狂四郎2030

ページ名:狂四郎2030

登録日:2011/06/02(木) 00:42:40
更新日:2023/12/08 Fri 13:32:29NEW!
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スーパージャンプにて1997年から2004年まで連載されていた近未来SF冒険SEXYバイオレンスラブロマンスせんずりコメディちんこ漫画(原文ママ)。全20巻。
作者はジャングルの王者ターちゃんで知られる徳弘正也。


『ターちゃん』終了後鳴かず飛ばずだった徳弘が青年誌に移籍して初の連載であり、ファンの中でも高い人気を獲得している。
氏の作品に多い本気出すとめちゃんこ強い主人公人の性根を描くビターな作風、そして定期的にねじ込まれるド下ネタは健在だが、
本作ではそれが特に尖っており、ディストピアを舞台に人の弱さと醜さをエロ、グロ、心理描写と様々な面で徹底的に見せつけて来るのが特徴。
だからこそ地獄のような世界に抗い、良心を忘れず懸命に生きる人物の姿が心を打つのだが。そして更に読者の心をへし折って来る展開。
所謂、面白いけど人に勧め辛い作品の一つである。



◇あらすじ
第三次世界大戦後、日本はゲノム党の手により、男女別に隔離されていた。
そんな管理社会の中、一人の青年が立ち上がった。愛する女を手にするために。



◇用語解説

  • バーチャルSEXマシーン

男女誰もが気軽に仮想SEX(要するにVRオナニー)出来る夢のマシーンで公務員などの一般的娯楽器具として愛用されている。
設定はわりと自由だが、狂四郎は江戸時代をモチーフにした仮想世界を愛用していた。
下層国民には与えられない為、鼻先のニンジンとして高嶺の花であった。
しかし、実際は「遺伝子を残す価値も無いような落ちこぼれは二次元でセンズリでもコイて童貞処女のまま死ね(意訳)」という理念の元、
劣等な人種を絶滅させようと企むゲノム党の罠だった。


  • オアシス農場

日本国民の99%が収容され、強制労働させられている場所。


  • 第三次世界大戦

2019年〜2025年にかけて起こった大戦争。地球人口の80%が死に絶え、アメリカと中国はミサイルの撃ち合いで滅び去ってしまった。


  • ゲノム党

愛国主義の政党だったが、日本を軍事国家に変え第三次世界大戦後、日本を管理下に置く。モチーフは見たまんまナチス。


  • M型遺伝子理論

八角博士が提唱した理論。ゲノムはこれを利用して成り上がった。
「M型遺伝子に異常がある人間は犯罪者になる」というものだが、本来は優秀な人材を確保する為の嘘。


軍事・農耕など様々な用途を目的として作られた人造人間。



◇物語の展開
八木編→白鳥編→オアシス農場編→秀明編→アルカディア編→北海道編
の順に物語が展開されて行く。



◇登場キャラ

主人公。元軍人の青年で、日本刀が武器。
性欲旺盛の変態だが、バーチャルSEXマシーンで剣術の訓練ばかりしていたところ、志乃(小松ユリカ)と出会い、婚約。
彼女の待つ北海道に向けて、相棒のバベンスキーと共に旅立つ。


  • バベンスキー

狂四郎の良き相棒。
八角博士のクローン脳を移植され、人語を話したり様々な発明をしたりする事が出来る天才犬。
品種はラブラドールレトリバー。狂四郎のツッコミ役でもある。
遺伝子学だけは弱い。


  • 小松ユリカ(志乃)

ヒロイン。
15歳の頃に中央政府電子管理センターに入所したが、そのエロボディに目を付けた上司達から常にレイプされていた。
男に幻滅する中、バーチャルの世界で狂四郎に興味を持ちプログラムの志乃に成りすまして近づくうちに、彼に惹かれ婚約。
バベンスキーによって彼女が実在の人物と知ったのが狂四郎の旅の始まりである。


  • 飛鳥

バーチャルSEXマシーンのホストコンピューター。
バベンスキーがパスワードを破って以降は狂四郎達の良き協力者になる。
コンピューターながらかなり機転が利き、ボケやジョークも飛ばす。
狂四郎とユリカの三年間の仲を見守り続け、感情移入するという人間臭い一面もある。
仮想空間内での姿のモデルは中村銀之助。


  • 八木

八木編に登場した悪役。陸軍少将。
完璧な遺伝子を持つとされる軍の若き有能な将校で、巨根でズル剥け。
ユリカを愛し、我が物にしようと企んだ。
イケメンで部下からの信頼も厚いが、ユリカや赤堀が感じ取った彼の本性はまるで爬虫類人間の様な姿だった。
現在の独裁体制に疑念を抱き、他の将校達とクーデターを画策しているが、
その前にユリカへの思いに決着を着けるべく、狂四郎に真剣勝負を挑む。


  • 白鳥みつる

白鳥編に登場。
狂四郎とは幼馴染。その剣捌き・身体能力は、狂四郎に負けずとも劣らない。最後はマイカと共に暮らして行く。


狂四郎と白鳥の幼少期の友人。落ちこぼれの彼を助けたことで三人は仲良くなるが…
一話のみ登場の故人だが、なぜか本作随一の知名度を誇る人物。
詳細は個人項目にて。


  • マイカ

男性とSEXをする為だけに作られたデザインヒューマン。いわば、生きてるダッチワイフ。
しかし、最後は感情が芽生え、みつると共に暮らして行く。


  • 天宮大尉

オアシス農場編に登場。ノルマ生産できなかった者は、年齢問わず、性別問わず、射殺するババァ。
バーチャル空間では彼女をモデルにした教師役が洗脳を行っていた。


  • アザミ

オアシス農場にいた売春グループのリーダー。
身体を売っていた理由は、老人や廃人に対するノルマを緩くして貰う他、
子供達に目を向けさせない為。
狂四郎のオアシス農場解放作戦に協力する。


  • さおり

13歳。周りの子供達が洗脳教育を受けて行く中、ハルの教養によって唯一洗脳されなかった。
知識が豊富な分、先走り易い傾向が強い。
モデルは「家なき子」の安達裕実。


  • ハル

電子特殊開発室をただ一人任される天才プログラマー。
子供の心を忘れない32歳でロリコン。
だがさおりに父親的な愛情を持つようになり、自身がさおりに知識を与えた結果、
残酷な現実に目を開かせてしまった為、ユリカを介して狂四郎にさおり救出を依頼する。


  • 八角秀明

秀明編の登場人物。階級は大尉
バベンスキーのオリジナル、八角博士の実子。
ゲノムの軍人だが義理堅く、追われる立場の狂四郎を命の恩人だからと存在を黙認した。
若い頃は父のM型遺伝子理論に反発し、ゲノム反対運動を行っていたのだが…。
“S”討伐の現場指揮官。
秀明編トラウマメーカーその1。


  • 八角さくら

秀明の妻、元女優。
かつては秀明と共に反ゲノム活動を行っていた。
現在は階級はゲノム軍中佐であり、“S”討伐プロジェクトの総責任者。
秀明曰く、「おしどり夫婦」らしいが…?


  • 八角みずほ

秀明の娘
美少女なのだが、貧乳なので狂四郎からは性欲の対象として見られて無い模様。
性格は良く、狂四郎の刀の便宜を図ったりしているが、美容クリームなどの発注もしたりと俗っぽいところも。
父親思いだが、母については「魔女」とのこと。
トラウマメーカーその2。


  • “S”

イギリスの破壊工作員として送り込まれたとされる、デザインヒューマン。
いくつもの男性オアシス農場を襲撃し、壊滅させている。
淘汰圧を受けるだけ強くなるという極めて厄介な特性(通称サイヤ人体質)を持つ。
因みにチンコはあるらしい。


  • 二条ひかる

アルカディア編の登場人物。
後述の二条憲政の実子で、汚職を取り締まる監察官。主な仕事は斬首。
ただし父親の邪悪な心は受け継がなかったようで、その職務の重圧と良心の呵責から精神的に壊れかけている。
その現実逃避のため、ゲームとして隔絶された孤島にて存在しない反政府組織のリーダー「ユウキ」を名乗り、民主国家アルカディアを建国する。


  • 山下雅人

二条ひかるの部下。
立場上反政府組織の主要メンバーとなっているが、実際はゲノム現職の少佐。
アルカディアでは勇者として人々に親しまれている。
しかしアルカディアで死に行く人々を見て、良心の呵責に悩む。
ユウキの妻を演じていためぐみに正体を気付かれ、それが切っ掛けで通じることになるが…。
アルカディア編のトラウマメーカーその1。


  • めぐみ

ユウキの妻をさせられている女性。
山下の正体に気付き、その上でひかるの「ゲーム」の継続を涙ながらに提案した。
その後は次第に山下と愛し合う関係になるが…。
山下の立場を揺るがしかねない狂四郎に警戒するが、後に和解。
アルカディア編のトラウマメーカーその2。


  • 赤堀宗佑

食料省を任される大臣。ユリカを陵辱し続けた男の一人。
性欲旺盛で女性農場から大量の愛人を囲ったりしていたが、その一人に男性器を食い千切られ、不能者になり尿瓶にもなる擬似ちんこを付けている。
かなり汚職に手を染めていたようで、保身に走り続けるが…。


  • 早紀

上記の赤堀大臣の娘、ユリカの調教役をやらされたことも。
親父似の悪人面なブスだが根は善良で人当たりは良く、ユリカにも何かと気をかけてた。
タイムボカンネタを披露したこともある。
「ザーメンかけられた」「ザーメンかけられた」「ザーメンかけられた」「ザーメンかけられた」。


  • 無明

北海道編の登場人物。
美を追求して造られたデザインヒューマン。
しかし光明とともに、謎の皮膚病を発症した上、
愛する女性を惨殺され放逐されたという過去がある。
この為、反ゲノム組織まほろばと繋がりがあり、光明の救出と二条への復讐を誓っている。
性格は非常に温和で、バベンスキーからも「復讐に向いていない」と評されていた。


  • 光明

無明の兄、本来ありえない結合双生児として生まれ、
処分されそうだったところを、八角博士にも勝るとも劣らない天才的な知識力に目をつけられ、生かされる。
中央政府電子管理センターの地下深部に隔離され利用されているが、無明とテレパシーで会話が可能。
実は二条とはある繋がりが…。


  • 西条

カミソリ西条の異名を持つゲノムの軍人だが、実は反ゲノム組織まほろばの構成員。
光明救出作戦の絡みでユリカと接触し、心底惚れ込んでしまう。
特殊部隊MASでは狂四郎のパートナーだった為、殺人マシーンだった頃の狂四郎を知っている。
ユリカとはその強引な思慕と、狂四郎への認識の違いで大きく対立する事に…


  • 二条憲政

日本国総統で、陸海空軍をも掌握するゲノム党の党首。
カリスマの持ち主で強引な法案を通す独裁者。
モデルは勿論アドルフ・ヒトラーだが、色々な独裁者の要素を足して作った人物だとか。


  • 医者

「テクマクマヤコン、テクマクマヤコン、ブラックジャックに、なあれ▼」



余談

  • アニメ化・映画化の計画があったのだが、描写の性質上、成人指定アニメになるということから集英社が一方的に蹴ったのだとか。
  • 今作の結末は打ち切りのように見える事から賛否が有り、作者が珍しく(本人談)あとがきで解説している。まあ以降の作品も打ち切り&打ち切りみたいな終わり方が多いのだが


「バベンスキー、追記・修正頼むぜ。」



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  • 最終回後のひかるは多分… -- 名無しさん (2013-12-28 05:04:19)
  • 徳弘先生の十八番、人間の醜さや弱さ、その上で愛を貫こうとする者たちの強さ ギャグとシリアスの緩急が満喫できる名作。 -- 名無しさん (2013-12-28 06:25:29)
  • ゲーム化したら、やはりZ指定になるのだろうか…。 -- 名無しさん (2014-03-14 16:45:11)
  • カレーばっかりだけど八角大尉と山下、めぐみの最期のがひどい -- 名無しさん (2014-09-16 03:09:18)
  • ↑×3 アルカディアごと地獄行きやね(ニッコリ -- 名無しさん (2015-02-08 03:16:26)
  • アルカディア編のラストはマジでやるせなかったなぁ、アルカディア編に限らず大体後味悪いけど・・・。でもいい漫画だと思う、最後まで読んじゃったし -- 名無しさん (2015-02-08 04:07:11)
  • 全編にわたってやるせない作品だけど個人的には八木編が一番やるせなかった。素の八木が二重人格の行ったことすら自分の言い訳として受け入れ今までの価値観では見下してしかるべきユリカに「もっと色々教えて欲しかった」とすら言うし。わざわざメッセージを残したってことは多分素の八木は狂四郎に殺されることを見越してた、あるいは望んでたというのも悲しい -- 名無しさん (2015-02-12 19:29:47)
  • 八木編とアルカディア編の完成度はホント、かなり高いし一度は読んでおいたほうが良い -- 名無しさん (2017-05-01 23:51:38)
  • これとターちゃんとシェイプアップ乱が徳弘正也の代表作、でいいと思う。 -- 名無しさん (2017-05-01 23:59:57)
  • まあこれを18禁にせずにアニメ化できるもんならやってみろって作品だわなw -- 名無しさん (2020-12-08 03:26:42)
  • エロシーンにちゃんと物語上の意味があるから、単にエロシーン削除して一般向けに……とはいかない作品だよな。そこが魅力だけど惜しくもあるw -- 名無しさん (2020-12-10 14:26:38)

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