登録日:2011/12/28 Wed 21:49:32
更新日:2023/08/18 Fri 10:21:21NEW!
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野鳥 スズメ目 器用 ネクタイ 生物 動物 アニヲタ動物図鑑 鳥類 嘘つき シジュウカラ科 シジュウカラ 四十雀 マルチリンガル
Parus major
ちょっとした緑のある公園や住宅街を歩いていてこんな鳥をみたことがないだろうか。
「ツッピー♪」と優しくかん高い声で鳴きながら木々の間を忙しなく渡り歩く。
白いお腹にはまるでネクタイのような一本の黒い線。
その名はシジュウカラ(四十雀)。
世界中に分布し日本でも全国で見られる鳥である(小笠原諸島除く)。
スズメほどではないが身近な鳥で、主に平地から低山にかけて生息している。そこそこ緑があれば街中の公園や住宅街でも割りと簡単に目にすることができる。
大きさは14~15cm。スズメよりも小さい。実はスズメはスズメ目ではそれなりに大きい鳥だったりする。
しかし英名は"Great Tit"。
スズメよりも小柄な身体にはそぐわない名前に思えるが、ヨーロッパに分布するシジュウカラは日本のものよりも二回りも身体が大きいらしい。
まさにグゥレイト!なのだ。
■見た目■
そんなグゥレイト!なシジュウカラの見た目は頭は黒く、白いお腹に一本の黒い線が走っている。
この黒線がまるでネクタイをしているように見えることから『ネクタイをした鳥』として親しまれている。
そして注目すべきは後ろから見たときの羽の色。
首から背中にかけてのオリーブグリーン、風切り羽や尾羽の淡いブルー。間に走る白い線。
『飛ぶ宝石』の異名を持つカワセミにも匹敵する美しさではないだろうか。
■行動■
彼らはよく十数羽程度の群れで行動する。コゲラ(小型のキツツキ)など他の種と混ざることもある。餌場をめぐって争わない優しい性格なのだ。
一羽ごとの行動はとにかく忙しなく、同じ場所でじっとしていることは少ない。
常にキョロキョロしながら木々の間を移動し、頭を掻いたり何かをついばんだりしている。
そこがまた可愛かったりする。
ちなみに頭を掻く時は、翼越しに足を出している。
かわいい。
■餌■
彼らの主食は基本的に昆虫類。毛虫などが大好物。
昆虫が少なくなる冬には木の実を食べる。ヒマワリの種やピーナッツも好きなので庭先やベランダに呼んでみたいと思った人は置いてみるといいかも。
ちなみに一羽のシジュウカラが一年間に食べる虫の量はシャクトリムシに換算すると12万5000匹。
■器用な小鳥■
彼らは大変器用な鳥でもある。スズメではなかなか食べられないようなヒマワリの種も両足で押さえつけ、中身だけを器用にとって食べてしまう。
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こんなピーナッツを針金で繋げただけのものにも難なくぶら下がり器用に中身だけを食べる。
■言語能力■
さらにこの鳥は、「動物のコミュニケーションは、各種音声に決まった反応を示す単純なもの」という固定観念を覆すレベルの言語能力を持っていることが近年になって明らかになりつつある。
例えば、「ピーツピッ」という鳴き声を聞いた仲間は、周りをキョロキョロし始める。これは「警戒せよ」という意味。
「ヂヂヂヂッ」という鳴き声は「集まれ」を意味するが、この二つを組み合わせた「ピーツピッ、ヂヂヂヂッ」で「警戒しながら集まれ」という意味になる。
つまり、二つの単語を組み合わせて文を作る能力を持っているのである。
また、「ヂヂヂヂッ、ピーツピッ」という順番で録音した鳴き声を流しても無反応だった。
ということは、文法という概念すら持っていることになる。
他の鳥の鳴き声の意味も理解しているらしく、自分たちの言語と他のカラ類の言語を混ぜた、いわばルー語状態でも意味を認識できたというから驚きである。
さらにこの鳥の賢さを表すエピソードには、「捕食者がいるぞ!」という内容の鳴き声を出すことで、強い同種を寄せ付けず餌を独占することもある。つまり嘘をつく能力も持つのだ。
もちろん、嘘ばかりついていたら狼少年みたく信用されなくなってしまうので、普段の警報は正しく、たまーに嘘をつくのがコツである。
■性格■
前述のように他の種類とあまり争わない優しい性格をしており、人間もあまり恐れない。
人が普段から給餌している場所では手に飛んでくることもある(Youtube参照)。
■庭先やベランダで■
彼らは庭先やベランダにヒマワリの種やピーナッツリースを提げておくことで呼ぶことができる。
巣箱をかけてやればよく利用するので間近でバードウォッチングが楽しめるかもしれない。
厳しい冬が過ぎ去った春。暖かさにボンヤリする彼らを見れるかもしれない。
ちょっと待ったー!
おやヒゲジイどうしました?
シジュウカラは他の鳥と群れになるっていいましたよね?
えぇ、言いました。
そんなに色んな種類の鳥と群れを作って大丈夫なんですかな?いくらなんでも喧嘩になっちゃうんじゃ…
それが大丈夫なんです。混群を作る彼らは餌を捕る場所が微妙に異なっていますから、本格的に争うということにはならないんです。
おや、そうなんですかな?
それに多数の種類で群れを作った場合は、また異なった目線で危険を察知できるので効果的でもあるんです。
なるほど、ちゃんと考えてますなぁ~。どこかの鳩みたいに頭の中が始終空ではない!なんて(笑)
追記・修正などよろしくお願いします。
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▷ コメント欄
- よく見かける。 -- 名無しさん (2014-08-13 10:50:19)
- 最後のヒゲジイの件、容易に脳内再生出来たわww -- 名無しさん (2014-09-13 19:57:46)
- シジュウカラ用の巣箱の穴は直径5~8cmがいいといわれているが、大きくなりすぎると別の鳥が入ってしまうので注意が必要 -- 名無しさん (2017-03-01 13:57:42)
- ひげじいの部分すごい -- 名無しさん (2017-04-26 13:38:32)
- 言語能力マジか。すげーな -- 名無しさん (2022-06-08 18:11:50)
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