Y染色体H系統

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Y染色体H系統

Y染色体ハプログループH系統

ドラヴィダ人 (Dravidian peoples)

古代からインドに定住していたと考えられる民族ドラヴィダ人(達羅毗荼人, Dravidian peoples)のY染色体は、ハプログループHが32.9%で最も多く、以下、ハプログループO(13.6%)、ハプログループL(11.6%)、ハプログループR1a(11.0%)、ハプログループJ(10.5%)の割合である(注1)。インダス文明の担い手はドラヴィダ人であるとする説もあるが、反論もあり詳細は未解明である。ドラヴィダ人はアーリア人とは外見が異なり、アーリア人よりも一般的に肌の色が黒く、背が低いが手足が長い、ウェーブがかった毛髪などの特徴がある。

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       (ドラヴィダ人男性)            (ドラヴィダ人女性)

タミル・ナードゥ州出身でタミル語を母語としその文化を担うドラヴィダ人はタミル人と呼ばれるが、タミル(தமிழ்;Tamil)という語はドラヴィダ(திராவிட;サンスクリット語 द्रविड, द्रमिल, द्राविड;Dravida)という語と語源が関係している可能性が高い。タミル語は、日本語と文法が良く似ている言語で、語順は日本語と同様、基本的にはSOV型である。OSV型となる場合もあるが、動詞に接辞をつけて文相当の意味を持たせる場合はSOVが基本となる。複文を作るための関係詞はなく、日本語と同じく「水を-飲む-人」、「私が-見た-物」という順でつなげば良い言語である。また、詩歌(サンガム)には、五七五七五七……七、五七五七七、五七七の音節を持つものがあり、日本の七五調・五七調や三十一文字に類似するような形式が見られる。また日本の古語に多く見られるような「係り結び」も存在する。国語学者・大野晋は、日本語の原型がドラヴィダ語族の言語の影響を大きく受けて形成されたとする説を唱えている(注2)。

 

注1)Sengupta, S; Zhivotovsky, L; King, R; Mehdi, S; Edmonds, C; Chow, C; Lin, A; Mitra, M et al. (2006). "Polarity and Temporality of High-Resolution Y-Chromosome Distributions in India Identify Both Indigenous and Exogenous Expansions and Reveal Minor Genetic Influence of Central Asian Pastoralists". The American Journal of Human Genetics 78 (2): 202–21. doi:10.1086/499411. PMC 1380230. PMID 16400607 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16400607?dopt=Abstract

注2)大野晋 『日本語の起源 新版』(岩波新書・1994年6月)ISBN 4004303400

 

(picture all from Wikipedia)

 

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