グレゴリーホラーショー ソウルコレクター

ページ名:グレゴリーホラーショー ソウルコレクター

登録日:2022/04/06 (曜日) 23:12:47
更新日:2024/06/18 Tue 11:54:34NEW!
所要時間:約 20 分で読めます



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憎らしいほどカワイイ…

ブキミなほどに愛おしい…


「グレゴリーホラーショー ソウルコレクター」とは、2003年8月7月にカプコンより発売されたPlayStation2専用ゲームソフト。
ジャンルは「カートゥーンホラー」。


かつて1999年から2001年にかけてテレビ朝日系列で放送されていた深夜アニメ「グレゴリーホラーショー」のメディアミックス作品に当たり、原作の世界観を忠実に再現したホラーアドベンチャーである。
プレイヤーは異次元のホテル「グレゴリーハウス」に迷い込んだ宿泊客となり、ホテルからの脱出と現実世界への帰還を目指すのが目的。
ストーリーの合間に挟まれるカットシーンは原作*1の流用だが、ボイスは全て放送当時のオリジナルキャストによる新録となっている。


原作再現度とゲームとしての遊びごたえを両立させた本作は、グレゴリーハウスへの永住を望むほどの根強い原作ファンは勿論、ゲームで初めてグレゴリーホラーショーを知ったホラーゲームユーザー双方からの評価が極めて高い。
しかし元々グレゴリーホラーショー自体が限られた時間帯でしか放映されていなかったマイナーなアニメだった事もあり、本作も生産数がかなり少なかった模様。
ゆえに2022年現在では中古ソフトに3万円以上ものプレミア価格が付いている事も珍しくなく、またゲームアーカイブスなどでの配信も依然行われておらず、今からのプレイはかなり難しい状態にある。


ストーリー


何故私は、この霧の立ち込める森の中を彷徨っているのだろう…


確か最終便で駅に着き、家に向かって歩いていたはずだ…


変わり映えのしない当たり前の日常を生きていた主人公は、ある月のない夜に霧の立ち込める深い森の中に迷い込んでしまう。
森を抜けた先に辿り着いたのは、如何にも怪しげな木造のホテル「グレゴリーハウス」。
そこでは胡散臭い老ネズミのグレゴリーが管理人を務めており、彼は主人公をお客様として丁重にもてなしながらも、ホテルから出る事を許してはくれない。

それでは良いご滞在を、永遠に…ヒッヒッヒッヒ…


さらにホテルに泊まる他の宿泊客達も皆曲者揃い。しかも彼らは主人公を自分達の仲間として、永遠にホテルの中に閉じ込めてしまおうとすら企んでいる…。
八方塞がりの中、眠り込んだ夢の中に現れた死神は、主人公に現実へ帰るよう促すと共にある条件を提示。

儂は迷えるタマシイの未練をバッサリ断ち切っとるモンなんやけどな、どうもあのホテルにタマシイが幾つか迷い込んどるみたいなんや

そいつを探してくれはったら、元の世界への道を開けたろうやないかい!どうや?


探し出すタマシイは全部で12個。それらはホテルの宿泊客達が隠し持っている。
死神は夢の中でまた会おうと告げ、消えて行った。
このままホテルに留まれば自分も迷えるタマシイになってしまう…帰還への一縷の希望を見出し、主人公はグレゴリーハウスの探索を始めるのだった。



システム


アクションアドベンチャーである本作は全てリアルタイムで進行し、主人公以外の全キャラクターは各自に定められたタイムスケジュールに沿ってホテル内を徘徊し、食事や睡眠、各々の趣味を楽しんだりとそれぞれの生活を営んでいる。
同時にそれは主人公の精神力・正気度を表す「メンタルゲージ」も例外ではなく、時間経過と共にゲージは減り、0になった時点で正気を失いゲームオーバーとなる。
メンタルゲージは

  • ハーブティーやチョコレートなどの回復アイテムを使う
  • ホテル各所に配置された本を回収して読む
  • 自室で就寝する

といった行動で回復させる事が可能。
また長時間睡眠を取らないと各種バッドステータスの起点になる「疲労」状態になってしまうため、こまめに眠るようにする事。
バッドステータスの種類は以下の通り。

  • 疲労:この状態では特に何も起きないが、時間が経つと「頭痛」へ移行。睡眠で回復。
  • 頭痛:時折視界がぼやける。時間が経つと「ナーバス」へ移行。頭痛薬で回復。
  • ナーバス:各種回復アイテムの回復量が少なくなる。時間が経つと「混乱」へ移行。胃薬で回復。
  • 混乱:スティック操作が逆になる。鎮静剤で回復。
  • 失望:迷えるタマシイを奪われると発生し、移動速度が遅くなる。オオワライタケで回復。
  • 暗闇:0~6時の間、もしくは地下階へ行くと発生し、視界が暗くなる。目薬かテレビの明るさ調節で回復。

上記の通り全12個の「迷えるタマシイ」は、全てホテルを訪れる宿泊客達が隠し持っている。
だが自分の欲望を追及する事しか考えていない彼らが素直にタマシイを渡してくれるはずはなく、その殆どは主人公と顔を突き合わせるなり「捕まえてみろ」と言わんばかりに脱兎の如く逃げ出してしまう。
ゆえに宿泊客たちからタマシイを取り戻すには、まず彼らの行動パターンを知る事が必要となる。
背後からこっそり尾行したり、鍵穴から部屋の中を覗き込んだり、クローゼットの中に隠れて様子を窺ったりと、ストーカーの如く付け回して、いつどこで何をしているのかを把握するのである。
一度見た宿泊客の行動は、自室のメモでタイムスケジュールと共にいつでも確認出来るので、じっくりと作戦を練ると良いだろう。
この時あまりに宿泊客のストーキングに夢中になり過ぎて、脱出の目的を忘れるプレイヤーも少なくないとか。


そして忘れてはならないのは、宿泊客の「弱み」を握る事。
これがいざタマシイを奪取する時に最も重要なポイントであり、特定のアイテムやタイミングを利用してタマシイを手放させ、分捕るのだ。
各々の弱みは独り言や会話の中から推察する事が出来、ここでも上記のストーキングが大事になってくる。困ったらグレゴリーやネコゾンビに話を聞いてみるのも良いだろう。
なお弱みに関する要点を口にした際は吹き出しの中の文字が赤く表示されたり、「ギュイーン!」という効果音で強調されたりするので見逃しor聞き逃さないように。


タマシイを手に入れた後、自室のベッドで眠ると夢の中に死神が現れ、タマシイを預けるか否かを問われる。
ここでタマシイを三つ預けると章が終了し、ストーリーが進んで次のタマシイを持つ宿泊客がやって来るというのがゲームの基本的な流れ。
ちなみに死神が現れた時に何かしらのバッドステータスに罹っていると全て治してくれる。狙って治すのは難しいが覚えておくと吉。


最後に大事な事を一つ。
タマシイを持った状態の宿泊客は主人公と遭遇すると逃げてしまうのは上述した通りだが、タマシイを奪った後は逆に追いかけてくるようになる
こうなると撒くか何処かに隠れるかしない限り逃げきれず、もし捕まってしまうと舞台上で宿泊客に嬲られる「ホラーショー」の幕開けとなる。
ホラーショーは単純にメンタルゲージにダメージを受けるもの、バッドステータスをランダムに付与されるもの、アイテムを盗まれるものなど種類は様々だが、何れにせよ食らって良い事など一つもない。
そのキャラが好きという方にはご褒美かも知れないが。
またその宿泊客から奪ったタマシイを所持したまま捕まるとタマシイを取り返され、さらに移動速度が遅くなるバッドステータス「失望」に罹ってしまう点にも注意。
したがって出来るだけ早く死神にタマシイを預けたほうが無難なのだが、タマシイを持っている間は精神の共鳴によってメンタルゲージの減りが遅くなるというメリットが存在。
このためどのタイミングでタマシイを預けるかも留意する必要がある。


ちなみに101号室の自室は完全な安全圏。しっかりと施錠もされるので、例え追われている最中でも原作のように宿泊客に押し入られる心配はないのでご安心を。



キャラクター

  • 主人公

CV:茶風林(男)、岡本章子(女)
現実逃避の末にグレゴリーハウスに迷い込んだ人間。プレイヤーの分身。
スタート時に「BOY」と「GIRL」から性別を選択する事が出来るが、ステータス面で違いはない。
なお子供の姿をしているが、これは死神から与えられた仮初の肉体であり、OP及びEDのモノローグからして本来はどちらも大人であると思われる。


  • グレゴリー

CV:茶風林
グレゴリーハウスの管理人の老ネズミ。
人の心を弄ぶのが趣味で、何かと「ヒッヒッヒ…」という不気味な笑いを漏らすのが口癖。
主人公に対しては「お客様」と畏まって接し、宿泊客達やホテルの設備についての質問に対しても常に真摯に答えるが、その言動の裏にははホテルから逃がすまいとする明らかな悪意が見え隠れする。
しかし彼自身もなかなかに不幸体質であり、何処か憎めないコミカルさはゲームでも健在。そして歳に似合わずスケベ。
ちなみに裏設定扱いだが「ジョージ」という息子がおり、彼がジェームスの父親らしい。


原作では狂言回しとしての印象が強いが、本作では管理人として真面目に掃除や帳簿付けをこなす姿をホテル各所で見る事が出来る。
彼が居る場所で鍵穴から覗き見をしようとすると呼び止められてしまうので要注意。


  • ジェームス

CV:山崎依里奈
グレゴリーの孫息子。
一見して人懐っこいが「無邪気な子供」とはとても言い難い。
とんでもない悪戯好きであり、時としてグレゴリーすらも手を焼く程のトラブルメーカー。


ゲーム中で彼が主人公に特別悪戯をする事は無いが、付いて回ってきて覗き見しようとすると邪魔して来る事はある。
また彼が宿泊客達に仕掛けた悪戯がタマシイ奪取のヒントになる事も。


  • カエル占い師

CV:鈴木勝美
グレゴリーハウスの専属占い師の老婆。
原作では不吉な予言をしてそれを無理やり的中させてくるインチキ占い師…なのだが、本作ではセーブ担当。
彼女の居るセーブルームは他に誰も入ってこない安全地帯…なのだが、宿泊客に追われている最中に逃げ込もうとしても「面倒ごとはご免だゲロ」と入れてくれない。


  • 死神

CV:広瀬正志
迷えるタマシイの未練を断ち切り、あの世へと導く冥土の案内人。
原作同様、数少ない主人公の完全な味方で、12個の迷えるタマシイを回収するのと引き換えに現実への道を開くという約束を交わす。
ローブに髑髏の顔というステレオタイプな死神の風貌に似合わず、口調は何故か関西弁。


第一夜「グレゴリーハウス」

実質的なチュートリアル期間。
追跡して来る宿泊客もキャサリン一人だけなので、今のうちに基本的な操作やホテル一階の構造を把握しておきたい。


  • ネコゾンビ

CV:永澤菜教
元々は勃興貴族の屋敷で飼われていた毛並みの良いネコ。
しかし主人の没落後、迷界を彷徨いに彷徨った末にグレゴリーハウスへと流れ着き、見るも無惨な継ぎはぎだらけの姿に変えられた。
その恐ろし気な外見に似合わず理性的で、グレゴリーハウスにやってきた客に一刻も早く出て行くよう促す。


本作のチュートリアル担当にしてキーパーソン、そして癒し枠。


  • キャサリン

CV:井上彩名
巨大な注射器を抱えたトカゲの看護婦。
重度のヘマトフィリア(血液嗜好者)であり、血液検査と称して嫌がる人に採血を強要するのが趣味。
だがその悪癖さえ除けば意外と看護婦としての仕事はまともにやっているらしく、1階の保健室には他の宿泊客達が診察や相談によく訪れている。
長いスカートのせいか足は遅いため、追われても振り切るのはそう難しくない。


  • 審判小僧

CV:林田尚親
天秤のような、としか表現出来ない外見の宿泊客。「ジャッジメーント!」の掛け声が耳に残る。
両腕の真実の天秤は「誠意」と「快楽」を秤にかけ、相対する者の運命を指し示すとされる。
主人公を追跡してこない宿泊客の一人で、彼の審判に対し真実を答えると自らタマシイを渡してくれる。当然ホラーショーも無し。
というかそれで追ってきたら理不尽過ぎる。


第二夜「狂気の先端」

ホテル二階が開放。一気に5人もの宿泊客(タマシイを持っているのはうち3人)が増え、いきなり難易度が上昇する
しかし彼らもまたタマシイを奪うまでは何もして来ないので、まず二階の散策から済ませてしまおう。


  • ミイラ父ちゃん&ミイラ坊や

CV:高木均(父ちゃん)、佐久間なつみ(坊や)
ミイラの犬の親子。残念ながらママは欠席。まあ原作でも出番一瞬だし、台詞も一言も喋っていないので致し方なし。
親子揃って病気自慢が趣味で、いつも頭痛に悩まされて風邪気味だと公言する。
…が、それが頭に刺さった青龍刀と斧のせいだとは気づいていない。というか刃物が頭に刺さっている事にすら気づいていない。…病気どころか物凄くタフである。


タマシイを持っているのは父ちゃんのほうだが、タマシイを奪うと二人とも追いかけてくるようになる。
「顔色が悪そうだから薬を分けてあげる」という発言からして、別に怒りや悪意は無いのだろうが…。


  • ロストドール

CV:松井菜桜子
父親に捨てられた大事な人形「ケイティ」を探してグレゴリーハウスを彷徨う少女。
だが自分自身が人形と一体化している事には気付いておらず、永遠に見つかることは無い。
そんな彼女に迂闊に話しかけると、タマシイを奪っていなくてもホラーショーをしてくる。初見殺しも良い所である。


  • カクタスガンマン

CV:幸野善之
元革命軍リーダーのサボテンのガンマン。
威勢は良いが根は臆病者で、しかも銃の腕前もノーコンそのもの。そもそもグレゴリーハウスにやって来たのも、革命に失敗して政府に追われる身となった現実から逃げて来たため。
新しい客と見れば誰彼構わず決闘を挑んでは勇ましい自分の幻影を追う事だけが生き甲斐となっている哀れな男。


主人公の性別によってホラーショーの内容が違う唯一の宿泊客。
BOYの場合は決闘を挑んで来て銃をぶっ放し、GIRLの場合はバラの花束を投げつけて求婚して来る。どちらもメンタルゲージの減少量は同じ。
メンタル削れるほど嫌なのか…。


  • カクタスガール

CV:佐藤美佳子
カクタスガンマンの妹。
兄に比べてしっかり者だがブラコン気味。投げ縄を得意とする他、射撃の腕前も達者。
彼女が革命軍率いたほうが良かったのでは?


普段は203号室の荒野の部屋に居り、そこで話しかけると「休戦」と称して正直今更な操作やUIの説明をしてくれるツンデレ娘。


第三夜「見えざる真実」

ホテル地下が開放。アイテムの宝庫だが広くて迷いやすいのでメンタルゲージとステータスの管理は怠らないように。


  • 地獄のシェフ

CV:大友龍三郎
蝋燭のコック帽を被ったグレゴリーハウスの料理長。得意料理は金歯入りスープ。
常に携行している巨大包丁は象の骨すら断ち切る威力を誇り、ホテルの厨房にはそれを研ぐための特注と思しき巨大な砥石がセットされている。
極度の強迫観念と被害妄想の持ち主で、自分の料理を貶す者を絶対に許さない。
また基本的に料理の事にしか興味がないようで、とある場所で交わされるキャサリンとの噛み合わない会話は必見。


本作に弱点の煙草は無いので彼の料理に対するプライドを利用してタマシイを奪う事になる。
しかし走りづらそうな外見に反して足は速く、加えてホラーショーで繰り出される包丁の一撃で受けるダメージも全宿泊者中最大クラス。
スープやハンバーグにされたくなければ直線での鬼ごっこは避けよう。


  • ルーレット小僧

CV:浅田葉子
名前の通り頭がルーレット盤になった少年。声が高いので初見で女の子だと間違うプレイヤーが続出。
いつも遊んでくれる人を探してホテル内を徘徊しているが、彼のゲームはまず間違いなく死傷者が出る程に過激なもの。主人公やグレゴリーが死なないのは一重にギャグ補正のおかげである。


あるアイテムを持って彼に話しかけると専用マップに移動し、そこでグレゴリーと対戦する形式でボードゲームをプレイする事になる。
ゲームの内容はシンプルなすごろくであり、グレゴリーに勝利すると景品としてタマシイを貰える。ついでに爆発マスや錘マスに引っかかるグレゴリーの悲鳴も堪能できる。
…が、彼としてはまだまだ遊び足りないようで、審判小僧とは違い遭遇すると普通に追いかけてくる。ある意味これもまた初見殺し。
ただし捕まる前に遊技場へ行けばまたボードゲームで遊ぶ事が可能。


  • TVフィッシュ

CV:なし
顔がブラウン管テレビになっている電影魚。
グレゴリーハウス内を当てどなく回遊し、その顔のモニターには誰かの記憶が映像として映し出されている。
明らかに「宿泊客」ではない存在だが、彼(?)もタマシイを隠し持っている。
一か所に留まる事がないため、宿泊客の目撃情報を元に回遊ルートを待ち伏せる事となる。
実は固定でとある場所に誘き出す事が出来るので、それを突いてしまえば薬やジュースなどを落とすアイテムボックスになる。


第四夜「道の行方」

ここまで来ると総勢11人もの宿泊客が敵に回っているため、自室を出て探索するだけでも一苦労。
今まで培ってきたかくれんぼのスキルとストーキングの成果を活かして終盤を切り抜けるのだ。


  • クロックマスター&マイサン

CV:山野井仁(クロックマスター)、伊藤舞子(マイサン)
古時計の親子。
父親のクロックマスターは「時の支配者」を自称し、事実時間を巻き戻すという絶大な力を誇るのだが、現在ではすっかり落ちぶれてバーに入り浸っているただの飲んだくれオヤジと化している。
マイサンはそんな父親を呆れ半分ながらも健気に支える孝行息子。実は潜在能力は父親を既に上回っているらしい。


タマシイを持っているのはマイサンの方。
ちなみにタマシイを奪う前であれば普通に話しかける事が出来る数少ない宿泊客であり、世間話にも応じてくれるなど態度は友好的。
もっとも、例によって奪った後は二人とも追いかけてくるのだが。


  • エンジェルドッグ/デビルドッグ

CV:佐久間レイ
迷える者の前に姿を現し、救いの道を指し示す天使の犬。
しかし気分次第では悪魔の姿デビルドッグに変身し、相手を地獄へ落としてしまう事もしばしば。結局彼女も迷界の住人なのだ。
グレゴリー「天使の顔をしていても所詮は犬ですぞ犬!ワンワンですぞ!」


犬だけあってボール遊びが好きなのかサッカー中継を見るのが趣味で、よく談話室に入り浸っている。
だがやはりグレゴリーとは仲が悪いようで、掃除の時間になると無理やり中断させられて口論になるのが常である。グレゴリーを一か所に留めておく事が出来れば…?
なお常に空を飛んでいるので、妨害アイテムのバナナの皮で転ばないという地味に厄介な特徴がある。


  • 審判小僧ゴールド

CV:林田尚親
通常の審判小僧よりさらに上に立つ「親分」。
ゴールドの名の通り全身が黄金のメッキで煌めいており、何処に居てもよく目立つ。
彼が突きつける選択の重さは通常の審判小僧の比ではなく、まさに究極の二択と言える。


第四夜開始当初は姿を現さず、ネコゾンビ~エンジェルドッグまでが持つ11個のタマシイを集めると登場する、名実ともに最後の宿泊客。
彼のタマシイを手に入れるには、情報収集をコツコツこなす事とタイムテーブルの管理が重要。
だがここまで生き延びて来れたなら、それはきっと難しくないはずだ。


第五夜「脱出の時」

全てのタマシイを集め終えた主人公。死神はメインロビーの扉の先で待っていると告げる。だがホテルの真の支配者がそう簡単に帰してくれるはずもなく…

あんたかい…私の大事なタマシイを集めてまわっていたのは…

そんな事をしたのに逃げられると思っているなんて、大した度胸じゃないか!


  • グレゴリーママ

CV:岡本章子
グレゴリーの実母にして、ある意味ではグレゴリーハウスの真の支配者。
若さと美貌に対し異常なまでの執着心を燃やし、現実に未練を抱えたタマシイを飲む事を若返りの秘訣としている。小じわは隠せていないので正直ケバさのほうが先立つ。
性格は非情かつ高慢で、宿泊客達はおろか息子のグレゴリーに対しても当たりが強いが、一方で曾孫のジェームスにはやや甘い部分も。


ホテルを脱出せんとする主人公の前に立ち塞がる、本作の実質的なラスボス。
原作同様強力な魔法を操り、無理やりにでも主人公のタマシイを奪い取ろうとしてくる。だが頭に血が上り過ぎているせいか、自分の魔法が扉を破壊している事に気付いていないようだ。


第六夜「ネコゾンビ」

ここからは全てエンディング。


グレゴリーママの怨嗟の声を背にし、必死で引き留めようとしてくるグレゴリーを振り切り、現実への道へと辿り着いた主人公だったが「忘れ物がある」と死神に帰還を待ってもらう。
その「忘れ物」とは、ここまでずっと支えになってくれたネコゾンビ。一緒に帰ろうと冷たい石牢に蹲る彼に声をかける。
だがネコゾンビが首を縦に振る事は無かった。彼は自分を繋ぐ足枷に目をやって呟く。

この足枷は僕の苦しみ…苦しみから目を逸らす事は出来ないニャ


それでも自分に情けを掛けようとする主人公を強い言葉で突き放すネコゾンビ。だがその背を見送る目には強い決意が宿っていた。

グレゴリー!あいつが逃げちまうよ!

大丈夫ですよママ…今から追いかけてとっ捕まえれば、まだ間に合います!ヒッヒッヒ…


一方グレゴリーママの居室。
迷いを断ち切った者が現実世界に帰れば、迷いから生まれたグレゴリーハウスの存続そのものにも関わって来る。危惧するママに対し不敵に笑って高を括るグレゴリー。
だがその笑いは、蝋燭を片手に乱入してきたネコゾンビによって遮られる。何をしに来たと訝るグレゴリーの目の前で、彼は自分の身体に火を放った。

幸せなだけの夢を見るのは疲れたニャ…もう終わりにするニャ!


紅蓮の炎に包まれるグレゴリーハウス。
何時だったか、グレゴリーはカエル占い師から「お前は真っ赤な炎に包まれるゲロ」と予言された事があった。その時は一笑に付したグレゴリーだったが、今まさにその言葉が現実のものとなったのだ。
迷界を焼き尽くし、燃え上がる炎に迷いはない。ホテル内に閉じ込められ彷徨っていたタマシイ達が次々に解放され、天へと飛び立ってゆく…。


崩れ落ちるホテルを背を向け、現実世界への道をひた走りながら主人公は想う。
グレゴリーハウスとは、現実から逃げ出したいという自分の心の弱さが生み出した幻の世界だったのだと。*2
優しい狂気と暖かい恐怖で疲れ切った心身を癒してくれたグレゴリーハウスを出る事…それは、辛く退屈な現実に立ち向かう事なのだと。
また生きる事に疲れてしまったら、自分は再びグレゴリーハウスを訪れるだろうと。


そして、その時が来たら今度こそ自分が現実に戻る事は無いだろうと。

主人公の後語りが終わり、カプコンのロゴが表示された後、廃墟と化したグレゴリーハウスが突如逆戻りするように復活。
そして、そこにタマシイが集い…

こうして、また一人…


お帰りなさいませ、お客様


わかっておりましたとも、戻ってきてくださると。ヒッヒッヒッヒッヒッ


大分現実にお疲れのようで


ごゆっくりお休みくださいませ


ヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッ…


ヒ~ヒッヒッヒッヒヒヒヒッ…


そしてグレゴリーハウスの扉が閉まり…



Welcome to Gregory House !


追記・修正はメンタルゲージの残量に気を付けながらお願いします。

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  • オチが一番ホラーかも -- 名無しさん (2022-04-07 07:06:57)
  • ママ戦後のグレゴリーもある意味イベント戦というかラスボス戦とも言えなくもない -- 名無しさん (2022-04-07 09:50:44)
  • スペースは半角の方が見栄えがいいのでは? -- 名無しさん (2022-04-07 21:09:45)

#comment(striction)

*1 グレゴリーハウスが舞台のシーズン1とシーズン2
*2 原作シーズン1ラストにおいて、グレゴリーは自分を指して「私はお客様の満たされぬ心そのもの」と称している。ここから踏まえるにグレゴリーの存在は現実逃避を望む「欲望」の側面であり、また彼と反目して主人公に帰還を促すネコゾンビは、現実に帰らなくてはと願う「理性」の側面なのだろう。

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