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更新日:2024/07/09 Tue 13:49:01NEW!
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究極の秘伝ディスクを奪還せよ。
熱き侍、いざ参る。
『侍戦隊シンケンジャー 銀幕版 天下分け目の戦』とは、2009年8月8日に公開されたスーパー戦隊シリーズ第33作『侍戦隊シンケンジャー』の劇場映画作品。
監督はTVシリーズでメイン監督を務めた中澤祥次郎、脚本はTV本編のメインライターである小林靖子が担当。
同時上映は『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』。
キャッチコピーは『ディケイド』と並んで「最強決戦、夏の陣。」。
●目次
◇概要
本作ではスーパー戦隊シリーズ初となる3D映画版が制作された。
加えて本作から戦隊映画の撮影は35mmフィルムから、TVシリーズと同様に「レッド・ワン」によるデジタル撮影に切り替わった。
本作のボスキャラクターである脂目マンプクの声優には大和田伸也、初代シンケンレッドこと志葉烈堂役には合田雅吏がそれぞれキャスティングされ、
日下部彦馬役の伊吹吾郎と合わせて『水戸黄門』において歴代の格さんを演じた俳優*1が3名も勢揃いした事も話題を呼んだ。
ちなみに合田氏はかつて『超力戦隊オーレンジャー』でオーブルー/三田裕司を演じた経歴があり、二重の意味でシンケンジャーの大先輩である。
この戦隊OBと現役戦隊の競演も見所の一つ。
本作は平成仮面ライダーシリーズ10周年作品である『仮面ライダーディケイド』の映画の尺を優先する都合もあって、上映時間は21分とテレビ本編1話分(約23分)よりも若干短く、21世紀の戦隊夏映画の中では最短。
なので展開は非常にスピーディーであり、前半はナレーション込みのダイジェストで非常にテンポが良い一方、撮影期間は逆に従来より長く掛かったそうである。
しかし、その平成仮面ライダー10周年の追い風もあって公開2日間で興行収入4億7,747万9,400円を記録し、10日発表の映画観客動員ランキングで初登場1位を獲得。
公開2日間の興行成績は前年の『炎神戦隊ゴーオンジャー』の夏映画『炎神戦隊ゴーオンジャー BUNBUN!BANBAN!劇場BANG!!』の約2.5倍という好スタートとなり、最終的には19億円を記録している。
また、本作の特徴としては従来の戦隊映画以上にTVシリーズ本編との繋がりが強調して描かれている点であり、TV本編で本作の件に関する言及がある他、
後に本作で登場した恐竜折神やハイパーシンケンジャー、クサレ外道衆の残党も登場し、後のTV本編の第三十一幕の話は事実上本作の後日談となっている。
映画初出のアイテムや戦力が後にTV本編で登場する事自体は珍しくないが、映画の敵集団(しかもその残党)までがTV本編で再登場するのは珍しく、
さらにTV本編で丸々一話を使って映画のアフターエピソードが描かれる事もかなり珍しい。
時系列は劇中では明言はされていないものの、
- 第二十三幕ラストで互いの正体を知った源太と十臓が互いの正体を既に知っている
- 第二十六幕で一時退場する十臓が裏正と共にまだ活動している
- 第二十五幕で三味線をドウコクに壊されて外道衆から離れる薄皮太夫がまだ六門船におり、三味線も壊れていない。
これらの描写から、TV本編第二十四幕~二十五幕の間の話である事が窺える。
映像作品以外では、『テレまんがヒーローズ』にて本作のコミカライズ版が収録されている。作者は一式まさと。
後に単行本の『スーパーヒーローズ』に収録されており、本誌のテレまんがヒーローズの時は前半で切られていたのだが、単行本では後半の流れも全て書き下ろされた。
内容は基本的には劇場版準拠だが、細部の展開がやや変更されている。
◇あらすじ
平成二十一年、夏。夏に入ったことでドウコクの力が増幅された影響で三途の川が増水し、クサレ外道衆の頭目・脂目マンプクが封印された場所が偶然浸水した影響でマンプクが復活。
マンプク率いるクサレ外道衆が約1万の大軍勢で侵攻を開始する。
迎え撃つシンケンジャーの6人だったが、次々と迫り来る大軍勢による、3日間に及ぶ圧倒的な物量戦を前にして劣勢に立たされる。
軍勢が水切れで一時撤退した事で、なんとか休息と体制の立て直しの時間は得られたものの、メンバーはモヂカラも体力も限界まで消耗し、烏賊折神と海老折神も力を使い果たして使用不能になる等、過去最大の窮地に追い込まれた。
その為、この強敵を倒すには行方不明になっていた、300年前の初代志葉家当主にして初代シンケンレッド/志葉烈堂がマンプクの封印に使用したとされる“初代秘伝ディスク”が必要だと判断された。
日下部彦馬と黒子達がその所在を突き止める事に成功するが、場所は何とクサレ外道衆が制圧した地域内に存在する幻竜神社だった。
何とか敵の陣地に潜り込んだシンケンジャーは初代秘伝ディスクを手に入れたものの、ディスクに残っていたのは烈堂からの謎の伝言だけだった。
落胆する一行だったが、その時神社に忍び込んできた幼い姉弟の両親の無事を願うお参りを偶然聞いた事で改めて覚悟を決め、マンプクのいる本陣に直接切り込む……!
◇主な登場人物
侍戦隊シンケンジャー
- [[シンケンレッド/志葉丈瑠>シンケンレッド/志葉丈瑠]]
ご存じ強くて頼れる殿様。
今回は冒頭から過去最大のピンチに追い込まれ、さしもの彼も余裕のない態度だった。
しかし、終盤には「侍の本分は討ち死ににあらず」と家臣達を奮い立たせる安定の頼れる殿様っぷりを披露し、一人でマンプクのいる敵陣に斬り込みをかける。
ちなみに時系列上は既にスーパーシンケンジャーは完成済みなのだが、本作では冒頭で海老折神と烏賊折神がモヂカラを使い果たすまで追い込まれた関係でインロウマルも使用不能になり、劇中では登場しない。
- [[シンケンブルー/池波流ノ介>シンケンブルー/池波流ノ介]]
いつもハイテンションな歌舞伎役者の侍。
本作では冒頭から過去最大のピンチに追い込まれたため、流石にいつものノリは鳴りを潜めている。
本作では丈瑠からも暗に「少しズレている」と指摘されてしまい、流石にショックを隠しきれない様子だった。
しかし、そんな彼とことはのズレた発想による作戦のおかげで、中盤にディスクがある幻竜神社へ潜入する事に成功。
ちなみに歌舞伎役者の血が騒いだのか、一番ノリノリでナナシの演技をしていた。
- [[シンケンピンク/白石茉子>シンケンピンク/白石茉子]]
夢は普通のお嫁さんになることなメシマズの侍。
普段は冷静な彼女ですら、本作では冒頭から流石に余裕がない様子を終始見せている。
丈瑠と共に見つけたディスクの内容に落胆を露わにするも、神社に来た幼い姉弟のお願いを聞いた事で一念発起し、終盤は他のメンバーと共に丈瑠を先に行かせるべく奮闘する。
- [[シンケングリーン/谷千明>シンケングリーン/谷千明]]
現代っ子で丈瑠を超えるべく修行中の侍。
彼もいつもの明るいテンションは控えめで、冒頭から余裕のない態度を示しており、ようやく見つけたディスクに初代の謎のメッセージしか残っていなかった時には憤りを露にしていた。
しかし、神社に来た幼い姉弟のお願いを聞いた事で覚悟を決め、終盤は他のメンバーと共に丈瑠を先に行かせるべく奮闘する。
- [[シンケンイエロー/花織ことは>シンケンイエロー/花織ことは]]
天然で京都弁の可愛い最年少の侍。
普段は明るく他のメンバー(と視聴者も)を癒す彼女も、本作では流石に余裕がない。
しかし、丈瑠から暗に「少しズレている」と言われながらも、天然で気にせず健気に丈瑠の求めに応じて流ノ介と共に神社に潜入するための作戦を考え、その結果として幻竜神社への侵入に成功した。
ちなみに丈瑠にズレていると言われてショックを受ける流ノ介に、「ウチ、流さんには敵わへんけど頑張ります!」と天然でトドメを刺した。可愛い。
- [[シンケンゴールド/梅盛源太>シンケンゴールド/梅盛源太]]
独学と独自開発で侍になった天才肌の金色の寿司屋。
本作では冒頭で海老折神と烏賊折神を戦闘不能にされた事で動けなくなってしまい、その影響で最終決戦での巨大戦にも不参加であるなど、一番マンプクの作戦の影響を受けてしまっている。
しかし、終盤の戦いではマンプクに挑もうとする丈瑠の戦いに、無理矢理横槍を入れて果し合いをしようとする十臓の足止めを買って出るという、ある意味最も重要な役割を果たした。
そして戦闘後は、全員に対して特別に「勝利の三本締め」を宣言した。
その他のキャラ
ご存じシンケンジャーを陰ながら支える爺。
今作では過去最大級の戦いに気合を入れてか、陣羽織を羽織った戦装束である。
役割は裏方だが、黒子達と共に初代秘伝ディスクが幻竜神社にある事を突き止めるという重要な働きをする。
最終決戦後は黒子達と共に勝利の三本締めを行った。
- 黒子
ご存じシンケンジャーを陰ながら支える黒子軍団。
今作では初代秘伝ディスクの在処を突き止めた他、最終決戦では角笛を吹いて開戦を知らせたり、シンケンジャー達が召喚した馬を繋いで、彼等の出撃をサポートするなど相変わらず裏方として活躍。
最終決戦後は彦馬と共にみんなで勝利の三本締めを行った。
外道衆
外道衆の総大将とその側近達。
ドウコクの力の増幅の結果、マンプクの封印が解けて300年ぶりに彼と再会してシンケンジャーを追い詰めたのだが、マンプクの傍若無人な態度からその関係は非常に険悪である。
映画におけるTV本編の幹部集団にありがちだが、彼らの出番は少ない。
強者との斬り合いに快楽を求めるはぐれ外道。
時系列的には直前の第二十四幕で、お目当ての丈瑠と果し合いの約束を交わしたのに、当の丈瑠が消耗した状態でマンプクとの決戦に挑もうとしているのを見て焦り、
その前に丈瑠と無理矢理にでも果し合いをするべく横槍を入れようとしたが、それを見越して予め後方に配置されていた源太によって止められてしまう。
第二十四幕に続き、再び源太に丈瑠との果し合いを邪魔された事に苛立ちを露わにしながら交戦するが、丈瑠がハイパーシンケンジャーとなりマンプクが倒されて二の目となった事で丈瑠の勝利を確信し、「寿司屋、シンケンレッドを死なせるなよ」と言い残して去っていった。
映画におけるTV本編の敵キャラにしては珍しく、全体的に出番が多め。
◇本作オリジナルの登場人物
- シンケンレッド/志葉烈堂
演:合田雅史
300年前の初代志葉家当主にして初代シンケンレッド。名前の由来も恐らくそのまま「レッド」から取られている。
かつて「角笛山」にてモヂカラを発見し、アヤカシと戦うべく志葉家を中心とした組織を興したシンケンジャーの始祖であり、初代シンケンジャーを率いてクサレ外道衆と戦い、初代秘伝ディスクの力で頭目であるマンプクを封印した。
しかし、当時の彼らにはマンプクに止めを刺せる程の力はなく封印が精一杯であり、だからこそ自分達では成しえなかったマンプク打倒の使命を後世に託すべく、
敢えてディスクの「力」を分離して別の場所に封印し、「正しく相応しき者、いずれ力を目にする」という謎かけめいたメッセージと共にディスクを後世に遺していた。
本作にのみ登場するキャラクターだが、時系列的に直前に当たる第二十三幕の歴代シンケンレッドの墓を参拝したシーンで、劇場版の烈堂の過去の戦いの映像のワンカットが先行登場した。
ただし、これは本編のストーリーには関係がない、完全に視聴者に向けたメタ的な予告演出である*2。
また、第四十八幕で登場した歴代当主の家系図でも、初代当主として名前が載っているのが確認できる。
ちなみに本作のキービジュアルに登場する、キョウリュウマルを構えたノーマルのシンケンレッドも彼である。
- 姉弟
演:松本梨菜、加部亜門
初代秘伝ディスクが隠されていた幻竜神社にお参りに来た幼い姉弟。
地元の子供であるらしく、シンケンジャーの作戦によって酔っぱらったクサレナナシ達の隙を突いて神社に侵入し、両親やみんなを守るようにとお願いをした。
これを初代秘伝ディスクに残されていた伝言の意味が分からず、落胆していたシンケンジャー達は偶然神社の中から聞いた事で、マンプクとの決戦に挑む覚悟を決めた。
最終的にマンプクを倒したキョウリュウシンケンオーを影から見届け、シンケンオーに合わせて一緒に勝利の三本締めを行った。
弟役を演じた加部亜門氏は、後年『仮面ライダーガッチャード』に準レギュラーとして出演する事に。
クサレ外道衆
「外道衆の中の外道衆」と呼ばれるクサレアヤカシで構成された集団であり、言わば外道衆のエリート部隊である。
夏になってドウコクの力が増幅した影響で増水した三途の川の水が、偶然マンプクの封印された場所に達した事で復活し、1万のクサレナナシ連中による大軍勢を率いて現世に進行をかける。
その一方で、大半のクサレアヤカシは烈堂率いる初代シンケンジャーとの戦いで既に倒されていたらしく、一つの集団としては既に壊滅している。
その為、劇場版初出の敵集団にしては珍しく幹部に相当する怪人は登場しない。
後にTV本編の第三十一幕で、残党のクサレアヤカシ・アゼミドロが登場する。
- 脂目マンプク
CV:大和田伸也
クサレ外道衆の頭目。
恰幅のいい武将のような姿をしているが、この外見は言わば鎧のようなもので、真の姿は腹部に鋭い牙の生えた長い「首」を持つ、全身の皮を剥がれたような悍ましい外見の青い魔人である。
その実力はドウコクも認める程に高いのだが、それ故にアヤカシの中でもとりわけ自信家であり、復活後はシンケンジャーを追い込んだのを良い事に、六門船に大将気取りで居座りだしたために太夫やシタリからは疎まれ、
挙句には「シンケンジャーを倒したら“家臣への褒美”としてこの世をドウコクに譲る」という、下剋上を示唆するような際どい発言までして反感を買った。
ただし、流石にドウコクに敵わない事は弁えているらしく、ドウコクが直接出てきて威嚇されると「これは…冗談が過ぎました」とすぐに撤回している*3。
一方、外道衆にしては珍しく最後まで戦い抜く事を選んだ丈瑠の勇敢さを称えるなど、アヤカシにしては珍しく戦いにおいては堂々とした武人肌な面もある。
しかし、なまじそういった武人肌な面と自分の実力と作戦に対する過信から、丈瑠に直接引導を渡そうと自ら戦った事が最大の敗因となった。
ただし、劇中では事あるごとに烈堂が自分を倒せなかった事をあげつらいながら丈瑠達を嘲笑うなど、本質的には彼らや烈堂の事も見下しており、武人のような言動もあくまで表面上だけのものである可能性が高い。
実際、上記した真の姿になると途端に荒々しい言動に変わる。まあ、本当の意味での武人が“外道”の一員であるはずもないので当然だろう。
- クサレナナシ連中
ナナシ連中の上位個体。通常のナナシ連中と違って下半身が紫色なのが特徴。
戦闘力も通常個体より高いらしいが、劇中ではそれ以上に総数1万という圧倒的な物量戦で、冒頭でシンケンジャーを壊滅寸前まで追い詰めている。
しかし、ナナシ連中同様に知能が低い上に目が無いせいか認識能力も低いらしく、劇中では流ノ介とことはの発案で簡単な変装をしたシンケンジャーの面子にあっさりと騙され、
彼らが持ってきた酒で酒盛りを始めてしまい、その隙にシンケンジャー達(ついでに一般人の姉弟)に幻竜神社に潜入されてしまった。
また、巨大戦を担当するクサレ大ナナシ連中も存在する。
- クサレノサカマタ
TV本編第二十三幕で、ドウコクの力の増幅に反応して発生するようになったノサカマタの上位個体。通常のノサカマタと違って全身の体色が青色なのが特徴。
劇中では、強力な青い火炎弾でクサレナナシと共にシンケンジャーを追い詰めた。
ただし、ただでさえ数が少ないノサカマタの上位個体なので、劇中でも僅か数体しか登場していない。
◇劇中登場アイテム・強化フォーム
- 初代秘伝ディスク
最初に開発された秘伝ディスクであり、かつて初代シンケンレッドの烈堂がこのディスクの力を使ってマンプクを封印した。
その後は長らく行方不明になっていたが、その「力」は別の場所に切り離されて封印された上で、ディスク本体は烈堂のメッセージと共に幻竜神社にて保管されていた。
後に丈瑠がそのメッセージの意味を理解し、発見した「力」をディスクに戻した事で恐竜ディスクとして覚醒した。
- ハイパーシンケンジャー
初代の残した「力」のモヂカラと丈瑠のモヂカラを合わせる事で、覚醒した恐竜ディスクの力で変身した劇場版初出の新たな強化フォーム。
スーパー戦隊シリーズでは珍しい劇場版初出の強化フォームである。
赤い陣羽織を羽織った姿をしており、このフォームになる事で下記のキョウリュウマルの力を最大限まで引き出せる。
ただし、あくまで恐竜ディスクの力を引き出せるフォームに過ぎないため、海老折神までの全ての折神の力を一つにしたスーパーシンケンジャーより総合的なスペックは下だと思われる*4。
ぶっちゃけ、スーパーシンケンジャーが使える状況ならあまり使い道のない強化フォームであり、その為かその後のTV本編でも殆ど使われる事はなかった。
ただし、どちらもシンケンジャーのうち1人だけを強化する形態で、使うアイテムも異なる為にお互い競合するわけではないので、
設定的には「所有者である丈瑠から恐竜ディスクかインロウマルを預かり、1人ずつがスーパーとハイパーになって戦う」のがシンケンジャーの最大戦力という事になり、実際、後にTV本編で最大の敵であるドウコクとの戦いでこの併用が行われた。
ちなみに初代の頃はまだ未完成だったらしく、初代の烈堂はノーマルのシンケンレッドのままでキョウリュウマルを使っていた。
それ故に力不足でマンプクを倒し切れず、封印するしかなかった模様。
- キョウリュウマル
覚醒した恐竜ディスクの力でシンケンマルが変化する形で召喚される武器。
その名の通り刃先が恐竜の顔のようになっており、持ち主の意志に応じて自在に刀身が伸びるという特性を持つ。
伸ばした際の刀身は非常に長く、劇中では広範囲にいるクサレナナシ連中を一気に殲滅した。
この為、開けた場所で広範囲に渡って大量の敵が存在するような環境下で、無類の強さを発揮できる武器だと言える。
◇劇中登場の折神・侍巨人
- 恐竜折神
臙脂色の身体に水色の縁取りが見られる恐竜(竜脚類)型の折神。
牛折神以降初めて作られ、制御に成功した古の折神であり、烈堂が遺した初代秘伝ディスクに収納されていたが、その「力」自体は実は別の場所に封印されていた。
覚醒した恐竜ディスクをセットして使う事で、シンケンオーのメイン武器であるダイシンケンが変化する形で召喚される。
詳細は折神の項目を参照。
- [[キョウリュウシンケンオー>シンケンオー]]
恐竜折神をシンケンオーが侍武装した姿。
300年の時を超えて、恐竜ディスクに遺されていた烈堂の遺志とモヂカラを受け取った現代のシンケンジャーが、烈堂のモヂカラと自分達のモヂカラをシンクロさせる事で生み出した、シンケンオーの新たな強化形態である。
上記のハイパーシンケンジャーや恐竜折神自体は烈堂が遺した力であるのに対して、こちらはそれらを基にして現代のシンケンジャーが生み出した、完全なるオリジナルの新たな戦力である。
恐竜刀を専用の武装として使い、必殺技は恐竜刀で敵を一刀両断する「キョウリュウマル・天地一閃」。
この一撃で真の姿となったマンプクを撃破し、シンケンジャーは初代が成し得なかったマンプク打倒を成し遂げた。
◇エンディングテーマ
「四六時夢中シンケンジャー」
TV本編と同じエンディングテーマだが、メインキャスト6人で歌われている。
また、初めて6人目である源太も合流した内容となっている。
◇余談
- 前述した通り、TV本編第三十一幕ではクサレ外道衆の残党のアゼミドロが登場。映画に登場した恐竜折神やハイパーシンケンジャーやキョウリュウシンケンオーも再登場するなど、事実上本作のアフターエピソードになっている。
後に登場する新幹部の筋殻アクマロもこの戦いについて把握していたらしく、彼はこの戦いを「夏の陣」と称していた。
ただし、第三十一幕は後日談という性質上、クサレ外道衆等の本作で登場した用語が特に説明もなく登場するなど、完全に本作を見ている事が前提のエピソードとなっているため、事前に本作を視聴しておくことをお勧めする。
- 時系列上は本作の時点でスーパーシンケンジャーやダイカイシンケンオーは既に完成済みだったのだが、冒頭の3日間の消耗戦で海老折神と烏賊折神が使用不能になった事で、必然的にこれらも使えなくなってしまった為に劇中では未登場である。
前述の通り、スペック的にはむしろスーパー>ハイパーなので、最初から万全の状態のシンケンジャーがマンプク自身と相対できていた場合は、あるいは恐竜ディスク無しでも普通にこれらの戦力で倒せていた可能性もある。
そういった意味ではマンプクの大軍勢で消耗させるという作戦自体は極めて的確だったと言える。 - そもそもスーパーシンケンジャー完成以降のシンケンジャーは、牛折神の入手とそれによるサムライハオーの完成によって、特に巨大戦に関しては真っ向勝負でまともに苦戦した相手など、それこそ上記したアクマロと最終決戦のドウコクくらいしかいないので、本編で恐竜ディスクが殆ど使われなかったのも単純に使う必要が無かったからだと言える。
一応は前述したようにハイパーシンケンジャーの方は併用可能なので「使えない理由」はないのだが、強力なフォームは当然ながらそれだけモヂカラの消耗も大きくなる上、二の目(巨大戦)の存在が常に想定される関係もあって、「使わなければならない理由」がないなら敢えて使用する必要はないと言える。メタ的には強化形態=その戦いの主役は1人いれば十分というのもあるだろう。
実際に烈堂が封印に使った関係から、相性が良いであろうクサレ外道衆との再戦である第三十一幕の次に使われたのは、総大将かつ最強であるドウコクとの戦闘であり、こちらは出し惜しみ無く戦う以外ない場面だった*5。メタ的には結果として負け展開なので、ハイパー抜きでやって「手抜きして負けてんじゃねーよ」というツッコミを防止する為の登場だとも言える。 - そのハイパーシンケンジャーに関しては、当時は完全にシークレット扱いの強化フォームであり、劇場パンフレット等の公式資料のビジュアルにも、当初はキョウリュウマルを構えるノーマルのシンケンレッドしか掲載されていなかった。加えて丈瑠がノーマルのままキョウリュウマルを使う場面は劇中では一切ない。
しかし、これは予告詐欺などではなく、本編を見れば分かるが実はこのシンケンレッドの正体は丈瑠ではなく烈堂である。両者がどちらもシンケンレッドである事を利用した秀逸なミスリードだと言えよう。
追記・修正は侍の本分を忘れずにお願いします。
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▷ コメント欄
- コメント欄が抜けていたので追加。それにしても、やたら省略気味の作品だと思ったら色々事情があったとは… -- 名無しさん (2023-06-26 12:10:04)
- 改めて聞くとクサレ外道ってすげぇネーミング持ってきてんなって思う -- 名無しさん (2023-06-26 12:17:02)
- ドウコク様だけでも手に負えないんだから、正式にマンプクが参戦してきてたらどうなってたことやら…まあ「外道」な上に「腐れ」てる連中に仲間意識もへったくれも無いのが救いではあった -- 名無しさん (2023-06-26 19:51:17)
- TV最終決戦で千明がハイパー化するのが嬉しかったな -- 名無しさん (2023-06-26 20:10:47)
- wiki内で記事が作られていない00年代以降の戦隊の夏映画は、残すところボウケンジャーとキラメイジャー(夏映画に相当する作品)だけになったぽいね。 -- 名無しさん (2023-06-26 21:13:57)
- ↑それとゴーオンジャーの夏映画も。あとは夏映画だけじゃなくて「作品単体での映画化」というくくりならリュウソウジャーの『メモリー・オブ・ソウルメイツ』とゼンカイジャーの『赤い戦い!オール戦隊大集会!!』も入るかな? -- 名無しさん (2023-06-26 21:27:02)
- 正直オールライダー対大ショッカーがアレな作品だったからこっちにもっと尺を割いて欲しかったわ、ぶっちゃけ大ショッカーの半分以下の尺なのに作品としての完成度はこっちの方が高いと思うし -- 名無しさん (2023-06-26 21:46:02)
- 事前情報なしで見たから冒頭から主人公たちがピンチで驚いた記憶がある -- 名無しさん (2023-07-01 00:13:17)
#comment(striction)
*2 該当するシーンは丈瑠達が知るはずもない過去の描写なので、丈瑠達の回想等ではない。
*3 スーパーヒーローズの漫画版では実際に下剋上を目論んでいる事が明かされており、現世を支配した暁にはドウコクを消して三途の川も支配する腹積もりだった模様。
*4 “ハイパー”という名称もあくまで放映上の登場順から公式に付けられた名称に過ぎず、本編ではこの名称は一切使われていない。
*5 全力で時間稼ぎをして完成した封印の文字が決まれば、その時点で全て終わる手はずだったので、二の目の為に余力を残す必要もなかった。
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