SCP-001/キャプテン・カービィの提言

ページ名:SCP-001_キャプテン_カービィの提言

登録日:2022/11/06 Sun 07:33:00
更新日:2024/06/27 Thu 11:20:55NEW!
所要時間:約 21 分で読めます



タグ一覧
scp foundation scp財団 euclid 001提言枠 o5評議会 o5 captain kirby scp-001 反ミーム 管理者 世界オカルト連合 o5-13 何者でもない



我々はただの人間だ。




SCP-001 キャプテン・カービィの提言とは、怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクトの一つである。また、SCP-001に関する提言枠の1つとなっている。
もし「001提言」って何?という方はSCP-001の項目を参照いただきたい。


なお、某ピンク玉の項目はこちら
また、「第三次世界大戦だ」の人についてはこちらの項目を参照。


項目名/メタタイトルは「O5-13」。
オブジェクトクラスはEuclid


概要


SCP-001とは、現在のO5-13そのものである。メタタイトルそのまんま。


このO5-13見た目こそラテンアメリカ系で身長190cmの人間なのだが、とんでもなく怪しい人物なのだ。その怪しさゆえにSCP-001に登録されている。


ちなみにこの報告書、O5-1からO5-12までの12人は見れるものの、O5-13だけ見ることができない。当然だ。



さて、その怪しさとは、O5-13がCaesar事案というものの記憶を持つ唯一の人間だからだ。


そのCaesar事案というのは、O5-13しか記憶を持っていないため、具体的にどんな事件なのかはわかっていないのだが、Caesar事案の結果、


  • 前任のO5-1~O5-12が同時に死亡
  • 前のサイト-01が破壊される
  • Caesar事案に関する記録すべてを喪失する

おそらく前O5-1~前O5-12は前サイト-01にいたのだろう。それで12人はサイト-01ごと死亡。
その後Caesar事案の記録がすべて消えているあたり、Caesar事案を引き起こしたのはO5-13だという可能性も全然あり得る。


また、可能性の一つとして、O5-13が反ミーム特性を持っている可能性も指摘されており、現在一部のO5メンバーが記憶強化剤を飲んで調査を行っている。



特別収容プロトコル


  • O5-13は、サイト-01に収容するよ。
  • サイト-01は、O5メンバー13人が暮らせるようになっていて、トイレと個人居室以外はカメラがついてるよ。
  • サイト-01には、3重のフェイルセーフをかけた核爆弾を置いておくよ。SCP-001が収容違反したら爆破してね。
  • O5-13は反ミーム性をもっているかもしれないから、O5メンバーの1人は記憶強化剤を定期的に飲んでね。(記憶補強材を飲んでいる人のことを、以後アーキビストと呼ぶ。)
  • 記憶強化剤は副作用がひどいから、アーキビストは定期的に交代してね。一応任期は4か月だけど、もうちょっと早めに交代してね。
  • アーキビストになれるくらい記憶強化剤の副作用に耐性があるのは「O5-1とO5-8とO5-12」だけだよ。3人で交代してね

大事なのはこのくらいだろう。SCP-001だけに特別収容プロトコルは長めなのだ。


O5たちの役割分担


O5-13について調査するにあたり、やはり役割分担した方が効率がいい。というわけで4チームに分かれることにした。


調査結果の統合チームO5-1,8,12
O5-13起源特定チームO5-4,7,10
Caesar事案調査チームO5-2,6,9
O5-13異常性特定チームO5-3,5,11



SCP-001会議#1


この会議は、O5-1から、13以外のそのほかのO5たちに向かって、


  • O5-13が怪しいこと
  • O5-13をSCP-001に指定して調査を開始すること
  • 管理者にメッセージを送ったこと

が語られた。
管理者とは誰?という方のために説明しておくと、管理者とはO5より偉い人の名前で、ある説では財団の設立者とも、ある説では存在自体がフェイクとも呼ばれる謎の多い人物。


ただ、O5-1がいろいろ探ったところ、管理者は北極にいることが判明。メールを送ったら返信があった。


それで、前任のO5-1からO5-12がただ死んだのではなく、殺されたのだという情報を手に入れた。


こうなるとますます怪しくなるO5-13。
O5たちは上に述べた特別収容プロトコルを作成し、4つにチーム分けし、最初のアーキビストとしてO5-1を任命した。




SCP-001会議#2


まずはCaesar事案調査チームの調査結果からみていこう。


そもそも、Caesar事案が発生した前サイト-01の場所も、現在は破壊されているし記録は消えているしでわからない。


ただ、日時はわかる。自分たちが就任したその前日がCaesar事案の日だろう。具体的には5月13日である。


そういうわけで、その翌週にほかの部署に異動になった財団職員は前サイト-01で働いていた可能性が高い
Caesar事案チームは、そういった財団職員たちにインタビューしてみた。


……が、誰も何も覚えていない。おそらくは何者かが記憶処理を施したのだろう。
「前に働いていたサイトはどこ?」と聞いても「サイト-5です」というばかり。もちろんサイト-5は存在しないのでこの証言はおかしい。


そういうわけでCaesar事案チームの進捗はなし。



お次はO5-13起源特定チーム。


このチームは、運のいいことにO5-13が評議会に招かれた経緯を記している文書を発見してきた。


ただ、恐ろしく古い版の書類であり、もしかしたら改ざんされている可能性もある。
もし本当に改ざんされているならば編集履歴が消されているので見つけられなかったはず。だから不正確な確率は100%ではないものの99%、といったところだ。


もしくは、O5-13が他のO5メンバーについての何かを隠したかった、という可能性もある。


ちなみにその書類がこちら



O5-13職員書類


身体的特徴: 男性、ラテンアメリカ系。50代後半。一般的でない特徴はなし。


加入投票: 賛成12、反対0。


評議会での役割: O5-13の異常存在との特別なコネクションは、他の評議会メンバーには考えられない視野を与えている。正常性確認会議は11名で定数となる一方、O5-13の出席なしでの会議は行ってはならない。



つまり、この書類が本当ならばO5-13は「正常性」についてのなにか特別な視野を持っていたということになる。
もしもそれがアノマリーの影響であり、O5-13の異常性に関係することであれば、前任のO5達はO5-13がアノマリーであると理解していたことにもなる。


お次はO5-13異常性特定チーム。


このチームは、異常性特定の為にO5-13に対していろいろな検査をひそかに行った。


その結果、すべてが正常という結果が出た。


外見も、体温も、骨格も、実体性も、感情でさえも。


そういうわけでこのチームも進捗はなし。



最後はアーキビスト3人の調査結果統合チーム。ここでは、O5-1からO5-12までの12人で行われた会議の書きおこしが載っている。


現在のアーキビストはO5-1なので、今回はO5-1を中心に会議が進められた。


まず、O5-1は唯一前任のO5メンバーと話したことがある人物である。
基本的に前任のO5達は、部下とコミュニケーションをとるときはEメールでさえも仲介を介していたため、そのO5-1以外は誰も直接コミュニケーションをとったことがない。


とはいえ、そのO5-1も、前任のO5-1と1度話したことがあるだけ。


現O5-1は、O5になる前はサイト-23の管理官だったらしく、現O5-1がサイト-23管理官に昇進した後、諸事情があって前任のO5-1と直接話す機会があった。


だから、話題の大部分はサイト-23の詳細に関することだったというが、最初に前任のO5-1は奇妙なことを質問してきた。



どんなクソ穴から君は逃げて、この地獄のような仕事を続けていられるんだ?



現O5-1は質問の意味がわからなかったので質問を返すと、前任のO5-1は



我々は皆違ったところがおかしくなってる。私は首から下で、君は頭だ。



と、やはりよくわからないことを返したという。


その後2人は、O5達に施された、寿命を延ばすための措置(おそらくは入ると若返ることができる泉であるSCP-006のこと。)や、アノマリーの収容に関する哲学の話をしたという。


だから、前任のO5-1はO5-13に関することは何一つ言っていなかったのだが、これは9年前の話。そもそもO5-13が就任していたかさえ怪しい。


まだまだO5-13については謎だらけだ。



そしてこの会議では、上以外にも以下のことが話しあわれた。


  • より綿密なモニタリングをするような特別収容プロトコルの修正についての議論。
  • Caesar事案調査チームは「前サイト-01の位置特定」、
  • O5-13起源特定チームは「要注意団体への調査」
  • O5-13異常性特定チームは「新しい分析の試行」を開始すること。
  • アーキビストをO5-8に交代すること。



SCP-001会議#3


まず注意してほしいのが、この3度目のSCP-001会議は大荒れし、定員を割り込んだために短縮されてしまったということ。
要するにこの3度目の会議でO5達が大ゲンカしたというのだ。


よって、ここに書いてある情報はすべてのO5メンバーによって吟味されておらず、保全上の意味では、この情報が虚偽である可能性がわずかにある。


O5-8によると、もし完全な議事録が必要な場合は現在のアーキビストに問い合わせてほしいとのこと。
ではこれを踏まえて各グループの進捗を見ていこう。



まずはCaesar事案調査チームから。


Caesar事案調査チームは、前サイト-01のデータが財団のどこにも記録されていないことから、データをあさるのではなく、Caesar事案の日*1に変な現象が起きた地点を調べた。


その結果、マグニチュード6.6の大きな、原因不明の地震グリーンランド沿岸で発生していたことが判明。さらに空中から捜査したところ、そこに前サイト-01があったことが判明した。


財団はそこを探索しようとしたが、なんとそこでは核の灰に似たレベルの放射線が放出されていた。
要するに、Caesar事案にともなって前サイト-01に置いてあった核弾頭が起爆したということがわかった。


それに、その地点はなんとGOCに占拠されていた。だから、財団は前サイト-01までたどり着くことはできなかったという。


ちなみに、この地域がGOCに支配されることに関してこれまでコンタクトを受けたメンバーはO5-13。
O5-13に問い詰めようにも、そうすれば調査の事がばれてしまう可能性があるためできなかった。



続いてはO5-13起源特定チーム。


起源特定チームは、「財団内に記録が残っていないのであれば要注意団体に記録が残っているのでは!?」という逆転の発想を展開。


その結果、マーシャル・カーター&ダーク株式会社が情報を持っていた。
しかも、O5メンバーに関しての一般的な情報まで入手しているという。



そう、O5達が大ゲンカしたのはこれについて話し合っているとき。


O5-1が、「マーシャル・カーター&ダーク株式会社に何を教えたんだ?」と問うと、マーシャル・カーター&ダーク株式会社の諜報担当であるO5-7が語り始める。


しかしこのO5-7、なんと言葉が話せない
筆談くらいはできそうな感じだが、彼女はそれを拒否。かわりにジェスチャーを始める。


それで、O5-11が「待て、君は我々の情報を渡したのか?」と聞くと、O5-7は頭を振り、止まり、そして頷いて肯定。なんだか肯定かは怪しいが頷いたのは確かなようだ。


それで、これを肯定と受け取ったO5-11は「O5の情報を要注意団体に渡すなどありえん!」と怒り出す。
対してO5-7は人差し指を上げ、ファイルを見続ける。
O5-11が「無視するつもりか?」と言ってもそのまま。見かねたO5-1が「11、落ち着け。」というも、ついにはO5-7に暴言を吐いてしまう。


それを聞いたO5-7はO5-11を見、ファイルを投げ出して出て行ってしまう。
O5-1がO5-11に「これが終わったら話がある」というとO5-11も出て行ってしまう。
それで、O5-4がO5-7の様子を見るために部屋を出ていくと、これで合計9名となり定数を下回ったため、ここで会議は終了された。


それで結局、このあとO5-7が発表した情報によると、O5-7が渡した情報は古い情報であり、マーシャル・カーター&ダーク株式会社が以前に集めた情報を確認するために渡したのだという。
交換の一部として、O5メンバーはO5-13のどこで得られるかのヒントを得た。


ちなみにO5-7が出て行ったのは、単に「必要な書類がなかったから取りに行こうとした」というだけだったらしい。O5-7は、セキュリティ上の懸念から翻訳者を必要としないと言っているが、彼女とO5-1の間で、コミュニケーション上の問題を軽減するための議論が予定されている。
O5-11はこの件に対し、正式に謝罪を発表した。


アーキビストであるO5-8はエイブラハム・リンカーンの「別れたる家は建つこと能わず」という言葉を引用して、「ケンカはやめよう!(意訳)」と言った。



さて、会議中/後に議論されたことをここに記載する。


  • Caesar事案調査チームは「生存者への再度の調査」、
  • O5-13起源特定チームは「マーシャル・カーター&ダーク株式会社からのヒントをもとにした調査」、
  • O5-13異常性特定チームは「新しい試験の考案」を開始すること。
  • アーキビストをO5-12交代すること。



SCP-001会議#4


これが報告書に載っている最後の会議記録となる。



まずはCaesar事案調査チームから。


Caesar事案調査チームは生存者への再度の調査を行ったが、良い進展があった。


なんと、生存者の全員の首の後ろに小さな傷があったという。
ここは記憶処理剤を注入する場所。やはり、生存者は全員記憶処理をされていたのだ。


しかも、O5直属の機動部隊で、O5メンバーの護衛等を行う機動部隊アルファ-1”レッド・ライト・ハンド”のメンバーにも記憶処理の跡があった。
彼らはO5直属とあってエリート中のエリート。記憶処理を行う機会はほとんどない。それなのに記憶処理の跡があった。


しかも、O5-8が確認したところ、Caesar事案前後で記憶処理剤の在庫は通常以外に変化はなかったのだという。
しかも現在、財団は錠剤タイプの記憶処理剤を使っている。注射タイプなんぞ使わない。


では、誰が彼らに記憶処理を施したのか?まだ注射タイプの記憶処理をしている組織はどこか?


その答えはGOCだ。


そう考えると、おそらくCaesar事案が起きた後、GOCが前サイト-01に、O5-13との交渉をもとにやってきて、関係者全員に記憶処理を施してO5-13に引き渡し、それと引き換えに前サイト-01周辺を占拠したんだろう。


少しずつCaesar事案の詳細が見えてきた。



お次はO5-13起源特定チーム。


O5-13起源特定チームは、マーシャル・カーター&ダーク株式会社から教えてもらった、O5-13の情報を持っているであろう人物にインタビューを行った。(もっとも、O5本人がインタビューしたのではなく、機動部隊アルファ-1”レッド・ライト・ハンド”の隊員が代理でインタビューした。)


この人物はPoI*2-001に指定されたのだが、このPoI-001、なんとCaesar事案の日にO5-13と会っている


なんでも、O5-13がPoI-001と会ったのは、O5-13が「PoI-001が何らかの情報を持っている」と聞いたためだったという。


それと、O5-13は帰る時、UIU(連邦調査局異常事件課)に連れていかれたのだという。
UIUの職員はPoI-001とO5-13を見て驚いていたそうだが、PoI-001はUIUからなんとか逃走。O5-13は連れていかれた、とのこと。


さらに、そもそもO5-13とPoI-001が会うのを考えた人はまた違う第三者であったことも語られる。
POI-001のコネの一つ、という話だが、その第三者については名前さえ教えてくれない。


曰く、


名前?ここまで話せば、名前ってのはただ人が名乗るだけのものじゃないとわかってるはずだ。更に、私は特別な所は何もない人間だ。


とのこと。


少しメタ的な話にはなるが、この報告書には「何者でもない」というタグが付いている。


これは、要注意団体の一つである「何者でもない」が登場していることを示すのだが、今の語り口を見るに、このPoI-001、またはPoI-001のコネの第三者のいずれかがこの「何者でもない」である可能性が高い。


「何者でもない」とは、時には財団に協力し、時には財団に敵対する、何をやってるのかも、それがどんな人なのかも「説明ができない」要注意団体。


これが絡んでいるのならば、事態は相当厄介だ


また、UIUに連れ去られた、という表現があるが、まさかO5-13が要注意団体に連れ去られるとは考えにくい。よってこのとき会っていたO5-13は替え玉である可能性もある。



最後はO5-13異常性特定チーム。


このチームは、上2つの結果をもとにO5-13の異常性を話し合った。


ただ、O5-13は全てにおいて正常なのだ。何も変なところはない。
まあ、アノマリーというのは何があるかわからない。まだ異常性特定チームが異常性を見つけられていないだけかもしれない。


ただ、もう1つ選択肢がある。
間違った木を調べているだけでなく、そもそも間違った森にいるという可能性だ。
そもそもO5-13に異常な点はなく、単純にカオス・インサージェンシーか何かのスパイ、という可能性。実際GOCやUIUがこの件に絡んでいるのは確認がついている。


ただ、財団のセキュリティ的に、1人のスパイが地球の裏側から核爆弾を起爆、というのは考えづらいし、なんならスパイじゃなくても無理そう。


だとしたら、O5-13の異常性は替え玉を作ることなのか。しかし、それに対して我々は何ができるのか。


ここで、現在のアーキビストであるO5-12が、会議をO5-13がどうやって前O5-1~12を殺したのか、という話題に戻す。


O5-12が言うに、O5-13は実際にPoI-001と会っていたように思うという。
それで、おそらく財団内に協力者がいたと。


話題は、会議#2で話し合われた、「より綿密なモニタリングをするような収容プロトコル改定の議論」が倫理委員会により却下されたというものに。


このプロトコル改定は、要するにO5-13の部屋にカメラを仕掛けようね!というものだったのだが、一応倫理委員会の投票にかけられた。その結果却下された。


O5-12はこの件について、倫理委員会のホアンという人に説明を求めたが断られ、これは君のセキュリティクリアランスより上だと言われてしまう。


もちろん、O5達は財団のトップ。セキュリティクリアランスは一番上の5で、機密情報でもなんでも、財団が抱えているデータは全て見れるはず。


それがあり得るなら、O5-13が倫理委員会側の人間だとも考えられる。組織の偏りを防ぐためO5評議会と倫理委員会は独立しているから、あり得ない話ではない。


もしくは、財団の中にO5よりも偉い人が1人だけいる。初めのほうにも出てきた管理者だ。


まあ財団内に居る協力者が誰だったとしても、その協力者はO5-13のプライベートをどうしても見られたくないのだと思われる。



その後会議は、O5-13の完全な身体検査が行われる必要があることを確認し、O5-1がO5-13にCaesar事案のことを聞いてみることを宣言して終わった。


この後も会議は#5、#6と続くのだろうが、現在行われているのはここまでである。



















セキュリティ証明を入力してください




************




承認されました。ようこそ、O5-13。(1)件のメッセージがあります。




O5-1がO5-13にCaesar事案のことを聞こうとしているなか、O5-13のもとに、管理者からのメッセージが届く。



ハロー、13、


君が仲間の評議会が何をしているか、監視を怠っていないのはわかっている。
彼らは我々双方にとって望ましくないほど近くに来ているが、驚くことではない。十分に賢い者たちを集めれば、君の予想を超えることもあるだろう。


そう、O5-13はO5メンバーがCaesar事案について探っていることを知っていたのだ。
そのうえで観察者は、「君を評議会に招き入れた時には予想だにしなかったことだ」と言い、「もしも誰かがCaesar事案について君に問い詰めたらこの文章を見せろ」とO5-13に助言する。


それは、「Caesar事案」直前のO5会議の書きおこし。


それで、もし誰かがこの文章がどこに保存されていたのかを聞いてきたら、管理者がO5-13に話したことと同じことを言って欲しいということ。


それは君のクリアランスより上だ。





Caesar事案直前のO5会議


以下、「O5-1」と書いたら、現在のO5-1ではなく、前任のO5-1を表す。O5-2からO5-12までも同様。


まず、O5-1はO5評議会会議室で、コンピューターを使って作業をしていた。
そこから2分経ち、O5-13以外のメンバーが会議室に入ってくる。
彼らは緊急会議と言われていそいでやってきた。


緊急会議が招集されるのは、通常致命的な収容違反だとかK-クラスシナリオが発生しそうなときに招集されるものだが、いざ会議室に来てみると、O5-1がコーヒーを横に置いて通常通り作業している。


そしてO5-1はコーヒーに手を伸ばしながら言う。


O5-1: 君たちのうち一人が、私がこれを実際に飲むと思っていたな?


O5-11: 砂糖が足りなかったのか?


O5-1: いや、ヒ素が多すぎる。


コンピューター: セッションは3分で自動的にシャットダウンされます。


O5-8: [コンピューターへ身振りする]これはうるさいと思わないか?


O5-1: 鬱陶しいが、我慢できなくはない。


O5-4: 待て、待て。我々のうち誰かがコーヒーに毒を盛ったということか?


O5-1: とぼけるなよ、ますます怪しいぞ。お前らが全員俺のケツを埋めたいと思ってるのはわかってる。



……ツッコミどころが多すぎる


O5-1のコーヒーに毒が盛られていたことが発表された後も、それよりコンピュータの音を気にするO5-8、少し遅れて反応するO5-4、それを疑うO5-1。



O5-1曰く、O5-1は何度も他のO5メンバーに殺されかけてきたのだとか。


そしてO5-1は、O5-7がマーシャル・カーター&ダーク株式会社にO5メンバーのことを売ったことも暴露。


O5-1はこうも語る。


お前らは全員腰抜けだ。
昔は「筋の通らないものがあったら、ケージに入れておけ」
今は「そいつを測定しよう、調べよう、何がわかるか明らかにしよう、そして誰にも害をなさないと明らかにしよう」だ。
そいつは収容じゃない。そいつはただ無駄に座って、一般人が見つけないことを祈ってるだけだ。神よ、我らはペットシェルターへアウトソースし始めてるぞ!


O5-10は放浪者の図書館から魔術を学んだ。O5-1はO5-8の存在を記憶するために薬を飲まなければならない。


そもそも、SCP-006すなわち入ると若返る泉を使って不死身になった人間はもはや「正常」ではない。
しかし、SCP-006を使うように助言したのは他でもないO5-1。O5-1でさえも、もはや「正常」ではないのだという。


O5-1: (前略)お前らの半分は誰かの言いなりで、あとの半分は自分がセル収容房に入ったほうがいいほどイカれてる。


(中略)


コンピューター: セッションは2分で自動的にシャットダウンされます。


O5-1: [コンピューターへ]黙れクソ!



それで話は、誰がO5-1のコーヒーにヒ素を盛ったかという話題に移る。


O5-10は、「今ここに唯一いないO5-13がやったんじゃないの?」と言うが、それは違う。O5-13は今何者でもないと会っているからだ。


O5-13とPOI-001、すなわち何者でもないが会うことを決めたのはO5-1。この現在のO5メンバーの中で、「異常でない」のはO5-13だけだという。
だから、正常性確認会議でもO5-13ナシでは会議できないようになっていたのだ。それがO5-13の役目だから。



コンピューター: セッションは1分で自動的にシャットダウンされます。


O5-1: そして知っているか?俺たちはいつだってアノマリーの収容には努力は惜しまなかった。今、評議会にはそいつが12人いる。


O5-12: 1!


O5-1: 何だ?


O5-12: セッションをすぐに閉じろ!滅茶苦茶にうるさい。


O5-1: ああ……そうだな。すぐに終わらせなくては。もうすることはない。


O5-1はコンピューターの操作を続ける。


O5-1: お前らのような人間をやめた奴らを収容すること以外にはな。



コンピューター: 緊急事態ステージ3収容違反プロトコルが活性化されました。核弾頭があと5秒で爆破……




……これがCaesar事案の全貌である。
O5-13が異常だったのではなく、前O5-1~O5-12の全てが異常だったということ。


O5-13は何者でもないと会いながら、財団内に居る協力者、すなわち前O5-1の協力を借りて、異常となってしまった自分ごと、O5評議会を爆破したのだ。


その後、GOCがO5-13との交渉の通りに関係者を記憶処理し、隠蔽の意味を兼ねて前サイト-01周辺を占拠した、という流れだ。




現在のO5-13の仕事も、O5評議会が「異常」にならないように監視することだろう。そのおかげか、おそらく現在のO5たちは「異常」にはなっていないようだ。


現O5-1が会議#4の後にO5-13に問い詰めたら、おそらくO5-13はこの会議の文章を見せるだろう。そうして、一連の騒動は幕を閉じる。



追記・修正はO5評議会が異常にならないよう願いながらお願いします。



SCP-001 キャプテン・カービィの提言 - O5-13
by Captain Kirby
http://scp-wiki.wikidot.com/captain-kirby-s-proposal
http://scp-jp.wikidot.com/captain-kirby-s-proposal(翻訳)
2018年公開

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  • 当wikiの慣習的に、001提言はページ名のスラッシュを半角にしており、新規項目申請ページにも半角で申請しているため、半角に戻しました。(画面上部にSCP-001へのリンクもできて便利) -- 名無しさん (2022-11-06 15:19:08)
  • これって本家のディスカッションでは前O5-1がパラノイアを発症したのであって他の11名は無実(異常存在ではあるが)だったが核で殺されたという扱いをされていたと思うのだが -- 名無しさん (2022-11-10 22:25:35)
  • 前O5-1が自爆した具体的根拠が不明だからそう見えるよなぁ -- 名無しさん (2022-12-05 19:40:00)
  • TheGryff99 2018 年 12 月 13 日 03:02 私はこれに+1を落としています。001 が完全にパラノイアから存在する SCP であり、何も異常ではないという考えが気に入っています。 管理者が以前の監督評議会に何が起こったのかを機密解除する方が簡単なのではないかと思います. 簡単な説明です。 「前のO5-1は精神崩壊を起こし、現場の弾頭を爆発させた」 -- 名無しさん (2022-12-10 15:03:12)
  • ↑「そういう考えがある」ってだけでどれが正解っていうのも無いし全部正解だからなぁ -- 名無しさん (2022-12-27 21:46:31)
  • O5-13ってscp006使っていいのかな? -- 名無しさん (2023-05-24 15:48:07)
  • カービィって聞くとあのピンクボールしか思い浮かばん…こんなのがあるとは -- 名無しさん (2023-06-11 19:39:08)

#comment(striction)

*1 すなわち5月13日
*2 Person of Interest、要注意人物のこと。

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