登録日:2021/01/27 Wed 23:12:12
更新日:2024/05/24 Fri 13:36:30NEW!
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オリー王とは、ペーパーマリオ オリガミキングに登場する悪役である。
ペーパーマリオシリーズにおいて、久々となる悪役のオリジナルキャラクターである。
【概要】
折り紙の体を持つキャラクターで、ペーパーマリオ世界を折り紙でできた「オリガミ王国」にするためにピーチ城を乗っ取り、ピーチ姫を折り紙の体へと変えた。
部下として文房具そのままの姿と強烈な個性を持つブンボー軍団がおり、彼らにピーチ城を浮かばせている5本のカミテープを守らせている。
また折り紙でできた敵キャラクター、オリガミ兵やハリボテでできたハリボテ兵も従えている。
とある理由でキノピオを強く憎んでいる。
そのためキノピオを折り紙にしたり、くしゃくしゃに丸めたり、オリガミ兵に襲わせたりしているため、キノピオ救出がゲーム中の目標の1つとなる。ブンボー軍団もキノピオをいじめているキャラが多い。
今作でのパートナーであるオリビアと容姿が似ているが、それもそのはず、オリビアとは「兄妹」である。
とはいえ、二次創作でたびたび設定されるようなシスコンではなく、むしろオリビアのことを野望達成のための道具としか見ていないようにも見える。
また、物語の始まる以前に、なんとクッパをも捕えており、クッパ軍団の面々を折り紙化させ、自らの部下である「オリガミ兵」に作り替えている。
このオリガミ兵、倒したら元に戻る、ということはなくそのままカミッペラになってしまう。黒い任天堂。
さらには「カミさま」と呼ばれる4体の聖獣をもオリガミ兵に作り替えている。
【活躍】
マリオと出会うのはピーチ城。
マリオがイベント「オリガミ祭り」のためにピーチ城にやってきたが、折り紙のピーチ姫によって牢屋に落とされ、脱出してオリビアとクッパを救出し、らせん階段を上った先でお互いに対面する。
はじめは何故か黄色いヘイホーに変身しており、その状態でペーパーマリオに対し、自らの仲間になるように勧誘していた。(「はい」を選んでもゲームオーバーになることはなく、「油断したスキに倒そうと思っているな?」と自ら突っぱねている。じゃあなぜ勧誘したし。*1)また、オリビアを相手に「自身にたてつくならば妹とは呼べない」と言い放っている。
その後マリオに対し、オリガミ兵のクリボーをけしかけている。
なお、このクリボーはその前から登場しており、マリオに対して憧れるようなそぶりを見せていた。さらにオリガミ兵になってからもしばらく意識がある。えげつねぇ。
オリガミのクリボーを倒したところで自らの正体を現し、5本のカミテープでピーチ城を持ち上げ、どこかへ運び去ってしまうのだった。
その後は2番目のボスを撃破した後に赴くこととなる「かぜわたり谷」に登場。
妹であるオリビアに自分の元に戻るよう誘うが、オリビアが断ったため大岩で押しつぶしている。その結果マリオたちの仲間、ボム平は自らオリビアを救うために犠牲となり、オリビア(とプレイヤー)の心に深い傷を負わせることとなった。
その後しばらく本人は登場しないが、中盤で彼の生みの親である「オリガミ職人」と呼ばれるキノピオから彼の出自とその後起こった出来事を知ることとなる。
オリーはオリガミ祭りに向けて職人が制作した「オリガミ城」の住人として制作され、「いのち折り」という術(名前の通り、折ったものに命を吹き込む術)で誕生した。しかし彼は生まれた瞬間に激怒し、職人を壁に閉じ込めたのだ。
その後オリー自身も「いのち折り」を使い、野望の協力者としてオリビアを作り上げたが、彼女が協力を拒んだためピーチ城の壁に閉じ込めた。
全ての紙テープを解放、ピーチ城に赴いたマリオに対し、ピーチ城をオリガミ城に作り替えたうえ、たどり着いても最後のブンボー軍団であり、オリガミ兵が戻らない原因である王の番犬「ホッチキス」をけしかけ、最後の時間稼ぎを行っている。
ホッチキスをへし折り、いよいよオリーの待つ部屋に突入すると、そこには大量の折り鶴が。彼は「とある願い」をかなえるため、伝説の「千羽鶴」を完成させようとしていた。
(なお、ピーチ姫は城のパーツにされてしまっている。)
「とある願い」とは…?
オリー王の願いとは、キノピオを全員白紙にすることであった。
ペーパーマリオ世界において白紙とはすなわち死を意味する(この話を聞いたクッパの発言より)ため、彼の願いとはキノピオの皆殺しである。つまり前作の色を抜かれたキノピオは一度死亡したところをマリオに助けてもらっていた事になる。
それと同時に、彼がオリガミ城を作り、ブンボー軍団に妨害させてまでキノピオを絶滅させようとしている理由も語る。
キノピオを恨む理由
話は彼の誕生にさかのぼる。オリガミ職人はなんと彼を誕生させる際に、彼の体をメモ用紙にしてしまったのだ!
…え?それだけ?と思うのも無理はない。
オリガミにとってメモ用紙にされるのは最大の屈辱、という意見もあるが、当のオリガミであるオリビアからも「それだけの理由で!?」と言われている。
しかしそうだとしても恨むのはオリガミ職人だけでいいはず。
なぜキノピオを絶滅させようとするのかについては、顔が似ていて区別がつかないから。一説にはマリオキャラの改変を制限されて作れるストーリーの幅が狭まったことへのスタッフの愚痴とも。坊主憎けりゃなんとやら。まさかの同じ種族だからというだけで憎んでいるのである。
ここにオリビアとの違いがある。
賢しいようで何も知らない兄、ほわほわ天然だが色々な人と絆を深めた妹。
誇り高いオリガミの王様になろうとしたがために、彼は学ぶ機会を逃してしまった。
善良な市民、助けてくれる智者、ふてぶてしい庶民、ド級の前科が判明した偉人……
他人にはそれぞれの人生があり、事情があり、大切なものと守りたい人がいる。
それを知っていた妹からすれば「そんなこと」でしかない動機だが、生まれてすぐ怒りに呑まれ孤高になった王様にとって侮辱された想いだけが彼の人生の全てとなってしまったのだ。
彼に残されているのは唯一の同族といえるオリビアだけ。しかし彼女にも拒絶され続けられれば、もはや覇道しか道はなかった。
折り鶴は999羽まで完成しており、最後の1羽にするためにマリオに襲い掛かる。
【戦闘】
今作のラスボスであり、3連戦という非常に強力なボスである。
- 1戦目
通常のボス戦と同様で、今までのカミさまのいずれかに変身する。
弱点が消えてたり技が強化されてたりする*2が、自分はカミさまを選べるようになっており、対応したカミさまでダメージを与えることとなる。
ちなみに土ガミさまのみ弱点となるカミさまに気づきにくいが*3、実は弱点は4つ巴になっているため、あっさりわかるはず。
よくある全部撃破する、ではなく体力が0になるまでの勝負であり、いくつかの姿は見ないうちの撃破も可能。
しかし体力が時間経過で回復するようになっており、判断に迷うと勝負は長引く。
- 2戦目
巨大な相撲取りのような姿に変身したオリー王とオリビアの力により今は亡きアルファドリームよろしく巨大化したクッパによる紙相撲対決。
マリオはクッパの後ろに移動しながらカミの手で地面をたたいて援護する。途中から手裏剣やドッスンで妨害してくるのでうまく回避しよう。実はオリー側に回り込んでオリーの援護をすることも可能であり、専用のセリフが聞ける。
クッパが追い詰められるとPOWブロックで状況のリセットが可能。『マリオブラザーズ』や『スーパーマリオ3Dワールド』最終決戦よろしく4回まで。
- 3戦目
オリーがさらに巨大化、さらに彼の怒りが猛毒になって地面から迫りくる。対抗するためオリビアも魔法陣を召喚するがそれもバラバラにされてしまう。
猛毒が達する前に崩された魔法陣の完成が目的となるが、途中でオリー王が攻撃してくる。タイミングよくボタンを押して回避しよう。
魔法陣が完成すると、最後のあがきとして連続攻撃をしてくる。全部回避してハンマーでたたいてしまえ!
なおこの際2戦目のクッパですらオリガミ化による強化+マリオの援護でオリーに対抗していたのに、自身の腕力だけでオリーの攻撃を跳ね除けるマリオの凄まじさを見る事ができる。
そして魔法陣により、オリビアが巨大なハンマーに変身。連続でたたきつけてオリーを突き落とすことでマリオの勝利である。
【敗北後】
敗北後は元の姿に戻り、もう自分の命はわずかだと悟る。
そして最後に自分への見せしめとして、自分でも見たことがないメモの内容をオリビアに読み上げてもらう。
「カッコよくて心の優しいすてきな王様になりますように」
そう、これはメモではなく、オリガミ職人がオリー王に込めた願いだったのだ。その真実を知り、今までの悪事を謝罪。自分を1000羽目の鶴として、オリビアの願いをかなえてほしいと彼女に譲る。そして彼はただの紙に戻ってしまった…。
その後、鶴の折り方を知らないオリビアは、現場に駆け付けた職人に折り方を教わりながら最後の1羽を完成させ、願い事を口にする――
オリビアの願い事
彼女の願い事は、「オリー王によって折られたものをすべて元に戻すこと」であった。
彼女の願いを叶えるため、大量の鶴が飛び、世界は元通りに戻された。しかしオリー王によって誕生したオリビアもまた、ただの紙に戻ってしまうことを意味していた。
千羽鶴の力で元通りになったピーチ城とピーチ姫や世界各地の折り紙たち。事件の解決を喜ぶ一同の中、解決のもう一人の功労者であったオリビアの姿は何処にもなかった。ただマリオは何かを察したかのように空を見上げてるのだった……。
【余談】
見た目はオリビアに似ていてかわいいのだが、ピーチ姫を洗脳し、クッパをとらえ彼の部下たちを作り替え、実の妹を岩の下敷きにし、ブンボー軍団にキノピオをいじめさせ、ハリボテ兵によって世界に穴をあけ、とかなり悪事を行っている。しかもその原因はオリー王自身の勘違いに過ぎず、
後に分かるキノピオを恨む動機にも同情の余地は薄く、マリオシリーズ全体で見てもゲドンコ星人に匹敵する、下手したらそれ以上の悪役ともいえる。
ペラペラ達にとって上位存在といえるオリガミは種族そのものが極めて脅威であり、クッパや部下たちも初めから共闘体制をとっており、実際かなり恐ろしいキャラクターであることが分かる。
それがどのくらいのことかというと、過去の作品にもクッパとの共闘はあったが、そのいずれにも敵対するシーンがあったり、そもそも成り行きで共闘しているシーンも存在した。
そんな中で、今回は最初から最後まで敵対していないのである*4。
発売前から堂々と悪として紹介されている*5、オリビアの兄であるといった部分から、彼の裏に真の黒幕がいるのでは、と予想するファンもいた。しかし実際に徹頭徹尾彼が事件の黒幕、悪役である。
オリビアとは「兄妹」であるが、オリビアを作ったのはオリー王なので、本来は「父娘」ともいえる。兄妹なのはもともとオリガミ職人がオリーの妹としてオリビアの存在を考えており、それが理由だと思われる。
「いのち折り」には折ったものの込めた願いとは真逆の性質を持って生まれるのでは、という考察も存在する。職人が素敵な王様になるようにと心を込めたオリーは悪辣な暴君に、逆にオリーが野望達成の手下として制作したオリビアがオリーの野望を止めようとしているためである。
全要素を達成した後に最終決戦を再度クリアすることで見られる100%エンドでは、最後に職人が粋な計らいをしてくれる。
しかし、その統率力、並びにカリスマには目を見張るものがあり、その姿はまさに「王」といったところ。
特に全員性格に難アリのブンボー軍団を纏めあげ、彼ら全員がオリーに忠誠を誓っている事からもよくわかる。
パンチとハサミに至ってはオリー自身にとっても天敵。謀反を起こされたらひとたまりもないので、それを従える時点でオリーの強さを窺える。
追記・修正は折り紙にされてからお願いします。
出典:ペーパーマリオ オリガミキング/インテリジェントシステムズ/任天堂/2020年7月17日発売
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▷ コメント欄
- オリックスvs王貞治みたいな字面してる -- 名無しさん (2021-01-27 23:53:57)
- 真のチートは折り紙に命を吹き込んだキノピオという -- 名無しさん (2021-01-27 23:57:53)
- 作成乙です ステンドグラスと化したピーチ姫を見せつけるシーンBGMと合わせて絶望感半パネェ -- 名無しさん (2021-01-28 00:04:14)
- 過ぎた力を持ってしまった子供という感じ。「命」ってものが今回のオリガミキングのテーマでもあるようだけど、無責任に命を生み出した結果と言えるのかもしれない。 -- 名無しさん (2021-01-28 02:14:07)
- 城の中身を見るに、シスコンかは知らんけど未練みたいなのはありそう -- 名無しさん (2021-01-28 09:20:55)
- 百パーセントでなんか救われた気分 -- 名無しさん (2021-01-28 18:28:14)
- ペラペラ完全メタのブンボー軍団といいペーパーシリーズでもトップクラスの殺意マンマンなお方 -- 名無しさん (2021-01-28 23:48:29)
- メモに関して「入れ墨入れられたような感覚なのかも」という意見を読んで、怒り狂った理由が少し納得いった。生まれる前から入れ墨入れられたら腹もたつか。オリビアが「そんなことで?」と言えたのも見聞が広まったからで、一人ぼっちの王様のオリーでは狭い視野のままだったわけだし。 -- 名無しさん (2021-01-31 19:28:34)
- 親の心子知らずという言葉が似合う -- 名無しさん (2021-02-02 17:30:56)
- 野望のためにオリビアを生み出したものの、彼女は自分の人(紙?)生を歩んだ。おそらくオリーは世の中のすべてを「自分の下僕」か「自分の敵」でしか見られなかったんだろうな…… -- 名無しさん (2021-02-22 22:06:32)
- 即死ギミック多くて最後まで油断ならないラスボスだったな -- 名無しさん (2021-03-25 00:06:53)
- 祭の見世物で、一介の職人ごときが王を無から創造して上手くいくわけないだろうとしか言えない -- 名無しさん (2021-03-28 11:06:57)
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*2 土ガミは初手大地震である為、足と頭と尻尾を封じる暇がない。水ガミは渦潮が回転するようになり、タイミングを見計らって決定ボタンを押す必要がある。火ガミは最初から体力の半分近くを持っていく程羽を撒き散らす。一方で氷ガミは変化なし
*3 最初に戦うカミさまであるため。以降のカミさまは直前に戦ったカミさまが弱点
*4 実際には初代マリオ&ルイージRPGでも最初は協力体制だった。こちらはピーチ姫がしゃべるたびに爆発が起こるという状態になっており、迂闊にさらえないという理由からだが。
*5 この手のゲームはどんでん返しのために黒幕が伏せられることが多い。特に近年のゲームにはこの傾向が顕著
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