ガラスの幸福(仮面ライダー龍騎)(削除審議中:著作権侵害の恐れ)

ページ名:ガラスの幸福_仮面ライダー龍騎_(削除審議中_著作権侵害の恐れ)

登録日:2012/03/31 Sat 00:37:25
更新日:2023/08/18 Fri 19:52:05NEW!
所要時間:約 8 分で読めます



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仮面ライダー龍騎 仮面ライダーインペラー トラウマ 井上敏樹 因果応報 自業自得 救いがない 報われない 井上敏樹の本気 鬱展開 みんなのトラウマ 衝撃のラスト 天国と地獄 ライダーエピソード項目 ガラスの幸福 おいやめろ 仮面ライダー王蛇 社長ライダー ※日曜朝8時です。 後味の悪いオチ 石田秀範 コメント欄ログ化項目 トラウマ回 リア・充・消・滅 幸せになりたかっただけなのに… 仮面ライダー敏鬼 仮面ライダータイガ リア充爆発した これ以上ない程の皮肉なサブタイトル 切実 泣きっ面に蛇 黒い東映




仮面ライダー龍騎』の44話。


ガラス工房の跡取り息子である佐野満は、幼馴染の百合絵と大恋愛の末に結ばれるという、純情ラブストーリー。
途中、親友であり恋敵の東條悟や、蛇の皮ジャンを着た暴漢に襲われながらも、佐野は恋に生きる。
大雨の中での一世一代の告白は必見。



追記・修正お願いします。



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   *   *  *   + うそです   n ∧_∧ n + (ヨ(*´∀`)E)   Y   Y  *    *   *  *   + うその方がいいけどな!   E) ∧_∧ (ヨ + u (#・Д・) u   Y   Y  *


※推奨BGM:「Alive A life」


仮面ライダー龍騎


まさか怪物捕まえようってんじゃねーだろうな?


では、この私を雇いたい…そう仰る訳ですね?


私は…ここにいる。


優衣…!


悪いな…負けるわけにはいかないんだよ!




【本当のあらすじ】

ライダーバトルが終盤に入り熾烈を極める中、生き残ったライダーの一人、佐野満の下にある知らせが届く。


「親父が、死んだ…」


社長である父の遺言により、次期社長となった佐野はフリーター時代とは比べ物にならない裕福な生活を送る。
だが、ライダーバトルを拒否すればモンスターの餌になるだけ。
危機感を覚えた佐野は大金を手に他のライダー達に共闘を呼び掛けるが、メリットの薄さと普段の悪態が災いして誰にも相手にされない。


そんな中でも彼の幸せは続き、百合絵という社長令嬢と見合いをする。


百合絵のためにも勝ち残る決意を固めた佐野だったが、ここからが悲劇の始まりだった。
友と思っていたタイガの不意打ち、王蛇のファイナルベントが直撃しデッキが破壊されるといった不幸が立て続けに襲い掛かってくる。


しかし、この後のことを思えば、王蛇に殺されていたほうが、まだマシだったであろう……


ミラーワールド内でデッキを失うこと、それは現実世界に帰れなくなることを意味し、タイムリミットまでひたすら消滅する恐怖に怯えるしかなかった。


百合絵さん!百合絵さん…!出してくれ…出してくれ!


出してくれ…出してくれよ! 俺は帰らなくちゃいけないんだ俺の世界に…!


いやだ…嫌だぁ! 出してくれ! 出して!



なぁ…なんでこうなるんだよ…俺は…俺は…


幸 せ に な り た か っ た だ け な の に



粒子状になって空気中に溶けていく自身の指先や肉体への恐怖から救いを求めるその叫びは、だれにも届かなかった。
鏡の中で豪雨に打たれながら一人寂しく健気に佐野を待ち続ける百合絵を見つめながら、絶望と後悔の中で佐野は消滅。
手にしていた鏡の破片も落ちて砕け散った。



場面は変わり、佐野の住んでいた部屋が映し出される。


主の帰らない部屋に残された小鳥もまた、籠から出られずに死んでいくことを暗示するように…


出典:仮面ライダー龍騎/東映/第44話「ガラスの幸福」/2002年12月8日放送


【主な登場人物】

今回の主役。実はとある会社の御曹司で、社長である父親の訃報を聞いて会社に赴く。
そこで、「次期社長を息子に…」という社長の遺言とフリーターをさせていたのは、世間を知ってほしいという親心だったと知った。
最初は突然の好待遇に戸惑うも、持ち前の調子のよさで社長ライフを満喫する。


元々優雅な暮らしを望んでライダーバトルに参加していたが、決着がつく前に願いが叶ってしまった。
しかし、「戦わなければ生き残れない」という触れ込みのライダーバトルにおいて、途中棄権は認められず、戦いを続けた結果悲惨な最期を遂げてしまった。


英雄になる為、恩師すら手にかけた大学院生。
満身創痍のところを佐野に介抱されると、次第に心を許し、遂に友人として接するようになる。
曰く「感謝してる。先生以外で初めて優しくしてくれたから」


しかし、東條の英雄観は「大切な人を自分の手で倒してなるもの」という非常に危ういもの。
それを知らなかった佐野は彼を信用してしまい、思わぬ一撃を受けてしまった。
悪意など無い、ただ「英雄になりたい」という純粋な思いが込められた攻撃を。


「ごめん。でも、君は大事な人だから。 君を倒せば、僕はもっと強くなれるかもしれない」


ご存知主人公ともう一つの主人公。最近花鶏で全く働いていなかったので、沙奈子の機嫌を損ねてしまった。


花鶏の仕事を手伝っていたところ、仲間を求める佐野が接触してくる。
しかし佐野には、一度裏切って優衣を狙った前科があるため一切信用せず、以前と違いその地位によって手に入れた大金をちらつかせられても、つっぱねた。


誠意を見せず大金で釣ろうとしたことは紛れもなく悪手であり、ここでお人好しの真司に見限られてしまったことが、彼の運命の決め手となったかもしれない。
それでも、いざ佐野が命の危機に陥ると迷わず助け出す辺り、真司の人となりがよく分かる。


なお、真司は大金に興味を示したのは一瞬だけだったのに対して、蓮は終始ガン見していた。*1


ご存知黒を白にするスーパー弁護士と、秘書の吾郎ちゃん。今回はゾルダには変身しない。
大金と引き換えに仲間になってほしいと交渉を持ち掛けた佐野を快く受け入れ、契約書の作成を約束した。


あっさりと話が進んだので、佐野は今一つ釈然としなかったがそれもそのはず。
北岡は最初から佐野に協力する気は毛頭なかったのである。


「(契約書を作るのは)時間がかかるんだよねぇ。一年先か二年先か…」
「先生!…ステキです」(by吾郎ちゃん)


しかも、金だけは前金としてちゃっかり受け取ってる。
契約書に一年も二年もかかるわけねぇだろ悪徳弁護士というツッコミはこの際置いておこう


ご存知蛇の皮ジャンを着た凶悪犯罪者。今回は変身後の姿のみ登場。
窮地に陥っている中で、ミラーワールド内で彼にエンカウントした状況は、誰が言ったか「泣きっ面に蛇」


何故あの時ミラーワールドにいたのか、何が原因でイライラしていたのかは不明。
佐野を急襲したのは以前*2の腹いせだろうか。


ご存知ゲームマスター。
軽い口調でライダーをやめたいという佐野に語気を荒げ、『戦わないのはお前の自由だ! だが、それが何を意味するか、お前もわかっているな』と脅す。
カードデッキを破棄すれば契約違反とみなされ、佐野は契約しているギガゼール種に襲われることになる。
ライダーをやめる方法はただ一つ…。


『戦え。そして、生き残れ。そうすればライダーをやめられる』



  • 重役

佐野の父親の会社に所属する男性たち。息子の佐野を何かとヨイショする。


なお本編とは関係ないが、この重役は佐野を必要以上に持ち上げており、そもそもその遺言自体が本当なのかの確たる証拠も描かれておらず、明らかに裏がありそうにも見えたが、その真意は最後まで不明。


  • 百合絵

佐野の見合い相手の社長令嬢。父親同士が知り合いという縁だが、当の彼女はまんざらでもない様子だった。


そして、この話における一番の被害者。何も知らず、ただ雨の中佐野を待ち続ける姿は悲壮感極まりない。


【余談】

カードデッキが壊れた佐野の下にガゼル軍団は1体も現れなかった。
契約が破棄された後のモンスターの行動は、ボルキャンサーのように「すぐさま捕食」する者もいれば、
メタルゲラスやエビルダイバーのように「契約者の仇討ち」をする者もいるので、
ガゼル軍団の場合は「佐野個人を捕食する気が起きなかった」とも、「契約を台無しにした」王蛇に襲いかかって返り討ちに遭った、あるいは個体ごとに別の行動をとったとも考えられる。


この回のラストに表示されたカードは強奪効果の「スチールベント」
「佐野の幸せは、ライダーの宿命に奪われた」ことをの暗示だろうか。
そして、そんな佐野の幸せを奪ったのは、スチールベントを所有する*3王蛇…



次の第45話では「会社の社長、就任直後に失踪!?」という見出しで新聞に載り、これを見た真司は「もっと、ちゃんと話を聞いてれば…」と嘆いており(しかし、蓮は「自業自得だ」と全くの正論であっさりと切り捨てたが)、真司の心に深い傷を残した事が伺える。


この話…というか佐野が出てくる第41話から第44話は、井上敏樹の脚本である。やっぱりね!
なお執筆した井上自身はインタビューで『龍騎』ライダーの好きな人物に佐野の名を幾度か挙げており、
後年執筆した本作の小説版でも佐野の名前は出さないが全く同じ最期の台詞を発して散るライダーを登場させている。


ここだけ見ると佐野が悲劇の主人公のようにも見えるが、前述した通り彼は以前願い(勝ち残り)を叶えるために、東條や香川教授らと共に優衣を襲いミラーワールドへと連れ込み殺害しようとしたことがある。
それも、香川の思想に共感したわけではなく、ただ単に香川に雇われた=報酬を受け取るためだけに。(その後優衣の失踪もあり真司に速攻叩き出されている。)
その上、今回に至っても真司と蓮に対しその事を詫びるどころか、社長のなった驕りで逆に大金をちらつかせて買収しようとし、上手くいかなければ悪態をつく始末。


自身の幸せや保身の為だけにライダー以外の人間の命を奪う事にも何の迷いすら無かったあたり、この結末は蓮の言う通りで「自業自得」であるとも言える。
だが、それでもこの結末は長い仮面ライダーシリーズ史上でもトップクラスの鬱エピソードといえるだろう。


前述の通り佐野が悪よりの人物であるのは確かだが、じゃあ根っからの悪人だったか?と言われるとそうとも言い切れず、(打算ありきだったものの)東條の面倒をしっかり見てやったり、関係ない一般人をガゼル軍団の餌にしないといった最低限の良心もあった(少なくとも須藤雅史よりはもちろん、浅倉や東條よりもよっぽどマシな人間である)。
幸せや報酬のために戦うというのもある意味彼にとっては切実な願いであったし、良くも悪くも「小物」や「お調子者」の域を出ない人間であった。
そういうのもあって、「確かに報いは受けるべきだったが、ここまで酷いものでなければならなかったのか?」という意味でテレビの前の視聴者はなんとも言えない気持ちになったと思われる。
少なくとも、13ライダーの中では最も精神的にキツいリタイアだった。


佐野の消滅シーンは演じた日向崇氏の熱演*4もあり、より一層悲壮感が漂っており、日曜の朝からちびっこたちにライダーバトルの過酷さを再認識させ、大きなトラウマを植え付けた。


ラストで佐野の部屋が映るシーンは完全に無音となっているが、テレビ放映は10秒間無音になると放送事故扱いになる可能性がある。
本作の映像では8秒ほどで次回予告に切り替わってBGMが入る形となり、制作部の細かい調整が伺える場面である。


テレビ絵本版では、インペラーはタイガの奇襲を受けた時点で退場という形になっている。

タイガ「さよなら、さのくん。」
インペラー「ぐ……。(オノマトペ)」
龍騎「な、なんてことを……。」
タイガは、インペラーも
たおして しまったぞ。

全体的にさっぱりとした終わり方だが、こっちの方がTV本編よりましに思える不思議。どうしてこうならなかった……


あと、この回は優衣のメイド回。
前回の43話で集団のお客(しかも外国人客であり言葉の壁にも苦労する状態)が来て慌ただしい状態の中、
優衣は外泊で不在、店にいた真司と蓮は全然店の手伝いをしないどころか混雑する店内を無視して行ってしまったことで、沙奈子さんが怒りを通り越して拗ねてしまったため。
実際のところ優衣は外泊でなくミラーワールドに囚われており、真司と蓮は優衣を探しに飛び出す一大事であったのだが本当のことを言うわけにもいかず、
平謝りした上で「お詫びになんでもする」と言った優衣に罰としてメイド服を着せていたのである。
ちなみに拗ねているときのおばさんはシャボン玉の歌を歌いながらふかしているが、歌の内容と本話の佐野の行く末と重なる部分があるのは偶然か否か…


また、今回の話で店に入ってきたたくさんの子どもたちは、当時のキャンペーンで出演が決まったエキストラの子どもたちである。
出演シーンを見ようとしたら合わせてあのラストシーンを叩きつけられたエキストラの皆さんや親御さんの心境やいかに…


更に2022年に【SHOW激!今夜もドル箱】という番組にて、北岡役の小田井氏と蓮役の松田氏が、この回で百合絵を演じたたかはしゆい氏と共演するが、1話限りのゲストキャラなのと直接的な絡みのシーンが無かった故か、2人ともたかはし氏が役名を明かすまで共演した事を覚えていなかった様子。


追記・修正は鏡の破片を握りしめながらお願いします。
あと、リア充爆発しろと思った人は土下座もお願いします。


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  • 反対意見が無かったので、本項目のコメントログは佐野満/仮面ライダーインペラーのコメントログにしました -- 名無しさん (2023-07-26 12:14:44)
  • 昨年、この回の百合絵役の人が北岡&蓮の2人とパチスロ番組で共演したのは驚いたなあ -- 名無しさん (2023-08-14 01:48:02)

#comment

*1 さらには真司が鞄を閉じても蓮がもう一回開いたり、佐野が持ち帰った時には名残惜しそうに見つめているほど。シュールなシーンではあるが、恵里の入院費にあてるつもりだったのだろうか。
*2 佐野が誰でもいいから味方にしようと北岡の下を訪ねた時、北岡から浅倉の紹介状を渡され、そのまま浅倉に接触したのだが、紹介状として渡された紙には「まぬけ」とだけしか書かれてなかった。
*3 ただし劇中未使用。使用したのはストレンジベントで引き当てたオーディンと龍騎サバイブだった
*4 しかも、ラストシーンの撮影時は高熱を出していた、とのこと。まさに「熱演」であった。

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