クロードの日誌のメモに記されていた四つのキーワードは、すべて学園の七不思議だった。
- 落ちた少年の幽霊。錬金術工房の怪異。失恋で死んでしまった少年の幽霊。怖いだけで無害。
- 無限回廊。学舎の怪異。午前二時に学舎のある回廊を通ると、永遠に抜け出せなくなる。
- 人食い鏡。学舎の怪異。人の魂を食べる呪われた鏡が、学舎のどこかで獲物を待っている。
- 死の世界への階段。幻獣博物館の怪異。深夜にある階段の十三段目を目隠しして踏むと、冥府へと繋がってしまう。
- 魔法図書館の首吊り少女。姿を見ると呪われる。呪いにはいくつかのバリエーションがあるらしい。
- 魔の万霊節。万霊節の日に発生する怪異。毎年誰かが死んだり行方不明になる。
- 血塗れ聖女。聖堂の怪異。血塗れの聖女が彷徨い歩いている。好きな色を聞いてくるが、何と答えても殺される。
しかし、肝心の首無し王子の霊安室は七不思議ではないみたいだ。でも、これらを調べていけば首無し王子の霊安室に辿り着くという可能性もないとは言えない。本物の幽霊なんてゴメンだけど、過去の生徒達の仕掛けた悪戯なら怖くはない。とは言え、魔の万霊節のように別のシナリオで死亡フラグ化しているものもあるかもしれない。
1『落ちた少年の幽霊』
(学園生活6)➤(学園の七不思議2)
情報源 | クロードのメモに記されていたキーワードその1。トリシア&マーキア。 |
参加者 | エーリカ、クラウス、オーギュスト |
奇譚内容 | 恋に破れて、この建物の三階の西側通路から投身自殺した少年の幽霊 |
場 所 | 錬金術工房棟の三階、ガラス窓から微かな月光が差し込む西向きの通路 |
- 窓ガラスに無数の白い手の跡が付着していく。それと同時に囁くような声がどこからともなく聞こえてくる。通路の床すれすれに、薄い霧が立ちこめ、現れた無数の白い手は私たちに向かって伸びてきた。
- 散らされては再生しようとする際に浮かぶ文字を[霊視の魔眼]を使って見ると、三百年ほど昔のアウレリアで、とある天才錬金術師だけが使っていた言語(ゴーレム用の文字)であることからゴーレムと判明。
- [天界の眼] でゴーレムの核を探して場所替えの杖を振る。正六面体のお掃除用ゲル状ゴーレムと交換で、小さな核と謎の液体の入った壜が現れた。
解 明 |
正体は 霧のゴーレム 周囲の水分を取り込んで霧の体を作っていたせいで幽霊だと勘違いされたらしい。 |
-
ハロルドにゴーレムの解析を依頼
-
このゴーレムを作った錬金術師は、何を想い人に受け取って欲しかったんだろう。
この霧のゴーレムなのか、メッセージなのか、それとも何かが付属していたのか。
- ハロルドの解析結果は、人工精霊を組み込んだゴーレムだった。(劇場にて)
- 違法になる前に製造されているみたいだから合法だけど、これを改造したら違法になる
- おそらく製造時期は、炎の魔剣の伝説前(アウレリアとルーカンラントの関係が冷え込む前)
- 無関係な文字列が仕込んであった。それを解読したら、どうやらアウレリアの貴人が、ルーカンラントの少女に送ったゴーレムらしい。アウレリアとルーカンラントが再び友好関係を結ぶのは第二次巨人戦争後だが、その時にはもう人工精霊組み込みのゴーレムは違法になってる。
-
そういえば有名な言い伝えが・・・、錬金術師の王子とルーカンラントのお姫さまの
「恋するお姫様と結婚するために無理難題を叶えようとして、頑張った挙げ句死んでしまった王子の話よ!」
「北の権謀術数に嵌められて、錬金術の精髄を奪われた可哀相な錬金術師の話だ!」
「御伽になって穏やかに変化したお話と、地元にだけ残っている露骨な史実よりの話だな……」
「なら、これって錬金術王子の遺品なの?」
- なんらかの面倒くさい処理が人工精霊側だけに組み込まれていて、ゴーレム側からは弄れないようになっている。
- 校長に許可をもらい(秋の魔法学園3)人工精霊の部分の処理を確かめてみた(このゴーレムは何かの使命を抱えたままなんじゃないか?)
- 十日ほど学園内で自由に動かしてみた・・・どこからスタートしても北へ向かってる⇒今更ルーカンラントの姫君を探し出して会おうとしてる?(秋の魔法学園6)
- 怪異発生で生徒会に苦情が来たことから、核を中心とした直径六十メートルほどの巨大なゴーレムと予想(亡霊は彷徨う1)
- 野外調査を行う(亡霊は彷徨う2)
- 地底湖で起きた変化に、白い手から聞こえていた遺言を思い出すエーリカ。(亡霊は彷徨う4)
- 人工精霊が作り上げたのは氷銀鉱の剣だった。
- 遺言を叶えたゴーレムは、元々仕込まれてた解析不能な処理の大部分が消え、空き領域が出来る。(亡霊は彷徨う5)
- 凝結の盾を組み込みエーリカの盾として活用されている。
2『無限回廊』
(学園の七不思議1)➤(学園の七不思議7)
情報源 | クロードのメモに記されていたキーワードその2。クラウス、トリシア&マーキア。 |
参加者 | エーリカ、クラウス、オーギュスト |
奇譚内容 | 午前二時に学舎のある回廊を通ると、永遠に抜け出せなくなる |
場 所 | 中庭にある〈予見の井戸〉、午前二時から三時までに、特定の条件が重なった場合 |
解 明 |
古い空間魔法による現象。現実の回廊を複製し、継ぎ目が分からないように接続している。 ドアを破壊すれば元の空間に戻れる脱出だけなら簡単な怪異。また、中庭側に出ても脱出できる。 |
-
既に「無限回廊」は何度か調査がされているて、魔法の発生源は特定できていないものの、正体はある程度つかめている。発生する時間帯が夜間限定で、脱出法も確立している。除去はできないものの、危険性は低いので放置されているのが現状。
- 古い空間魔法による現象だ。簡単に説明すると、現実の回廊を複製し、継ぎ目が分からないように接続しているんだ。どこまでも、何度でも、無限にな。
- エーリカの革鞄が持ち込めなかったのは、空間にかけられた防御機構だ。無限に拡張された空間に、別の拡張された空間を入れると、後者の拡張空間を中心に空間崩壊が起こる。結界などで食い止めなければ崩壊はどこまでも爆発的に拡大していき、全てを巻き込んで消滅する。
- 大丈夫だ。防御機構も働いていたから、古いと言っても空間崩壊しない程度の安全装置は組み込まれた時代のものだろう。
- 結界化されているだけだ。ドアの開閉こそ不可能だが、破壊すれば俺たちは元の空間に戻れる。無限回廊も次の午前二時が来るまで消滅するようだ。ドア側ではなく、中庭側に出ても脱出できるぞ。その場合、無限回廊は壊れずに持続するが、脱出した者が再度進入することはできない。通り抜けでの移動はリスクが高いから避けたほうがいいだろうな。壁までは安全が保証できない。
-
クラウスの視線を辿ると、一ヶ所だけ薄く開いたドアがある。そのドアの隙間から、金色に輝く何かがひらひらと部屋の中に入っていくのが見えた。
-
向かい側の壁に鏡が一面かけてあるのを除けば、部屋の中には何もない。鏡は上半身が映る程度の大きさで、楕円形の枠には複雑な装飾が施されている。表面が曇っているせいか、鏡には何も映っていなかった。どう見ても、この鏡は何らかの魔法道具ではないだろうか。
-
ゆらりと鏡の中の景色が揺れた。三人分の魔力を吸って、鏡にかけられた魔法が起動したのだ。鏡の上部から四分の一を残して、曇りが消える。
-
映っていたのは、学園の制服を着た金髪の少女だった。30年前のフレデリカ(当時19歳)と繋がった。
3『人喰い鏡』
(学園の七不思議1)➤(学園の七不思議7)
情報源 | クロードのメモに記されていたキーワードその3。トリシア&マーキア。 |
参加者 | エーリカ、クラウス、オーギュスト |
奇譚内容 | 人の魂を食べる呪われた鏡が、学舎のどこかで獲物を待っている |
場所 | 無限回廊の中のとある部屋 |
解明 |
ドロレスが設置した未来視の鏡。血縁者が大量の魔力を流さないと繋がらない。 30年前のフレデリカと繋がった。 |
5『魔法図書館の首吊り少女』
(学園生活5)➤(学園の七不思議5)
情報源 | 司書チャールズ・オーエン、オーギュスト、トリシア&マーキア。 |
参加者 | エーリカ、クラウス、オーギュスト |
奇 譚 内 容 |
どこかの貴族令嬢が、殺された幼馴染みの復讐のために古の魔法に手を出して呪われた。 そして世を儚んで、自死を選んだ。 階層全体に聖別や浄化をかけたのに、全然効かない。タチの悪い卒業生の悪戯か。 |
場 所 | 魔法図書館 六階層 |
準 備 |
クラウスが通り抜けの魔法を全員にかけて、壁を抜けて館内に入り込む。 |
- こいつは人工精霊だ。高速思考や並列思考の補助に使うタイプに似ている
- 元々は奇譚収集者の会の資料室の人工精霊ドロレス。何者かによって動かされた。
解 明 |
図書館という人目につく場所に人工精霊を置いたせいで、元々知名度の低い他の怪異と入れ替わってしまった。誰の仕業かは不明。 |
- 後に、首無し王子の霊安室にエーリカを近づかせないためにやったエドアルトの仕業と判明。
4『死の世界への階段』
(学園の七不思議1)➤(学園の七不思議7)
情報源 | トリシア&マーキア |
参加者 | エーリカ、ティルナノグ、クロエ |
奇譚内容 |
深夜にある階段の十三段目を目隠しして踏むと、冥府へと繋がってしまう。 二十三時十一分って説と、二十四時ちょうどって説と、一時二十三分って説と、三時三十三分って説がある。 |
場 所 | 幻獣博物館 ⇔ 屍都 |
解 明 | 博物館の左翼にあたる区画、保存室の並ぶ廊下の最奥。特殊な幻影の魔法がかかっている為通常は壁があるように見えている。幻影を破ると元の廊下よりも少しだけ長い廊下が現れる。突き当たりに向って左側に、仰々しくて古めかしいドアが一つ取り付けられていてその中にある。霊安室に続く階段だが、屍都にのこる呪術の影響で霊安室が転移する度に位置がずれる。その旅に階段を作り直している為に、怪異の発生時間が複数ある。 |
- 七不思議で発動条件が複数語られていたのは、転移の影響を受ける箇所が複数あったせいなのだろう。
5『首無し王子の霊安室』
(雪銀の剣士3)、(決闘裁判4)➤(学園の七不思議7)
情報源 | トリシア&マーキア |
参加者 | |
奇譚内容 | |
場 所 | 幻獣博物館の「死の世界への階段」からつながった部屋(屍都) |
解 明 | 金狼王子が空っぽだった首なし王子の霊安室の本体。金狼王子が封印されていたが、クロードに呪いが移ったために、空だった。 |
-
『殺した相手に乗り移る呪い』が掛かっている為殺せないまま霊安室に保管されていた
6『魔の万霊節』
(学園の七不思議1)➤(秋の魔法学園6)
情報源 | トリシア&マーキア |
参加者 | エーリカ、ハロルド |
奇 譚 内 容 |
毎年誰かが死んだり行方不明になる |
場所 | |
解明 |
ハロルドの工房にやって来たギルベルトとロブに万霊節に学園を出た(退学)話を聞いて気付く。 学園から逃げたい人々が、怪異の噂にこじつけて姿を消していたのだ。 あの怪談にカコツケて逃げるのが伝統だとか。 |
- 人が人を欺くだけの偽の怪奇であるはずの「魔の万霊節」が、本当に起こってしまった。誘拐犯はウトファルの反乱分子だが、ハーランの仕掛けた茶番でもあった。
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7『血塗れ聖女』
(学園の七不思議1)➤(首無し王子の霊安室7)
情報源 | トリシア&マーキア |
参加者 | エーリカ、 |
奇 譚 内 容 |
血塗れの聖女が彷徨い歩いている。好きな色を聞いてくるが、何と答えても殺される。 |
場 所 | ? |
解 明 | 「死を貪り喰らう者」が修道女に化けた事件が原型になっている。 |
- 死の世界への階段、首無し王子の霊安室、血塗れ聖女は繋がっていた。
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