産屋敷耀哉

ページ名:産屋敷耀哉

登録日:2019/08/07 Wed 14:00:00
更新日:2024/04/19 Fri 10:58:05NEW!
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よく来たね 私の可愛い剣士こどもたち






産屋敷うぶやしき耀哉かがやとは『鬼滅の刃』の登場人物の一人である。


CV:森川智之




◆概要

代々鬼殺隊を率いる、産屋敷一族の97代目当主。23歳。
闘病の身であるため表に出ることは少ないが、隊士たちを「私の剣士こどもたち」と呼んで慈しんでおり、全員の名前と生い立ちを記憶している*1
隊士たちからは「お館様」と慕われ、我の強い曲者だらけのたちでさえ例外無く深い敬愛を示すほど。


詳細は鬼舞辻無惨の項目を参照されたいが、実は彼と耀哉は千年を隔てた同じ血の一族である。
時は平安、無惨のような怪物を出してしまったがために産屋敷一族は呪われ、生まれてくる子供は病ですぐに死んでしまうようになった。
しかし一族がいよいよ絶えかけたとき、神主から「血筋から出た鬼を倒すため心血を注ぎなさい」との助言を受け、後の「鬼殺隊」の原型が生まれた。
また、代々神職の一族から妻を娶ることで子供も死にづらくなり今に至っているが、それでも一族の誰も30年と生きられずにいる
一族の男子は跡取り以外は皆早生してしまい、女子も13までに外に嫁いで苗字を変えなければ死ぬという。



◆外見

顔の上半分の皮膚が爛れた様に変質した黒髪の青年。
これは一族の人間を代々蝕む病によるもので、病状の悪化とともに次第に全身に広がっていき、それにつれて死期も近づいてくる様子。
柱合裁判時は視力が著しく低下している程度だったが、再登場時には痣が胸元まで広がり、床に臥して吐血する状態にまで病状が進行している。
また表情や髪質等が異なるのでわかりづらいが、耀哉と無惨の顔は双子のように瓜二つである。



◆性格

聞く者に心地良さや癒しを与える「1/fゆらぎ」の声音の持ち主で*2、それに物腰柔らかな態度と優しい言葉遣いも合わさって、自然と人を惹きつける不思議な魅力がある。
悲鳴嶼行冥曰く「その時人が欲しくてやまない言葉をかけてくださる」
更に特殊な声に加えて未来予知じみた凄まじい勘を持ち、理屈の無い未来を見通す力を持っている。
これは耀哉だけの力ではなく一族で継がれてきた力だそうで、これにより彼らは財を成し*3、幾度もの鬼殺隊壊滅の危機を回避して来た。


ただし、周囲の尊敬を集める人物だが、ただ穏やかな人格者というわけでもない。
特に、一族の怨敵である無惨に強い憎悪と殺意を抱く修羅の面も持ち、彼に対しては「一族唯一の汚点」とまで吐き捨てている。
そのため、後述する禰豆子の件だけでなく、である珠世に共同研究を申し込むなど、打倒無惨のために鬼狩りの組織を率いる者としては禁忌とも言える手段も取っており、一族の悲願のために自分の命も含めて・・・・・・・・鬼殺隊の面々を駒として扱うことにも躊躇いが見られないなど、根は狂気じみた合理主義の権化である。
一方で、「これ以上の犠牲を出さないためにも自分たちの代で戦いを終わらせる」という想いも強く、亡くなった隊士の墓参りを毎日欠かさないなど、彼等への愛情もまた本物である。
実際に『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』のアバンでは、散っていった隊士たちの名を呼びながら妻を伴い墓参りをするという映画オリジナルのシーンがある。




◆活躍

初登場は竈門炭治郎ら5人のが最終選別に合格したとの報告を鎹鴉から受ける後ろ姿のみ。
次の登場では、那田蜘蛛山への増援として柱・冨岡義勇胡蝶しのぶに出陣命令を出している。


本格的に登場したのは柱合裁判の場面。鬼である禰豆子と、鬼を連れているという隊律違反を犯した炭治郎の処刑へと傾きつつあった(一部を除く)柱たちの前で「自分が炭治郎と禰豆子を容認していたことと皆にも認めて欲しい」という旨を話す。
9人の柱の内5人の反対が集まるも、「2年も人を食らわずいる以上禰豆子が人を襲わない確証はないが襲う確証もない。『襲わない』に命を賭けた人間が2人も*4いるのだから、襲うのだと主張するならそれに見合った対価を示すべき」であること、そして「炭治郎が鬼舞辻無惨と遭遇している」ことを理由に処刑に反対。
これにより炭治郎が、更に不死川実弥の試しにより禰豆子も辛うじてだが容認されることとなった。
そして、このやり取りの締めくくりに炭治郎にこう諭す。


炭治郎 それでもまだ禰豆子のことを快く思わない者もいるだろう


証明しなければならない これから 炭治郎と禰豆子が鬼殺隊として戦えること 役に立てること


十二鬼月を倒しておいで そうしたら皆に認められる 炭治郎の言葉の重みが変わってくる


鬼殺隊の柱たちは当然抜きんでた才能がある 血を吐くような鍛錬で自らを叩き上げ死線をくぐり 十二鬼月をも倒している


だからこそ柱は優遇され尊敬されるんだよ 炭治郎も口の利き方には気をつけるように


炭治郎の話はこれで終わり 下がっていいよ そろそろ柱合会議を始めようか





それからは煉獄杏寿郎を悼む姿や、宇髄天元と炭治郎たちによる上弦討伐の報に歓喜し、いつもの穏やかな雰囲気とは打って変わって劇中で初めて興奮する姿が見られる。
だが、時間の経過によって病状は急速に悪化し、刀鍛冶の里での戦いが終わる頃には自力で立ち上がることすらできなくなってしまっている。
そして悲鳴嶼発案の隊士の合同強化訓練が続く中、産屋敷邸に……耀哉の目の前に、突如ある人物が現れる。




…初めましてだね 鬼舞辻…… 無惨…


…何とも 醜悪な姿だな 産屋敷



隠された邸宅の場所を暴いた鬼の首領は、鬼狩りの首領とここに対面したのである。



無惨… 君の[[>夢]]は何だい? この千年間… 君は一体… どんな夢を見ているのかな……


(…… 奇妙な感覚だ あれ程目障りだった鬼殺隊の元凶を目の前にして憎しみが湧かない むしろ)


(…… この 奇妙な懐かしさ 安堵感… 気色が悪い)


当てようか… 無惨 君の心が私にはわかるよ 君は永遠を夢見ている… 不滅を夢見ている…


…… その通りだ そしてそれは間もなく叶う 禰豆子を手に入れさえすれば


君の夢は叶わないよ 無惨


禰豆子の隠し場所に随分と自信があるようだな しかしお前と違い私にはたっぷりと時間がある


君は…思い違いをしている 私には永遠が何か…知っている 永遠というのは人の想いだ 人の想いこそが永遠であり 不滅なんだよ


下らぬ… お前の話には辟易する


この千年間鬼殺隊は無くならなかった 可哀想な子供たちは大勢死んだが 決して無くならなかった


その事実は今君が……下らないと言った 人の想いが不滅であることを証明している


大切な人の命を理不尽に奪った者を許さないという想いは永遠だ 君は誰にも許されていない この千年間一度も


そして君はね無惨 何度も何度も[[>トラ]]の尾を踏み [[>龍(東洋神話)]][[逆鱗>逆鱗]]に触れている 本来ならば一生眠っていたはずの虎や龍を君は起こした 彼らはずっと君を睨んでいるよ 絶対に逃がすまいと


私を殺した所で鬼殺隊は痛くも痒くもない 私自身はそれ程重要じゃないんだ


この… 人の想いと繋がりが君には理解できないだろうね 無惨 なぜなら君は… 君たちは



君が死ねば全ての鬼が滅ぶんだろう?



その言葉に初めて無惨の顔色が変わり、揺らいだ空気に耀哉は確信を得る。




黙れ


うん もういいよ ずっと君に言いたかったことは言えた 最期に…一つだけいいかい?


私自身はそれ程重要ではないと言ったが…私の死が無意味なわけではない


私は幸運なことに鬼殺隊…特に柱の子たちから慕ってもらっている つまり私が死ねば今以上に鬼殺隊の士気が上がる…


話は終わりだな?


ああ… こんなに話を聞いてくれるとは思わなかったな… ありがとう 無惨







次の瞬間


産屋敷邸襲撃の報を受けて駆けつけんとしていた柱たちの前で屋敷が丸ごと爆発で消し飛んだ
これにより彼本人だけでなく、妻のあまね・長女のにちか・次女のひなきも死亡。
長男の輝利哉と三女のくいな・四女のかなたは既に別の場所におり、輝利哉が齢8歳にして新たな「お館様」となった。


実は耀哉は無惨が現れることを事前に予知し、その千載一遇の好機を最大限利用しようと計画を練っていたのだ。
それが自らを囮に妻と子供をも巻き込んだ自爆だった
そして作られた秒の隙を突く珠世と協力者の血鬼術、愈史郎の血鬼術のサポートを受けた悲鳴嶼の一撃*5、彼らに一歩遅れて集結し、お館様の仇討ちに闘志を燃やす柱たち。


享年23歳。無惨打倒の為にその命を最期まで使い切り、無惨との最終決戦の狼煙を上げながら産屋敷耀哉は逝ったのだった……。


さすがの無惨もこれにはドン引きしており、「妻子は同意していたのか」読者も今回ばかりは珍しく共感してしまいそうになるほどまともな理由の疑念を抱くほどだったが、3人とも覚悟の上で耀哉とともに旅立った模様。
またあまりに壮絶すぎた最後を遂げたため、ガンギマリすぎている覚悟に無惨と同じくドン引きする読者も一部いたとかいないとか。
ちなみに一連の自爆戦術は、一部のファンから「産屋敷ボンバー」などとも呼ばれている。


その後、全ての決着が着いたあとの最後の柱合会議で、輝利哉・くいな・かなたは、柱でたった二人生き残った冨岡と不死川に対し深い感謝の意を伝えた。
また、輝利哉の代で無惨をようやく倒せたことにより一族の呪いはめでたく解かれ、時は流れて現代を舞台とした最終回においては、とあるテレビ番組で輝利哉はなんと日本一のご長寿と紹介されている。
……姉妹はどうしたんだろう?



◆余談

  • 5人の子供の父。病弱なのに頑張ったな。
    子供たちは単行本17巻にて五つ子であることが明かされた。妻の方も頑張ったな。子育てめっちゃ大変そう。
  • 公式ファンブックによれば、耀哉の父親は多くの隊士を犠牲にする一族の過酷な業に耐えきれずわずか19歳で命を絶ち、耀哉が4歳で跡を取ったとのこと。
  • 公式原画展となった「鬼滅展」において新たなコソコソ噂話として追加されたエピソードにて、二人弟がいた事が明かされた。しかし1つ歳下の弟の閃理は父親同様一族の過酷な業、特に短命という宿命を受け入れきれずに父の死後に心を病んでしまい、兄弟や母親に辛く当たるようになり、男子を守るための女装のしきたりも拒んだ。
  • 最終的に耀哉が9歳の時に閃理は末弟の晟斗を道連れに屋敷に火をつけて無理心中をし、夭逝する。この時に2人を助けようとした母親も大火傷が元で亡くなっている。


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*1 つまりあのサイコロステーキ先輩の本名も知っていると思われる。
*2 実在の人物では、森本レオや美空ひばりなどがこれを出せる(出せた)と言われている。
*3 隊士の給料の原資でもあるのだろうか?
*4 「禰豆子が人を襲ったら自分たちが仕留めて腹を切り詫びる」と宣言した冨岡と鱗滝のこと。肉親である炭治郎は除かれている。アニメ版ではわかりにくいと考えられたのか「(炭治郎を含めた)3人」と改変されている。
*5 鬼殺隊でこの作戦を聞かされていたのは唯一悲鳴嶼のみ。

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