豊橋鉄道東田本線

ページ名:豊橋鉄道東田本線

登録日:2022/02/07 Mon 23:22:57
更新日:2024/06/17 Mon 13:50:25NEW!
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豊橋鉄道東田本線とは、愛知県豊橋市に存在する豊橋鉄道の軌道路線である。
駅前~赤岩口間の本線と井原~運動公園前間の支線があり、総延長は5.4kmである。



概要

正式名称は「東田本線」だが、豊橋鉄道では「豊鉄市内線」を案内に使用しており、利用者からは「市内線」や「市内電車」と呼ばれる事が多い。
東海地方ではかつて名古屋市岐阜県にも路面電車が存在したが、いずれも廃止された為、現在同地方で唯一となる路面電車である。


この路線には特筆すべき二つの大きな特徴がある。


  • おでんしゃ・納涼ビール電車

おでんしゃは、11月から2月に運行されるイベント列車で、その名の通り車内でおでんを食べる事が出来る。事前予約制。
豊橋名物のヤマサちくわ製おでん、生ビール飲み放題、おつまみ弁当といった物が提供される。
予約時におつまみをオプションでさらに注文出来る。
流れる車窓や懐かしの吊り掛け駆動音と共に頂くおでんは新鮮な感覚である。
2017年には、3DSで発売されたクレヨンしんちゃんのゲーム『クレヨンしんちゃん 激アツ!おでんわ〜るど大コン乱!!』とのタイアップが行われ、車体に餅巾着の被り物をしたしんのすけのラッピングが施された。
ビール電車は、6月から9月に運行され、こちらはビールに特化したタイプ。
未成年の場合はソフトドリンクのコースもある。
これらの運行時は飲食店扱いなので、車内に飲食店の営業許可証が掲示される。


  • 井原カーブ

井原~運動公園前間(というか井原停留所の構内)に存在するカーブで、半径11mという日本の鉄道路線としては最も急なカーブ
その為、車体がカーブからはみ出て見える。
外から見ても、電車に乗ってもそのカーブの特異性が感じられるので、行く価値アリ。


車両

長年名古屋市電や名鉄等の近隣の路面電車事業者から余剰車を譲り受けていた為、創業以来自社発注車が2形式しか無く、現在の車両もT1000形以外は全て他社からの譲渡車両である。
殆どの車両に広告ラッピングが施されている。


  • モ3200形

名古屋鉄道のモ580形で、3203の1両が在籍。1955年製造と渥美線含めて現在の豊鉄最古参。
広告ラッピングはされておらず、豊橋鉄道オリジナルの塗装となっている。
丸みのある車体に顔の真ん中のヘッドライトという古典的な路面電車といえる懐かしいデザインである。
普段は通常通り運用に入っているが前述のおでんしゃ・ビール電車に用いられる車両で、運行期間にはのれん等の装飾がされ、イベント専用車両となる。
吊り掛け駆動方式の車両で、独特の音が楽しめる。
集電装置がZ型パンタグラフという路面電車らしい物だったが、2020年に最近のものであるシングルアーム式に更新された。
レトロな外観とのギャップが凄い。


  • モ3500形

都電荒川線7000形で、3501~3504の4両が在籍。
こちらも吊り掛け駆動車。
3502号は豊橋名物ヤマサちくわのラッピングになっている。
こちらも後にパンタグラフがZ型からシングルアーム式に変更されている。
2024年から車両リニューアルが開始され、車体が完全な新造品に載せ替えられている。


  • モ780形

元名古屋鉄道モ780形で、岐阜県内の600V線廃止に伴い、7両全車が豊橋鉄道に譲渡された。
781~787の7両が在籍し、導入時に形式名及び車番は変更されなかった。
豊橋鉄道初のVVVFインバータ制御車である。
2019年から機器の更新が開始された。


  • モ800形

元名古屋鉄道モ800形で、こちらも譲渡後に形式名・車番の変更は無かった。
当初は2005年に801号の1両だけが豊橋鉄道に譲渡された。
部分低床車で、中央の降車扉は停留所との高低差を出来るだけ無くしており、より利用しやすい電車となっている。
これにより、豊橋において低床車の有用性が広まり、後述のT1000形の導入に繋がったともいえる。
入線当初は唯一の井原カーブ非対応車で、駅前~赤岩口間のみの運用となっていた。
2018年に台車周りの改造が施され井原カーブに対応し、現在は全線で運用されている(次述の2両も同様)。
802号・803号は当初福井県の福井鉄道に譲渡されたが、福井鉄道の新車導入に伴い、輸送力の小さい本形式は余剰気味となり、2019年に転入。
実に14年ぶりに3両全車が一堂に会する事になり、3201号と3202号が置き換えられた。
802号は3201号の跡を継ぎ二代目ブラックサンダーラッピングとなった。
名鉄時代の2001年に鉄道友の会ローレル賞受賞。


  • T1000形

2008年より運用を始めた、豊鉄としては実に83年ぶりとなる自社発注車である。
ほっトラム」の愛称を持つ。
T1001の1編成のみが在籍。
市内線において唯一の3車体連接兼全面低床車で、構造上井原カーブに対応出来ない為、駅前~赤岩口のみで運用される。
豊鉄市内線では唯一、時刻表に使用車両の案内が掲示されており、検査で運用に入らない木曜日は800形が代わりにその運用に入る。
2009年鉄道友の会ローレル賞受賞。



運賃

前払いで乗車区間問わず1乗車180円均一(小人90円)。
支払いは現金の他全国相互利用サービスのICカード乗車券が利用出来る。
一部停留所では予め乗車券を購入しての乗車が出来る。
市内線のみの一日乗車券も発売されており、1日500円(小人250円)。


ダイヤ

主に駅前~赤岩口の往復と駅前~運動公園前の往復で運行されるが一部駅前~競輪場前という便も存在する。
日中は基本的毎時駅前~赤岩口、駅前~運動公園前が4本ずつ、計8本がそれぞれ交互に運行されている。


停留所一覧

数字は停留所番号。


  • 1 駅前

渥美線(新豊橋駅)、東海道新幹線東海道線飯田線名鉄名古屋本線乗り換え。
東田本線の停留所では唯一券売機とICカードチャージ機がある。
豊橋市出身の俳優松平健による市内線を紹介するアナウンスが流れている。
停留所名は豊橋駅前じゃなくてこれで合ってる。「○○駅前」はよくあるけどこれは日本で唯一の「駅前」駅である。


  • 2 駅前大通

2005年開業の線内で最も新しい停留所だが、1969年まではほぼ同じ場所に名豊ビル前停留所が存在していた為、事実上復活でもある。
近くに中京テレビの支局がある他、「PS純金」で紹介され有名になった「チャ王」のお店「ヨシノパーラー」もここが最寄り。


  • 3 新川

構内に豊橋まつり開催時等における臨時電車の折り返し用の渡り線がある。
1976年まではここから渥美線柳生橋駅まで支線が出ていた。


  • 4 札木

ヤマサの本店の最寄り駅はここ。


  • 5 市役所前

その名の通り豊橋市役所の最寄り駅。
でも若干距離がある。
豊橋公園にも近く、吉田城跡等の園内西側エリアは後述の豊橋公園前よりこっちの方が近い。


  • 6 豊橋公園前

豊橋公園最寄り駅。
豊橋公園の園内には豊橋市美術博物館、豊橋球場、陸上競技場、吉田城跡等がある。


  • 7 東八町

五叉路の大きな交差点の近くにある。


  • 8 前畑

前畑~東田坂上間は長い坂になっており、石畳の軌道が特徴。
2014年に広瀬アリスと広瀬すずが出演した大塚製薬のCMのロケ地はここ。


  • 9 東田坂上

坂上というのは地名ではなく坂の上にあるから。なので「さかがみ」ではなく「さかうえ」と読む。


  • 10 東田

路線名にもなっている停留所。なのでさぞかし立派な停留所なのかと思いきや線内で唯一ホームも安全地帯も無く、電柱に付いた看板と路面のペイントだけで場所を示しているだけという非常に貧相な造りなのである。
電車の乗降時はに、車での通行時は乗降客にそれぞれ注意しましょう。


  • 11 競輪場前

ここから赤岩口・運動公園前間は単線になる。
その名の通り豊橋競輪場の最寄り駅……なのだが前って付いてるのに500mぐらい離れてるし競輪開催日には豊橋駅から無料のシャトルバスも出てるので競輪場の利用客からの需要は低い。
市内線の営業所があり、ここで乗務員交代が行われる他留置線もある。
留置線は建物と建物の間の狭いスペースに2線ある。
駐車場みたいなスペースに電車が収まっているので初見だと驚くかも。


  • 12 井原

ここで赤岩口方面と運動公園前方面へ分岐している。
乗り場が3つあり、駅前方面は交差点の西側、赤岩口方面は交差点の東側、運動公園前方面は交差点の南側から乗り降りする。
前述の井原カーブのはこの交差点にある。
なので井原カーブを電車に乗って通過したければ駅前方面か運動公園前から乗って下さい。ここから乗ってもカーブは通りません。


  • 13 赤岩口

終点。車両基地が併設されており、停留所の先にも車両基地に繋がる線路がある。


  • 14 運動公園前

終点。岩田運動公園最寄りで、公園内にはテニスコート、野球場、サッカーコートがある。
おでんしゃ・ビール電車はここでトイレ休憩を行い、折り返す。


廃止区間

  • 市民病院前

現在の豊橋こども未来館ココニコ付近にあった。1969年に休止、そのまま73年に廃止。


  • 城海津

現在の城海津交差点付近にあった。1969年に休止、そのまま73年に廃止。


  • 中柴

柳生橋支線の停留場で、新川を発車して最初の停留場。現在の中柴町交差点付近にあった。


  • 松山

柳生橋支線の停留場で、現在のファミリーマート豊橋東松山店付近にあった。


  • 柳生橋

柳生橋支線の終点。田原街道から外れた細い通りの上に停留場があった。



ロケーションサービス

豊橋市内の路面電車及びバスの位置情報をリアルタイムを見ることが出来る「のってみりん」というサイトが存在する。
あとどれくらいで電車が来るかがよく分かる他、低床車のT1000形及び800形の運用状況も知ることが出来る。
低床車であるかどうかだけでなく形式・車番・ラッピングまで公表されているので、乗りたい・撮りたい車両を狙う時にも使える。



追記・修正はおでんとブラックサンダーと共にお願いします。


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