クウラ

ページ名:クウラ

登録日:2015/03/16 Mon 00:08:09
更新日:2024/01/12 Fri 10:47:43NEW!
所要時間:約 11 分で読めます



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フリーザもまだまだ…甘い





クウラとは、劇場版ドラゴンボールZ『とびっきりの最強対最強』で登場したキャラクター。


CV:中尾隆聖



●概要

宇宙の帝王・フリーザの兄。
フリーザと同様にプライドが高く、みずから「宇宙最強」を称している。
兄だけあって性格はフリーザ以上に残忍で容赦が無く、フリーザのことを「甘い」と見下す発言が多い。
自分に刃向かう相手でさえも実力を評価して自軍に勧誘しようとする姿勢を見せるフリーザとは異なり、
クウラの場合はそのようなことはせず一切の手加減なく相手を叩き潰す。
普段からフリーザの最終形態(第四形態)にあたる姿をとっており、そこからさらにもう一段階変身できる。
フリーザも最終形態になるときに「わたくしの真の姿」と言っていたのでこっちがこの一族の正体なのかもしれない。
通常形態のときに変身の理由として「パワーがありあまりすぎて自分でもうまくコントロールできないからです」とも言っていたし。
フリーザ軍におけるギニュー特戦隊に相当する部隊であるクウラ機甲戦隊を従えているが、作中ではそれ以外の部下は見られない。
フリーザが悪のカリスマ、軍団の帝王とするならば、クウラは武闘派集団の長、冷酷で邪悪ではあるが戦士の誇りを持つ男と言った趣であり、
フリーザとは違った魅力を持つ存在である。


フリーザが惑星ベジータを滅ぼした際にはその一部始終を宇宙船から眺めており、地球に向けて発射されたばかりの孫悟空(カカロット)を乗せた宇宙ポッドを発見していたが、
フリーザの任された地区である以上、自分で撒いた種は自分で刈らせるべきだとして見逃している。
この時の回想シーンでは、フリーザのものと同型の浮遊椅子に乗っている。


フリーザがサイヤ人に倒されたことに対しては「一族のプライドに泥を塗った」と怒り、その仇である悟空を抹殺するために地球へ来襲した。
『とびっきりの最強対最強』で一度倒されるが、次の劇場版である『激突!!100億パワーの戦士たち』で復活し、再度ボスを務めている。
劇場版オリジナルの敵キャラが、複数の作品を跨いで登場した例は、これが初である。


名前の由来は「クーラー」だが、そのままでは直接的すぎると悩んでいたところに静岡県出身のプロデューサーが
方言の「飯でも食うら(食べるの意)」を思い出し、両方をもじった『クウラ』に決定した。
英語表記はCooler、中文表記は克維拉となっている。
なおドラゴンボール大全集の年表、いわゆる正史でも悟空と戦ったことが明言されている数少ない劇場版キャラでもある。



●劇中での活躍

とびっきりの最強対最強

「俺は弟のようにはいかんぞ」


何処かの惑星を侵攻した際に、フリーザが悟空によって倒されたことを聞きつけ、地球へ襲来する。
クウラ機甲戦隊と戦闘を行う悟空の目の前に現れ、悟空に強烈な一撃を与えるも、取り逃がしてしまう。
それでも悟空はまだ生きていると確信し、機甲戦隊に対し、悟空を探し出し連れて来るように命じる。


ピッコロがサウザーと交戦している際に再び姿を現し、サウザーに悟飯を追わせ、自身はピッコロにビームを撃ちこみ戦闘不能にする。
その後サウザーと合流し、悟空に対し連れてきたピッコロを放り投げる…と思わせてさらにビームを撃ちこむ。ピッコロは爆風に吹き飛ばされ、地面に激突。
そして、その様子を見て怒った悟空と対戦。この時の戦況は五分といったところだった。
しかしクウラが最終形態に変身してからはクウラが一方的に悟空を叩きのめす。
界王拳を使った悟空を上回るスピードで攻撃を仕掛け続けたり、かめはめ波に対して正面から突っ込んで行ってそのまま悟空に攻撃を行うということもやってのけた。


悟空を圧倒し、地球を破壊しようとするクウラだったが、悟空が超サイヤ人に覚醒すると形勢が逆転。
クウラが放ったパンチは悟空に通用せず、悟空からの攻撃でダメージを受ける。
そこでクウラは長期戦に持ちこむのは不利と考え、一気にケリをつけるべく特大のエネルギー弾を放ち地球ごと悟空を消滅させようと試みるのだった。
この時にクウラは「俺は弟とは違う!」と言っており、ナメック星を一瞬で消滅させずにあえて悟空との直接対決を続けたフリーザとの対比と思われる。
その攻撃を全力で抑えようとするも勢いを止めることはできず、ついには地表に激突する悟空。その様子を見て勝利を確信するクウラだったが
悟空の全力のかめはめ波に押し返され宇宙空間まで吹き飛ばされてしまう。
「この程度で俺が…」と足掻こうとするが、その背後には太陽が…。
悟空が跳ね返した己のエネルギー弾と太陽との板挟みになる中で、クウラは過去に自分が悟空の宇宙ポッドを発見するも見逃していたことを思い出し、
自らにも甘さがあったことを悟りながら消えていった。


「あの時に撃ち落としておけば…。フリーザだけではなかった…甘かったのは…!」



激突!!100億パワーの戦士たち

「これで決まる……宇宙で一番に強い男がな……」


前作で死亡したと思われていたが、脳だけが焼け残った状態で宇宙を漂い、「宇宙の墓場」と呼ばれる場所で成長を続けるコンピューターチップが形成した「ビッグゲテスター」という巨大マシン星に漂着。融合しその星を支配した。
ほとんど無かった肉体はメタルクウラとして再生、量産させた。
クウラの本体はビッグゲテスターの中枢部にコアとして存在しており、ビッグゲテスターそのものやメタルクウラやロボット兵を制御している。


新ナメック星に降り立ち、星のエネルギーを吸収しようとしていたところに、助けにやって来た悟空たちと遭遇する。
メタルクウラは戦闘力と修復機能によって超サイヤ人の悟空とベジータの二人を圧倒するが、修復が追い付かないほどの連続攻撃を受けて破壊される。
しかしその直後、今度は大量のメタルクウラを送り込み、悟空たちは為す術もなくビッグゲテスターへと捕えられてしまう。


クウラは捕えた悟空とベジータの生体エネルギーをすべて吸収しようとするが、超サイヤ人ふたりの予想を上回る莫大なエネルギー量に耐えられず、
ビッグゲテスターのメインコンピューターは破損。メタルクウラやロボット兵も次々と爆発する。
それでもなお悟空たちを始末しようと、コードで体を形成して襲い掛かる。


「ムカつく野郎だああぁぁぁッ!!!」


悟空を締め上げるもベジータに腕を切断され、体勢を崩した所に悟空に気弾を撃ち込まれ、爆散した。
この時にビッグゲテスターを形成したコンピューターチップも飛散していたが、いつの間にかベジータが回収しており、劇中ラストにてこれを握り潰した。



サイヤ人絶滅計画

同名のゲームソフトを基にして作られたOVA作品。弟と初共演が叶った。
フリーザ、ターレス、スラッグと共にゴースト戦士として復活した。通常形態の姿で登場し、超サイヤ人悟空と戦った。
フリーザに「クウラ、思う存分サイヤ人に恨みを晴らしてやろうなぁ」と語られたが、返事は特にしなかった。
逆に「超サイヤ人絶滅計画」ではクウラがフリーザの名前を呼んでいるが返事なし。
アニメ版では主に悟空と戦った。
FC版ではフリーザとともに襲ってくる。スラッグたちの倍近いHPを誇る。
しかもなぜかゴースト戦士の中では唯一本物が後半に普通に雑魚敵として登場してくる。
色違いの雑魚として茶色の『クウラソウル』も登場。


ドラゴンボールGT

第42話「死ね悟空!!地獄から蘇る強敵たち」において、中継シーンにて蘇った悪人たちの中に最終形態の姿が確認できる。



スーパードラゴンボールヒーローズ プロモーションアニメ

ゲーム版のアニメ化である本作においても、監獄惑星編においてゲームと同様に登場し、トランクスと共闘関係を組む。
こちらではゲーム版ではなく漫画版の関係性が採用されており、トランクス側からはゲーム版ほど信頼されていない様子*1


監獄惑星への幽閉直後のトランクスと接触し、ドラゴンボールの譲渡を要求する(トランクスは実際は持っていないのだが)。
その後はいつの間にかトランクスと監獄惑星脱出のために一時的な共闘関係を結んだようで、悪のサイヤ人・カンバーに苦しむベジータたちに合流。
ゴールデンクウラへと変身し、悪のサイヤ人によって暴走した悟空をあっさりと撃破し、悪のサイヤ人にもゴールデンスーパーノヴァの一撃を与えた。
しかし、渾身の一撃はカンバーをノックアウトするまでには至らず、むしろ戦闘意欲を高めたカンバーは自身の拘束具を解放してしまう。


それ以降のクウラはベジットや悟空によるカンバーとの戦闘をゴールデン状態で観戦し、時々来る戦闘の余波を避けるだけの人と化す。
黄金大猿に変身したカンバーの戦闘に介入してきた監獄惑星の主であるフューに攻撃を加えようともしたが、あっさり避けられてしまった。
なぜこんな立ち位置になったかと言うと、アニメ版は尺が短い都合で悟空たちと一旦別れてトランクスと共にハッチヒャックなどと戦うというゲーム版の展開が描けず、役割が宙に浮いてしまったからだと推測できる。


最終的には、監獄惑星崩壊の際に撤退するフューの追撃を試みて、フューが形成した逃走用の空間の裂け目に侵入して監獄惑星から脱出した。
ゲーム版では描かれなかった監獄惑星崩壊の際の動向が補足された形だが、こちらはこちらで追撃後にどうなったのかは不明となっていた。


しばらくして、宇宙争乱編にメタルクウラの姿で久々の登場。
フューの手で第三宇宙に送り込まれたようで、ラグスを下しカンバーとも激突。
超サイヤ人3に変身したカンバーの猛攻をメタルの頑丈さで受け止め、ついにはゴールデンメタルクウラへと変貌を遂げ圧倒、撃破した。
借りを返す事には成功したものの、直後に自身もオーバーヒートしてしまい戦線を離脱した。


新時空大戦編では宇宙モドキにてフリーザと合流して悟空を奇襲し、救援に入ったハーツに対しても襲い掛かる。
ところが紅き仮面のサイヤ人により暗黒ドラゴンボールを埋め込まれて暴走するが、黒衣の戦士に暗黒ドラゴンボールを奪われたことで鎮静化する。
その後、宇宙モドキで野望の最終段階に入った紅き仮面のサイヤ人への報復をフリーザと共に試みるが、呼び出された破壊王超一星龍には敵わず、ハーツ達の介入で再び紅き仮面のサイヤ人に挑むも手も足も出なかった。しかし、ゴジータへのフュージョンの時間稼ぎにはなっていた。


時の界王神編ではアイオスに超時空トーナメントの参加者として招集されていた。



●使用技

  • 破壊光線

目から強力な光線を発射する。通常形態時に見せた。
その威力は、悟飯を庇う形で背後から受けたとはいえ一撃で悟空に致命傷を与えるほど。
劇中で正式名称が存在するにも関わらず、ゲームではなぜか他キャラの目から怪光線と同様の「ダークネスアイビーム」という汎用名を付けられたことがある。


  • デスビーム

弟のフリーザと同じく指から貫通性の高い光線を撃てる。
ゲームではピッコロに対して容赦なく撃ちこむ劇中の流れを「カオティックデッドエンド」という技名として演出が入る場合がある。


  • デスチェイサー

変身後に悟空を完膚無きまでに叩きのめした流れを連撃技としてゲームで名付けたもの。
一撃一撃の重厚感がたまらない。突進しつつ足を突き出す様は変身形態クウラの象徴的なポージング。


  • デスグライディング

悟空を裏拳で殴り付けてから地面に沈め込むまでの一連の動作を命名したもの。
技名はドッカンバトルより。


  • デスフラッシャー

掌から相手に向けてエネルギー波を発射する。おそらくただの気功波だがゲームで技名が付けられた。
作中では破壊光線により滝壺に落ちた悟空に放ったが見失い、超サイヤ人悟空にも放ったがまるで効いていない様子だった。
下記のスーパーノヴァを撃つための目眩ましに撃った可能性もあるが*2
ビッグゲテスター内に進入したピッコロに対しメタルクウラがエネルギー波をぶつけるシーンがあるが、これと同様のものかは不明。


  • 瞬間移動

メタルクウラ時に使用。ビッグゲテスターの科学力によって使用可能になったと思われる。
原理は悟空と同じく超空間を移動するものであり、映画では瞬間移動を同時に使用したふたりによる超空間内での戦いも描かれた。


  • 連続フィンガーブリッツ

メタルクウラ時に使用、技名はゲーム版より。指先から大量のエネルギー弾をマシンガンのごとく連射する。
再生後に超サイヤ人の悟空が放ったかめはめ波を涼しい顔してうけ切った後に放った。


  • ロックオンバスター

メタルクウラ時に使用、技名はゲーム版より。相手をロックオンした後、敵対対象に細い光の線を走らせると大爆発が起きる。
ベジータを悟空の方へと殴り飛ばして動きを止めた上でふたり纏めて大ダメージを与えていた。


  • スーパーノヴァ

技名はゲーム版より。頭上に特大のエネルギー弾を生成し放り投げる。地球ごと悟空を消滅させるために放った。
クウラの代表的な技と言っても過言ではなく、ゲーム作品ではクウラ(主に最終形態)の最強技として登場することが多い。
超サイヤ人に覚醒し形勢が逆転したと思われた悟空を完全に抑え込むほどの威力だったが、最終的に跳ね返された。
メタルクウラの時にも一度使用しているが、瞬間移動でかわされてしまった。
技の発動が異常に早く、メタルクウラが使用した時は指先に生成した小さな光の弾が一瞬にして超巨大な火球サイズに膨張していた。
初出はフリーザが惑星ベジータを滅ぼした時の技であり、同様の名称が付けられることがある。


ヒーローズのアニメ版では、ゴールデンクウラのスーパーノヴァが黄金に輝いた強化技「ゴールデンスーパーノヴァ」がカンバーに向けて放たれたが、ほんの一時的に沈黙させる程度でほとんどダメージが無かった。
一応、その後のカンバーの様子を見るに悟空たちをやりがいのある相手だと思わせる程度の威力は感じられていたようだが。
ちなみにゴールデンメタルクウラが放つそれは「ゴールデンメタルスーパーノヴァ」
…超サイヤ人ゴッド超サイヤ人並の長ったらしさである。


  • ゲームオリジナルの技

ゲームによってはフリーザと同じくデスボールやサイコキネシスを使うこともある。
サウザーの必殺技であるサウザーブレードを『Z3』に出演の際になぜか使えるようになっていた。部下の技は使えて当然ということなのだろうか?
その後もディンプス系のゲームではサウザーブレードを振るうクウラの姿が見られ、
ゲームからクウラを知った人は本編を見て部下の技だったことに驚いたのではないだろうか?
メタルクウラ・コアが『ヒーローズ』では「スーパービッグノヴァ」というスーパーノヴァの上位互換らしき技を使い、
アルティメットブラスト』では片目から連続で破壊光線を撃ちコードを触手のように床から生やす攻撃手段にしたりする。



●形態

  • 通常形態

「サイヤ人は皆殺しだ」


上記の様に、フリーザの最終形態(第四形態)と同様の姿。
全体的なフォルムはフリーザとほぼ同じだが、紫色の肌に白い装甲を纏ったような形状になっている。
身体的な特徴という意味なら、実はコルド大王が最も近い*3
太陽に押し込まれ消滅する直前にはこの姿に戻っている。


  • 最終形態

「さぁぁ、始めようかぁッ!!」


フリーザの最終形態にあたる姿から、さらにもう一段階変身した姿。
この形態への変身は今まで誰にも見せたことが無かったらしく、悟空に対して「俺の究極の変身を見られるのは、お前が最初で最後だ」と発言している。
筋骨隆々となって体が一回り大きくなり、装甲状の部分は刺々しい形状になり、目は赤く光っている。
そして戦う際には装甲からマスクが現れ、口元を覆うように装着する。
このマスク装着シーンは非常にカッコよく、クウラのクールなキャラも相俟ってファンから人気の高いシーンのひとつ。
フリーザが第一形態から第二形態に変身した時のように、通常形態と比べ若干荒々しい口調&性格になっている。
クウラはもともとフリーザよりも背が高いのだが、この形態になると体格差がさらに顕著になり、伝説の超サイヤ人形態のブロリーと同程度の体格になる。



  • メタルクウラ

「どうした。その程度ではこの俺は倒せんぞ……?」


ビッグゲテスターで作られたロボット形態。
通常形態のクウラを全身メタリックにしたような姿をしている。
界王拳発動状態の悟空の攻撃をものともせず、超サイヤ人になってからも互角の攻防を繰り広げるなど、
攻撃・防御・機動力、どれを取っても非常に高性能であり、ベースとなった通常形態はおろか変身形態と比べてもかなりパワーアップしている。
さらに原理は不明だが、悟空の瞬間移動と同等の技も使用可能で、瞬間移動中の戦闘を行ったり、
悟空の瞬間移動先をサーチしてそこにベジータを殴り飛ばすという芸当もして見せた。


それ以上に目を引く機能が再生能力。
戦闘の際に大きな損傷が生じるとすぐさまビッグゲテスターのメインコンピューターにデータが送られ、
より強力になって何度も何度も再生してしまう。
実際、超サイヤ人状態の悟空に腕をもぎ取られて一度再生したあとは、ベジータ参戦後の二対一ですら圧倒していた。
唯一の弱点は「再生が完了する前に再生中の箇所を攻撃されると、そこを通じて全身にダメージが行き渡ってしまう」というもの。
だがそれも、まずメタルクウラに再生を行わせるほどのダメージを与えることが前提なので容易なことではない。


……そしてこんだけチートじみた性能を持ちながら、軽く100体を超えるであろう数が全くの同性能で量産されているという絶望。
悟空とベジータが全力を出し切ってようやく倒したかと思いきや、直後に崖の上から大量のメタルクウラが姿を現すシーンは、長きに渡るドラゴンボールの歴史の中でも未だに最大級のトラウマとして語り草になっている。


「これだけのメタルクウラを敵に回して戦える力が、お前たちにまだ残っているかな……?」



  • メタルクウラ・コア

「今の貴様ごときにこれで十分だ……!!」


名称はカードダスやゲーム版より。ビッグゲテスターのメインコンピューターと融合しコアとなって支配しているクウラの本体。
機械化されたクウラの生首といった姿で、生身の部分は脳と右目の辺りがわずかに残っているのみである。
コードを束ねて体を形成し、戦闘を行うことも可能。本人曰く「俺自身のパワーはそれほど落ちてはいない」とのことだが、どの形態を基準としてのことなのかは不明。
痛覚も存在しているのかベジータに腕を切断された際は激痛に苦しむような様子を見せていた。


「お前にこの俺を倒すことなど! 無理なんだ!!!」



……なお、余談ではあるが、メタルクウラ、コアともに、元々のクウラと性格面において何処か異なる印象を受ける。
というのも、メタルクウラの方は悟空やベジータとの戦いの中で、「ビッグゲテスターの『偉大な』科学力」などと、ビッグゲテスターを称えるかのような発言を数回しており、
方やコアは前回悟空に敗れた時に自分の甘さをあれだけ後悔していたのに、敗北させた悟空とベジータをわざわざビッグゲテスターに誘拐し、生命エネルギーを吸収して「メタル超サイヤ人」なるものを量産しようと企むなど、どうもサイヤ人の底知れなさを軽視しているとも取れる行動に出ている。


さらにそもそもの話、フリーザに負けず劣らずサイヤ人を敵視し、皆殺しを図っていたはずのクウラが、人工生命体とはいえわざわざサイヤ人を量産すると企むというのは普通に考えればあり得ないはずの事である。


この謎に対して一種のヒントになるのが、スマホゲーム『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』における、キャラクターの特徴に合わせて与えられる『カテゴリ』で、その中に『心身の侵食』というカテゴリがある。
このカテゴリは誰かに精神や肉体を侵食・支配された、あるいは自らが侵食・支配したキャラクターに与えられるカテゴリなのだが、これが実装されている全てのメタルクウラ全員に与えられている。


……以上から推測するに、メタルクウラ及びコアは、ビッグゲテスターという機械惑星にその精神を侵食されていた……と見ることもできるだろう。
こう考えれば、上記に挙げたように以前のクウラからは考えられない行動や言動の謎も理解できる。
もちろん、劇中等では明言されていないので推測の域を出ないが、もし事実だとすれば、メタルクウラをただクウラの復活した姿だと見ることもできず、ビッグゲテスターという惑星の新たな怖さも際立つものになるだろう。



  • ゴールデンクウラ

「ついにこの姿になる時が来たな…弟にできて兄の俺にできないことはない!」


ゲーム『スーパードラゴンボールヒーローズ』において、ついに登場したクウラのゴールデン形態。
姿は最終形態がそのまんまゴールデン化したように見えるが、よく見ると結構デザインも変化している。
「顔のマスクにあった横線の消滅」「両足に角の増加」「尻尾の先端がドリル状」などの変化がある。


分類的にはゲームオリジナルの形態なのだが、ヒーローズがアニメ作品になったことで無事アニメ出演を果たした。



  • メタルクウラ:暴走

「新たな力を手に入れたと言ってもらおうか」


フューを追ってビッグゲテスターにたどり着いたクウラが、その身体を改造させて獲得した新たな形態。
見た目はほぼメタルクウラでだが、こちらは左目が黒く変色しそこからコードが伸びており、コアも意識したデザインとなっている。


ゴールデン化できる程に潜在能力が解放された肉体を更に改造しただけあって、戦闘力は一級品。
超サイヤ人3となったカンバーの打撃を物ともしないほど。



  • ゴールデンメタルクウラ

「これが、ゴールデンメタルクウラだ…素晴らしい」


上述のメタルクウラ:暴走が更にゴールデン化した最強形態。
左目の黒目はそのままに、肩のパーツは最終形態のように肥大化し全身が金色となり、メタル時は消失していた各部の藍色の水晶体が復活している。


超3カンバーを完全撃破するなど圧倒的な戦闘力を誇る反面、あまりに負荷が掛かりすぎるためか、
ある程度戦闘を継続するとオーバーヒートしてしまう模様。



  • ゴールデンメタルクウラ:ゼノ

「ぐあっ……!?」


ゴールデンメタルクウラが暗黒ドラゴンボールに寄生されて暴走した状態。
胸には暗黒ドラゴンボールが埋まり、目は赤く光って分かりやすく暴走していることを示している。
戦闘力は上がっているが、暴走状態故にクウラ自身の意識は失われている。



  • ゲームオリジナルの形態、バリエーション

クウラソウル:サイヤ人絶滅計画に登場。ゴースト戦士の色違い雑魚キャラ。
フウラ:フュージョンズ及びドッカンバトルのコラボ登場。フリーザの最終形態とクウラの最終形態がフュージョンした姿。
メタルクウラ:ゼノバース2に登場。量産型ではなく、修行の末に自身をメタルクウラ化させてゴールデンフリーザ級にパワーアップした姿。
メタルクウラ(極悪化):同じくゼノバース2登場。自身をメタル化したクウラがトワの洗脳魔術によりさらに強化した姿。



●ゲーム作品への出演

  • ドラゴンボールZⅢ 烈戦人造人間

フリーザ親子来襲から人造人間登場までの間の章で、機甲戦隊共々ボスとして登場。
劇場版の敵がストーリーもののゲーム作品に登場したのは、『強襲!サイヤ人!』でのガーリックJr.一味に続いてこれが二例目である。


『Z2』のVジャンプの懸賞の限定版『ドラゴンボールZ2V』にフリーザの4Pカラーとして登場。
特別版の目玉的要素だったらしく、パッケージロゴやディスクにもクウラのシルエットが描かれている。
…が、いかんせん技も声もモーションもフリーザの流用なので違和感がMAXだった。
(台詞もまんまフリーザなのでクウラが敬語を使う…など)


『Z3』において、格闘ゲームシリーズ初参戦。通常形態、最終形態、メタルクウラが登場。
最終形態は通常形態からの変身、メタルクウラはダウン後にクウラが宇宙船*4で再生された姿として登場している。
ストーリーモードにおいては、ナメック星編で現れる(一部キャラの分岐ルートのみ)。
しかしおそらく量産型ということで強い雑魚モンスター的なポジションと見られたためか、
後編の方において地球の鍛錬用ポイント(栽培マンやZ戦士と戦える)にメタルクウラが居座っている場合もあり、
中々シュールな状況となってしまっている。「ふん…。」


  • ドラゴンボールZ Sparking!シリーズ

一作目では最終形態のみ登場。フリーザ主体のストーリー「宇宙の帝王編」においてクリア後に戦うことができ、どちらが宇宙最強かを争う。
二作目『NEO』では通常形態とメタルクウラが追加。機甲戦隊のサウザーも参戦している。
試合中に通常形態→最終形態の変身が可能になった他、チームバトルにおいてはメタルクウラを複数体選択することが可能。
また、『NEO』のifストーリーのナレーションにおいては「あのフリーザが唯一恐れる存在」であるとされている。
『METEOR』において父であるコルド大王と闘う際は「俺がアンタの代わりに一族を担ってやるよ」などと反逆している。
フリーザに敗北すると「おやおや命乞いですか?」と言われてしまう。一族の伝統なのだろうか……。


  • ドラゴンボールZ 舞空烈戦

通常形態とメタルクウラが登場。
通常形態の必殺技では機甲戦隊が攻撃を行い、究極技の演出時にのみ最終形態を披露する。
ストーリーモードでは、劇場版二作を踏襲した内容の他、悟空たちに勝利し地球を支配する内容や、
ナメック星を制圧しドラゴンボールでフリーザ軍を蘇らせ、ギニュー特戦隊のポーズ考案に付き合うといった内容のものがある。
クウラ本人のストーリー、フリーザのストーリーの両方でフリーザ・コルド親子と対立している。
他のキャラのIFストーリーにもちょくちょく顔を出しており、特にブロリーパラガスが野望達成のためにクウラに挑む件は色々と必見。


  • ドラゴンボール レイジングブラスト2

通常形態、最終形態、メタルクウラが登場。さらには機甲戦隊も全員参戦。
戦闘BGMとして劇場版二作で使用されたBGMが(直接劇場作品名がタイトルになっていないものも含めて)色々と収録されているのも嬉しい。


巨大ボスとしてメタルクウラ・コアのみ登場。


最終形態のみ登場。


無印にはクウラ自身は登場しないが、プレイヤー操作のアバターキャラ作成で選ぶフリーザ一族のパーツにクウラと同じものがいくつかある。
クウラ未登場が惜しまれたためか、オンラインのフリーザ一族はそれらのパーツを使用したクウラもどきで溢れかえった。
続編であるゼノバース2には通常形態と最終形態、そしてメタルクウラが登場。
ストーリーではフリーザと兄弟タッグを組んでZ戦士&タイムパトロールの前に立ちはだかる。
復活の帝王編はメタルクウラの姿で蘇り、ゴールデンフリーザと共にトワの魔術「極悪化」によりパワーUP。
時のミニチュアによる潜入捜査ではアバターがフリーザ軍を裏切って一時的にクウラの部下になることも出来る。
追加DLCでアバターがクウラに師事しクウラ専用技を習うことも可能になった。
またアバターキャラへ着せられる、メタルクウラのコスプレが出来る衣装も登場した。


  • カードダスのシリーズ

もちろんZ当時の頃からカードダスに存在する。近年のICカードダスにも登場。
大人気のDBヒーローズにもやはり登場し、メタルクウラ及びメタルクウラ・コアがなかなかの良性能として猛威を振るい、全国大会で優勝を導いた実績も得た。変身形態クウラやメタルクウラを一部意識したようなデザインのフリーザ一族アバターも必見*5


『スーパードラゴンボールヒーローズ』のオリジナルストーリー『ユニバースミッション:監獄惑星編』ではメインキャラを務める。
作中では監獄惑星に収容された未来トランクスと対面し、彼の力を見て監獄惑星を脱出するために行動を共にすることとなった。
本ストーリーでの未来トランクスは『超』の未来トランクス編後の設定であるためか、クウラを認知していない*6上に信頼を置いている節すらある。
その後トランクスとともに悟空たちと合流するが、直後に悪のサイヤ人と暴走状態に陥った悟空を相手にゴールデンクウラへと変身し、彼らを退けた。
なお、漫画版及びアニメ版では共闘関係ではあるが、未来トランクスとクウラの関係性は微妙に変更されており、二人が辿る行動も異なる。


監獄惑星に収容されたクウラは「超基準のベジータには最終形態の姿で認知されている」「因縁の相手である悟空を見ても特に反応しない」「弟がゴールデン化していることをなぜか知っている」など、劇場版とは微妙に違う時空のクウラのような描写がある(超の世界観でのクウラなのかもしれない)。




二作に渡って登場しただけあって、劇場版オリジナルキャラの中でも出演数は多い。
対戦型のゲームにおいては、悟空など作中で戦ったことのあるキャラ以外にもフリーザと対戦する際に専用の掛け合いが発生することが多い。
作品によっては部下の機甲戦隊や父親のコルド大王、フリーザの部下たちとのやり取りもある。
カリスマ性で多数の部下を率いるフリーザとの区別化もあってか、作品によっては冷酷で残忍ではあるもののやや武人寄りのキャラ付けが成されている。



●余談

  • キャラクターデザインは通常形態・最終形態共に原作者の鳥山明が行っている(機甲戦隊についても同様)。

  • 冒頭にあるように、弟のフリーザと同じく中尾隆聖が声優を担当している。クウラの方がやや低めな声であり、中尾氏の演じ分けが光る。

  • 『激突!!100億パワーの戦士たち』において、『とびっきりの最強対最強』での決着シーンが回想として挿入されているが、二作で台詞が微妙に異なる。また、『とびっきりの最強対最強』の終盤で挿入された回想シーンでのサウザーとのやり取りも、同作の冒頭とは異なっている。

  • 一人称は全形態共通して「俺」だが、一部ゲーム作品等では稀に「私」と言うこともある。

  • ゲーム『ドラゴンボールZ3』参戦当時のVジャンプの記事では、最終形態時の最大戦闘力は推定で4億7000万とされていた。この数値はフリーザ最終形態フルパワー(1億2000万)の4倍近くの差である。


  • 『ドラゴンボールヒーローズ』では劇場版のボスキャラの大半に魔導師バビディに洗脳された「破壊王」と呼ばれるオリジナル形態が登場しているが、クウラは出ていない。ちなみに『真武道会2』のストーリーモードでは、バビディに捕えられ洗脳された描写が存在する。バビディに用済みだと言われた際に怒りで制御を一時的に破りバビディを攻撃するも、直後に魔人ブウによって吸収された。

  • フリーザからクウラに対する呼称はメディア作品ごとに異なる(劇中では特に会話をしていないため、正確には不明)。
    OVA版『サイヤ人絶滅計画』及びゲーム『Sparking! NEO』においては「クウラ」、『Sparking! Meteor』では「クウラさん」や「情けないお兄さん」、『舞空烈戦』では「兄上」、『レイジングブラスト2』ではフリーザの形態毎に呼称が異なっており、第二形態とフルパワー100%の時には「アニキ」、第一形態、最終形態では「兄さん」、第三形態と機甲戦隊とのやり取りの際には「クウラさん」と呼んでいる。ゼノバース2では「クウラ」「兄さん」と呼び分けている。

  • 『激突!!100億パワーの戦士たち』にて、悟空とベジータ、そして視聴者たちに絶望を与えたメタルクウラだが、よくよく考えると弟のフリーザと同じく自身の体を機械化して復活している。無論弟とは経緯や中身が全く異なるとは言え、兄弟そろって自身の体を機械化したのはなかなか皮肉めいている。
    機械化後の扱いには兄弟の間で雲泥の差があるが

  • ビッグゲテスターは『大きなゲテ物の星』という意味。宇宙のゴミの集まりで、まるでアメーバのように他の星を食い物にしようとするおぞましい有り様はまさにゲテ物という呼び名がふさわしい。

  • プレミアムバンダイよりメタルクウラのメッキ加工フィギュアが発売。劇中の量産型設定にあやかり、同時にその商品の100体セットも受注販売された。
    100体セットのお値段は37万8千円378,000円。しかもセットで買ったらメタルクウラがおまけでもう一体!
    東映アニメーション担当者「これ誰が買うんですか。」



「あと一回…。あと一回、俺は弟よりも多く追記・修正できるのだ。
光栄に思うがいい。俺の究極の項目を見られるのは、お前が最初で最後だ!」


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*1 ただし、クウラはカンバーにトランクスが締殺されそうになった際にはカンバーに攻撃を仕掛けるなど、クウラ側は多少はトランクスへの味方意識はなくはないような様子がある。もっとも、自身の攻撃が通じないと見るとトランクスの救援はあっさり諦めているが。
*2 ゼノバース2では「フェイクブラスト」という技名で目眩まし扱いになっている
*3 コルドから角を除いたらクウラの特徴になる
*4 ビッグゲテスターではなく、劇場版でも登場したフリーザ軍のものと同じデザインのもの
*5 バーサーカータイプは全体的に最終形態が、エリートタイプの超クラスアップはメタルクウラがモデルと思われる
*6 ゲームオリジナルである『ドラゴンボールZ外伝 サイヤ人絶滅計画』ではクウラを見ているのだが、あくまで原作準拠である超の未来トランクスとは出会っていないことになる。もっとも、絶滅計画を経由していると仮定しても、監獄惑星でのクウラは常に最終形態で行動しているため、フリーザとだいぶ違うその姿では気づけない可能性も否定できない。

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