模様<パターン>

ページ名:模様 パターン

模様 [パターン]

〈審判の間〉で現れる模様のまとめ


  • エーリカ・アウレリア

    • 私の足元から発生した無数の渦巻は、あっと言う間に〈審判の間〉全体を覆っていた。

      螺旋の波は壁によって押し返され、波しぶきのような光の粒子が散る。

      クラウスの時のように、壁にもわずかに模様が現れていた。

      荒れ狂う渦は、そこから次々に小さな渦を発生させ、少しの隙間もなく埋め尽くそうとする。

      その合間を縫うように組紐が伸び、ところどころで結び目を作った。

      それは、巨大な怪物の模様の断片だった。

      無数の螺旋を荒れ狂う海に見立てると、その波の狭間から水底に潜む巨大海獣の影が見えている。

      そんないかにも凶悪そうな、禍々しい模様が描き出されていた。

 

        それは、巨大な怪物の模様の断片だった。

        無数の螺旋を荒れ狂う海に見立てると、その波の狭間から水底に潜む巨大海獣の影が見えている。

        そんないかにも凶悪そうな、禍々しい模様が描き出されていた。


  • クラウス・ハーファン

    • クラウスの立っている場所に組紐で装飾された円が描かれる。

      そこから四方に直線が伸び、また円を描く。そして更に直線、円──

      区画された図形の中にも、小さい直線と円の模様や、組紐による複雑な模様が描かれていく。

      模様が部屋の端まで達しても、模様の増殖は終わらなかった。

      壁によって阻まれた魔力の流れは再び内側に戻り、小さい模様の中に更に入れ子構造の模様を作っていく。

      やがて模様の内側に魔力の逃げ場がなくなると、壁際でバチバチと火花が散り始めた。

      あれ? 何だか組紐の模様が壁にまで浮かんでいるような気がする。

      しかし、壁に描かれた模様は高さ十センチくらいで停止した。

      黒石の床がもっと広かったら、あるいは壁も同じ材質だったら、どこまで拡大してしまうんだろう。

      華美さはないものの、緻密さと迫力で見る者を圧倒してくる。

 

        クラウスは外部魔力を内部魔力に変換する機能が高いはずだ。

        おそらくは組紐の部分がその機能を表しているのだろう。

 


  • オーギュスト・イグニシア

    • 光は複雑に絡み合いながら黒い床の上を広がっていく。

      揺らめいていた光はやがて安定し、次第に細密な模様を描き始めた。

      数本の光の線が部屋の四隅に向かって伸び、対角線で四つに区画する。

      それぞれの区画は更に小さな幾何学図形の集合によって分割されていた。

      図形の中には竜に似た翼を持つ生物の模様や、花のように編まれた組紐、螺旋の模様が描かれている。

      一番内側の四つの大きな四角形の中には、伝令の島の祭壇に描かれていた四体の大天使に似た模様が現れていた。

 

        オーギュストの能力は精神感応だ。

        たぶん一番広い面積を占めている天使や竜の模様がそれにあたるのだろう。


  • ハロルド・ニーベルハイム

    • その足元から伸びた光は、直線の姿をとり、整然と区画された四角形の集合を作った。

      四角形が部屋の八割程度を覆った後、そのうちの二割程度が組紐によって敷き詰められる。

      しかし、そこまでだ。

      ハロルドの模様はその広さに反して、異常なほどに空白が多い。

      更によく見ると、他の新入生には必ず数個は描かれていた渦巻模様がたったの一つもない。

       

         その欠落が、いかにもハロルドらしさを表しているような気がした。

         きっと渦巻は阻害値に相当するものなんじゃないだろうか。

 


  • ベアトリス・グラウ

    • ベアトリスが着地すると、まず出てきたのは組紐型の光だ。

      組紐は薔薇の花のような形に絡まると、そこから四方に蔦のように伸び、また同様の花を咲かせる。

      それの繰り返しで、部屋の七割くらいの面積が組紐の薔薇で埋まった。

      よく見ると、花の一部が螺旋の模様で置き換わっている。

      全体的に素朴で優しい雰囲気の模様だ。

 

        それから次々と他の魔法使い志望の子たちも挑戦するが、

        ベアトリスより遥かに小さくて部屋全体の三割くらい。

        おや、むしろ、ベアトリスは十分に優秀なのでは?


  • クロエ・クロアキナ

    • ブラドがクロエを床に下ろすと、足元から、八方に小さな螺旋の模様が現れた。

      その外側を絡み合った組紐が一周取り巻くと、組紐の上を走るように狼を思わせる獣の模様が描かれる。

      獣の模様の外側には更に組紐の円、そして円にぴったり接する正方形の区画。

      正方形の区画の外側には細長い長方形の区画が現れ、その中にもたくさんの狼が躍っていた。

      細長い長方形の区画はどんどん外側に作られ、模様が拡大していく。

      クロエの模様は壁から一メートルほどの空白を残し、床のほとんどを覆ってしまった。

      拡大が停止すると、荊のように絡み合った組紐や、小さな渦巻が現れて模様の隙間を埋めていく。

       

          たしかクロエは医術師志望だったはずだから、治癒能力が使えるはずだ。

          おそらく狼の模様が北の異能なんだろうな。

          これまでの感じからすると、動物や魔獣の模様が内部魔力生成量を表しているんだろう。


 

 

 

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