猫柳田愛吉

ページ名:猫柳田愛吉

登録日:2019/11/10 Sun 00:07:00
更新日:2024/05/13 Mon 11:17:20NEW!
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空想科学大戦! 科学者 マッドサイエンティスト 老人 影の主人公 スピンオフ主役 主人公 dr.猫柳田の科学的青春 専門は何? 喫茶店のマスター 猫柳田愛吉



猫柳田愛吉は漫画『空想科学大戦!』シリーズ及びそのスピンオフ作品である『Dr.猫柳田の科学的青春』に登場するキャラクター。
作中では数少ないフルネームが漢字表記の人物である。


【概要】

巻毎に味方側のメイン登場人物が変わる『空想科学大戦!』において、唯一全ての巻に登場する老科学者。そのため「影の主人公」と言われることもある。


特撮やアニメの描写を再現しようとする登場人物たちにそれが如何に非科学的かを解説するポジションであり、
モドキング側の同ポジションにいるズキンちゃんと共に、本作でまともな科学知識を持っている数少ないキャラクター。
しかし行動基準は「常識的にやって良いかどうか」よりも「科学的に可能かどうか」の方が強く、
その思考はややマッドサイエンティスト寄りで、ウーターマンの光線で核爆発が起きるのを間近で観察しようとしたり、
実験に使うには部屋に収まるサイズの粒子加速器で十分にもかかわらず、全高十数mはあろうかという巨大加速器をシャレで作ってみたり、
リフジン・トオル(仮名ライダー)のバイクを勝手に改造したりしている。*1
また軟弱だった少年期のコンプレックスから、人体を巨大化させる研究をライフワークとしている。


そんな彼だが、基本的には周囲のフリーダムさに振り回される苦労人である。


『Dr.猫柳田の科学的青春』では若き日の彼が主人公に抜擢され、昭和30年代を舞台にご町内で起きた問題を科学的に解決しようとする姿が描かれた。
この当時は科学を上手く使えば何でも解決できる*2と考えており、上手い解決方法が浮かんだ時の「科学の勝利だ!」が決め台詞だった。
しかし実際には別方面の問題が発生することを見落としていたり、予想外の事態が起きて失敗したりと完全に解決できたことはそれほど多くはない。


そのプロフィールやキャラクター設定には原作者である柳田理科雄氏が意識されており、彼そのままな部分と真逆な部分が混在している*3。ちなみに柳田氏からはコラムで「バカなジイサンだ」と言われたことがある。


また、空想科学読本シリーズの番外編として執筆された『空想科学生活読本』の巻末に収録されているオマケ漫画、
『Dr.猫柳田の空想科学的生活』では助手と共に『科学屋』というひなびた店を営む老人として登場。
外見こそ『空想科学大戦』シリーズに近いものの、「進み過ぎた学説を唱えたことで学会を追放された」という設定で、
かなり小柄な老人となっており、上記の作品群とは直接繋がらないパラレルな関係にあると思われる。


その他、柳田理科雄氏が原作・監修を務める児童向け学習コミック『空想科学学園』にも、
おなじ苗字を持つ猫柳田博士が主人公・科学二郎の祖父として登場。
こちらは作画担当が筆吉氏ではなく、キャラクターデザインも吉崎観音氏が担当していることから、
ガタイの良い体格や立派なヒゲなど外見が大きく異なっており、
上述の孫がいる設定も含め、事実上名前が同じだけの別人と言っていいのだが、
片目にアイパッチをしている点など共通している特徴も見受けられる。


【来歴】

本編開始前

山形県の資産家・猫柳田家に生まれる。
幼いときは体が弱く病気がちだったが、後に遠方の学校への登校で鍛えられて見た目以上の体力を有するようになった。


小学生時代、竹馬の友だった南瓜男みなみ うりおと教員室の掃除をしている時、水の入ったコップを葉書の上に落としてしまった。
奇跡的に水はこぼれなかったもののこれでは動かすことができないと悩んでいたところ、
先生にそのまま持ち上げるように指示をされた2人は葉書がコップにくっついてこぼれなかったことに感動。
猫柳田は科学者、南は手品師を志すようになる。


『Dr.猫柳田の科学的青春』期

上京して東京科学大学に進学。ネッケツ家に居候しながら東京科学大学大学院に通う日々を送る。
主として栗のイガの研究*4に力を入れていたが、集中しすぎるあまりに観察しようとして目に刺してしまうことが多々あった。
老年期にアイパッチをしていたことから考えて、それが原因で研究中に目を傷めてしまったものと思われる。


その科学バカっぷりは良くも悪くも周辺住民の評判になっており、彼のせいで東京科学大学生が奇人変人の集まりに思われてしまっていると抗議を受けたこともある。
しかし本人はどこ吹く風で研究を続けていた。


この頃になると常人離れした体力の持ち主に成長しており、数日間の徹夜を平然とこなしたり、リヤカーを引きながらのダッシュで車を追い抜いたりしている。
しかし肌は未だ弱く、夏の強い日差しを浴びると荒れてしまうのでミイラのような恰好で肌を隠すことになる。


東京科学大学のマナビ・キワム教授がアメリカのP大学に招かれることになった際、助手として猫柳田を指名。
尊敬する教授から指名されたことは嬉しいものの日本を離れることに躊躇していた猫柳田は、
淡い思いを抱いていたネッケツ家の長女ミチルが結婚すると知って渡米を決意。
教授達に協力してもらってミチルの花嫁衣裳を作り上げた後、アメリカに旅立つ。
偶然にも結婚式と渡米の日が重なってしまったため、別れを告げる事は無かった。



『空想科学大戦』期

時は流れ老年期、猫柳田は日本科学攻撃隊SAMONの技術開発顧問に就任していた。
異星からの侵略者モドキングが襲来した際には、格好よく戦おうとするSAMON隊長アサハカ・ボケツの非科学っぷりにツッコミを入れながらも、数々の武装を開発。
また偶然ではあるが、彼の研究していた人体巨大化技術はヒカガク・アソブ隊員がウーターマンに変身する手段として使われることになる。
最終決戦ではウーターマンの正体がヒカガク隊員であることを見破り、カルシウム光線による核爆発を懸念するウーターマンに発射を指示。
爆発の中からリフジン・トオル青年に救助される。


その後はSAMONを退職し喫茶店ブラボーを経営していたが、ある日トオルが異常な怪力と食欲を持つ改造人間になってしまう。
折しも再襲来したモドキングが改造人間による侵略計画を進めており、それに立ち向かおうとしたトオルにコスチュームを渡して仮名ライダーにした。
モドキングの最終作戦に使われたカラーウイルスによって日本がほぼ支配されてしまった際は、
ワクチンを開発して種子島宇宙センターのロケットから散布するために奔走。
猫柳田は自分がロケットを動かすつもりだったが、改造の副作用で急速に老化したトオルが猫柳田を気絶させて乗り込み、見事日本を救った。


しばらくしてネッケツ・サワグ博士が所属していた万能科学研究所に客員研究員として招かれ、ネッケツ博士の死を知る。
所長の娘ミヤビ・シズカにネッケツ博士が遺した巨大ロボット・カガクゴーの完成を依頼され、一度は「こんな非科学的なモンやっとられるかい」と断ったが、三度襲来したモドキングに対抗する手段としてカガクゴーを改造していくことになる。
ただ、装甲しか完成していなかったので中に潜ってちょっとづつ機構を詰めねばならず「ボトルシップやっとるんじゃないんだぞ」と精神がすり減ったらしい。


三度目の闘いが終わった後は万能科学研究所を離れ、独居科学者として研究に勤しんでいたが、四度現れたモドキングとヒーロー連合の戦いに巻き込まれていく。


五度目の戦いの前にはSAMONに復職し、科学班最高顧問とヒーロー科顧問を兼任するようになった。
モドキング達を従えて地球侵略を狙うワルサー総統に立ち向かうため、宇宙戦艦花形号を建造する。



【関連人物】

●ネッケツ・ミチル
ネッケツ家の長女。若き日の猫柳田は彼女に淡い思いを抱いていたが、猫柳田自身が無自覚だったうえにミチルには婚約者がいたため結ばれる事は無かった。


●ネッケツ・サワグ
ネッケツ家の長男。猫柳田の科学バカっぷりに感化されて科学者を志すようになり、東京科学大学に1浪合格。
科学者になった後は猫柳田とともに研究に励んでいた時期があったようだが、写真と台詞で語られたのみで詳細は不明。
万能科学研究所にて世界最強の金属STM(スーパー・チタン・モリブデン)鋼の開発に成功するも、シズカに依頼されたカガクゴーの建造中に病で急逝した。


●真中ススム
ミチルの婚約者である外交官。ミチルの件を抜きにしても反りが合わずに対立していたものの、心の中では互いに認め合っていた。


●マナビ・キワム
東京科学大学教授であり、猫柳田が敬愛する人物。
当初は猫柳田が一方的に尊敬しているだけだったが、とある一件で交流するようになってから徐々に親しくなり、アメリカに招かれた際には猫柳田を助手に指名した。


●イチモンジ・ケナゲ
猫柳田の後輩で、マナビ教授に恋愛感情を抱いている。
昭和30年代当時普及しつつあったバレンタインデーにおいて、間食をしない教授にチョコを渡す手段を猫柳田に相談に訪れた。
その後は猫柳田の研究室に出入りするようになり、花嫁衣裳製作にも協力。空港に向かった猫柳田から花嫁衣裳を託される。


●真面目正一
東京科学大学のエリートしか入部できない最先端科学倶楽部の部長。
猫柳田を一方的にライバル視していたが、当の猫柳田からは特に何とも思われていなかった。


●南瓜男
幼少時代の親友。『Dr.猫柳田の科学的青春』にて手品師ミスターパンプキンとなった彼と再会。未だ手品師として未熟な瓜男を科学の力でサポートする。


●アサハカ・ボケツ
SAMON隊長。テレビのヒーローのような格好いい姿に憧れる中年男性で、何度それが非科学的であると指摘されても全く懲りない。
実は子供の頃に若き日の猫柳田と出会っているのだが、お互いに気付いている様子はない。


●ヒカガク・アソブ
●リフジン・トオル
●ネッケツ・モユル
それぞれウーターマン、仮名ライダー、カガクゴー(のパイロット)。モドキングの侵略に立ち向かう彼らをサポートすることになる。


●サラワレ・ヒメイ
喫茶ブラボーの看板娘。
科学実験に熱中した猫柳田の奇行やトオルの際限ない食欲に振り回されながらもなんだかんだで馴染んでおり、
猫柳田がマスターを廃業して独居科学者になった後は彼の助手を務めている。


●ミヤビ・シズカ
万能科学研究所所長の一人娘。
ネッケツ博士にカガクゴーの建造を依頼した張本人であり、猫柳田の入所後は彼に計画の続行を依頼。
同時期に地球に再来訪したモドキングの繰り出すロボットとの戦いに身を投じることになる。


●お春
幼少期の猫柳田家に奉公していた娘で初恋の相手。
作中では変装したズキンちゃんが若き日の彼女にたまたま似ていた事で暴走、
同じくトチくるった男共(byシズカ)と雁首揃えてモドキングに肩入れする事態になった。
ちなみに彼女の方も現在の猫柳田の事を立派な人として知っていたらしく、孫に彼と同じ「愛吉」という名前を付けている。



【主な発明品】

●太陽熱を利用した風呂
黒いゴムで作った風呂釜に水を入れ、日光を吸収させて温める風呂。ススムとアメリカに行くことになったミチルの門出を祝うために用意した。
下から見られないような構造にしたうえでネッケツ家より高いところに機械で持ち上げ*5、故郷の街を一望してもらおうとしたのだが、長時間入っているとお湯が温まりすぎるという欠点がある。


●「ドロハネません」一号
昭和30年当時のぬかるんだ道を歩いても泥がはねないようにしてほしいというミチルの言葉で作った発明品。簡単に言えば巨大な人間用回し車。
歩行器のペダルに足を固定し、交互に踏み込むことで車輪が回転して進むことができる。左右のバランスは両手に持った支持棒でとる。歩行器は車輪内を稼働するようになっている上に、設置位置が高いので車とすれ違っても泥がかかる心配はない。しかしその構造上、坂道には無力。


●絶対に先の読めない紙芝居
腕はあるものの、なぜか『鐘つき童子対海賊ドレッド船長』という紙芝居しかやらないため子供に飽きられている紙芝居屋さんの引退を飾るために考案。
ところどころに分岐を挟み、子供たちが展開を予想したあとに次の話を選択する。作中では常に予想の逆を選ぶ形になっていたが、物語は紙芝居屋さんが自ら選ぶので臨機応変に対応可能。
しかし全ての分岐の話と絵を考える必要がある上に、紙の量が非常に多くなるので選択用ハンドルは激重。物語の途中で紙芝居屋さんは力尽きてダウンしてしまった。


●涼風観音*6
夏の猛暑に対抗するため、昭和30年代当時流行っていたフラフープにヒントを得て製作。超巨大な女性型人形で超巨大フラフープを回す。フラフープには揚力を生む羽根がついているので一度安定すれば人形を止めない限り落ちる事は無く、さらに羽根には下方に涼風を送り込む効果もある。
この人形を作ったことでネッケツ家は街の人々から感謝されたが、当のネッケツ家は人形の真下にあるのでほとんど風が来ない。


●観覧車型の家
高いところが大好きなミチルと高所恐怖症のススムの新居として、ネッケツ家の祖父カレルの持っていた川の中州にある土地に建てた家。増水しても水没しない土地に土台を置き、常に回転している。高所恐怖症でも常時高いところにあるわけではないからまだ我慢できるだろうという発想から生まれた。使っていない部屋は貸し出して家賃を取ることもできる。ミチルには好評だったが結局没になった。
これ以前に普通の平屋にしか見えないが崖っぷちの土地なのでベランダに出ると地上50メートルの大パノラマが楽しめる家と、洞窟から入る土地で見晴らしは良いものの墓地の中にある家を建てている。


●紙製蒸気機関車
漫画雑誌「月刊科学少年」の編集長に付録の制作を依頼されて考案。ボール紙と割り箸と輪ゴムしかつかってはいけないという制限の中で、猫柳田自身が子供の頃好きだった蒸気機関車を再現した。
現在で言うディアゴスティーニの形式で部品を集め、組み立てることで完成。中に水を入れて火を焚けば本当に走る*7。子供の体重なら上に乗っても平気。


●科学的花嫁衣裳
ミチルの結婚を祝うために試行錯誤の末に完成。一見すると普通のウエディングドレスにしか見えないが、ネッケツ家の思い出の香りがスカートの中に仕込まれており、外部からの操作でそれが解放されて結婚式場内に漂う仕掛けになっている。


●人体巨大化技術
貧弱だった幼少期のコンプレックスから長年研究し続けていた技術。多量の栄養分を必要とするため、最初はモドキングの送り込んだ怪獣ピラミッドンの死骸を利用した。
人間の姿からウーターマンに戻る方法を探していたヒカガク・アソブに利用されたほか、巨大ロボットのカガクゴーにも意外な形で関わることになる。


●マッハ1で走るバイク
マッハ1で走る改造人間ガッデーム男に対抗するために、リフジン・トオルの愛車バイクローン号を改造。当然そのままでは運転手が死ぬため、風防をつけるなど数々の対策をしているが、その結果デザインが様変わりしてしまいリフジンからは不評。


●カガクゴー
厳密には猫柳田の発明品ではなく、ネッケツ博士の遺した機体。モドキングに対抗するために数々の改造を施していく。詳細は該当項目で。



「こ…こんなところで追記修正したら博士の記事までミスって吹き飛んでしまうかもしれない」
「かまわんやれ! ワシは科学者だ! 科学の勝利をワシに見せてくれ!!」


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  • 空想科学大戦4と最後の空想科学大戦はうろ覚えなので簡潔な表記になってしまいました。詳しい方がいれば手直しをお願いします。 -- 投稿者 (2019-11-10 00:08:43)
  • 科学知識に沿って常識的か非常識的かを判断することができるというだけで、決して一般常識をきちんと修めているわけではないのが恐い人。「巨大化したい」とか後先を考えてない野望を長年温めていたりする -- 名無しさん (2019-11-10 09:14:25)
  • 歴代主人公(+アサハカ)のかなり無理がある要望をなんだかんだで強引に技術力で解決してくれるあたり付き合いがいいというかノリがいいよね -- 名無しさん (2019-11-15 12:30:59)
  • 青年期の自動車を追い抜く速度でリヤカーを引いて走る様子を見ていると、「幼少時はひ弱だった」なんて嘘だろうと思えてくる -- 名無しさん (2020-03-16 18:45:53)
  • 「絶対に先を読めない紙芝居」って、ようするにゲームブックの劣化版じゃね? -- 名無しさん (2022-05-02 16:33:51)

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*1 ちなみにリフジン曰くデザインセンスはダサい。
*2 あまりに非科学的な紙芝居に悶絶するなど、後の片鱗を見せるシーンもある。
*3 出身地が九州⇔東北、柳田氏が酒豪なのに対して猫柳田は酒に弱い、応援しているプロ野球チームが同じ、等。
*4 この研究は老いてからも続けており、SAMON復帰の条件に研究費を要求したこともある。
*5 持ち上げ操作中の猫柳田は目隠しをしている。
*6 猫柳田がつけた名前ではなく、周囲の人がいつの間にか付けた愛称
*7 焚口の周囲が水に囲まれる構造のため、紙の発火点に達しない。

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