悲鳴嶼行冥

ページ名:悲鳴嶼行冥

登録日:2018/12/13 Thu 23:00:05
更新日:2024/03/28 Thu 13:11:27NEW!
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鬼滅の刃 鬼殺隊 巨漢 気は優しくて力持ち 玉ジャリジャリ親父 悲鳴嶼行冥 念仏 盲目 阿弥陀経 僧侶 岩柱 岩の呼吸 透き通る世界 破戒僧 子供に優しい 反復動作 鬼殺隊最強 杉田智和 鉄球使い パワータイプ 絶対に噛ませだろうな…←本当に最強でした 圧倒的安心感 筋肉 数珠のおっさん きれいな杉田 真面目な杉田 オールラウンダー 涙脆い 怪力 おとめ座 デアデビル 誤解によって生まれた悲劇




我ら鬼殺隊は百世不磨


鬼をこの世から屠り去るまで…



悲鳴嶼ひめじま行冥ぎょうめいとは『鬼滅の刃』の登場人物の一人である。
声:杉田智和


●目次


プロフィール

誕生日―8月23日(おとめ座)
年齢―27歳
身長―220cm
体重―130kg
出身地―東京府 靑梅 日の出山(日の出山 青梅)
趣味―尺八
好きなもの―炊き込みご飯



概要


柱の称号を冠する九人の鬼殺隊最高位隊士の一人「岩柱」
鬼殺隊現役剣士の中でも最古参に位置する大ベテランである。
劇中では炭治郎禰豆子の処遇を決める柱合裁判にて他の柱達と共に初登場。



かつては寺で身寄りのない子供達の世話をしていたが、無実の罪で投獄され処刑を待つ身となったところを鬼殺隊当主である産屋敷耀哉に救われ、恩に報いるべく鬼殺隊に入隊した。



◆外見

額に一文字の傷があり、事あるごとに涙を流している筋骨隆々の巨漢。
隊服の上から「南無阿弥陀仏」の文字が入った羽織を着用し、複数の数珠を身に纏った僧侶の様な格好をしている。
両目が見えておらず、作中唯一瞳が描かれていないが、知らない人間は言われるまで気づかない程には行動に不具がない。



◆性格

常に周りの事柄に涙を流しながら念仏を唱える姿は一見慈悲深く見える。
しかし、吐く言葉はどこか独り言のようでもあり、鬼となった妹を連れていた炭治郎には「鬼に取り憑かれているのだ。早く殺して解き放ってあげよう」等の独善的な考えを口にしていた。
同じく柱である宇髄からは「得体のしれない奴」と評されていたこともあり、その外見も相まって読者からは長らく不気味な存在であった。


ただし、これらの言動は過去に経験した出来事から疑い深くなり、特に子供に対して強い猜疑心を抱いているため。
後に炭治郎が身を以てその素直さと謙虚さを証明してからは彼を認めており、彼の同期である玄弥を複雑な事情を察して弟子として世話をするなど、決して異常な思想の持ち主というわけではない。
柱稽古においても厳しい課題を隊士達に課しつつも決してそれを強制はせず、教え下手ながらも真摯に指導を行っており、根は優しく穏やかな面倒見の良い人物であることがうかがえる。





子供というのは純粋無垢で 弱く すぐ嘘をつき 残酷なことを平気でする


我欲の塊だ



鬼殺隊に入る前の悲鳴嶼は寺で身寄りのない子供たちを育てていた。
彼らには血の繋がりこそなかったが、仲睦まじくお互いに助け合って暮らしていた。
しかし、ある夜起こった事件でそれは終わりを告げる。


悲鳴嶼の言いつけを守らず日が暮れても戻らなかった一人の子供が鬼に遭遇し、彼は自分が助かるために寺にいた悲鳴嶼と八人の子供たちを食わせると提案したのだという。
その地域は鬼の脅威の伝承が根強く残っており、夜は必ず藤の花の香炉を焚いていたが、その子供が香炉の火を消し鬼を寺に招き入れた。
4人がすぐに殺され、悲鳴嶼の制止を聞かず逃げようとした3人も殺され、一番年下の沙代という少女だけが彼の後ろに隠れた。


何としても沙代だけは守らねばと決意した悲鳴嶼は鬼に戦いを挑み、夜が明けるまで鬼の頭を殴り潰し続けた。
生き物を殴る地獄のような感触に耐え、彼は何度も何度も拳を振るい続ける。背丈はあれどやせ細り、大きな声を出したこともなかった男が生まれて初めて振るう拳はとてつもなく強く、重かった。
この悲劇が無ければ、悲鳴嶼は自分が強いという事実を一生知らないままだっただろう。


朝になると鬼は塵となって消え失せ、寺には悲鳴嶼と沙代、そして子供たちの亡骸だけが残っていた。
多くを失い、傷を負い、それでも沙代だけは守り抜いた。……だが彼女は顔を覆ったまま、駆けつけてきた者たちにこう言った。


あの人は化け物
みんなあの人が みんな殺した


恐ろしい目に遭った混乱からの発言だ。沙代はまだ四つの子供だから。だから、無理もない話だ。……頭ではわかっている。
それでも、それでも沙代にだけは労ってほしかった。私の為に戦ってくれてありがとうと言ってほしかった。その一言があれば、悲鳴嶼は救われたのに。


こうして悲鳴嶼は子供達を殺害した犯人として捕らわれることとなった。
この一件から悲鳴嶼は子供そのものに不信感を覚え、疑り深い性格になったという。






だが、これは彼の視点の話であり真実は異なる。
沙代の言う「あの人」とはお寺に侵入した鬼のことであり悲鳴嶼のことではない
しかし、鬼は既に消滅している上、沙代は事件のショックでまともに話すことができなくなってしまったので、悲鳴嶼の容疑を晴らすことはできなかったのだ。
悲鳴嶼は知る由もないが、沙代は14歳となった今もそのことを謝りたいと思っている。




◆戦闘能力

入隊して一年後に柱に就任、以来八年間に渡ってその任を務めてきた歴戦の猛者であり、名実ともに当代における鬼殺隊最強の戦士。
伊之助は野生の勘でその高い実力を察しており、多くの柱との共闘経験がある炭治郎も「匂いが全然違う」と同意している。
当主である耀哉からの信頼は非常に厚く、癖者揃いの他の柱達からもその実力から一目置かれており、現在の柱では最年長でもあることから柱達の実質的なリーダーとなっている。
上弦の壱・黒死牟によると悲鳴嶼ほどの使い手に遭遇したのは300年ぶりのことらしい*1



一般人であった頃でさえ鬼を夜明けまで一方的に撲殺せしめる程の天性の肉体を極限まで鍛え抜いており、腕力は柱でも随一。
さらにその巨体からは想像できない程身のこなしが軽く俊敏な動きを見せており、足の速さは柱で第3位とかなりの俊足。
また、後述の特殊な武器を手足のように操る高い戦闘技術も有しているほか、任意で痣を発動させる事も可能としており、まさに「鬼殺隊最強」に相応しい実力の持ち主。
痣のデザインは両腕に奔る罅割れ。



日輪刀

使用する日輪刀は片刃の分厚い手斧大きな棘鉄球長大な鎖で繋がれた唯一無二かつ異形の代物。要はモーニングスター。
手斧の峰に「悪鬼滅殺」の文字が彫られている。…か、カタ…ナ?刀…刀とはいったい……ウゴゴ…
…もっとも、コイツはただ奇抜なだけの武器では断じてない。
まず手斧、鉄球、鎖の全ての部位が刀剣加工技術の最盛期である戦国時代ですら発見されていないほど高純度の猩々緋砂鉄と猩々緋鉱石で製錬されている。
これにより蓄積された陽光の力も非常に強く、鬼の頂点に位置する黒死牟すら破壊を即座に断念するほどの堅牢さを誇る*2
そのため、手斧の斬撃や鉄球の打撃だけでなく鎖が首に絡み付くだけでも鬼への致命傷となり得、その威力は上弦どころか無惨さえ警戒する。
さらに反響する鎖の音によって盲目の悲鳴嶼が相手の動きや空間を正確に把握することを可能としているなど盲人である悲鳴嶋の戦闘のフォローも考えられている。
見た目通りの超重量級の武器であるが、悲鳴嶼は軽々と振り回して操り使いこなしており、特に欠点にはなっていない。
長大な鎖により異常とも言えるほど広い射程と広範囲攻撃が可能な上、至近距離でも圧倒的破壊力を誇り間合いに隙が無い。


また、この武器のみ『日輪刀同士を剛力を持ってぶつける』という事が可能な為、斧と鉄球を衝突させ単体で赫刀を顕現させる事が可能。
見た目こそイロモノだが、蓋を開けてみればこれほど鬼狩りに適した武器もない。


流派

岩の呼吸は全集中の呼吸における基本の五呼吸の一つであり、日輪刀の刀身は灰色に染まる。
悲鳴嶼は上記の武具で型を繰り出すが、これが岩の呼吸本来の形であるかは不明。なんせ刀じゃないし
重量級の武器ながら抜群のリーチによる広い攻撃範囲と重い一撃、そして鎖を巧みに扱う変則的なトリッキーさも併せ持つ剛柔兼ね備えた強力な呼吸である。


筋力向上、正しい呼吸法、反復動作を組み合わせて爆発的な筋力の発揮が重要になる流派とされる。


「ゴウゴウゴウ」という呼吸音が特徴。


  • 壱ノ型 蛇紋岩じゃもんがん双極そうきょく

手斧と鉄球を錐揉み回転させながら敵に向かって挟み込むように同時に撃ち出す。


  • 弐ノ型 天面砕てんめんくだ

鎖を踏みつけて鉄球の軌道を変え、敵の頭上から強烈な一撃を叩き込む。


  • 参ノ型 岩軀がんくはだえ

四方八方に鉄球を振るうことで自身の周囲を薙ぎ払う攻防一体の技。


  • 肆ノ型 流紋岩りゅうもんがん速征そくせい

両手で鎖を操り、広範囲に手斧と鉄球による縦横無尽な攻撃を繰り出す。
後方にも鎖を伸ばすことで背後からの奇襲にも対応できる攻防一体の技。


  • 伍ノ型 瓦輪刑部がりんぎょうぶ

頭上からの鉄球と斧による広範囲4ヶ所連続攻撃。
空中から日輪刀を勢いよく振り下ろすことで武器の反動と重量を掛け合わせて更なる威力向上をもたらす。



保有技術

  • 透き通る世界

黒死牟との死闘の最中で開眼した特殊な視野。
開眼後即座に透き通る世界の効果を把握し、透き通る世界の性質を利用したフェイントを考案して黒死牟を翻弄している。


  • 反復動作

全集中の呼吸とは系統の異なる技術。全ての感覚を一気に開き、心拍と体温を上昇させるというもの*3
自分の中で決めた何かしらの動作を切っ掛けとするのが鍵で、一瞬で集中を高め全力行動に移行できるのが特徴。
悲鳴嶼の場合は念仏によって怒りや痛みの記憶を思い出すことで発動、重さ70tはあろう(柳田理科雄氏計算による)巨岩を動かす程の凄まじい力を発揮している。



活躍

竈門兄妹の裁判の際は煉獄宇髄に続き処刑に賛成の姿勢を見せる。
他の柱達が一応客観的な視点から処刑を口にする中、「なんとみすぼらしい子供 生まれてきたこと自体が可哀想だ」「鬼に取り憑かれているのだ 早く殺して解き放ってあげよう」と一人主観的な視点からの言動が過分に含まれていたため読者をドン引きさせた。
ただし、これは炭治郎が隊律違反を犯した"子供"であったという点が大きかったと思われ、悲鳴嶼の過去を踏まえると無理からぬ話ではある。
一方で、とある事情で場が笑いに包まれそうになった際は他の柱達と同じように身震いしながら吹き出さないよう耐える姿もあり、決して悪い人間ではない事が感じ取れる描写もあった。


その後、上弦の参に敗れた煉獄の訃報をどこかの山奥で玄弥とともに聞き、涙を流しながら念仏を唱える姿が描かれた。



それから長いことまともな出番がなかったが、上弦による刀鍛冶の里の襲撃及びその討伐を終えての緊急柱合会議で久々に登場。
柱合会議では相変わらず涙を流していたが、冨岡不死川の諍いを柏手一つで止める、隊全体での合同強化訓練である「柱稽古」を発案するなど最年長らしい頼もしい姿を見せた。
また、"痣"の発動条件やあまねの説明を受けて「しかしそうなると私はどうなるのか…」と少々気になる反応も見せている。


悲鳴嶼が担当した稽古は「筋肉強化訓練」であり、内容は滝に一刻(30分)打たれ、丸太3本を担ぎ、大岩を一町(100mと少し)押して運ぶというもの。
大岩を動かすには基本的に反復動作が必須だが悲鳴嶼が説明下手であるため教授はされず、見て盗むしかないという。そんな無茶な。
本人も説明下手なところは気にしていて、その上で弟子たちが反復動作を上手く身に着けられるか心配なようで、玄弥が上記の話を炭治郎にしている際に木の陰からこっそりと見守っていた。


その後、玄弥に教えられることで反復動作を身につけた炭治郎の前に現れると、刀鍛冶の里で禰豆子を犠牲にしてでも里の人間を救おうとした姿勢から彼を認めたことを告げる。
炭治郎は自分が正しい道を選べるのはいつも誰かが助けてくれたから、簡単に認められては困ると反論するが、悲鳴嶼はその真っ直ぐな考えから改めて炭治郎が「特別」であると認識。
自身が子供に裏切られた過去を話し、炭治郎がこれからも道を間違えぬよう手助けしていこうと告げるのだった。
その壮絶な過去に涙を流す炭治郎の頭を撫でる悲鳴嶼は、かつて子供達を撫でていた昔を思い出す。
その顔に涙は無く、穏やかな笑みが浮かんでいた。


私の訓練は完了した…
よくやり遂げたな……


後に無惨による産屋敷襲撃、及びそれに対抗した産屋敷の自爆攻撃にて彼が死亡した際には、怒りを露わにし報復を誓う時透を制していた。
だが、そんな彼の顔に浮かんでいたのは涙ではなく、幾多もの青筋と憤怒の形相。
「皆同じ気分だ」という言葉と共に、無惨を討ち倒す事を誓った。






余談

単行本のおまけにより尺八が趣味である27歳おとめ座であることが明かされた。
なお、尺八は長時間吹きすぎておばあさんに怒られ、ホウキで叩かれたことがあるとのこと。何やってんの鬼殺隊最強……。


筋骨隆々の巨漢・柱最年長・「鬼殺隊最強の戦士」と言われる・武器が鎖鉄球・「」柱とかませ犬要素がこれでもかと盛られており、登場当初はやはりそう見られていた。
…のだが、蓋を開けてみれば最強の名に恥じぬ実力と活躍をバッチリ見せてくれた珍しいキャラクターである。


アニメ版では彼の担当声優は上述の通り杉田智和氏であるが、どこぞのゴリラからは「柱の中にこっちのスパイ潜り込ませてる」と言われていた。
そして、『銀魂 THE FINAL』の入場者プレゼントである空知書き下ろし「『鬼滅の刃』炭治郎&柱のイラストカード」では彼だけコスプレした銀さん…だったと言う。






未来に不安があるのは誰しも同じ
記事が内容を間違えぬようこれからは私も追記修正しよう


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*1 なお本編では「これほどの剣士を拝むのは三百年ぶり」と表現されている。剣…?
*2 ただし黒死牟の武器は日輪刀のような得物ではなく、鬼の肉体で生成している鬼刀とも言うべき代物だったので、致命的なまでに相性が悪かったのも事実である。
*3 “痣”と似通っているが異なる

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