ART OF FIGHTING 龍虎の拳外伝

ページ名:ART OF FIGHTING 龍虎の拳外伝

登録日:2011/07/18(月) 23:19:09
更新日:2023/10/06 Fri 13:57:06NEW!
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ゲーム 格ゲー 不遇の作品 どうしてこうなった ←いや、悪くはない 実験作 モーションキャプチャー 3d格闘 繋ぎのつもりだったのに…… 困った時の龍虎乱舞 龍虎の拳 snk ネオジオ




……すごい漢だ。






●ART OF FIGHTING 龍虎の拳外伝(ART OF FIGHTING3)


「アートオブファイティングりゅうこのけんがいでん」は96年にSNKからネオジオ筐体にて稼働、発売された対戦型格闘ゲーム。
龍虎の拳』シリーズの第3作にして、シリーズの終焉を呼び込んだすごいゲームだ。


誰得の誕生日パワーアップシステムや、主人公2人以外のプレイヤーキャラクターの総入れ替え。
モーションキャプチャーを取り入れた事によるキャラクターの滑らかさをまだまだ活かしきれない面が多い等、やや否定的な意見で語られる事が多い不遇の作品である。



しかし、一方でゲーム自体の駆け引きの面白さや、3D格闘ゲームの要領も取り入れられた攻防自体は慣れてみると面白い、との意見もあり、偏に残念なのは醸造期間の短さにあるとも言える。


……事実、タイトルに「外伝」とある事からも判る様に開発スタッフの腹積もりは『龍虎の拳3』への繋ぎであったらしく……。
あくまでも実験作であった……と云うのが真相らしい。




【概要】
『龍虎の拳』シリーズ第3弾。
当時の格闘ゲームブームが一段落し、『バーチャファイター』や『鉄拳』と云った3D格闘ゲームが新たなる潮流を作っていた時代に発表された。
SNKでも『餓狼伝説』や『サムライスピリッツ』更には『KOF』シリーズまでが出揃っていた事からか、徒にシリーズを重ねるだけの展開に対して異議を唱える意味もあったのか、前作までのシステムを基本的には踏襲しつつも、モーションキャプチャーを取り入れた膨大なキャラクターデータを用いて3D格闘ゲームのシステムで動かす「2D格闘と3D格闘ゲームの折衷」を目指して開発……事実、その様に完成はされた。


……が、その従来とは全く様変わりしてしまったアクションへの戸惑いや、折角の動きを活かし切れていない面(爽快感には欠ける内容である)への批判も多く、それらの保守派の否定的意見の方が、新システムを積極的に受け入れようと云う人間より遥かに多かった様である。




【システム】
ボタン配置や気力システム等は前作を参照。
上記の様にアクションに3D格闘ゲームの要素を取り入れた事により、攻撃ボタンに強弱の概念が無くなり、レバー方向により技が変化。
中段技や浮かせ技、追い打ち攻撃と云った要素が取り入れられている。


これらの要素から攻防の基本は、浮かせ技を狙い空中コンボを狙う……と云った展開となっており、如何に接近戦での駆け引きからそれを狙うのか、と云う事が重要となる。
反面、ダウンからの回復が遅い等、システムを使いこなせていない事への不満の声も大きい。


他、気力システムは継続。正直、一番バランスが良くなった。
「脱衣KO」は「アルティメットKO」に昇華。
体力が低い状態で超必殺技を当てなければいけなくなったが、それ以上に恐ろしいのは2本先取のルールでも例えば1本目でアルティメットKOが発動した場合、そこで勝敗が決定してしまうと云う事。
……自分がやる場合ならともかく、仕掛けられる側になったら……。




【登場キャラクター】

本作の主人公。コスチュームが前作から一新されている。
新システムに合わせてか、使い易い技が揃っている…ように見えるのだが、実はガードされると隙の大きい技ばかり。
偶然から邂逅を果たした幼馴染みのフレアを、サウスタウン近郊の田舎町グラスヒルバレーに送っていき、それが契機になって事件に巻き込まれる。


今回は主役の座を親友に譲るが、それも『龍虎の拳3』が計画されていればこそ……。
事実、ゲーム中ではロバート以上に伏線が張られまくりである。
尚、本作では再びシリアス路線に立ち返っており、イタリアに里帰りするロバートを追うユリを無言で送り出したり、強者達への礼儀を尽くしたりとかなりのイケメン。
また、コスチュームも初代と同様のデザインに戻っている。
ロバートと比べるとリーチの短い技が多く、近づいていくのに一工夫必要になるテクニカル傾向のあるキャラ。
その分ジャブを用いた連携や連続技はなかなか強烈。


  • フレア・ローレンス

本作のヒロイン。かなりの美少女。
ワイラーの許に父の残した「遺産」を届けようとするが、そのワイラーの仕向けた刺客に「遺産」を狙われる事に……。
ロバートとは幼なじみ。小さい頃はロバートの前ではお姉さんぶっていたが、よくいじめにあって逆にロバートに助けられていたらしい。


プレイヤーキャラクター降格を嘆く声多数。
当初はプレイヤーキャラクターとして検討されていたのだが、「どうしても龍虎外伝の雰囲気に合わない」ために没になった。
……反面、前作のキャラクター崩壊を反省したのかロバートへの想いに気付く姿など、かなりの乙女。
兄と共にロバートを追う。
公式ストーリーでは後述のシンクレアに因縁をつけられ、で斬りつけられて傷を負い、一旦病院にて手当を受ける。
その後ワイラーと対峙するロバートを援護するため虎煌拳を放つも、無理が祟りそれ以上動くことはできなかった。


  • ロディ・バーツ

フレアの行方を探す「私立探偵(賞金稼ぎ)」で、ワイラーに雇われたトンファー使い。
イラストは悪人面だが、少し抜けた二枚目半と云った役回り。
腕は良いのだが、肝心の局面でドジってヘマをやらかす悪い癖があり、レニィには呆れられている。
性能面ではかなり上位なのだが、バグのせいでリョウに即死コンボを入れられやすいのが玉に瑕。


  • レニィ・クレストン

ロディとは腐れ縁のフリージャーナリストの使い。
実はSNKの元祖ムチ子。
元々露出が高いが、別に「アルティメットKO」してもこれ以上は脱げない。
ロディと組んで仕事をし、何度かうまい話にありついてはいるが、ほとんどの場合は失敗し全く儲からない。
性能的には最強を争えるほどの強キャラ。理論上の永久持ち。


  • カーマン・コール

ガルシア財団から派遣されて来たスペシャルエージェント。
唐突にロバートを本国に連れ戻す様にとの依頼を受けて、リョウの許を訪れる。
護身術の遣い手で、ロバートを「ひよっこ」扱いしていることから、財団エージェントの中でも屈指の戦闘力を持つ。
ただし極限流空手をマスターしたロバートとは戦ったことがないようで、彼の成長に感嘆を漏らしていた。
格闘ゲーム史上に残る長い「必殺技」名を持つキャラクターだが、誰も気にはしないだろう。
というか「ゲバルティガー・フーストリッド・フォン・オーベン」とか「アオファインナンダーフォルゲンテ・ビュルフェ」とか覚えられるわけないだろ


  • ワン・コーサン(王 覚山)

ペリカンのホエホエさんと旅を続ける某「裸の大将」テイストな放浪の画家にして、幻の拳法心意六合拳の使い手。おにぎりが好物かは不明。
不破刃を使いCPU戦で王に勝つと「すさまじき拳であった」と称えられる。ちなみに不破がここまで褒めるのは王に対してだけである。
リーチは短いもののかなり当たり判定が小さく、独特の性能を持つ技が多い。


前作で容量とキャラクターの都合で削られた父様の代わりに登場の美少女合気道使い。
可愛い見た目に反して口が悪いのは「片言で英語を喋ろうとしている」事の演出の為。
ちゃんと「脱衣KO」する。
彼女は本作初出のキャラクターでは唯一の生き残りとなっている。
スピード系のキャラでテクニカルな面を持つ。慣れるまでは扱いにくいが、技の特性を活かした連続技・連携はかなり強い。
但し超必殺技の性能が低く、実戦ではほぼアルティメットKOを狙えないという欠点がある*1


如月影二との跡目争いに敗れて(相手にすらされなくて)出奔……。
顔も見えないのに、影二の打倒を誓い世界を回っていた上半身裸の大男。
真面目に作った……とはとても見えない様なキャラクターデザインと技、勝利時の名(迷)言が何故か一部にウケまくった結果、哀しい結果に終わった本作を代表するキャラクターとなった。
上から叩きつける頭突きで相手を宙に浮かせるすごい漢(結局は自分が)……。
見た目とは裏腹に、ごり押しは苦手。どちらかといえばカウンターを狙う方が得意な性能。


  • シンクレア

ワイラーの腹心として彼の主催する格闘試合を取り仕切る剣術使いの女性。シャムシールを武器に使う。
本作のプレイヤーキャラクターで唯一通常投げを使えない。
一番の弱キャラ。対戦では苦労すること間違いなし。


  • ワイラー

グラスヒルバレーを支配するワイラー家の若き当主。
設定資料ではファーストネームはスティーブとされている。
フレアの「遺産」により超人になろうとしているが……。
見た目とキャラクターから一部でアミバ様呼ばわりされている。
得意分野と苦手分野の差が激しいが、強キャラ。



【余談】
繰り返すが、本作が大コケした事で大本命であった『龍虎の拳3』がお蔵入りしてしまった。
気力システムの廃止や、日本を舞台にする予定であったとの情報が明かされていた。


本作はテーマ曲も珍しい構成になっており、リョウのテーマ「GET HIGH」とロバートのテーマ「MOJO」それぞれのアレンジ曲が他のキャラクターにも割り振られると云う形式をとっており、作品の世界観、イメージの統一が図られている。


以前との余りの変更点や、事実まだまだ改善するべき点は多いが、時代が早すぎたとも言える部分も多く、シリーズが途絶えた事を惜しむ声も現在では少なくない(『KOF』シリーズが狭い方向に進んだのも一因か)。








不破刃「追記、修正しようと云うか‥‥すごい漢だ。」



んんんんんんんんんうおおおおおおおおおおおおお!!

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  • Mr.師範好きです -- 名無しさん (2013-12-22 17:22:07)
  • こけたといっても実験的な作品なのにこれで続編出なくなったとか悲惨。餓狼だって3でこけてたのにどこで差がついた -- 名無しさん (2016-09-22 10:46:24)
  • 餓狼の方もリアルバウト連発したりちょっと迷走してた時期 -- 名無しさん (2017-10-21 12:26:53)
  • 『2』以降、ネタキャラと化した藤堂親父の失踪という公式設定から、香澄というキャラを世に生み出しただけでも評価されて良いと思う(笑) -- 名無しさん (2019-05-06 08:23:50)
  • ワン・コーサンって妙な因縁をつけて喧嘩を売ってくる奴だったっけ? -- 名無しさん (2019-11-24 13:10:03)

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*1 最大までタメた状態でヒットさせる必要があり、タメるのに1秒以上かかる。しかもタメすぎると香澄が転んでしまい不発に終わるというおまけつき

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