短杖[ワンド]
- 錬金術師が使う杖。呪文を構築して生成しておいた魔法を充填し、魔法を再生実行させる。
- 短杖は魔法を再充塡するときに芯材を取り替える必要がある。素材によっては非常に高額になる。
杖 | 構成 | 初出 |
---|---|---|
氷の柩の杖 | 空の玉座5 | |
水上歩行の杖 | 春の宮殿5 | |
過去視の杖 |
軸はトネリコ、杖頭に黄色電気石、取手には黄金で機織りの模様が施してあ |
春の宮殿5 |
突風の杖 | 春の宮殿5 | |
場所替えの杖 | 春の宮殿5 | |
霊視の魔眼の杖 | 砂糖楓の枝製。杖頭には翠玉エメラルド。 持ち手には夜光貝で孔雀の羽を模した細工が施してある。 おそらく芯材が孔雀の羽根。短杖の長さは指揮者のタクトくらい。 |
春の宮殿4 |
水晶塊の杖 |
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脂の杖 | 春の宮殿5 | |
航海者の歌の杖 |
この杖を揮いながら特定の歌を詠唱すると〈錬金術師の星〉が落ちる。 強力な反面、使った時の反作用も他の杖の比ではない。凡庸な錬金術師が身の程も弁えず使えば、一つ星を落としただけで自分の命も落とすと言う。 |
春の宮殿5 |
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武装解除の杖 | 空の玉座5 | |
死の腕の杖 |
材質は糸杉。杖頭は十二個の苦礬柘榴石。 |
来航者の遺跡4 |
分解の杖 |
杖頭は正十二面体の磁鉄鉱 、軸材は十年以上使われた水車の車軸。心材に使われているのは空間圧縮された王水。杖の表面には現在では判読不能な十七個の古代文字が刻まれている。 |
書籍版 書き下ろし |
火焔の矢の杖 | 来航者の遺跡4 | |
軟着陸の杖 | 杖頭は琥珀、軸材は化石化したグリフィンの骨。持ち手は真鍮で、その表面には羽根の紋様。芯材は始祖鳥の羽根の化石。 | 春の宮殿5 |
防護壁の杖 |
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騎乗槍試合2 |
金縛りの杖 |
琥珀製。杖頭には植物性合成樹脂でコーティングされたコッカトリス |
春の宮殿5 エドアルトの杖 |
魔弾の杖 | 来航者の遺跡4 | |
魔法の地図の杖 |
この短杖は巻物とセットになっている。巻物は方眼が焼き付けられた羊皮紙で出来ている。 杖頭には羅針盤型の浮き彫りが刻まれた磁鉄鉱。軸材には十年以上沈まず航海した船の竜骨で、芯材に使われているのは六分儀の形に彫刻された星水晶だ。石突には実際に使われた錨を鋳融かして作られた錨のミニチュアが提げられている。 航海者だったアウレリアの民が暗礁などを感知するために作り出した海中探信をベースに、写本用の自動筆記を組み合わせた、比較的新しい種類の杖。障害物をある程度透過して、建物の構造を明らかにする力がある。 |
天使の玄室3 |
慈悲の死の杖 | 来航者の遺跡3 | |
見えざる指の杖 |
イチイ製。杖の先には蛋白石、柄は黄金で蜘蛛の巣と脚を象っている。 |
春の宮殿5 |
雷光の矢の杖 | 来航者の遺跡4 | |
猛禽の眼の杖 |
杖頭は鷹目石、軸材は千里眼の木と呼ばれる楓の一種。表面には籠目の紋様が刻まれ、石突には鷹を模した彫刻が施されている。芯材には猛禽類の骨を十種類分。 |
騎乗槍試合2 |
跳躍の杖 |
軸材は束ねた葦と、それに巻き付けた蔓巻発条状の針金。杖頭には磁鉄鉱、芯材は蝗虫と兎と蛙の脚。使用者のジャンプ力を劇的に強化する杖。 |
天使の玄室2 |
石錐の雨の杖 | 天使の玄室7 | |
浮遊の杖 |
大型飛龍の骨の化石で作られている。杖頭は琥珀、持ち手には真鍮で羽根が象られ ている。芯材は始祖鳥の羽の化石。縦方向の移動に特化した杖。 |
春の宮殿5 |
施錠の杖 | 春の宮殿5 | |
「その一。作成時に拡張した状態で構築し充塡する。これは分かりやすいな。
むちゃくちゃ作成時の負担が高いが、使用時には楽が出来る方法だ。
高位の魔法を構成する呪文ほど、組み上がった定石を崩すのは難しくなる。
その分だけ、時間も材料のコストもかかるってわけさ。
この手の技術は〈来航者の一族〉の長たるアウレリア公爵家がもっとも得意だ」
ギルベルトは凝った意匠の杖の方を指差す。
最初の杖よりずっと高価そうな素材で構成されている、特別製の杖だった。
言われてみれば、お父様の短杖には特別製が多かった。
魔法構造の改造は一般的には難解で苦痛
その二。こっちは実行者の性質を選ぶことになるが、作成者が楽を出来る方法だ。
一つの杖の中に、とにかく大量に標準的な粒度で詰め込むだけ。
これは昨日使ったような形式の使い方だな。
杖の実行命令とともに実行者が魔法構造に負荷をかけ、呪文を壊して捩じ曲げ、再構築して望んだ結果を発動させる。
実行者には魔法構造に負荷をかけても耐えられるくらいの阻害の力と、思い通りに再構築するだけの知識が必要になる」
「……私向きってわけですね?」
「その通りさ、お嬢さん。ちなみに、杖のサンプルはこれだ」
ギルベルトは三本目の杖を私に手渡す。
あ、あれ? 重い?
大きさや素材は基本の杖と同じように見えるのに、なんだか不思議とずっしりと重い。
そして、かなり造りが丁寧だ。
よく見ないと分からないような細かい意匠が、杖全体に凝らされているようだ。
「この使い方だと、通常の何倍もの充填量が必要になるんだよな。
壊したり歪めたりした分と、最適な粒度からズレた分で、効率がかなり悪くなる。
呪文を二百も三百も込めても、打てる魔法はたったの二三回なんてことになっちまうのさ。
だから、そのための専用の杖を準備するのが望ましい」
手の中の杖をじっと見る。
つまり、通常の短杖の何倍も充塡されている杖なんだ。
「どちらの方法も反動、つまり実行時に使用者に逆流する魔力が莫大だ。
ただ、重い杖の方が行使時にやる事が多いから、使い手には更に別の負荷がかかる」
「は〜……俺みたいな体質だと、絶対使っちゃダメな訳か……」
「その代わり、こと作成に限って言うなら、阻害ゼロの坊ちゃんならどっちも楽々だろうね。
面倒な呪文構築を詰め込むガラス細工みたいな杖でも、大量充填に耐える強くて重い杖でも」
「ちなみに、大量に呪文を込めた重い杖を開発したのは、西北部有数の錬金術の、ニーベルハイム家。
量産に手を貸したのは我らがトゥルム家。
比較的廉価なこの杖の主な使用者は、高価な杖を揃えることができない、比較的下級の兵士達だ」
長杖[スタッフ]
- 魔法使いの使う杖。魔力の増幅器の役目を果たす。
- 得意な魔法を強化するための長杖を誂えるのが基本
持ち主 | 杖 | 特性 | 初出 |
---|---|---|---|
エヴァン・ハイアルン | 凍れる大地の杖 | おもに冷気や大地に関わる魔法を強化するための杖 | 決闘裁判2 |
魔法使いは構築した呪文を自身の肉体から生成して魔法を実行するからだ。
未熟な肉体や、不安定な精神はそれらをすべて阻害する。
逆に、強い感情を呼び起こして構成した魔法はおそろしく強力になる。
(春の宮殿3)
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