登録日:2012/09/26(水) 18:36:25
更新日:2023/08/18 Fri 10:19:22NEW!
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ゲーム gba fft srpg ff final_fantasy ファイナルファンタジー タクティクス アドバンス イヴァリース 賛否両論 スクウェア タクティクスアドバンス fft-a 白い花
ぼくは… ぼくは知らない。
この世界が望まれて生まれたなんて、ぼくは全然知らなかった。
■あらすじ
家族の都合により母の故郷「st.イヴァリース」へ越して来た主人公・マーシュ。
ある日、弟ドネッドを交えて、友達のミュートとリッツと遊んだ日。
ミュートが持って来た不思議な古書を開くと、雪に覆われた街St.イヴァリースは、まるでゲームのような幻想の世界、異世界イヴァリースに変貌してしまう。
■概要
「FINAL FANTASY TACTICS」の続編として製作され、2003年にGBA向けにスクウェアから発売されたシミュレーションRPG。
略称はFFT-A(FFTA)。
プロデューサーの松野泰己氏によると、「楽しい感じの世界にしたかった」との事で、
キャラデザが変更されるなど前作「TACTICS」の、戦争を舞台とした殺伐とした雰囲気から一転して、ライトな雰囲気に変わっており、発売当初の賛否は多かった。
しかし物語のテーマとして「コンプレックスからの逃避と対峙」が据えられており、
方向性は違えど前作の重苦しさは健在。人によってはこちらの方が心をえぐられるかもしれない。また相変わらずの演出の見せ方、台詞回しなどもあり、
悩みをかかえて生きる少年達の姿を描いたシナリオの評価はとても高い。
だがその雰囲気以上に本作を賛否両論ゲーたらしめるのが、「ロウ」システム。
簡単に言うと「公式縛りプレイ強要」のこのシステム、慣れれば回避も出来るし、戦略的な応用も可能なのだが、
違反時の罰金・退場措置のペナルティは手痛く、しかも主人公が退場させられると強制ゲームオーバーになるなど、デメリットも極めて重大であり、
合わない人にはとことん合わないという事態を生み出してしまった。
SRPGとしての育成の楽しみやシステムの出来はいいのだが…
また、崎元仁らによるBGMの評価も高い。
主題歌はZONEの「白い花」。
CMに使われたほか、セーブ画面でもアレンジされて使われているが、著作権の都合かサントラには未収録。
CM
「現実なんて、消えてしまえばいい」。
僕らは、そう思ってた……。
※推奨BGM:「白い花」
それは僕らが創った、剣と魔法の世界。
FINAL FANTASY TACTICS
ADVANCE
君だけの冒険を描け。
CMでは本棚に閉じ込められた4人の子供達が登場。一冊の本が光った途端、空になった本棚と積みあがった本の山以外には誰もおらず…というややホラーな内容。
ちなみに本作の劇中劇である「ファイナルファンタジー」は現実における「FINAL FANTASY ⅩⅡ」の事であり、全体的な世界観もそちらに倣っている。
■登場人物
●マーシュ・ラディウユ (Marche Radiuju)
主人公。前作の主人公ラムザそっくりの髪型とアホ毛持ち。
両親の離婚、そして病気の弟ドネッドの療養のため、母の故郷であるst.イヴァリースに越して来た転校生。
押しが弱く、影が薄いためクラスに馴染めておらず、クラスメートのほとんどからは本名ではなく「転校生」という仇名で呼ばれる。
ミュートやリッツは数少ない友人だが、日もまだ浅いため親友と呼べるかどうかと言うとそうでもない。
「グラン・グリモア」の世界では、最初こそおかしな事になってしまった世界を元に戻そうと旅していたが、
友人達がそれぞれ充実した自由を得、この世界に残りたがっている事を知り、苦悩する。
●モンブラン (Montblanc)
世界が変化して間もない頃に助けてくれた優しいモーグリ。マーシュに協力し、イヴァリースを案内してくれる。
このゲームのメイン癒し。モーグリにしては手先が不器用。ジョブも黒魔導師。
立ち上げて間もないクラン(デフォルトネームはナッツクラン)の主催であり、マーシュは彼らのクランに加入することとなる。
メンバーはモーニ(バンガ)、エメット(人間)、マッケンロー(ン・モゥ)、カロリーヌ(ヴィエラ)。
FF12にも登場するが何故かエメットは居ない。
●リッツ・マルール (Ritz Malheur)
マーシュの友人の女の子。おでこかわいい。
優等生だが、たいへん勝気でクラスでは敬遠されがちでもある。
アルビノであり、生まれつき髪の毛が真っ白な事をからかわれることも多く、強くコンプレックスに思い、常に髪をピンク色に染めている。
グリモアの世界では、元来の男勝りの性格もあって充実した戦闘ライフを送っており、
さらに、染めなくてもずっとピンク色の髪の毛を手に入れたため、この世界を手放したくないと思っている。
一応ある程度マーシュの考えに理解を示してはいるが、そういった経緯もあってあまり積極的ではなく、別行動を取る。
一応設定も外見も人間だが、内部データ的にはヴィエラ族。
●シャアラ (Shara)
大らかで姉御肌なヴィエラ。リッツと気が合い、行動を共にしており、リッツの良き理解者でもある。
おしゃれ好き。虫が苦手。
●ミュート・ランデル (Mewt Randell)
マーシュの友人の男の子。気が弱いいじめられっ子。
母を早くに亡くし、さらに父はそのショックを引きずってろくに仕事もせず飲んだくれているなど、家庭環境もボロボロ。
母の形見であるクマのぬいぐるみを常に持ち歩いている。
その反動で、異世界ではわがままな王子となり、死んだはずの母・女王レメディに甘え、世界を思いのままに動かし、依存している。
世界を戻そうとするマーシュを敵視し、対立する。
あと異世界だと髪の毛がものすごい。
●シド・ランデル
ミュートの父。現実世界ではだらしのない父親だったが、
異世界ではミュートの理想が反映され、騎士「ジャッジ」の頂点に君臨する厳格な「ジャッジマスター」となっている。
●女王レメディ (Queen Remedi)
死んだはずのミュートの母。シドの妻。
絶対的な権力を持つ女王として異世界イヴァリースに君臨し、ミュートの望みを何でも叶える。
●バブズ・スエイン (Babus Swain)
ミュートに仕えるン・モゥの少年。心からミュートの身を案じており、彼のためならば命を賭ける事すら厭わない。
ミュートのどんなわがままでも叶えるために全力を尽くすが、一方で、果たしてそれが本当にミュートのためになるのか、疑問を抱いている。
●レドナ・トェム(Llednar Twem)
マーシュを排除するため、レメディが連れて来た謎の少年。
専用ジョブの「ビスクマータ」として圧倒的な能力でマーシュの前に立ちはだかる。
[[名前を反転させると…>ネタバレ]]
●ドネッド・ラディウユ
マーシュの実弟。車椅子を使わなければ移動する事も出来ず、薬が無ければ生きる事も出来ないほど病弱な少年。
異世界では自分で動き回れる健康な体を手に入れ、諦めかけていた自由を満喫しており、そんな世界を終わらせようとする兄を強く拒絶。
現実世界で決して手に入らない自由を守るため、そして自分と違って何一つ不自由の無い健康な兄への怒りと妬みのため、マーシュと敵対する。
●エゼル・バルビエ (Ezel Berbier)
謎のシステム「ロウ」の研究を進め、ついには「ロウ」に干渉する術を生み出すに至ったが、
あまりに強大すぎる術であったためにジャッジたちに追われるハメになった、ン・モゥの錬金術師。
大人しい性格の多いン・モゥ族には珍しくたいへん自信家で、金にがめつい。
●ノノ (Nono)
モンブランの弟で飛空挺技師。
苦労して作った自作の飛空挺の念願の初飛行で当て逃げされてしまい、あえなく落下して凹んで居たところでマーシュたちに出会う。
■海外版
海外版ではバランス調整が行われ、悩みの種だった「クエストアイテム」の所有上限数が倍となっている。
特に「ロウ」システムの変更が大きく行われており、
ロウを守ることでいい事のある「推奨ロウ」が追加され、攻略に役立つようになったほか、
「ダメージ○○以下(以上)禁止」「種族愛護」の特に面倒だったロウが削除されており、かなりプレイし易くなっている。
さらにリッツ、シャアラ、バブズ、エゼル、シドの5人が隠しユニットとして仲間に出来るようになり、専用イベントも追加。
特にシドなんかはエンディングの変化に関わるなど割と優遇されている。
これだけ充実している海外版だが、国内では発売されていないので入手するには海外から輸入するしかないのが現状。
逆移植まだ?
ぼくは全部なんて持ってない。
「追記」と「修正」はお前にあげたからっ!!
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▷ コメント欄
- ほー、海外版はもうリメイクって感じだねえ。知らんかった。 -- 名無しさん (2014-05-09 12:58:53)
- 逆移植してくれよ~ -- 名無しさん (2015-02-22 08:42:53)
- シナリオ凄い良かったよなあ。ある意味今のラノベやなろう小説のアンチテーゼになってるのがまた -- 名無しさん (2017-06-21 15:44:29)
- リッツが仲間になるのはちょっとな…最後まで仲間になれないのもシナリオの要素だと思うし 後、ミュートの名前反転させるとレドナになるから「倒されないチート持ちのもう一人の自分を作りだしてマーシュに挑ませていた。自分では戦いたくないし、手を汚したくないけどマーシュを潰す」というミュートの本当に都合のいい願望が現れているって考察も凄かった -- 名無しさん (2018-05-12 23:58:20)
- このご時世だからこそリメイクだったりアニメで見たい作品ではある。メインクエストが24つあるからゲーム原作にしては珍しく綺麗に2クールで収まる可能性があるんだよね。無理なのは勿論分かってるけど… -- 名無しさん (2018-05-15 03:14:17)
- 大百科でもアンチテーゼとか言ってるやついるが同じ奴か -- 名無しさん (2018-06-14 16:49:18)
- 序盤のクエストでいじめっ子3人が「遭難者」として出てきたのが異常に怖かった -- 名無しさん (2020-02-26 22:42:54)
- FFTAは1も2も大好き。スイッチで3出してくれないかな。海外版の移植でもいいけど。 -- 名無しさん (2020-10-28 22:25:33)
- 友や家族が容赦なく消しにかかってくるのが印象的 ↑6 なろう関係無くね。というかなろうが影も形も無い時期に出た作品だぞこれ。 -- 名無しさん (2021-05-25 12:10:05)
- 勿論当時はそんな意図は無かっただろうが、今流行りの作品と対比すると結果的にそうなってるって事を言いたいんでしょ。実際上手くいかない現実から異世界なんかに逃げるより現実と向き合って折り合いつける方が百倍難しいし勇気のいる事だと思う -- 名無しさん (2021-09-06 16:11:16)
- 時代が追いついた、という表現はちょっと違うか。早すぎた作品というか(国内版でのロウは絶対時代が追いつかんだろうけど) -- 名無しさん (2022-01-16 17:28:44)
- 別に主人公だけが現実が好きってわけじゃないのもミソ。むしろ主人公も現実に不満があってそれでもなおぶれずに現実を取り戻すべく戦い続けるからこそただの少年が非常に頼もしく見えるのだ。 -- 名無しさん (2022-06-22 16:07:31)
- 2003年プレイした当時思ったのが、果てしない物語のオマージュ。マーシュ、リッツ、ミュートいずれもバスチアンの要素がある。(否定しているわけではない。寧ろオマージュした部分以外は良く作り込まれているしとても良かった) -- 名無しさん (2022-08-31 12:40:20)
- ロウはあれはあれで好きだったけどね -- 名無しさん (2023-03-18 13:59:13)
- 弟妹が病気だから(病気じゃなくても)何もかも我慢しないといけない兄姉はリアルでもそこらで起こりうるんだよな。だからマーシュのメンタルがアダマンタイトになるのは必然なんですよ。 -- 名無しさん (2023-03-18 15:30:11)
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