登録日:2018/05/08 Tue 19:29:33
更新日:2024/02/20 Tue 10:47:42NEW!
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RPG「ファイナルファンタジー」シリーズにおけるおなじみの最強回復アイテム「ラストエリクサー」。
その効果は「味方全体のHPとMPを全回復」という「ラスト」の名に恥じないすさまじいもの。
状態異常と戦闘不能が回復できないことさえ考慮に入れれば、どんな窮地からも一瞬で脱出することが可能である。
それだけに入手は困難であり、大抵は宝箱からしか手に入らない個数限定品。
店では買えない非売品ということもあり、多くのプレイヤーは「ここぞ」という場面で使うために温存し、温存し、温存し……
気付けばゲームクリアしている
ラストエリクサー症候群とは、そんな「もったいない病」のことを揶揄する俗語である。
なお、ラストエリクサーの下位種(1人にしか効果がない)であり、同じく非売品であることが多い「エリクサー」も同様の扱いをされることが多い。
というか、そもそも初期の作品にはラストエリクサーが存在しなかったため、元々は「エリクサー病」と呼ばれていたのである。
なぜラストエリクサー症候群を発症するのか?
まぁ色々と心理的・ゲーム的な理由は挙げられるが、主なものは以下になるだろう。
- もったいない
何と言ってもこれである。何せ、大抵のシリーズではゲーム通して数個しか手に入らない激レアアイテムなのだ。シリーズによってはアイテム合成や敵を倒した時のドロップなどで手に入ることもあるが、いずれにしても入手困難なのは違いない。
消費アイテムなので、使ってしまったものは2度と戻ってこない。「ここで使って、後々再入手の機会はあるか?」という心理が働くと、自然に使用は躊躇われる。
ラストエリクサーを使わずに負けてしまったなら、レベルを上げて装備を調えて再挑戦する人の方が多いだろう。
アイテムコレクターの方なら実用性の有無に関わらず数量限定の消費アイテム自体を使えないということもある。
- 今使うより後で使った方が効果的
HPが50回復する「ポーション」が最大の効果を発揮するのはどのタイミングだろうか?もちろん、HPが50以上減ったタイミングである。50以上減っていれば回復量に差はない。
だが、HPを全回復する、ということは「最大HPが100の時」と「最大HPが500の時」では回復量に雲泥の差が出る。「このタイミングなら、成長した後で使った方が有効だな」と思うことも多いだろう。
- ここで使うとこの後のボス戦に勝てないんじゃないか?
上記二つの合わせ技…というか、この症状を発症する原因事例の一つ。
ラスボス等、強敵との連戦で先が読めない時に症状を発症せずに使用した…はいいが、その後に更に強力なボス戦が待っており、回復アイテムが足らずに敗北という苦い経験をしたプレイヤーはこの症状を発症しやすくなる。
また、ラストエリクサーのように“味方全体に”効果が及ぶ場合は、そのボス戦の中でも使うタイミングを考えてしまう。
メンバー全員が同時にピンチに陥っていれば即断できるが、全体的に負傷しているがその内の一人だけは大ピンチ…のような状態であればどうであろうか。
過去の経験から更なる強敵・窮地の為に温存したが使う機会がなかったというオチになりやすい。
ただこう言ったプレイヤーはきついなら使おうという意識もある為、機会があれば躊躇なく使用できるプレイヤーもいる。
- 使ったら負けかなと思ってる
最高級の回復アイテムであるからして、自然と「通常の回復アイテムでは手に負えないような強敵と戦う時に使う」というイメージが生まれる。
道中のちょっとしたボス戦で偶然ピンチになってしまった場合などに使うのは、人によってはそれなりに屈辱となる。
というか大ボス戦であっても、救済要素に頼らず自力一つで倒してこそ真の勝利であるという考えを持つプレイヤーも中にはいる。
別に誰が見ている訳でもないが、ゲームとは自己を満足させるためのものであるからして、こういった所でプライドを守ろうとするプレイヤーは意外に多い。
- ぶっちゃけなくても勝てる
そもそも「パーティー全員のHPとMPが致命的なまでに減る」というシチュエーション自体滅多にあるものではない。
というかゲームデザイン上「個数限定品を使用しないと勝てないバランスになっている」というのは、変なところでラストエリクサーを使うと''詰む''という事態を引き起こす典型的な不快なだけの初見殺し要素になりかねないのでまずデザインされないし、されても歓迎されない。
そもそも大抵は、「育てて装備を調えて戦い方を考え、時に戦略を大幅に変えることができる」というRPGの基本を貫けば攻略できるはずなので、ラストエリクサーだからこそ有利に働く局面自体がまずない。
- 評価システムに抵触する
プレイヤー心理的に「使ったら負け」というよりゲーム側から「使ったら減点」「使うと実績が獲得できない」を突き付けられるので使えない、というパターン。
ラストエリクサー自体にこういう面はないがゲームクリア時なんかに評価を下されるパターンだとこれを恐れて死蔵されがち、ということになる。
これに該当するアイテム群は基本的に有用なのでまったく気にしない、使っても減点を取り返せるのなら使っても問題はないのだが。
- ここまで書いて何だが使いどころが来ない
…例に挙げられているラストエリクサーは戦闘不能のキャラクターには効果がない。そして状態異常にも効果がないと致命的にかゆいところに届かない。
そのため、HP満タンから即死したり、瀕死を通り越して即死に追い込まれるような攻撃が頻繁に飛んできたり、コマンド入力できない状態異常が引っ切り無しに飛んできたり…
こんな状況になってしまうのであればだいたい、原則やばい局面になる前に倒しきるか、やばい状況を作らないようにするのが鉄則、仮にやばい状況になってもやばい状況になる=エリクサーを使えない&回復したところで死んだ味方は生き返らずやばい状態異常は治らず結局全滅するのが遅くなるだけのため根本的に使うタイミングが無い。
かゆいところに手が届かないだけでコレであり、上記の理由と複合してケチな心を育むのである。
一応ターン制のないアクションゲームなら多少の状態異常を食らってもプレイヤースキルのごり押しで状態異常を無理やり無視して、敵の猛攻を無理やり避けつつ、使える状況を無理やり作る、なんて芸当もできるのだが、
いかんせん雑魚からこの世の支配者も逆らえないターン制のゲームのFFシリーズでは状態異常等の行動阻害要素を食らってしまうと時間を作る手段はほぼ皆無なのだ。
しかし、このような激レアアイテムも使わないとやっていられない場合もある。取得アイテムに制限があるような「低レベル縛りプレイ」などがそれにあたるだろう。
タイムアタックの場合は、そもそもこのアイテムを拾いに行く時間が惜しいのでやっぱりあまり使われない。
ちなみにキングダムハーツのセフィロスが使う「心ない天使」は「HPを1、MPを0」にする反則技。
エリクサーがないとやっていられない珍しい強敵(ラストエリクサーまでは必要ないが)。
ラストエリクサー症候群を発症しやすいアイテムたち
- せかいじゅのしずく
ドラゴンクエストシリーズにおけるラストエリクサーポジション。味方全体のHPを全回復するベホマズンと同じ効果を持つ。
しかし、初登場のDQ4からDQ7まで「一度に一個しか持てないが、使って手元にない状態なら特に制約もなく再入手可能」という仕様で共通しており、むしろラストエリクサー症候群を発症してしまうのは大悪手。少しでも危ないと感じたらさっさと使ってしまって問題ないアイテムである。効果はよく似ているが立場は真逆という例になる。
DQ8以降では錬金で無限に作れるので、希少価値は暴落。とはいえ素材自体がなかなかレアなため量産も大変だが。
3DS版追加ダンジョン「追憶の回廊」では、全員にこれをありったけ持たせないとやってられないレベルで致命的なダメージが頻発するため、ジャブジャブとせかいじゅのしずくを使う昔からは考えられない光景が繰り広げられることに……。
DQ10でもいろいろな方法で入手でき、発動速度が2秒かかるものの緊急ベホマズンとして惜しまず使えるようになったが、それを運営が良しとせず、発動速度が5秒にまで引き上げられ価値が暴落。
DQ11では命の大樹で拾える他、終盤にはカジノの景品にも登場。
- ウルトラキノコ
マリオのRPG作品において、HPをほぼ全回復させるアイテム。
ラストエリクサー症候群が発症しやすい環境が整っているのは、ペーパーマリオシリーズであろう。
というのも、当シリーズはアイテム以外の回復手段が十分に用意されており、RPGにありがちなバカみたいな火力で攻撃してくるボスがほとんど存在しないため「いざという時」がなかなかめぐってこないのである。
加えて、当シリーズはアイテム所持数が10~20程度であり、アイテムを預けることができる倉庫もあるため、ウルトラキノコを手に入れたとしても「いつか使うだろう」という感覚で倉庫に預けっぱなしにしてしまった人も多かったと思われる。
回復アイテムを潤沢に使うプレイをしたい場合でも、店売りや普通に拾えるアイテムでいくらでも作れるキャシーデラックス及びナンシーデラックス(HP・FPを40回復)で代用すれば事足りてしまうので、レアな当アイテムは結局は倉庫の肥やしになってしまったりすることも。
ただし、ペーパーマリオRPGではラストエリクサー症候群が報われる数少ない瞬間が訪れる。
それが、ラスボス寸前に待ち構える大ボス二連戦。
トリッキーな戦術と防御が硬く長期戦が免れないバツガルフとの戦いで消耗しきった後にダメージが重いクッパ&カメックババとの休みなしの連戦をしなければならないのだ。
もしここでウルトラキノコを持っていれば、すぐに体制を立て直せるため攻略が楽になる。実はペーパーマリオRPGではイレカエールを使えばウルトラキノコ量産できるのでそれほど躊躇する必要もないし
尤も、重症患者はここでもウルトラキノコを出し渋ってしまうのだろうが……そもそも真のラスボスはそんなに攻撃力が高くないので別にウルトラキノコなんかなくても倒せる。
ペーパーマリオ オリガミキングに至っては、フィールド上に回復の設備が十分にありすぎるせいで、最下位の回復アイテムのキノコに対して当症状を発生させるプレイヤーもいる模様。
- ソーマ
「女神転生」シリーズ及び元はその派生作品である「ペルソナ」シリーズに登場するアイテム。ラストエリクサーとは違って全快させられるのは味方一体のHP・SP(MP)なのだが当然入手頻度は低め。
上位の品として対象が味方全体の「生玉」、下位の品としてHP・SPを同時に回復するどまりの「ソーマの雫」が存在する。
順当にレベルを上げていても瀕死になりかねないボス戦においては味方単体or全体のHPを全快させる「ディアラハン(メディアラハン)」等の回復魔法、「宝玉(宝玉輪)」などの比較的容易に手に入る回復アイテムにとって代わられる傾向にある。
SP回復においても同様で、よっぽど下手に戦わなければ一度や二度のボス戦でSPが尽きる事態になることはまずなく、尽きる頃には通常攻撃や消費の軽い下級~中級スキルでも倒せる程度には敵のHPが削れているので、「強力なボス相手のはずなのになかなか出番が回ってこない」という怪現象が起きる。
例外は「刈り取る者」のようなF.O.E.戦、トラウマと名高いエリザベスに代表される裏ボス戦で、毎ターン即死級の火力をぶっぱしてくる上に高いHPを持つため長期戦になりがちであり、HPとSPが同時に尽きかけることもあるため出し惜しみせず使えるポイント…なのだが、こちらは「やりこみ段階のラストでようやくやり合えるレベルの敵なのでそもそも戦わない」というプレイヤーがほとんど。
ダンジョンから戻ると日付が進んでしまうためレベル上げのためにSPが尽きても潜り続けることもままある「ペルソナ」においても、レベリングが必要な段階ではソーマは手に入らず、手に入るころにはSP上限が上がっていて切れにくい上に戦闘時自動SP回復の効果を持つスキルや装備も出始めてくるため、やはりソーマに出番は回ってこない。
そしてラストエリクサーと違い、高く売れる。そのせいでもったいなくて使われない所か、金券にされるケースも珍しくないのであった。南無。
- 手裏剣
「ファイナルファンタジー」シリーズの武器。忍者の技「投げる」で使えるのだが、なぜかものすごい貴重品。
初登場のFF3では、宝箱から合計5つしか手に入らず、それ以外は隠しショップで買うしかない。だがそのお値段、驚愕の65500ギル。とても消耗品とは思えない値段である。
ただラストエリクサーと違い「ラスボス相手にひたすら投げる」というわかりやすい活躍の場面は用意されているので、まだマシかもしれない。
それ以外のシリーズでも、概ね「貴重品かつ消耗品」という立場で登場している。
4では1つ20000ギルと3より安くはなったが値が張る。SFC版では終盤ギルが余りがちなので高いと感じにくいかも。上位種の『風魔手裏剣』が登場。こちらは1つ50000ギルと今作では2番目に高い。*1
5では2500ギルと時期的にはやや高め。気軽に投げるにしても巻物の方が便利という認識が広く、拾える分を強敵に投げる感じ。もてあましやすい。
6では大量生産品なのか1つ30ギルとぶっちぎりに安く、上位種の風魔手裏剣も500ギルとお手頃。むしろシャドウの通常攻撃手段はこれでいいという声まである。
代わりとして、最上位種である「風車」が登場し、こちらは非売品である。ただし、これも風魔手裏剣をコロシアムで賭ければ手間はかかるものの量産は可能である。
11ではレベル帯に応じてさまざまな種類の手裏剣が登場し同レベル帯では他の武器の追随を許さない圧倒的DPSを発揮するのだが、上位の物は製造コストがバカ高く*2、バトルの戦利品で手に入るものは1度に1個しか手に入らなかったり1個しか所持できなかったりと店売りされている低レベル用の物以外はまともな運用はほぼ不可能であった。結局この状況が改善されるのは通常攻撃の合間に時々手裏剣を消費せずに投げるアビリティ「打剣」の追加と、ヴァナ・ディールの星唄で多数の高レベル用手裏剣が袋詰め販売されるのを待つこととなった。
FFTでは大量生産品扱いの1つ50ギルと6に次いでぶっちぎりに安い。尤も、投げる事ができるアイテムとしてはダガーに次いで攻撃力が低いが。上位種に風魔手裏剣と柳生の漆黒があり、こちらはそれぞれ300ギルと1000ギル。手裏剣に比べればお高くなっているが、ぶっちゃけFFTは金が余りまくるゲームなので大量に買い込んでも簡単に取り返せる。風魔手裏剣買うくらいなら、同威力で属性付いてるたま系のアイテム買って投げようぜと言われればその通りである
「ファイナルファンタジー4」に登場した武器。装備してではなく、エッジの「投げる」専用武器なのだが一点物の貴重品。
攻撃力自体は文字通り最強であり、入手直後ぐらいのレベルでも容易くカンストダメージを叩き出す。
入手できるサブイベント自体が期間限定で、かつ本筋に関係ないダンジョンを進む必要があるため存在に気付かなかったりするせいで実際に投げたプレイヤーは少ないと思われる。SFC版ならエクスカリバー増殖投げがあるし
続編にあたるジ・アフターではオルトロス撃破の報酬で手に入るが、やはり一点物。
- エーテルスーパー
「ファイナルファンタジー6」に登場したアイテム。
エーテルの最上位種で、MPを全回復することができる優秀なアイテムなのだが…
実は入手できる個数が限られており、ボスから盗む分も合わせて数えるほどしか手に入らない。
その上エーテルスーパーの上位互換にあたるエリクサーやラストエリクサーは少々手間がかかるものの、雑魚敵から盗む事が出来るためぶっちゃけそっちを使った方がいいという有様。
ついでに言えば本作のアスピルは性能が高く、アンデッドや魔法防御/回避が極端に高い相手でもなければ暇なときに使っておけばエーテル要らずになる。
GBA版では盗むで入手できる雑魚敵が追加されたので量産は可能となった上に、「アンラックズ(追加雑魚)に与えて場を乗り切る」という変わった役目が生まれた。
しかしピクセルリマスター版では追加要素が失われたため再び量産が不可能になるという悲劇に…
- ラッキースフィア
「ファイナルファンタジー10」に登場するアイテム・・・というか成長スフィア。
ラッキースフィアが本編中たったの数個しか拾えない上に初期配置の運マスの効果が非常にショボく、
また運の初期値が全員20未満であるため、運を成長させたくても満足に上げることができない状態になっている。
唯一のドロップ先であるアースイーターもべらぼうに高いステータスと即死攻撃を併せ持つ強敵であり、安定して狩るためのステータス要求値も非常に高く、
訓練場ボス共通でドロップアイテムが1/8の確率でダークマターに変化するせいで大量収集も面倒なアイテムとなっている。
「ポケモン」シリーズにおける激レアアイテム代表。
どんなポケモンでも確実にゲットできるという驚異の時短性能を持ち、望みの能力を持つポケモンが出るまでリセットを繰り返すポケモン廃人御用達のモンスターボールである。
しかし、ほとんどのシリーズで「シナリオ中一個は手に入るが、確実に手に入るのは一個のみ」なので、おいそれとは使えない。
ただ、このシリーズでは「ゲット率が低く(一部を除いて)一度しか戦えない」伝説のポケモンという「ここでマスターボールを使いなさいよ」というわかりやすいポジションの強敵がいるため、「使えないまま」という人は案外少ないかもしれない。
「優先して使うのは誰にするか」程度の悩みどころだろうか。候補として挙がるのは「徘徊系の伝説ポケモン」。やりこむ人はこれらの伝説ポケモンの捕獲&リセットを何十・何百回と繰り返すためにマスターボールを使わないとやってられないと言う事情があるのに加え、サブのソフトを用意してそちらを何回も周回してマスターボールを大量に用意する人までいるほどなので、「最後まで使わないまま」と言うのは案外少ない。
1日1回行われているくじ引きで1等を引けば個数制限なしで入手も可能だが、例によって「5桁の番号を5桁とも同じ」超低確率。通信交換などでIDを100入手して毎日引いても3年に一回あるかどうか。1つも引かないまま次のソフトの発売を迎えるプレイヤーの方が多かろう。
ポケットモンスター スカーレット・バイオレットDLC後編「藍の円盤」では下記のガンテツボールともども大量に入手出来るので、贅沢に使い潰せるだろう。
モンスターボール職人のガンテツが作る特殊な効果を持ったモンスターボールシリーズの総称。
初登場の金銀では、少し手間をかければいくらでも手に入るものだったのだが、第七世代では1~2個ずつしか手に入らない希少品に。
別にポケモンを捕まえるだけなら販売品のボールが個数制限なしでも買えるのでそっちで代用すればいいのだが、問題はいわゆる「オシャボ」勢の方々である。
マスターボールと違って確実にゲットできるわけではないこのボールが個数限定品になったのは、大変痛いポイントである。
使うと無くなるシリーズの非売品の話。
わざマシンの中身はピンキリだが、シナリオで手に入れた10まんボルトとかれいとうビームとかサイコキネシスみたいな非常に強力な技マシンを殿堂入り後だと戦力になりにくいポケモンにポンと覚えさせるのは精神的なハードルが高い。
対戦を意識する場合はそもそも絶対に使えないケースも。
GBA以降は多くのわざマシンに入手回数の制限がなくなった*3、初代では特に強力なわざマシン=一点物の傾向が強いためなおさら。そうでなくてもわざマシンそのものが裏技や通信交換での輸入でもしない限り1つしか手に入らないというケースが多く、1つしか手に入らない技マシンを使うのは心情的に厳しいケースも。
BW以降はわざマシンがひでんマシンと同様に回数制限が撤廃され、*4大きく改善。剣盾では消費型のわざレコードが新たに登場したが、こちらもマシンに比べれば再入手は簡単。
ポケモンシリーズでは、どっちかというとこっちがラストエリクサーポジションかもしれない。もしかしたらエーテルスーパーのほうが近いかもしれない。
ポケモンが技を使うのに必要なPPを回復できるのだが、異様にレアでありシナリオ中ほとんど使う機会がない。
ゲームバランス的にも、6匹まで持てるポケモンをあえて1匹しか持たずにダンジョンに出かけてから次の回復場所まで1匹を酷を使い続ける縛りプレイを続けでもしない限りPP切れは基本起こらないバランスであり、「別になくてもなんとかなる」程度の性能しかないのも難点。
木の実を栽培して増やせるシリーズでは、ほぼ同等の効果を持ち無限に増やせる「ヒメリのみ」があるため、使う必要が出てもヒメリの実が優先的に使われ、余計にピーピーエイドの出番は減った。
一方、ピーピーマックスは外伝作品でよく使われている。
- せいなるはい
ひんし状態のポケモンすべてのHPを全回復するアイテム。基本的にホウオウが持っているが他の方法で入手する場合もある。バージョン限定だったり登場しなかったりすることも多く、各作品で1つはだいたい手に入るマスターボールより更に貴重。金銀ではPPも回復するためラストエリクサーそのものの効果だった。
1匹蘇生している間に1匹倒されるとジリ貧になるところ、これがあればピンチからでも立て直しが容易に……と思いきや、なんとこれ戦闘中は使えないという罠アイテム。
今こそ使うとき!とラストエリクサー症候群を克服したトレーナーに絶望を与えてくれる。
戦闘中でないならショップでいくらでも買える「げんきのかけら」(HP半分で復活)と適当なHP回復アイテムを使えばよく、これを使う意味はまずない。
なお戦闘中にも使えてHP全回復で復活効果の「げんきのかたまり」も非売品で、こちらは真っ当にピンチで活躍する貴重品。
- 女神の祝福、神食みなど(ソウルシリーズ)
フロムソフトウェアのアクションRPGにもこういった稀少な回復アイテムが登場する。
前者はダークソウル、後者はSEKIRO:SHADOWS DIE TWICEに登場するもので、共にHP全回復+全状態異常治癒効果がある。
他にもダークソウルでは「人間性」「人の像」「残り火」、女神の祝福のFP版である「秘めた祝福」、エスト瓶以外の貴重な体力回復手段の「ジークの酒」など、SEKIROでは回生*5の力を一回分得る「おくるみ地蔵」「陣左のおくるみ地蔵」、体力を持続的に回復する「おはぎ」などが代表的。
とりわけ「ジークの酒」、「陣左のおくるみ地蔵」や「おはぎ」は入手にキャラクターのサブストーリーが関係してくるため、周回ごとに最大で一つないし二つしか手に入らないとても貴重な品である。
ボス戦で十回二十回と死ぬのもよくある事である本作において、そういった貴重な品を投入するのはやはり抵抗感がある。
あと少しで勝てるけどこちらも瀕死という状況なら頼る価値はあるが。そういった気持ちでアイテムを使った瞬間に攻撃が飛んできて死するのはよくある話
また、高難度の死にゲーとはいえプレイヤーが上達すれば限定品に頼らずとも勝てるバランスであるため、死ぬまでの時間を延長して戦いに慣れるために使うのもアリ。
ただしこの場合、より入手性の高いアイテム(防御力バフの「吽護の飴」「剛幹の飴」、体力を持続的に回復する上にせかいじゅのはよろしく再入手可能な「お米」「細雪」あたり)に頼って限定品はやっぱり使わない、ということになるかもしれない。
余談だが、ソウルシリーズでは冗談抜きで全ての消費アイテムがラストエリクサー症候群の標的になることが他作品よりも多い。
ソウルシリーズ(特にボス戦)は何回も何十回も何百回も死ぬことが前提のレベルデザインになっており、死ぬごとに逐次データがオートセーブされるので、一度使ったアイテムは勝利しようが死のうが途中でゲームを終了しようが戻ってくることはない*6。
そのため、他作品の「エリクサー使ってなお負けちゃったけどデータはボス戦前に戻るからやり直せる」「ボス戦でエリクサー使っちゃったけどなくても勝てるしやり直そう」が通用しないわけである。
- いにしえの秘薬(モンスターハンターシリーズ)
飲むとHP全回復&最大HPとスタミナ上限(満腹度)も目一杯まで上昇。
しかし、瀕死と空腹が同時に起きる状況はそうそうなく、普通の秘薬と肉をそれぞれ使えば済んでしまうことが多い。
実はそこまで貴重な品ではないものの、いざというときの使い所に悩むアイテム。
- 自己強化系のグレート系アイテム
鬼人薬、硬化薬、強走薬などの上位版が該当する。
調合にアルビノエキスや狂走エキスといった大型モンスターの素材を使用するため、
気軽に飲むことが憚られて結局通常版で妥協するハンター多数。
しかし飲まないでいるといつの間にかエキスが大量に余っているのもお約束。
- エンチャントされた金のリンゴ(Minecraft)
食べることで満腹度の回復に加え、一定時間様々なバフが発動する。
以前は自分で作ることもできたが今は不可能。
ボス戦や難解なダンジョン用にとわかっていても結局使い所が難しい。
- ゴールデンハンマー
「スマブラシリーズ」のやり込み要素「クリアゲッター」において、無条件でパネルを開放する事ができるアイテム。
個数は限られているうえに誤って使っても取り消しはできないので、よく考えて使う必要がある。
ゴールデンハンマーでは開けられないパネルもある。
- 使い捨ての強化パーツ
スーパーロボット大戦シリーズにおける回復アイテムのような物。
強化パーツは装甲に数値を追加する等、ステータス強化が基本なのだが、中には使い捨てで使用するとHPやENや精神ポイントが回復する強化パーツが存在する。
これが無限に買えたりするわけではなく*7使い捨てという事で「終盤の強敵用に…」と残してそのまま未使用でクリアという事になってしまうことが多い。そして手慣れたプレイヤーだと使わないのが分かっているので入手してもガン無視か、売却可能な作品なら即売る
それを考慮してか、シリーズ途中から「1MAPに1回の使用制限付きだが、使ってもなくならない」という形になった。
ただ、それでも「敵増援が来た時の為に…」と、保留したままクリア出来てしまう事もあったりなかったり。
- ファイアーエムブレム 封印の剣・烈火の剣の資産評価
アイテムですらないが、ラストエリクサー症候群を発症・進行させやすい概念のひとつ。
高額な武器やアイテムを無暗に使わずクリアしたほうがゲームクリア時に高評価を認定されやすいというもの。
盗賊の必要性が上がる一方、安物で戦えるくらいにキャラの成長が重要になってしまったり、優れた武器や能力アップアイテムでも使用を見合わせないといけないもどかしさがある。
- 一点物のレア武器・非売品(武器が壊れると消滅するFE全般)
FEの武器には「耐久度」があり、それがなくなると武器が壊れてロストする。
市販品の「鉄の剣」とか「手槍」とかならともかく、シナリオ中で1つ2つしか手に入らないような貴重品をロストするのはあまりにも痛く(特に「トライアルマップ」がある作品の場合はなおさら)、結果として強い武器・レアな武器だから逆に使えなくなったまま最後までクリアしてしまうと言うケースが散見される。
武器に限った話ではなく『杖』『道具』もこれに該当するケースがある。
封印の剣には神将器という伝説の武器がいくつか存在し、高いスペックを誇るのだが20回使用したら壊れてしまう。そしてこれらは特定の章までに1つでもロストしてしまうとラスボスと戦える章へ行けなくなるという作りになっている。またタイトルにもなっている武器としての封印の剣も同じく分岐条件に関わる他、この武器でラスボスにトドメを刺す事がベストエンディングを迎える条件である。神将器はラスボスへの分岐に入る前に使用回数が1回でも・封印の剣はラスボスへのトドメに使う1回が残っていれば良いのだが、ベストエンディングのためには滅多なことでは使えない代物であり、結局新品同然でエンディングを迎えたというケースは多々ある。
蒼炎の軌跡では『トライアルマップ』『盗む』がある上に遠距離魔法をはじめ貴重な武器を持った雑魚が居り、戦い方を工夫すればどんどん盗める(しかもマニアックでは難易度が上がる都合貴重品を装備した雑魚の数が増え、盗みがいも増す)。
が、トライアルマップがあるせいで、一点物や非売品のレアアイテムを使いたくても使う事が出来ず、本編で盗むだけ盗んだ貴重なアイテムは結局新品のまま使うことなくクリアまで持っていってしまったなんてケースも。
- ボム
STGにおけるメジャーなシステムの1つで「広範囲を攻撃し、一定時間、敵の攻撃を無力化する」などの特徴を持つ、特殊攻撃の総称。そして個数などに回数制限が設けられている。
難所や不意の危険を回避するにあたって、ほぼ絶対的な効力を発揮するため、使いどころを見極める、或いは使いどころまでを含めて攻略パターンを構築する必要がある。
一方で、初心者には「パターン的にもアドリブ的にも「上手いタイミングで使う事」が難しい」「自力で難所を突破する達成感を味わいたい」「段階的に難しくなっていく為、更に難しい場面までなるべく温存したい」と言った事情がある。
上級者にも「ボムを使わない方がスコアを稼げる」「より高難度の高次週解禁への条件として「ボムの使用を一定数以下にする」等の制約が課される」「高次週になると、上級者ですらボムの使いこなしに難儀する(程に展開が目まぐるしい)」という形で、ボムの使用を躊躇させる要因が重なっている。
ボムより残機の方が重要な概念である事は、殆どのSTGで共通する為、ボムを使い切らないで残機を消耗する事を「抱え落ち」と呼び、非常に無駄の多い、もったいないプレイとして認識されている。*8
ボムのパターンや見切りなどで使いどころを弁えるのも、シューターとしての実力のうちなので、ボムをどう活用するかは意外に大きな問題なのである。
「勿体ない」「強力だが状況を選ぶ」という心理から使用を躊躇うのはラストエリクサーと共通するが、効力や有効活用の必要性は、ラストエリクサーよりも大きい概念かもしれない。
- サイバーエルフ
ロックマンゼロシリーズにおける収集要素であり初心者救済要素。使用すると評価スコアが減点される代わりにゼロが強化されたりライフを回復できたりする。
しかしながら、世界設定上力を発揮したサイバーエルフは死亡し、恒常的に効果を発揮するものはスコア減点も永続し、使用するためにはステージ中に隠されているのを探し出した上でエサとなるアイテムを食べさせて成長させないといけない、などラストエリクサー症候群と真っ向からかち合うような要素満載であるため、初心者救済要素として機能しているとは言い難かった。
さすがに問題視されたのか3作目では使い方によっては減点されなくなり、4作目でやっと普通のパワーアップシステムになった。
- ナーエの感謝の気持ち
FLOWER KNIGHT GIRLにおける経験値増加用の素材の一つであり、それまでマニュという素材を多数使って花騎士たちのレベルを上げていたが、ナーエを使えば大抵は一発でLVをMAX(進化・開花済の状態でも)にすることが出来る。
ただしナーエは特定のイベントで1体ずつしか獲得できない為、各属性のナーエを集めるだけでも一苦労である。
それでも何度もイベントが来ればそれなりに貯まるはず…と思いきや、
このナーエ、各イベントで与えた餌の量に応じて獲得できるという仕組みのため、まったく同じナーエを複数獲得するというのは実質不可能と言っていい。
- ドーピングアイテム全般
ドラクエの「種」やFFの「○○アップ」、テイルズの「薬草」等のキャラを究極まで鍛え上げる時にはお世話になる各種アイテムたち。
本編内でもある程度拾えるようになっていたり、何かしらの方法で勝手にいくつか持っているのが常……なのだが、もったいなくて使えないと言うケースは当然これでも起こりえる。
実はこの手のドーピングアイテムは、装備品やスキルのステータス補正が小さい序盤のうちに使ってしまった方が相対的に効果が大きい。仮に温存して終盤に使ったとして、本編内で拾える程度の数で大きな影響を与えることができるのはドラクエの種を1人に全て注ぎ込み、かつ全ての種の上昇量を限界まで吟味した時*9とかFEのドーピングアイテムを全て1人に投入した時くらい*10。
それでも、ドーピングアイテム自体が激レアアイテムであるために使えなくなってしまうのはよくある話。
さらに初見でシステムやストーリーを把握していないと、こうしたアイテムを注ぎ込んだキャラクターが永久離脱してしまうといった事態も危惧される。
「キャラの育成方針が固まってから使いたい」「必要に迫られるまでは手元に置いておきたい」といった理由でエリクサーと同じような扱いをされがち。
これもある種の宝の持ち腐れと言える。
- 能見篤史
阪神タイガースとオリックス・バファローズで活躍した投手につけられた愛称、もしくは蔑称。人間に「ラストエリクサー」の名が冠せられる稀な事例。
彼は阪神所属時の2013年シーズン、ペナントレースで11勝7敗防御率2.69という成績を挙げエース投手として君臨。チームはシーズン2位となったため、当然日本シリーズ進出を賭けたクライマックスシリーズでも先発するとファンの誰もが予想していたのだが…
迎えた広島東洋カープとのCS1stステージ第1戦、蓋を開けてみると先発投手として起用されたのは高卒新人の藤浪晋太郎。結果的に藤浪は4失点し、1-8で阪神は敗れた。
続く第2戦、ここで負けたらCS敗退となる重要な試合であったが、なぜか先発したのはランディ・メッセンジャー。
確かにメッセンジャーも素晴らしい投手だが、結果は4-7で阪神が敗北。本拠地甲子園球場でアドバンテージを活かせず2連敗を喫し、阪神はCS1stステージで敗退することになってしまった。
通常CSでは確実に勝ちを拾うために初戦からエース級投手を先発させることがセオリーゆえ、この起用は不自然なものと捉えられた。
その理由について、ファンからは''「CSファイナルステージの巨人戦で先発登板させるために、阪神首脳陣は能見を温存したのではないか?」''と推測され、それが「もったいなく思って使う機会を失う」というまさに「ラストエリクサーそのもの」な展開だったため、能見本人も「ラストエリクサー能見」と呼ばれるようになった。
なお、この時実は能見は故障しておりリリーフ登板すらままならない状態だったという。
これに対し「だったら1軍登録を抹消しておけ」と言われる事もあるが、抹消しないことによりカープ側に「どこかで能見が出てくるかもしれない」と推測させるためのハッタリになるし、「エースたる能見の代わりに誰を呼ぶのか」「代わりに上げたその選手を重要な場面で使うのか」という阪神側の選手層の問題もある。
そもそもクライマックスシリーズや日本シリーズなどの短期決戦においては、選手の起用1つで戦局が左右されがちなもの。
能見に限らずどのチームにおいてもラストエリクサー化してしまう選手が生まれる事は十分にありえる。かと言って特定の選手に固執してもそれがダメな結果を招いてしまうこともある。(例:2016年日本シリーズにおける広島)
つまり監督・コーチ陣にはペナントレースとはまた異なる柔軟な戦術をとることが求められるのである。
現実世界でのラストエリクサー症候群
上記プロ野球の例にもあるが、「貴重なアイテムをもったいなく思って使う機会を逸する」ことは現実にも結構ある。
それが命に直結するのが登山など。
実は遭難者のうち結構な割合が防寒具や食料を荷物に残したままであったりするのである。
これは、まさに「いざという時のために食料を残しておきたい→その時にはもはや荷物から食料を出す体力すら残っていない」という事である。
そもそもゲームと違って体力の現在値など可視化されていないのである。
そのため、登山では「体力に余裕があるうちに支度は済ませる」が鉄則となっている。「事前にいつも以上に大食いする」はきついかもしれない。
追記・修正はラストエリクサーを躊躇わず使いながらお願いします。
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*2 高い鍛冶と彫金スキルが要求される上に消耗品でありながら完成個数が1度に3個、素材も需要が高い貴金属といった要因から『投げるインゴット』と揶揄される
*3 ただし、入手がかなり大変なものも多い。
*4 ただし、わざマシン1種につき入手手段が1つになり、金銭で買うものは10倍以上に値上げされた。また「BDSP」では使い捨て(一応、大幅に値下げされたり一度にもらえる個数が増えたりしている)になっている。
*5 体力がゼロになってしまった時に復活できる能力
*6 オートセーブ前にゲームを強制終了したり(非推奨)、データのバックアップ戻しなどは除く
*7 シリーズによっては資金とは別のポイントを使って買うことが出来るが、それでも有限。
*8 一部のメーカーでは、ボムの使用率が一定以下のプレイヤーに対して、ゲームオーバー画面などで「ボムは積極的に活用しよう」などのアドバイスを表示させる事もあった
*9 例えば力の種の効果値が「1~3」の乱数幅、かつ力の種を20個拾えたとして、最大まで吟味すれば力が60上がる。最小値は20であるが、ドラクエで力40の差は与ダメージが20変わるためかなり大きい
*10 大体の作品でドーピングアイテムは2個ずつ程度拾えるが、無限に育成できないFEで「HP14、それ以外のステータス+4、移動力+2」はとてつもなく強力
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