mtDNA D1系統
ハプログループD1は、アメリカ原住民を中心とし、またアジア大陸東北部に及ぶ地域、特にアムール川流域の少数民族から検出される。このため2万5000-2万2000年前にアメリカ大陸に渡った集団とシベリアで枝分かれした人々の子孫が属する系統であるとみられる。D1系統は、現代日本人の約3割が属するハプログループD4と同じD系統に属する。これらの調査からD1系統は、北方から日本列島に流入し、北海道縄文人の祖先となった系統である可能性を示している。
ミトコンドリアDNAハプログループD1系統
メキシコ ユカタン半島の古代人骨・ナイア
メキシコ・キンタナ・ロー州トゥルムにあるオヨ・ネグロ(Hoyo Negro)と呼ばれる洞窟から発見された、約1万2,000年-1万3,000年前の少女(注1)の頭蓋骨・ナイア(Naia)のミトコンドリアDNAは、ハプログループD1である(注2)。これは、テキサス大学および国際研究チームらの解析により明らかとなったものである。ナイアの頭蓋骨の保存状態は良く、アメリカ大陸でこれまでに発見された中では6番目に古い古代人骨にあたる(注3)。現在のアメリカ先住民の約11%は、このミトコンドリアDNAのハプログループに属している(注4)。
注1)死亡時推定年齢15-16歳。
注2)『1万2000年以上前の少女の骨、米先住民たどる手掛かりに』
注3)『1万2000年以上前の少女の骨、米先住民起源たどる手掛かりに』
注4)テキサス大学・デボラ・ボルニック(Deborah Bolnick)助教授の解説による。
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