登録日:2010/02/12(金) 23:40:15
更新日:2023/08/08 Tue 17:25:14NEW!
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1994年7月29日に金曜ロードショーで放映されたルパン三世TVスペシャル第6弾。
【概要】
脚本はこれまでのTVスペシャルを手掛けてきた柏原寛司氏に代わって、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』や『SLAM DUNK』でおなじみの岸間信明氏が、監督は前作『ルパン暗殺指令』で演出を担当した奥脇雅晴氏が担当。
かつてルパン三世の祖父であるアルセーヌ・ルパンが唯一窃盗に失敗した「竜の置物」を巡る物語で、
TVスペシャル作品では視聴率24.9%と最高視聴率を記録しており未だに破られていない。
作画は数多くあるTVスペシャルの中でも珍しいTV第1シリーズ(通称旧ルパン)をベースにしているため、異彩を放っている。本作でキャラクターデザインを務めた須藤昌朋氏はこの2年後から、アニメ名探偵コナンのキャラデザを務める。
【あらすじ】
その日ルパンと次元は銀座のゲームセンターにいた。
五ェ門が歌舞伎座で『初代・石川五右衛門』の歌舞伎の観賞に行っている間暇をつぶしていたのだ。
一方、五ェ門は歌舞伎のクライマックス、先祖の最期に号泣していた。
すると、突如歌舞伎座に謎の忍者集団が現れ五ェ門に襲いかかった。
外へ逃れた五ェ門。そこへルパン、次元、さらにルパンを追ってきた銭形も加わり、銀座の街は非常にカオスな事態に。
なんとかルパンたちはそれを切り抜けるが、走り去る車の中の人物が自分たちの様子をうかがっていたことにルパンは気づく。
パリのアジトへ戻ったルパンと次元は、車の中の影の正体が香港マフィアのボス“陳珍忠”であると突き止める。
一路、陳の思惑を探るべく陳の主催する香港のパーティーへと潜入した一行は、そこで斬鉄剣と沈没船・タイタニック号との意外な関係を知ることになる。
【登場人物】
■レギュラーキャラクター
○ルパン三世
CV:山田康雄
「な〜んか面白ぇコトが始まりそうだぜ」
ご存知我らが大泥棒。顔立ちがノーブル。
狙った獲物は必ず盗む、のポリシーのもと、タイタニック号に隠されたお宝『竜の置物』の探索に向かう。
UFOキャッチャーは苦手らしい*1。
本作の愛車はこれまたクラシックなジャガーEタイプのロードスター。当たり前のようにシートがせり上がるギミックや建物の壁を平気でブチ破る威力のミサイルなど、ルパンお手製のハイテク機構を装備している。
加えて黄色の複葉機も所有しているが、こちらはルパンらしからぬかなりのオンボロ具合。ただしハイテクはハイテクであり、結構デカめのミサイルを少なくとも2発と、遠隔でのエンジンスターター&ミサイル発射機能を装備(操作はルパンの革靴で行う)。
○次元大介
CV:小林清志
「ケッ、いけすかねぇ…」
ご存知義理堅い頼りになる男。
クロスワードパズルにハマっているそうで、ゲームセンターでも深海でも興じている。
本作では基本的にルパンのバックアップに回っていることが多く、目立った見せ場がない。前作『ルパン暗殺指令』で活躍したツケか?*2
それでも人質に取られた不二子を一瞬の抜き撃ちで救出するシーンは次元ならでは。
○石川五ェ門
CV:井上真樹夫
「勝負!!」
ご先祖様の歌舞伎見て涙ウルウルな、本作の実質的な主役。仲間には「愛想のねぇ」野郎。
陳を追っている最中、同門で昔共に修行をしたくノ一“桔梗”と再会する。
タイトルで分かるように、本作で最もフォーカスを当てられている人物。
本作ではTVSPにありがちなギャグ担当ではなく、ひたすら「剣に生きる男」といった感じ。せいぜい桔梗に胸を押し当てられて頬を赤くする場面くらいが笑いどころ。色キ◯ガイなのアイツ…。
○峰不二子
CV:増山江威子
「死ぬ時はきちんとベッドの上で死にたいわ」
ご存知謎のオンナ。
陳に取り入ろうとパーティーに参加した所をルパンたちと合流する。
中盤でシャワーシーンを披露してくれる。囚われた時には自慢の美脚剥き出しの超ミニスカの服を着せられる。至極どうでもいい情報だが、ラストで複葉機の床が抜ける時に一瞬「見える」。
1stルパン初期のキャラクターデザインそっくりだが、まぶたが二重(1stは実は一重まぶた)。
○銭形警部
CV:納谷悟朗
「うるさいっ!逮捕だぁ!!」
相も変わらずな、愛すべき我らがとっつぁん。
冒頭で「ルパンキャッチャー」という変態兵器を用いてルパンを捕まえるがあっさり逃げられる。
海上警察を率いて再び現れるが、接着剤入りのバズーカでひとまとめにされてしまった。
狙いがあくまでルパンなためか、話の本筋にイマイチ入れず普段以上に空回りとなってしまったが、ラストではしっかりいつものメンツのチェイスとなっている。
■ゲストキャラクター
○陳珍忠(ちん・ちんちゅう*3)
CV:滝口順平
「スリルも食べすぎると体によくありませんよ」
通称「チンチンちゃん」。本作の悪玉。
ゴムボールをつぶしたみたいな顔をしているスケベオヤジ。
香港マフィアのボスで、タイタニック号に隠された『龍の置物』の秘密を知っており、これを手に入れようと画策している。普段は丁寧な物腰である一方でルパンに出し抜かれて滑稽な姿を晒したりもするのだが、マフィアのボスだけあって冷酷かつ狡猾な面も見せている。
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置物の秘密――斬鉄剣に使われている特殊合金の製造方法を知ると、自身が所有する武器製造工場でこの合金を用いたステルス戦闘機を完成させ、桔梗と共にニューヨークを目指し飛び立つ。
既存の兵器をものともせずアメリカ艦隊をも単機で壊滅させて、
「絶対に撃ち落されない無敵のステルス」を手に入れたと有頂天になったが、
止めにやってきた五ェ門の、3度全く同じところを切るという絶技によってステルス機を両断され、
ステルス機、桔梗と共に海の藻屑となった。
皮肉にも「絶対に撃ち落されないステルス」は「絶対に沈まない」とされたタイタニックと同じ深海に沈むこととなったのである。
TVシリーズに登場する悪役、スコーピオンのミスターXにそっくりのすけべっツラなほか、声優も同じく滝口順平氏。ただし、意味不明な機械で不二子をくすぐり拷問にかけたりはしない。
○柘植の幻斎(つげのげんさい)
CV:銀河万丈
「フフフ…柘植の幻斎は一人ではない!」
チンチンちゃんの部下の隻眼の男忍者。
ザ・不死身。嘘。
百地党の流れを汲んでおり、忍びの流派としては五ェ門とは兄弟流派とのこと。
多数の影武者を使い、何度もルパンたちに襲いかかる。
ちなみに影たちはいずれも、銃殺・斬鉄剣で斬られる・銃殺の上にワニの餌などロクな死に方をしていない。影武者カワイソス
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最終的には武器製造工場で本物が登場。影武者とは違うと豪語してルパンに襲い掛かる
超人的な動体視力と身のこなしにより撃ち放たれた銃弾を切り落とす実力を見せつけるが、
視界を塞がれた隙を突かれて眉間を打ち抜かれあっけなく敗北。
結局影武者同様一太刀も浴びせられずにルパンに敗北したため
ルパンからは「大したことな〜いじゃないのよン」と言われてしまった。そのシーン、時間にして約45秒である。お気の毒…
「あたしはもう、大人だよ」
幼少の頃、五ェ門と共に修行したくノ一。
けしからんぼでーをしているが残念ながらお色気担当は不二子ちゃんです。
なんてこった。
五ェ門と再会した際彼と共に幻斎たちの襲撃を受けるが協力してこれを退けるなど確かな腕の持ち主。
五ェ門を助けるべく彼と行動を共にするも物語中盤である出来事に巻き込まれ、生死不明になるが…
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後に生きていたことが判明したが、同時に香港マフィアと繋がっていることも判明。
五ェ門と再会した際の襲撃も五ェ門に近づくための芝居であり、
すべては龍の置物を利用して香港マフィアの陳と共に世界を屈服させ、莫大な富を得るため*4。
本性は昔馴染みである五ェ門をも利用する対象としか見なさず用が済んだら平然と殺そうとする悪女である。
だがそのように変貌してしまったのも、すべては龍の置物を盗んだ人物が
自身の曽祖父だと知ってしまったゆえでもあるため、かつての桔梗を知る五ェ門は悲劇と感じていた。
珍が完成させたステルス機に乗り込み共にアメリカを目指すが、それを止めるために現れた五ェ門を追尾ミサイルで迎撃。
しかし五ェ門に絶対切れないはずのステルス機を両断されてしまい、そこに自身が操作していた追尾ミサイルが爆発し墜落。
爆発に巻き込まれ、陳、ステルス機と共に海中に没した。
利用されていた事に露ほども気づかず、挙句に斬鉄剣を上回る強度のステルス機に挑む五ェ門に対し「相変わらずどこまでも甘ちゃん」と嘲笑していたが、
五ェ門がステルス機の対空砲火を苦も無く斬り捨てた際には驚愕していた。恐らく彼の実力に関しては本気で見誤っていたと思われる。
皮肉にも五ェ門を甘ちゃんと侮っていた自身の「甘さ」によってその野望は潰され、事の発端となった曽祖父と同じ場所で眠る事となった。
なおルパンからは龍の置物への執着と陳のアジトの所在を知っていること、
生死不明になった際の行動が不自然であった*5ことからいち早く疑われていた。
■ターゲット
龍の置物
文字通り龍を象った黄金色の置物であり、斬鉄剣を鍛えた刀鍛冶が制作したもの。
斬鉄剣よりも軽く頑丈な特殊斬鉄合金でできている。
ルパンが五ェ門に刃を向けられ咄嗟に受けた際には共鳴するかのように激しく発光し、斬鉄剣との繋がりが示唆されていた。
置物としての形は偽装でありその正体は特殊斬鉄合金の製法を記したプレートである。
特殊な液体に漬けなければその偽装は解けず、その液体の製造法は伊賀山中に隠された巻物に記されており、
この2つが揃って初めて製造方法が分かる仕組みになっている。
元は甲賀忍者のもとで保管されていたが、ある人物が盗み出し海外に売り飛ばそうとするも
よりにもよってタイタニック号に乗船してしまい、船と共に海に沈んだ。
最終的には再びタイタニック号が眠る海に沈み龍の置物へと戻っている。(巻物の所在は不明)
■兵器
特殊斬鉄合金製ステルス戦闘機
龍の置物から得られた製法をもとに制作された大型のステルス戦闘機。
現行のステルスの真っ黒なイメージからは正反対の、周囲の背景が映り込むほど美しい白銀のボディを持つ。
現実のアメリカのB-2爆撃機のような、いわゆる全翼機と呼ばれる形状をしている。
斬鉄剣をも超える金属で作られたため、アメリカ軍の戦闘機のミサイルの一斉射撃も戦闘機の衝突にも傷一つつかない圧倒的防御力を誇る。
また、そのボディそのものが巨大な刃のように鋭いため、突撃するだけで戦闘機を真っ二つに切り裂いてしまう事ができる。
ホーミングミサイルと対空機銃を備え、単機でアメリカ軍の艦隊を壊滅させる戦闘力を持つ。
【余談】
本作品はこれまでルパン三世の声を演じ、シリーズを支えてきた山田康雄氏の遺作となっている。
この作品の収録の際、病に犯されていた山田氏は、もはや立って演技するのもままならないほど体調が悪化していたという。
声にもいつもの生彩を欠く状態だったらしく、ルパンの演技もかなり無理をしていたことが窺える。
それでも氏は最後の最後までルパンを演じ切った。この事に敬服せずにはおれない。
まさに『永遠のルパン三世』である。
五ェ門「相手が誰であろうと、追記・修正しなければ…斬る!」
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▷ コメント欄
- 陳々ちゃんが どう見ても 中国版ミスターX -- 名無しさん (2013-12-31 01:27:13)
- 桔梗は、残酷さが増した不二子ちゃんだな -- (2015-07-17 15:16:57)
- 桔梗「私を呼んだか?」犬夜叉「オメーは呼ばれてねぇよ」 -- 名無しさん (2015-09-04 15:52:06)
- 桔梗「ハハンッ私を呼びましたか?」リボーン「オメーも呼ばれてねーぞ」 -- 名無しさん (2015-09-04 15:55:58)
- クリカンもくノ一と闘っている -- 名無しさん (2015-10-13 07:35:21)
- 桔梗は「おそ松くん」でヒドインのトト子ちゃんを好演した松井さんの全力が見られた悪役だったなぁ。五ェ門と同じ時を過ごしたにも関わらず欲と野望で躊躇なく彼を殺そうとしたりチンチンと共に醜悪な悪役笑いを見せたシーンは今でも忘れられない。 -- 名無しさん (2016-07-30 10:23:40)
- ていうか元々性格悪かったんじゃないの。でなきゃ五右衛門殺しに戸惑うだろうに。 -- 名無しさん (2016-07-30 19:53:36)
- 子供のころは五エ門のこと慕ってたけど成長するうちに悪に染まったんだろうかね くノ一なんて綺麗ごとではできない稼業だろうし・・・ -- 名無しさん (2016-08-01 03:33:35)
- ↑3他にはスパイダー・エミリー -- 名無しさん (2019-12-11 18:56:32)
- 五右衛門を「女には甘ちゃん」と見下しながら接近していた桔梗見てるとルパンの「裏切りは女のアクセサリー」と余裕というか悪い事態迄騙されたフリして想定できるのが凄いかも -- 名無しさん (2019-12-11 20:40:28)
- 陳珍忠のキス未遂シーン(しかもドアップ付き)はキモすぎた -- 名無しさん (2020-12-02 14:56:14)
- ガスで狂わされた仲間たちが殺し合いを始めようとするシーンは地味にトラウマだったなあ。 -- 名無しさん (2020-12-02 20:21:28)
- 何度も出てきてたのは同じのが何人もいたからだったのか、やっとわかった。 -- 名無しさん (2020-12-03 19:03:53)
- ステルスとは言いつつも結構すぐに補足されてるからステルス性能はなさそう。まぁ力を誇示するならむしろ目立ったほうが良いけどね。 -- 名無しさん (2020-12-04 19:26:23)
- 超強度のステルス機は確かにつえーが、とはいえ燃料は有限だろうし、どんなに外壁が固くても内部の乗員までは守れないような攻撃(高熱とか放射能とか)もあるからなあ。艦隊を殲滅できるほどの強さがあるにもせよ、単騎で堂々とアメリカ軍に喧嘩売ったのは後々のことまで考えるとやはり思い上がりが過ぎて無謀だったように思える。 -- 名無しさん (2020-12-13 10:09:09)
- 幻斎って確か風魔じゃなくて百地党じゃなかったか?だから百地三太夫から忍術を習ったっていう初代五ェ門の繋がりで兄弟分って言ったはず -- 名無しさん (2021-04-04 16:54:46)
- (実際は水中服の事なんだけど、)ルパンが「モビルスーツ」と発言するシーンがある作品 -- 名無しさん (2021-10-21 17:05:10)
- ニンジャスレイヤー「やっぱりニンジャにろくな奴はいないな。」 -- 名無しさん (2022-07-18 13:10:41)
#comment
*2 ちなみに前作では次元が主役で五ェ門の出番が僅かという、本作とは真逆の展開だった
*3 海外版ではチン・チンチョウという読み方になっている
*4 この経緯を説明するシーンでは、共に行動していた柘植の幻斎は何故か五ェ門のような怪訝な反応を見せているが理由は不明。
*5 くの一としての修行を積んでいただけあり、相当な身のこなしを持っていた。それなのにワニの巣窟にあまりにも呆気なく落ちていたため、いくらアジトの罠とはいえ、ルパンは「おかしい」と感じていたようだ。
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冒頭で歌舞伎のシーンがあるが2023年12月に実際に歌舞伎で上映された
しかもゴエモンの先祖の時代が舞台だった
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