川原泉

ページ名:川原泉

登録日:2018/01/05 Fri 02:45:15
更新日:2024/02/16 Fri 13:18:53NEW!
所要時間:約 5 分で読めます



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漫画家 雑学 白泉社 花とゆめ 少女漫画 恋愛 sf サスペンス スポーツ 農業 酪農 能天気 鹿児島県 川原泉 ワイン造り お気楽 聖ミカエル学園 指宿市



川原泉(1960-)は日本の少女漫画家。
愛称(公式・自称)はカーラ


人物

鹿児島県指宿市出身で専攻は日本史。某お嬢様学校の教員採用試験に落とされた経歴を持ち、そのためか作品には聖ミカエル学園というお嬢様学校が登場する。
好物は紀文食品の「魚河岸揚げ」。


作品

大学在学中に『ジュリエット白書』を投稿し、HMC賞トップ賞を受賞。
1983年の『たじろぎの因数分解』で商業デビュー。
以来ほぼ全ての作品を白泉社……というか花とゆめで発表している。
2000年代以降発表ペースがめっきり落ち込み、2017年に6年ぶりにようやく新刊が出たほど。
色々と心配される作家の一人と言える。


作風

長編漫画はあまり描かず、短編漫画(か同一テーマの連作)が中心。
少女漫画であるが、基本的に恋愛はしない
いや、一応少女漫画なので多くの主人公は彼氏を作る(結婚する主人公も結構いる)のだが、大抵の作品では「年上で社会的地位のある男性となんとなくいい感じになってゴールイン」という程度であり、キスシーンはおろか告白シーンすらない作品が多い
この独特のほんわかというか、不思議な空気感が川原泉の魅力である。
代わりに作中で繰り広げられるのは、作者の異様に幅広い雑学知識から展開される予想もつかないストーリー。
テーマは「恋愛」以外にも「農業」「漁業」「テレビゲーム」「自衛隊」「サスペンス」「SF」とものすごく多彩。
基本的にギャグマンガなのであるが、ストーリープロット自体はしっかりと練られている。
また、画風は一般的な少女漫画のそれに近いが、結構な頻度で点目に棒口のデフォルメスタイルに変化する。


主人公は大抵はお気楽能天気な少女で、相手役は一見しっかり者に見えるがどこか間の抜けた年上男性というパターンが定番。


なお、世界観は全ての作品で共有しているかのような描写がある(「聖ミカエル学園」は特に頻繁に登場する)。


主な作品

笑う大天使(ミカエル)

川原泉の代表作と言える一作。実写映画は黒歴史
超お嬢様学校「聖ミカエル学園」を舞台に破天荒な「非」お嬢様三人組が活躍するストーリー。
主人公三人全員にちゃんと見せ場があり、意外なほど「泣ける」エピソードもある一方読後感は爽やかな青春シナリオに仕上がっている。


メイプル戦記

少女漫画には珍しい野球漫画。「甲子園の空に笑え!」という野球漫画の続編ではあるが、そちらを知らなくても十分楽しめる、
「史上初の女性オンリー球団メイプルズ主力ピッチャーはオカマだけどの奮闘劇」であり、少女漫画ながらしっかりスポ根しつつ恋愛描写も織り交ぜた一作。
野球漫画で「夫婦対決」なんて描いた作品は数少ないだろう。


ゲートボール殺人事件

編集者からタイトルだけ一方的に押し付けられた後に描き始められたという変な経歴の作品。
その名の通りゲートボールをテーマにした殺人事件が起きる。
ミステリー色は薄く、どちらかと言うとサスペンス風。でも最後はキッチリハッピーエンド(被害者含めて)。


銀のロマンティック…わはは

フィギュアスケートがテーマの作品。川原作品としては比較的長めな方になる。
しかし、こうして見ると意外とスポーツ系の作品が多い。
やっぱり恋愛系の描写は控えめで、結構なスポ根系の漫画になっている。


食欲魔人シリーズ

「空の食欲魔人」とその続編である「カレーの王子様」、「アップルジャック」、「不思議なマリナー」、「ミソ・スープは哲学する」、「アンドロイドはミスティブルーの夢を見るか?」の連作短編。
それぞれに繋がりはないが、いずれも「食欲旺盛な男がヒーロー役」という共通点がある。
なお、「空の食欲魔人」「カレーの王子様」が「空の食欲魔人」、「アップルジャック」が「陸の食欲魔人」、「不思議なマリナー」が「海の食欲魔人」、「ミソ・スープは哲学する」が「青い瞳の食欲魔人」、「アンドロイドはミスティブルーの夢を見るか?」が「宇宙の食欲魔人」という副題となっている。


Intorlerance... あるいは暮林助教授の逆説

一応ギャグ描写はところどころにあるものの、全体的なシナリオはものすごく凄惨、かつシリアス
能天気な作品の多い川原としてはかなりの異色作。
だが、全てを明かさず終わる後味の悪さはものすごく印象に残る。


バビロンまで何マイル?

タイムスリップ能力を得た高校生二人組による歴史スペクタクル……になる予定だったが、二度目のタイムスリップを終えたところであっさり打ち切り
単行本は1巻が出ただけでしかもその1巻の終わり方がものすごく中途半端だったため、読者をやきもきさせた一作。
一応文庫版では最後まで描かれている。打ち切りなのは変わりないが……
歴史に関する雑学などは結構面白かったのに、残念な作品である。


ブレーメンII

シナリオ的には「アンドロイドはミスティブルーの夢を見るか?」の続編にあたる作品。
遺伝子操作で作られた「働く動物」ブレーメンが乗組員となった巨大宇宙貨物船「ブレーメンII」を舞台にしたSF(船の名前が「ブレーメンII」なのであって、「ブレーメン」という作品の続編というわけではない)。
川原作品の中では最も長編に当たる作品であり、ギャグもあるが内容自体は結構本格的なSF。
第36回 星雲賞コミック部門と第4回(2004年度)センス・オブ・ジェンダー賞特別賞を受賞。


舞台装置

穴田アナ

公共放送MHKのアナウンサー。作中でテレビが映ると高確率で登場する。
スポーツからニュースまで何でもござれ。過労死するんじゃないかと思えるほどの大車輪の活躍を見せるスーパーアナウンサー。


聖ミカエル学園

日本でも1、2を争う超お嬢様学校。それゆえ、生徒ものんびり屋が多く、偏差値は低めらしい。
一学年に1人か2人は変わり者*1が混ざっており、主人公になるのはたいていそうしたキャラである。
作者がお嬢様学校の教員採用試験を落とされたコンプレックスから設定されたらしい。
なお、現実に『聖ミカエル学院』という学校がある。
登場作品は『笑う大天使』、『不思議なマリナー』、『大地の貴族』、『メイプル戦記』等。


桜井敦子

多くの作品に登場する婚活女。
大銀行の頭取令嬢という超お嬢様であり、美人なのだが、お見合いの障害になるものを密かに排除しようとするセコさが仇となり、毎回フラれている。
登場作品は『笑う大天使』、『フロイト1/2』、『メイプル戦記』など。


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  • 笑う大天使と美貌の果実は好きだ。 -- 名無しさん (2018-01-05 11:11:36)
  • 「もぎゅもぎゅ」の擬音、文字通り美味しいものを噛みしめてる感じがするよね -- 名無しさん (2018-01-06 12:09:02)
  • 桜井さんが明らかにセコいマネをしたのは史緒とその兄に対してだけだった筈だがw(それ以降ケチが付いてどんどん運が下がった印象) -- 名無しさん (2018-01-07 11:49:47)
  • 主人公やヒロインが少なくない頻度で片親や孤児という重い背景持ち、話も全体通してみるとギャグどころかシリアスしっかりめのストーリーが多いんだけどコメディとして老若男女誰でも読めるというから凄い -- 名無しさん (2018-01-07 18:18:04)
  • 舞台装置にはリトルグレイも欠かせないだろう -- 名無しさん (2018-01-07 18:18:54)
  • 時代劇といいSFといい考証を物凄くしっかりやってて好印象。ヒーローがちょんまげなんて少女漫画じゃ時代劇でもそうないぞ -- 名無しさん (2018-01-23 11:58:08)

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*1 海釣りが趣味、野球好き、根っからの庶民等々

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