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更新日:2023/08/08 Tue 17:36:28NEW!
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東宝映画『ゴジラVSスペースゴジラ』に登場する怪獣。
- 目次
【スペースゴジラ】
身長:120メートル
体重:8万トン
(飛行形態)
全長:250メートル
体重:72万トン
飛行速度:マッハ3
【概要】
ゴジラに酷似した姿の宇宙怪獣。
基本的なデザインはほぼゴジラそっくりだが、
- 紺色の体表
- 筋肉が剥き出しになったような紅紫の腹部
- 肩や背びれ、尾の先にある乳白色の結晶体
- 額にある黄色い三又の一本角
といった数々のゴジラにない特徴も持つ。
顔つきもゴジラに比べるとやや縦に細長い印象で、「ゴジラの同種」でありながらも「ゴジラとは違う存在」として、高い完成度を誇る。
デザインや能力、その強さから平成ゴジラシリーズのなかでもトップクラスの人気を誇り、
同シリーズの最後の対戦相手であるデストロイアと並ぶ最強怪獣との呼び声も高い。
なお、どちらが平成ゴジラシリーズ最強怪獣なのかはシリーズファンの永遠の議論の的。少なくとも本気でバトルしようものなら、決着が付く前に地球自体が滅びる可能性は限り無く高い。
能力以外にもそこいらの宇宙人なんか目じゃない知能も持っており、本編でやった活動のほとんどが普通なら怪獣を使役する宇宙人がやるような行動である。
【誕生経緯】
元々は宇宙に散ったビオランテの細胞、もしくは隕石の破壊のため宇宙に旅立ったモスラに付着していたゴジラ細胞(G細胞)ではないかと劇中で推測されている。それが、
ブラックホールに飲み込まれる
↓
ブラックホール内で結晶生物と合体
↓
壊れた惑星などの莫大なエネルギーを吸収
↓
ホワイトホールから放出される
↓
異常進化・成長して、スペースゴジラに
なんだか分からんがとにかくG細胞恐るべし……
口元の牙の生え方は同じくG細胞を持つビオランテと酷似している為、元はビオランテの細胞なのかもしれない。
『ゴジラVSキングギドラ』で未来人の手により三代目ゴジラの存在は無かった事になり、ビオランテの存在も無くなる筈であるが、
三代目ゴジラの活動の痕跡が全く消えておらず、作中でビオランテの事も語られている。恐らく四代目が同様の(またはそれに近い)行動をしたのだろう。
ただ、額の一本角と、そこからオレンジ色のスパークを発する点はバトラとも類似している。
モスラに付着していたゴジラ細胞がベースだったのなら、同じ条件でバトラの細胞も取り込まれている可能性が高く、またバトラの口元にも牙があるので、モスラの方が原因という可能性も同様に高い。
ちなみに劇中で語られた上記のスペースゴジラ誕生経緯の推測のセリフだが、
「今までにG細胞が宇宙へ送り出される機会は二度ありました。
一度目はビオランテの破片、二度目はモスラに付着したゴジラの肉片です。
そのいずれかのG細胞がブラックホールに飲み込まれ、ホワイトホールから放出される。
急速な進化の中で結晶生物を取り込み、さらに恒星の爆発による超エネルギーを浴び、
想像を絶する恐るべき怪獣が誕生した…ということです」
やはりかなりぶっ飛んだ説明だったが、劇中人物にとってもはや誕生経緯などどうでもよく、さらっと流されていた。
【能力】
宇宙で誕生したゴジラというだけあって、地球産の怪獣とは全く異なる能力が特徴。
光子や重力子を自在に操り物体を浮かせたり、バリアを張るなど、さながら超能力者まがいの事ができ、繰り出される攻撃は非常に多彩。
また、全身から常に強力な電磁波を放出しており、周囲に「通信波の妨害」「機器の異常」などをもたらし対策の施されていない精密機器は悉く無力化してしまう。
そして背中や肩の結晶を足や尻尾をまるごと飲み込むほどに巨大化させる飛行形態をとり、重力操作なども駆使して浮き上がることが可能。
その移動速度は大気圏内ではマッハ3、宇宙空間ではなんと光速に達する。
だが何よりも最大の特徴は、周囲に無数の結晶体を作り出し特殊なエネルギーエリアを形成すること。
このエネルギーエリア内では「宇宙から無尽蔵にエネルギーを供給する」事が可能。
この特性により数々の特殊能力を発揮し、G細胞の不死身の特性も相まってゴジラとMOGERAの猛攻を受けても動じない頑強さ*1を誇る。
結晶体で構成された「エネルギーエリア自体が破壊される」か「エネルギーの流入路である両肩の巨大結晶体が破壊される」かしない限りほぼ無敵と言える。
ただし、エネルギーエリアと結晶体が破壊されても非常に強力な怪獣である事には変わりなく、
しばらくの間ゴジラとMOGERA二体がかりを相手にしても優勢であり、モゲラの捨て身のアシストがあってようやくゴジラは勝利する事が出来たほど。
技
- コロナ・ビーム
蓄えたエネルギーを強力な破壊光線に変えて口から吐く。
連射が利く上に、重力操作で自由自在に屈曲や拡散ができ、様々な角度からのトリッキーな攻撃が可能である。
光線そのものは細いが、劇中で幾度もゴジラをダウンさせる程の威力を誇り、ゴジラの熱線を完全に弾くMOGERAのダイヤモンドコーティングが意味をなさないほど*2。
最大威力で放った時にはMOGERAの片腕を吹っ飛ばした。
ただしエネルギーエリアが破壊されると出力も落ちるのか、ゴジラを倒す事は出来なくなっていた。
自ら福岡タワーに向けて放ち、這わせるようにしてゴジラへと偏向・攻撃したこともある。
- グラビ・トルネード
肩の結晶体から緑色の重力波を放ちあらゆる物体を自在に動かす。
60000tもの重量であるゴジラの巨体をも軽々と持ち上げる事が出来る。
- フォトン・リアクティブ・シールド
結晶のような電磁バリアーを張り巡らし敵の光線を防ぐと同時に跳ね返す。ゴジラの熱線も例外ではない。
劇中ではなんと福岡タワーを包み込むようにしてシールドを展開したことさえある。
- スペース・クロー
攻撃エネルギーが充満している両手、両足の爪を使用した近接攻撃技。
爪で軽く触れたり引っ掻いたりするだけで相手を吹き飛ばしてしまう。
- テール・スマッシャー
尾の先の結晶体に攻撃エネルギーを集中させて硬化し、敵の身体に突き刺し攻撃する。MOGERAを大破させた強力な攻撃技。
この攻撃の元ネタは『エイリアン(1979)』
- ホーミング・ゴースト
バトルエリア内の無数の結晶体を重力で操作して浮かせ、上空から降らせたりミサイルのように飛ばして相手を攻撃する技。
- フォトン・ハリケーン
飛行形態限定の攻撃技。
背中の結晶体から強力な電磁波の塊を射ち出して機械を狂わせる。
【劇中の活躍】
ゴジラを倒すため、密かに地球に接近。手始めにゴジラの住むバース島に結晶体を打ち込み、自らに有利な環境を作り出した。
しかし、フェアリーモスラの伝言とNASAの宇宙船を襲った事で存在が発覚。
アステロイドベルトでGフォースに捕捉されるが、迎撃しに来たMOGERAを簡単に返り討ちにした。
その後バース島に飛来。仲間と思って近寄ってきたリトルゴジラに攻撃を仕掛け、リトルの危機を察してやって来たゴジラと対決。
凄まじい戦闘能力でゴジラをも圧倒するも、エネルギー不足のせいか何故かトドメを刺さず、代わりにリトルを結晶体に幽閉して何処かに飛び去った。
そしてエネルギーエリアを求めて札幌、山形、神戸等を飛び回り、福岡タワー周辺に落下、タワー周辺をバトルエリアに改造する。
福岡タワー周辺での決戦において、スペースゴジラはまず強化・改修されたMOGERAと再戦。
MOGERAの全攻撃をまともに受けても全く動じず、2発のコロナ・ビームでMOGERAをダウンさせる。
遅れてやってきたゴジラに対しては、MOGERA戦では使用しなかった上記の多彩な能力を存分に駆使して圧倒する。
しかし周囲の結晶体がゴジラに破壊され、宇宙エネルギーの誘導針にしていた最も重要な「福岡タワー」がゴジラと復活したMOGERAの協力プレーで倒壊。
更にはゴジラとの格闘戦の最中、MOGERAの「スパイラル・グレネード・ミサイル」で両肩の巨大結晶が破壊され、エネルギー源が断たれてしまう。
完全に怒り狂ったスペースゴジラはテール・スマッシャーで(プラズマメーサーキャノンが展開して脆弱になっていた)モゲラの腹を串刺しにし、
16万tものモゲラの巨体を投げ飛ばして行動不能にした。
そして残ったゴジラと闘うが、途中で結城が計器を滅茶苦茶に操作して再起動したモゲラの特攻を喰らいダウン。
その後もしぶとく起き上がり反撃するものの、全くエネルギーを補給出来ずやがて生命維持が限界に達し、遂にはゴジラの熱線を数発喰らって完全にダウン。
止めに放った「バーンスパイラル熱線」を喰らって、大破したモゲラ共々大爆発した。
尚この時近くにいた結城と新城によれば爆発したのは
「ゴジラがエネルギーを放出しているので、スペースゴジラはエネルギー過多になって爆発する」
とのことである。
その後、G細胞は粒子となって宇宙に帰っていった。
『ゴジラアイランド』でのスペースゴジラ
第1シーズン
ゴジラアイランドに襲来したX星人・ザグレスが差し向けた最初の刺客として登場。
『ゴジラVSスペースゴジラ』のライブフィルムを使った気合の入った演出で登場する。
パラレルワールド故に設定が異なっており、バトルエリアを形成する必要がなくなっている他、口から吐くコロナビームが黄色い熱線状になっている。
オリジナル同様に肩の結晶体が弱点で、ゴジラアイランドを管理するGガードに加勢したトレマと、ゴジラの連携攻撃で倒された。
出番はこれで終わりかと思いきや、ザグレスに協力した死神ドゴラの力により悪霊になって蘇る。
ゴジラに憑依して怪獣たちから次々とエネルギーを吸収していき、後にキングシーサーの御札で引き剥がされて実体化した。
最後はゴジラとゴジラジュニア親子の熱線で倒された。
第2シーズン
かつてスペースゴジラの悪霊が倒された「鬼ヶ森」でそれらしき姿を見たとの情報が入り、悪霊が蘇ったのではないかと危惧される。
皆が不安になる中、怪獣たちの前にもその姿を表す*3が、後にこれは霧に映し出された立体映像であることが判明。X星人・ランデスが怪獣たちを疑心暗鬼に陥らせて自滅させようと仕組んだ罠であった。
安堵したのも束の間、直後にX星人たちの黒幕である暗黒大皇帝が密かに送り込んでいた上位版スペースゴジラ、「スーパースペシャルスペースゴジラハイグレードタイプ2」が出現した。
この「スーパースペシャルスペースゴジラハイグレードタイプ2」は角と両肩の結晶体が金色に輝いており、当然戦闘能力も通常版より高い。
最初はその圧倒的なパワーでゴジラを苦しめるが、Gガード司令の娘・ミサトがランデスの作戦を真似て巨大なゴジラの立体映像を作り出すとそのデカさにビビり、その隙にゴジラの熱線で左肩の結晶体を破壊され、敵わぬと見て宇宙へ飛び去った。
【余談】
デザインモチーフはSFC版に登場したゴジラのパワーアップ形態「超ゴジラ」。
また、川北紘一監督は自伝で「宇宙から結晶体が流星群のように降ってくるというイメージ」「ゴジラの背に剣が何本も突き出た感じ」ともしている。
地球に来た理由は「同族のゴジラに引き寄せられた」「そのままゴジラをぶちのめして自分が最強だと証明する」事。
最期も死滅はせずにG細胞として宇宙に帰っていく、妙な爽やかさも人気の理由の一つといえるかもしれない。
なおコスモスは「放っておいたら地球は征服される」とコメントしており、ゴジラを倒したらそのまま住み着き、結晶地帯を広げ続けるという意味であろう。
仮にそうなっていたら、人類では全く手が付けられず滅亡へ一直線という、想像するのも恐ろしい事態に陥っていたのは間違いない……。
略称の「スペゴジ」は映画でも結城によって「スペゴジめえっ!!」と呼称されており、公式。
結城はリトルゴジラもチビゴジと呼んでいた為、大方この人がノリで略したのだろう。
スタッフからはリトルへの行動から「いじめっこ怪獣」と呼ばれていた。
もっとも、その名の先代であるガバラとは強さも人気も印象もけた違いだが。
デストロイア完全体とは、口のギミックが同じ。
ガメラシリーズの「レギオン」とは、公開年が近い・無機物の印象がある・宇宙怪獣・めちゃくちゃ強いなどの共通項が多く、比較されることもある。
また、レギオンの翌年に登場する「モスラ3 キングギドラ来襲」のキングギドラにも、能力の一部や高い知性などが引き継がれている。
一つには、スペースゴジラは当初「『超ドラゴン怪獣キングギドラ』とは別の、『宇宙超怪獣キングギドラ』」として考えられていたらしく、その名残であろう。
PS2の「ゴジラ 怪獣大乱闘 地球最終決戦」というゲームに登場、自機として使用できる。
宇宙エネルギーの補正のおかげか、ビーム被弾時のダメージが半減したり、格闘技がやたらと威力が高い。
更に、結晶体を召喚してその近辺にいれば、ビーム発射中もエネルギーが回復し続ける・掴み技がグラビトルネードで、
何とダウン中・飛行中の敵まで強制的に掴めるという高スペック。
然しパワータイプキャラにありがちな「挙動が遅い」という弱点がこれでもかという程再現されており、素早い怪獣との格闘戦が苦手。
しかも、結晶体から離れてしまうとエネルギーが回復しなくなる。
敵を封殺する事も出来るが、敵怪獣の特徴を把握出来ていないとこちらが封殺される、そんな怪獣である。
TCGバトルスピリッツではコラボブースター 東宝怪獣大決戦にて最高レアリティのXレアカードとして収録。
場に結晶地帯を張り巡らせてエネルギー(手札)を毎ターン大量に確保し、更に手札の枚数だけ戦闘力(BP)が上がるという原作映画を完全再現したスーパーパワーを秘めたカード。
イラストも怪獣絵師・開田裕治氏の気合の入りまくったスペゴジが描かれており、星竜デッキのエースとして活躍できる。
2020年4~5月に発売されるMTGのエキスパンション「イコリア:巨獣の棲処」では、ゴジラシリーズとのコラボレーションで参戦。
既存カードの名前&イラスト替え特別カード*4としてゴジラ怪獣たちが描かれたカードが封入され、スペースゴジラも《虚空を招くもの》というカードの特別仕様版に抜擢された。
……なのだが、そのカード名が《死のコロナビーム、スペースゴジラ/Spacegodzilla, Death Corona》という、何がとは言わないがあまりにも間の悪すぎる*5ものであったため、
発売を前に公式から緊急声明が出され、既に出荷してしまった初版分はともかくとして、増版分からはスペースゴジラ版のカード自体が封入されず廃棄される事となった。
また、カード名も《虚空の侵略者、スペースゴジラ》に変更され、MTGアリーナではこちらのカード名でプレイヤーの手に届くことになる。
2019年度はかなりのやらかしが目立ったウィザーズ社だが、このとばっちりは流石に同情を禁じ得ない。
モスラに付着したG細胞がベースなら、それまでゴジラと戦った怪獣の細胞もついていたはずとして、
「これまで登場した怪獣を模倣して変身していく不定形の生命体」という案もあった。
最初は「キングギドラの翼を生やしたゴジラ」の姿として地球に降り立つが、ゴジラ戦が劣勢になると「植獣ビオランテ」「花獣ビオランテ(花弁に白神英理加の顔が浮かび上がり絶叫する)」「キングギドラ」「幼虫モスラ」「幼虫バトラ」「成虫モスラ」と次々に象る対象を変えていく。
最後は「炭素の結晶ウィルス、生きたダイヤモンドの塊」と形容される銀色のエイリアンのような「実相」となる。
このデザインは最初の「ゴジラ+ギドラの翼」形態のほかは「苦し紛れ」「末期的」「ほとんどパニック状態で変態を繰り返す」、
実相では「もはや効果的な戦闘は出来ず、威嚇のような行動を繰り返すばかり」とあり、
劇中の「恐ろしくタフでハードなやつ」というスペースゴジラとはまた違った印象がある。
まあそのデザイン群、すっごくグロいので、こっちが採用されなくてよかった気もするが……
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*2 本編でMOGERAがゴジラの熱線を浴びる場面は無い(ラストの赤色熱線の流れ弾のみ)が、前作のメカゴジラはゴジラの熱線を完全に防御している。
*3 このときのスペースゴジラは如何にも幽霊という雰囲気を出すためか、三角形の布(天冠)を巻いたものすごくシュールな姿であった。
*4 ルール上は元カードと同名カード扱い
*5 カード名の決定も印刷も数ヶ月前に終わっており、その時点で予想できるはずもない事態であった。
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