってのが本音だろうね。。ユーザーへっても相対的に日本人プレイヤーは多いし -- 名無しさん (2015-08-25 01:53:23)
- ↑殻や宝舟よりはマシじゃろ -- 名無し (2015-09-30 20:00:42)
- 新イラストおめでとう -- 名無しさん (2015-10-19 11:51:15)
- アドの計算おかしい。2/1が戦場に残っているところまで踏まえて2:1交換 -- 名無しさん (2015-11-21 17:45:54)
- サッカー上手そう(偏見) -- 名無しさん (2015-11-21 17:54:17)
- 2マナ瞬速2/1の時点で生物としては及第点。そこにメリット能力までつく。 -- 名無しさん (2016-11-14 23:19:40)
- 遊戯王に墓地除外で同じ効果使える罠があるけどそれも既にあったのか -- 名無しさん (2016-12-12 01:43:05)
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