登録日:2011/10/28(金) 12:34:57
更新日:2023/11/20 Mon 11:11:52NEW!
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mtg tcg 月 青 カスレア 産廃 紙切れ 最弱 ハズレア 驚きの弱さ 蒼ざめるのは引き当てたプレイヤー キング・オブ・カスレア 何もしない 絵が美麗 ←唯一の利点 顔面ペイルムーン 蒼ざめた月 紙屑 どうしようもないカード
TCGは、広いカードプールの中からデッキを作り上げるのが非常に楽しい娯楽である。
しかし、デッキにはまず入らないカードというものが存在する。
その理由は様々だが、作っているデッキには合わなかったり相性が悪かったりするカードはやっぱり入らない。
そして誠に残念ながら、どんなデッキを作るにしても「弱すぎる」ために入らない、使われないカードというのも存在する。
レアリティの低いコモンや昔の古いカードなどは、弱すぎるとしてデッキに入らないことも多い。しかたないね。
もしパックを買って、それらの弱すぎるカードを引き当てたらちょっと悲しいだろう。
だがもし、買ったパックの、コモンではなく強力カードが多いレア枠に、その弱すぎるカードが入っていたら…?
悲しみを通り越して怒りになるだろう。
それがカスレアだ。
そして以下で紹介するのは、カードゲーム元祖にして最も膨大なカードプールを誇るMtGにおいて「最悪」とまで謳われた、恐るべきカスレアである。
Pale Moon / 蒼ざめた月 (1)(青) |
インスタント |
蒼ざめた月は、特に効果を発揮せずに墓地に置かれる。 |
マスクスブロック第二エキスパンションにして、強力パックと認識されていた「ネメシス」…その青のレア枠に、そいつはいた。
なんと、効果のテキスト欄に
蒼ざめた月は、特に効果を発揮せずに墓地に置かれる。
と書かれている。
つまり、2マナを無駄に払って手札を1枚減らし、墓地を1枚増やすだけのクズカードなのだ。
クリーチャーはどれだけ弱かろうと生け贄コストになったり戦闘要員になったりと最低限の働きはするのだが、使い捨てのインスタントなどではそうはいかない。
さすがの遊星も、コイツの擁護はできないだろう…。
本当はこういうカード。
Pale Moon / 蒼ざめた月 (1)(青) |
インスタント |
ターン終了時まで、プレイヤーがマナを引き出す目的で基本でない土地をタップした場合、それは他のいかなるタイプのマナの代わりに無色のマナを生み出す。 |
つまり、特殊地形対策カードなのだ。なので別に効果がないわけではないのだ。
しかし
- 特殊地形が色マナを出す妨害しかできない…他の特殊な能力(当時多用されていたクリーチャー化土地やリシャーダの港などの能力)は防げない。
- 1ターンしか妨害できない…相手はこのターンさえ凌げばやりたい放題。
- これに対応してマナを出せる…先に色マナを出してしまえば、ステップ毎にマナが消えるとはいえインスタントなどは即座に使える。
- ネメシス発売時は対策が機能しない相手であるそのリシャーダの港が全盛期故に必然的に単色全盛期…多色地形なんて使われてない。インベイジョンブロック以後の多色時代でも蒼ざめた月は使われていないが。
…と、様々な観点で弱すぎるため、
「蒼ざめた月は、特に効果を発揮せずに墓地に置かれる。」
とほぼ同義である。
こんなゴミが、みんなの買いあさる強力パック・ネメシスに収録せれているもんだから
「青のレア…まさか…!?」
という具合にプレイヤーを恐怖させた。
ネメシスの次にプロフェシーという産廃パックが発売され、カスレア・弱カードの嵐となったのだが…
弱パックのプロフェシーの場合は
「どうせ強いのなんて当たらねーし」
とダメ元で買うのに対し、
強パックのネメシスの場合は
「強力カード来い!」
と期待して買うので、この蒼ざめた月は他のカスレアよりも(悪い意味で)印象的である。
そのため、蒼ざめるのは使われた対戦相手ではなく、パックから引き当ててしまったプレイヤーである、と言われる。
というか使われたら唖然とする。実際に使われてみると分かるのだが、困るシチュエーションがない。一応、等時の王笏に刻印して使い回すなどができるが、それなら最初から違うカードを使うべき。
そのカスさたるや、2004年のSCGのコラム(よく勘違いされるが公式のコラムではなく、一人のプレイヤーが勝手に作ったランキングである)の歴代弱カードランキングにて、並み居る強豪達を押さえて栄光のベスト1(ワースト1とも言う)の座に輝いたほど。
コメント欄にも「このカードは本当に弱いの?」という疑問が出されているが、このカードのあまりの弱さにテキストを読んだ時間を無駄にしたと悲しめるようになれば脱初心者だ。それくらい何もしない。
このカードをの弱さを端的に表す例の一つとして特殊地形対策で同じ月をモチーフにしたカードに《血染めの月》というものがある。
こちらは基本でない土地を山として扱う、つまり特殊地形を赤マナ以外出せなくする対策効果を持った場に残り続けるエンチャント。だが強さの程は天と地ほどの差がある。
1ターン限りで終わるこいつより使い勝手がよく、特殊地形が満載になりやすいモダンやレガシーでは「このカードを早く置いて相手を減速させる」という戦術で愛用される。
さらには刺さるデッキによっては下手すると減速どころか投了しかねない程で、カード名の通りに「血染めの顔」になる程の凄まじい性能を持つのだ。
モダンなら「ブルームーン」、レガシーなら「ドラゴンストンピィ」「赤単プリズン」などの印象が強いのではないだろうか。
逆に言えば特殊地形を対策するなら、これくらいはしないといけないのである。
こんなカードでも一応、ゲートウォッチの誓いで「無色マナ」が定義されたことで「一時的に特殊地形から無色マナを出せるようになるカード」という使い道は生まれた。
もちろんそんな使い方をするくらいなら普通にマナ基盤を工夫した方が何倍も賢いが、使い道に目を逸らしてそれ以外で個性を見出すのが日常茶判事と化しているカスレア界隈にはついに使い道ができてしまったと激震が走ったものだ。
ここまでボロカス言ってきたこの蒼ざめた月だが、利点が一つだけ存在する。
それは「絵が非常に美麗」であること。
夜空に大きく浮かぶ蒼く染まった月を見上げた、芸術的なイラストである。
ぶっちゃけ前述の血染めの月も同じくらい美麗だが、絵が綺麗というのは案外バカにならないアドバンテージである。
その知名度の高さと優れたデザインゆえに、使い道のないカスレアにしてはちょっぴり高い値段で売られたりしている。ひどさも極めると芸術になるのだ。
追記・修正はパックから引いて蒼ざめてからお願いします。
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