登録日:2023/02/04 (土) 18:38:00
更新日:2024/07/05 Fri 10:31:37NEW!
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遊戯王 遊戯王ocg 星4 水属性 魚族 融合 融合モンスター バニラ 効果モンスター以外のモンスター 波乱万丈 融合モンスターを素材とする融合モンスター 突然変異 簡易融合 簡素融合 レア・フィッシュ フュージョニスト
「獣の頭を持つ珍しい魚 性格はとても凶暴」
《レア・フィッシュ》とは「Vol.3」で登場した遊戯王のカードである。
【概要】
第1期で多数登場した、効果を持たない融合モンスターの1体。
その姿は、ライオンの上半身に緑色の魚の下半身といった感じ。
融合素材となるモンスターはこちら。
《恍惚の人魚》
通常モンスター
星3/水属性/魚族/攻1200/守900
海を航海する者を誘惑しておぼれさせる、美しい人魚。
遊戯王OCGで初めて登場した、融合モンスターを融合素材に用いる融合モンスター。
このようなモンスターは《究極竜騎士》や《捕食植物ドラゴスタペリア》、《ダイノルフィア・レクスターム》などが存在する。
だが、本モンスターはどんな感じなのかと言うと…。
絶望的に使えないモンスター
……だった。
【《レア・フィッシュ》のあゆみ】
第1期における受難
まず、上記の通り融合モンスターである《フュージョニスト》を融合素材に用いるため、《融合》を2回も使わなければ融合召喚できず、すなわち魔法2枚+モンスター3体分が必要*1。
しかも、公式ルール*2によって、1ターンに《融合》を2回使うことすらできず、正規での融合召喚は何重もの意味で困難。正規でない融合召喚手段はそもそも存在しない。
さらに、やっとのことで融合召喚に成功しても、レベル4相応のステータスで効果は無いという有様であり、同じ第1期に登場した通常モンスターの《デビル・ドラゴン》や《ペイルビースト》、《メデューサの亡霊》などと同じステータスである。
もはや存在価値が無いに等しいモンスターという体たらくであった。
《突然変異》と《簡易融合》
そんなモンスターである《レア・フィッシュ》であったが、第3期にてある魔法カードが登場する。それは、
突然変異
通常魔法(禁止カード)
自分フィールド上モンスター1体を生け贄に捧げる。
生け贄に捧げたモンスターのレベルと同じレベルの融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。
このカードの登場によって、存在価値の無かったこのカードに注目が浴びる。
《心変わり》で相手のレベル4モンスターを奪い、
そのモンスターに《突然変異》を使って《レア・フィッシュ》を特殊召喚するという方法があり、
このコンボによって、エンドフェイズに奪ったモンスターが戻るのを防ぐという戦法が取れた。
当時のレベル4融合モンスターは効果モンスターが存在せず、レベル4融合モンスターで一番攻撃力の高いモンスターは《カルボナーラ戦士》《暗黒火炎龍》、
そして《レア・フィッシュ》が1500で横並びだったため、このカードを融合デッキ(現在のEXデッキ)に入れる十分な価値があった。*3
そして第5期に《簡易融合》が登場。
これによって、正規ではないが多大な手間をかけずに特殊召喚できるようになった。
もっとも、レベル5までを出せる簡易融合でレベル4のこのカードを出すメリットは当時ほぼないが、融合デッキに上限がないので、万が一のためにでも入れておく理由はあった。
しかし、《突然変異》が禁止カード化してしまい、相性の良いカードを失ってしまう。
シンクロ召喚の登場(第6期~第7期)
第6期になるとシンクロ召喚が登場する。
EXデッキに上限が設けられた時期であり、簡易融合要員として雑に入れておくメリットは少なくなった。
しかし、シンクロ素材として使う場合、レベルが高ければ良いというものではなく、ステータスも重要ではないため、
《簡易融合》で特殊召喚できる(召喚権を使用しない)、無数に存在するレベル4・非チューナー要員のうちの1枚として存在意義はあった。
このカードは属性・種族がレアなので、差別化も見込むことができたのも大きい。
特に、シンクロ素材を魚族モンスターに限定するチューナー《竜宮の白タウナギ》との組み合わせが挙げられる。
エクシーズ召喚の登場(第8期)
そして、第7期にてエクシーズ召喚が登場。
レベル4のモンスターを素材とするランク4モンスターは優秀なモンスターが多数揃う激戦区であり、《簡易融合》で特殊召喚可能な(召喚権を使わずに出せる)レベル4モンスターとして一定の価値を得た。
特に《レア・フィッシュ》は、《スノーダスト・ジャイアント》などの水属性指定ランク4エクシーズ素材としても使えるようになった。
とはいえ、環境で活躍したかというとまた別問題であったのだが……。
そんな《レア・フィッシュ》であったが、彼らの登場によって再び注目が浴びる。
バハムート・シャーク
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/水属性/海竜族/攻2600/守2100
水属性レベル4モンスター×2
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
EXデッキからランク3以下の水属性Xモンスター1体を特殊召喚する。
このターン、このカードは攻撃できない。
餅カエル
エクシーズ・効果モンスター
ランク2/水属性/水族/攻2200/守0
水族レベル2モンスター×2
(1):自分・相手のスタンバイフェイズにこのカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
デッキから「ガエル」モンスター1体を特殊召喚する。
(2):1ターンに1度、相手がモンスターの効果・魔法・罠カードを発動した時、
自分の手札・フィールドの水族モンスター1体を墓地へ送って発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
その後、破壊したカードを自分フィールドにセットできる。
(3):このカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地の水属性モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加える。
彼らについては《バハムート・シャーク》および《餅カエル》を参照してほしいが、《レア・フィッシュ》は、「レベル4・水属性・魚族」という要素が《バハムート・シャーク》の素材として最適であった。
そしてその相棒と言える存在である《餅カエル》の登場によって、相棒を特殊召喚するための《バハムート・シャーク》の素材として価値がより一層上がる。
このカードは、《簡易融合》で召喚できる水属性レベル4モンスターの片割れとして採用されるようになった。
なお、もう片割れは旧神ノーデンであったが、こちらは禁止カードに指定されてしまった。
バハシャ餅の弱体化、ライバルの登場(第10期)
しかし、第10期にルールはかの悪名高い新マスタールールへ移行。
多くのEXデッキのモンスターが弱体化し、《バハムート・シャーク》と《餅カエル》も例外ではなかった。
これによって《レア・フィッシュ》の価値は再び落ちてしまい、さらに種族は違えど属性・レベルが同じのライバルが現れた。
沼地のドロゴン
融合・効果モンスター
星4/水属性/幻竜族/攻1900/守1600
同じ属性で種族が異なるモンスター×2
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
相手はこのカード及びこのカードと同じ属性を持つフィールドのモンスターを効果の対象にできない。
(2):1ターンに1度、属性を1つ宣言して発動できる。
このカードはターン終了時まで宣言した属性になる。
この効果は相手ターンでも発動できる。
《沼地のドロゴン》は《レア・フィッシュ》とは違って効果持ちであり、《レア・フィッシュ》の価値はさらに落ちてしまった。
《簡素融合》、そしてさよなら《餅カエル》(第11期)
だが、第11期でルールは変わり、《バハムート・シャーク》は力を取り戻し、その後、《簡易融合》の相互互換と言うべき《簡素融合》が登場。
効果モンスターである《沼地のドロゴン》はこのカードで融合召喚することはできないが、効果モンスター以外のモンスターである《レア・フィッシュ》は融合召喚することができる。
勿論、《バハムート・シャーク》と《餅カエル》は健在であり、《簡素融合》の登場によって《レア・フィッシュ》は三度、評価が上がった。
しかし、悲劇が起きる。
《バハムート・シャーク》の相棒である《餅カエル》が(コイツのせいで)禁止カード化。
《バハムート・シャーク》の弱体化と同時に、《レア・フィッシュ》もまたこれで何度目かと思えるくらい評価が落ちてしまった。
【現在の活用法】
上記の通り《レア・フィッシュ》は、最初は使えないモンスターとして登場し、その後、相性の良いカードの登場や禁止化などによって評価が上がったり下がったりしていた。
では、現在はどうなのかというと、「《簡易融合》または《簡素融合》で特殊召喚」を前提として、以下の活用法がある。
- シンクロ召喚での活用
魚族でレベル5の《黒き人食い鮫》等との使い分けで、シンクロ召喚のためのレベル調整に使える。
例えば、《竜宮の白タウナギ》とのシンクロ召喚で《白闘気白鯨》を出したりなど。
- エクシーズ召喚での活用
上記の《バハムート・シャーク》だけでなく、色々なランク4のエクシーズモンスターの特殊召喚に使える。
それだけでなく、本カードは魚族ゆえに《エクシーズ・リモーラ》や《ダブルフィン・シャーク》の貴重な蘇生対象となる。
《バハムート・シャーク》自体が禁止されたり、利用価値が見出せないほど弱体化したわけではないため、このカードもまだ健在である。
- リンク召喚での活用
水属性モンスター2体を素材とする《マスター・ボーイ》や《清冽の水霊使いエリア》、一部の海晶乙女モンスターなどのリンク召喚に使える。
- その他
魚族として、フィールド上のカード1枚を破壊し、カードを1枚ドローする《フィッシャーチャージ》のリリース要員になったりなどできる。
本カードを正規融合するには?
ここまで《レア・フィッシュ》のことを書いてきたが、見ての通り今に至って「全く正規融合で特殊召喚されていない」。
では、《レア・フィッシュ》を「《簡易融合》《簡素融合》無しで正規で融合召喚する」にはどうすればいいのか。
方法としては、
- 普通に融合カードを2枚使う
第1期の公式ルールは既に廃止され、魔法・罠カードを1ターンに何枚も出すことができるため、普通に融合カードを2枚使って融合召喚する。
しかし、《プチテンシ》と《スリーピィ》(《フュージョニスト》の融合素材)、《恍惚の人魚》、そして融合カード2枚の計5枚が必要となる。
デュエル開始時の先攻1ターン目の手札枚数は5枚なので…。
- 《フュージョン・ゲート》
融合素材モンスターは除外されるが、手札・フィールドのモンスター3体とこのカード1枚だけで融合召喚することができる。
《プチテンシ》と《スリーピィ》を除外して《フュージョニスト》を融合召喚し、続けて《フュージョニスト》と《恍惚の人魚》を除外して《レア・フィッシュ》を融合召喚する。
デッキ融合の代表。ただし、融合召喚にはタイムラグがある。
《プチテンシ》と《スリーピィ》をデッキから墓地へ送り、《フュージョニスト》を融合召喚。
その後、《フュージョニスト》と《恍惚の人魚》を融合カードで融合させて《レア・フィッシュ》を融合召喚する。
とまあ、ご覧のように現代ですら結構な手間がかかるうえに、もちろん実用性は微塵も無い。
【余談】
ゲームボーイ作品では、通常召喚可能な通常モンスターとして登場している。
なぜ、OCG化にあたり融合モンスターにしたのだろうか。
そのようなモンスターは他にも沢山存在する*4からまだいいとして、まさか融合素材に融合モンスターを用いることになるとは…。
追記・修正は、《レア・フィッシュ》を正規融合してからお願いします。
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▷ コメント欄
- 素材として十分活用法がある・活用された歴史があるなら有用よ、言っちゃ悪いがレア・フィッシュ未満なんてたくさんいる -- 名無しさん (2023-02-04 19:22:17)
- 「融合モンスターを素材にして融合召喚されるカードの原点」というだけで凄い。この手の融合をしたことがある決闘者は全員感謝するべき一枚 -- 名無しさん (2023-02-04 19:52:18)
- 正直、馬鹿正直に融合召喚するのはネタデッキ以外では論外だけど簡易融合と簡素融合で召喚できる星4としてはまだまだ使える。1500だから中途半端に高い融合モンスターよりはサポートも受けられるからね。 -- 名無しさん (2023-02-04 20:04:52)
- 「絶望的に使えない」の意味が、「役に立たない」に加え「利用できない」と言うのがなんとも・・・。当時(vol.3)だと融合のカードは3千円以上もするスターターにしかも1枚しか入ってないのに2枚も要求するとか・・・。 -- 名無しさん (2023-02-04 20:54:40)
- 水属性星4だから一枚で出せるの中々汎用性高いのよね わからんもんだ -- 名無しさん (2023-02-05 20:25:20)
- 「正規の融合素材として別の融合モンスターを指定する融合モンスター」で一番の有名所は究極竜騎士かE・HERO シャイニング・フレア・ウィングマンかってところだろうけれど、この融合条件を要求する融合モンスター自体はほぼ最初期と言ってもいいレベルのかーなーり早い段階から生まれてたんだな……。 -- 名無しさん (2023-02-05 22:11:09)
- ↑最初期も何も遊戯王OCG最初の商品だったVol.1(1999年2月4日発売)から4ヵ月も経ってないVol.3(1999年5月27日発売)出身だったわ。上記の通り「そもそも当時は融合の入手難易度が高過ぎたので……」を差し引いても「融合モンスターを更に融合させたパワーアップ形態に」って注目度薄かったんだな……。 -- 名無しさん (2023-02-05 22:18:12)
- 一方色違いのマリンビーストは継承ドゥロループのパーツとして満足民に使われていたそうな。サメの方が有名なのは密に密に -- 名無しさん (2023-02-06 17:44:46)
- ↑ぶっちゃけが更なるパワーアップと言うには全てが脆弱過ぎて手間が掛かるだけって印象だった。効果もある訳でも無かったのでシルバーファングに猛獣の牙付けても同じ攻撃力出せるならそっち選ぶよね。あの頃サーチもほとんど無かったから融合自体決まればラッキー位の物だったし -- 名無しさん (2023-02-06 17:49:03)
- 最初期のルールからして、なんか最初から「融合モンスターを素材にする融合モンスター」としてデザインされたんじゃなくて「開発段階ではフュージョニストは通常モンスターだったけど途中から融合モンスターに変更になって、本来ならレアフィッシュの素材も変えるべき所なのにチェック漏れしてしまってそのまま世に出てしまった」感が強いな… -- 名無しさん (2023-02-06 20:20:11)
- 可愛らしい(?)化け猫と美女の人魚を融合させたら、獰猛なライオンの体を持つ魚、になる謎仕様(他の融合モンスターの大半も同様)。 -- 名無しさん (2024-04-24 02:20:24)
- ↑音楽家の帝王に比べりゃ全然普通だと思う(あっちも一応バンド名由来説があるが………) -- 名無しさん (2024-04-24 03:09:19)
- レア・フィッシュが正規召喚されなかったのは難易度とか割に合うとか以前の理由もあったと思う。と言うのも、このカードが出たのはストラクなんかなく、カードショップもロクにかった遊戯王黎明期(そもそもMTGによってトレーディングカードゲームというものが生まれてからさえ10年も経ってない)。更にメインの客層は子供で、OCGは漫画『遊戯王』のグッズの一つみたいな認識が強い時期。当然ながらシングル買いとかカードリストなんか意識せず、大半の子はブースターやカードダスでその時当たったカードだけを持ってた。要は融合モンスターが仮に当たったとして、そもそも素材のモンスターなんか持ってないどころかイラストすら知らないなんてこともザラだった(原作出身の竜騎士ガイアとかは別だけど)。レア・フィッシュに限らず、例えば素材が通常モンスターである裁きの鷹とかでさえ融合で出してた子供なんかほぼいなかったんざゃ? -- 名無しさん (2024-04-24 04:09:06)
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*2 遊戯王OCGの最初のルール。「生け贄召喚(アドバンス召喚)の概念がなく、レベル5以上のモンスターを生け贄(リリース)無しで召喚できる」「魔法・罠カードは、それぞれ1ターンに1枚しか手札から出すことができない」等、現在のルールとは大きく異なる点が多い。
*3 攻撃力を気にしないのであれば、《マブラス》や《カオス・ウィザード》でも可能。
*4 《フュージョニスト》の他、《カイザー・ドラゴン》《炎の騎士 キラー》など
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