グレイナイトの戦力一覧(ウォーハンマー40K)

ページ名:グレイナイトの戦力一覧_ウォーハンマー40K_

登録日:2022/02/10 (木) 22:12:43
更新日:2024/06/17 Mon 13:55:45NEW!
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「我ら、果つることなき憎悪を掲げ、聖戦を欣求せん。我ら正義の剣なるが故!」



画像出典:ボックスセット「Hexfire」ボックスアートより






グレイナイトの戦力一覧とは、ウォーハンマー40Kに登場するグレイナイトの戦力をまとめたものである。
人類の〈帝国〉を脅かす渾沌の悪魔に対抗すべく、様々な魔術的でかつ異端的な武装や妖術を扱うグレイナイトの同胞たちは、スペースマリーン戦団の中でも一線を画す。グレイナイトの軍勢は異能力(サイキック)を扱うことに長けた様々な戦士たちやスペシャリストで構成されている。
そのどれもが渾沌の誘惑に決して屈しない鍛え上げられし鋼鉄の肉体と精神を有する。また彼らは、通常のスペースマリーンとはほとんど異なる特殊な武器や兵器も配備されており、邪悪なる渾沌の軍勢に立ち向かうための武装を用いて過酷なる戦いに挑むのだ。


画像出典:ゲーム「Warhammer 40,000: Chaos Gate - Daemonhunters」より



概要

「悪魔は自身を賢明であると、俊敏であると考えているだろう。悪魔どもはあらゆる策略や罠を用いて我々を出し抜けると信じているのだ。だがそれは誤りだ。我らの精神は悪魔どもを全て見通している。その計画から弱点まで、何もかもだ。我らは悪魔どもの破滅を見届けてくれよう。」


【戦闘教条】


スペースマリーンの諸戦団には独自の行動権が認められているが、グレイナイト戦団だけは全面的に異端審問庁の組織内に組み込まれており、〈帝国〉が持つ最高秘密機関の枢密軍(チャンバーミリタント)として仕えている。また、スペースマリーン諸戦団は既存の「遺伝種子」(ジーンシード)から作り出されてきたがグレイナイトはその点も異なり、既存の総主長由来の遺伝種子ではなく、皇帝陛下自身の遺伝種子を使用している。
グレイナイトの肉体と魂は皇帝自身の肉と魂から授けられたものであり、全てのグレイナイトは勇猛果敢な戦士であり、彼らの授かった力と耐久力は、常人を遥かに凌駕する。そして彼らは、過酷な訓練によって、それらの潜在能力をさらに高みへと鍛え上げるのだ。
武器も鎧も持たないたった独りのグレイナイトであっても、敵がこれを打ち倒すのは極めて困難であろう。しかも、グレイナイトたちが単独で戦うことなどはほとんどないし、強力無比なる戦争の祭具を持たずして戦場へ赴くこともないのである。
【戦士にして妖術師】
グレイナイト戦団の持つ全兵器において、異種族の先端科学技術が使用されているが、その技術はさほど重要性は高くない。渾沌の悪魔は科学技術に従う物質的な存在ではなく、暗黒時代の神話と狂気が産み出した、この世ならざる怪物に他ならないのだ。
このような怪物と戦って勝利を収めようとする戦士は、それと同じ狂気に片足を踏み入れねばならない。それはすなわち、〈歪み〉(ワープ)がもたらす異能力(サイキック)の力を受け入れ、さらには悪魔の力を封じ込めた武器を以て渾沌と戦うことを意味する。
一般的な人類の異能力者がこれと同じことを試みるのは、全くの自殺行為だ。それを試みたが最後、異能者の精神は破壊され、救済不能なほど崩壊してしまうだろう。
唯一グレイナイトだけが、そのような過酷な試練を耐え忍ぶのみならず、試練の中からより力強く成長することができるのだ。事実、サイキックパワーと黒き魔術との違いは、人間の精神の中にしか存在しない。
この銀河系における脅威の技の数々が、科学か妖術か、いずれの秘密のヴェールで覆われているかの区別は、ひとえにそれを観察する者の考え次第なのだ。つまるところ、グレイナイトたちは熟達の異能者であり、己の精神エネルギーを“イージス”と呼ばれる特殊な防御結界の形で展開する訓練を積んだ、恐るべき戦闘妖術(バトルソーサリー)の使い手なのである。
【聖なるサイキック】
グレイナイトたちが放つサイキック的な存在感は、〈歪み〉の怪物たちにとって致命的なものであり、飽くなき飢えを抱える渾沌の悪魔たちにとっても、滋味どころか苦痛を催させる作用を持つという。それゆえ、異能者でありながらも、グレイナイト自身は精神崩壊の危険から護られているのだ。
この特質は、最初期のグレイナイトたちが皇帝から賜った恩寵であると同時に、新世代の同胞たちによって更新され受け継がれる遺産でもある。このように精神を強固に鎧われているからこそ、彼らは禁断の妖術を行使したり、渾沌の穢れを帯びた遺物に触れたりすることができ、また堕落した書物に宿る呪わしき魔力に呑み込まれることなく、そこに記された内容を調査できるのだ。
グレイナイトの中には、あまりにも強いサイキックエネルギーを持つがゆえに、訓練や儀式をもってしても、こうしたエネルギーの漏出を抑制できないものがいる。他の一般的な異能者であれば、このようなサイキックエネルギーの漏出は、致命的な欠点となるだろう。
そのような欠点を抱える者は、〈歪み〉の悪魔たちにとって格好の標的となり、即座に餌食とされて精神を蝕まれてしまうからだ。だが、グレイナイトたちは穢れ無き崇高なる精神を持つがゆえに、彼らの放つ神聖なるサイキックエネルギーは、〈歪み〉に潜む最も貪欲な怪物からも忌避される。
グレイナイトの精神から漏出した穢れ無きサイキックエネルギーは、彼ら自身の潜在意識下で神聖なる形を与えられ、浄化の炎や眩い光の奔流として具象化するのだ。ゆえに、強大なるグレイナイトならば、触れるだけで悪魔を打ち払ったり、恐怖と狂気に取りつかれた兵士たちの精神に、再び死をも恐れぬ勇気を甦らせたりすることができるという。
【〈真名〉】
ケイオスディーモンを討滅するためにグレイナイトたちが選択する戦術のうち、最も有効なのは“悪魔の真なる名前である〈真名〉”を知ることである。〈真名〉に関する知識は、悪魔と戦う際に大きな力となる。
これは、ケイオスディーモンが己の〈真名〉を明かされることを恐れており、それゆえに無数の偽名や称号で敵を惑わそうとすることからもうかがい知れる事実である。神秘の業に熟達したグレイナイトの術者にかかれば、〈真名〉を唱える事で、対象の悪魔を捕縛したり、あるいは打ち払ったりすることができる。
通常、悪魔の〈真名〉を知ろうとする術者には、細心の注意と、数週間あるいは数か月間にも及ぶ入念な準備と儀式の時間を要する。これは、術者が対象である悪魔によって逆に破滅させられるのを防ぐうえで必要不可欠ものだ。
悪魔の〈真名〉を唱える事は、その悪魔との間で魔術的な契約を結ぶことでもある・・。より正確に言うならば、悪魔が極めて不利な立場で術者に使役されるという契約を。
【悪魔の撃退】
しかしグレイナイトにとって悪魔の〈真名〉は、例えば彼らの左腕に装着された「ストームボルター」と同様に、敵に対して即座に十分な効果を与えうる武器なのだ。位階が最も低いグレイナイトでさえも、ひとたび悪魔の〈真名〉を唱えれば、かの敵の感覚を奪い、力を削ぎ、「ネメシス・フォースソード」が放つ一撃必殺の前に防御を解かせることが可能となるのだ。
これが戦団の歴戦の勇士ともなれば、〈真名〉を唱えるや一瞬にして現実宇宙に具現化した悪魔の肉体を破壊し、立ち込める硫黄臭とエクトプラズムの残滓だけを後に残して〈歪み〉へと追い返すことも不可能ではない。このようにして悪魔を撃退する事は、グレイナイトが悪魔に対して勝利を収める最も有効な方法である。
ただし、悪魔はあくまで(悪魔だけに)も肉体を破壊されただけであり、〈渾沌の領域〉にて時間をかけて復活し、再び我々の住む物質宇宙へと舞い戻ってくるだろう。悪魔を完全に滅ぼすには特別に聖遺物や儀式、あるいは圧倒的な精神力が必要となる。
【改名する悪魔】
悲しむべきかな、〈真名〉が有効な武器であることが解ってはいても、それを知るのは極めて困難である。悪魔にまつわる事物のことごとくに漏れず、〈真名〉もまた、うつろいゆく〈歪み〉から生まれ出るものだ。
〈歪み〉の獣たちがその姿を千変万別させるように、定命なる者の精神と舌にとって、悪魔の〈真名〉もまた刻々と移ろい、変わっていく。このため、蝋燭のあかりに照らされたグレイナイト戦団の〈予兆の間〉では、漆黒の頭巾をまとった「書記官」(スクライブ)の一団が、〈予見官〉たちからもたらされる絶え間なく形を変える幻視を元に、それと同じく絶え間なく形を変える〈真名〉の手掛かりを密かに探し求めている。
これは長く、かつ危険を伴う苦役だ。〈真名〉が持つ恐るべき魔力によって、書記官たちに自身の精神が崩壊してしまう危険性が高いため、一人の書記官に〈真名〉を完全な形で読み取らせる事は出来ず、〈真名〉の断片を読み取らせるのが精いっぱいなのである。
従って書記官たちは、それぞれの掴んだ僅かな閃きを、聖別された巻物に印章文字記してゆく。書記官が用いるインクは、彼ら自身の血である。
血こそが、恐るべき悪魔の知識をためておくための唯一のインクだからだ。こうして集められた断片的な情報は、高位の「司書官」(ライブラリアン)たちに提示され、彼らの手で照合や解析といった過程を経てから、ようやく〈至聖の間〉(サンクトゥム・サンクトラム)の神聖なる書物の然るべきページへと書き留められるのである。
【悪魔大全(リバー・ディモニカ)】
どのグレイナイトも、胸部装甲にあるセラマイト鋼のケースに〈悪魔大全〉と呼ばれる書物の写しを携行している。これらの古き書物には、戦団の戦闘典礼や、グレイナイトの各位階に課せられた伝統的な責務などが記されているのだ。
また〈悪魔大全〉は、聖務に専念するグレイナイトらの揺るぎない信念の象徴となっており、〈至聖の間〉内部に秘められた闇の知識から抜粋された、基本的な教義の数々までもが含まれている。さらに、この本の背表紙は殉教した聖人の大腿骨から作られ、ページは銀で彩色されているたえ、それ自体が強力な護符の役割を担っているという。
【テレポート戦術】
「適材適所に現れる」ことは、軍事的美徳の最たるものである。そしてグレイナイト戦団ほど、この美徳を見事に体現する者たちはいない。
〈予見官〉の預言に基づき、グレイナイト戦団は「いつ悪魔が襲撃してくるか」を予測し出来るため、悪魔による攻撃が発生した時には、彼らは既に惑星の衛星軌道上、もしくはすでに惑星地表に到達しているのだ。しかし、実際に悪魔の脅威を食い止めるためには、発生する〈歪み〉の門を封印するか、来る襲撃に備えてそこからの侵入を食い止めねばならない。
そのような任務において、グレイナイト戦団は同胞たちを直接、特定の作戦目標地点へと手レポートさせる。


画像出典:コデックス「グレイナイト5版」(codex:GreyKnights) 表紙イラストより


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兵種

「何故悪魔などを恐れねばならぬ?彼奴らの力など、わが身には及ばぬというのに。」

騎士団支隊長カスタヴァル・ドラック



画像出典:コデックス「グレイナイト9版」(codex:GreyKnights) P54イラストより


  • 「グランドマスター」(騎士団長)


【概要】
グレイナイト戦団には、騎士団長が八人存在するのが習わしである。彼らはその誰もが、遥か何千年もの昔に戦団を創設した八人の騎士団長いずれかの遺志を受け継ぐ者たちだ。
この位階にまで到達するには、一万もの惑星で戦い、数え切れないほどの悪魔を屠らなければならない。そして己の同胞だけでなく、〈帝国〉内の全臣民にとって、名誉と純潔の確固たる模範とならねばならないのだ。
しかし、これらの条件を備えている場合であっても、現騎士団長の意思が働かなければ、新たな騎士団長が任命される事は無い。また、実際に騎士団長の座に就くには、現騎士団長全員の同意が必要となる。
【威厳ある交渉】
騎士団長は、グレイナイト戦団が結ぶ数多くの同盟関係を維持継続する責務を負っている。これらの同盟対象には、〈帝国〉内に存在する他組織や、グレイナイト戦団が内密に取引する様々な異種族も含まれる。
もっとも、このような取引、条約、協定などの詳細を実際に交渉してゆくのは、戦団の「書記官」(スクライブ)の役目だ。こういった官僚的な仕事に戦士の貴重な時間を割くことは、全くもって有意義ではないからであろう。
かくの如き同盟関連の仕事で、騎士団長に課せられた最重要任務は、威厳溢れる軍装一式に身を包み、その場に姿を現すことだ。騎士団長は、必要意外に一斉言葉を口にする事は無いが、戦団の信用を悪用する者たちに対して、彼の厳格で勇ましい表情は、それだけで恐るべき警告となるのは間違いない。
「我らを裏切れば、我をはじめとする千もの兵が報復の名の下に動き出すであろう・・。」交渉の場で騎士団長が意図する事は、極めて明快なのだ。
【騎士たちを率いる戦将】
戦団屈指の戦士である騎士団長の主要任務は、むろん戦争にある。騎士団支隊長らも戦士としての経験は豊富だが、彼らの能力をもってしても不十分であると判断された、極めて重要もしくは危険な戦役に出撃して陣頭指揮を執るのは、騎士団長の役目なのだ。
こういった戦役において、グレイナイトらが自分自身の潜在能力を最大限に発揮して戦うことができるのは、それを指揮する騎士団長が戦略に長けているからであるのと同時に、優れた洞察力をもって、兵が最も効率よく戦えるように指揮してゆくからだ。騎士団長が下した大戦略の下、グレイナイトの攻撃部隊は、基本的な戦闘教条には存在しない特殊な作戦行動であっても、想像を絶するほどの正確さと迅速さを以てこれに順応することができる。
事実、戦役に勝利をもたらすためであれば、騎士団長はためらうことなく部下の心さえも操作すると主張する者たちが少なからず存在する。一方で、部下たちが騎士団長に従うのは、単に彼が卓越した指導者だからである、と主張する者たちもいる。
はたしてどちらが真実なのかは謎に包まれたままだ。



画像出典:コデックス「グレイナイト8版」(codex:GreyKnights) P29イラストより


  • 「ブラザーキャプテン」(騎士団支隊長)


【概要】
騎士団支隊長は、グレイナイト戦団の中でも最高位の戦士であり、その位階や戦闘能力は、騎士団長に次ぐものだ。騎士団支隊長は、その誰もが同胞の指導者としての能力と、そして恐るべき戦士としての資質を、戦場で何度も証明してきた者たちだ。
騎士団支隊長は、ほとんどの場合、「聖騎士」(パラディン)から選ばれる。最も経験豊富な戦士だけしか、騎士団支隊長が習得すべき武術と戦術の両能力を証明できないからである。
とはいえ、何事にも合理的であるのがグレイナイト戦団の特徴でもあるために、同胞の中でも特に勇猛で秀でた能力を有する者がいれば、騎士団支隊長の位階につかせるかという例外もないわけではない。流儀や伝統も大切ではあるが、最も重要なのは聖務を達成する事だからだ。
【百人の騎士を率いる者】
各騎士団支隊長は、グレイナイト戦団を構成する騎士団支隊の一つに対して指揮権限を持つ。つまり騎士団支隊長は、銀河に存在する兵の中でも最精鋭と呼ぶにふさわしい百人もの兵を、自らの直接指揮下に置けるのだ。
戦略や作戦に関しては、騎士団支隊長が最終決定権を持ち、たとえ騎士団長たちでも、これを覆すことはできない。それ故、騎士団支隊長はかなりの重責を担う事になるが、彼らは厳粛なる威厳をもって、これらを粛々と果たしてゆくのだ。
グレイナイトの騎士団支隊を指揮するという事は、絶大なる力を指揮するのと同義である。高潔さに劣る一般的な組織では、人が絶大なる権力が与えられれば、易々と堕落してしまう恐れがある。
そのほとんどの場合堕落してしまうのが常だが、しかし、グレイナイトの騎士団支隊長には、そのような人類の常識は当てはまらない。彼らは、悪魔の契約や甘言といったものに対抗できる、揺ぎ無い精神力を持っているため、定命の者ならば堕落しているであろう誘惑でも、いとも簡単に拒絶することができるのだ。
【戦場に立つ支隊長】
戦場に赴いた騎士団支隊長が立つべき場所は、過酷な戦闘の中心地である。同胞と肩を並べて戦わなければ、手本や規範を仲間に示すことはできないからだ。
騎士団支隊長は、ストームボルターやネメシス・フォースウェポンを用いて敵を攻撃する一方で、その精神力を研ぎ澄まし、さらに大きな戦略的勝利に向けて、部隊を指揮してゆく。実際、騎士団支隊長としての訓練の一環として、彼らは部下とのサイキック能力による意思疎通方法を学んでいる。
この「異能交信能力」(サイキック・コミュニオン)によって、彼らはたとえ戦闘の混乱の中でさえも、必要な時に確実に援軍を到着させることが可能なのだ。
【大いなる称号】
どの騎士団支隊長も、正式な位階によってではなく、己が成した行為によってのみ、栄誉や称号を手にする事となる。こういった栄誉の中には、グレイナイト戦団に伝わる伝統的な栄誉もあるが、その他にも、勇猛なる行為を賞して騎士団長より与えられる特別の栄誉や称号があり、その戦士が持つ栄誉や称号を調べれば、これまでに収めた功績が簡単に見て取れる。
騎士団支隊長として長い経験を持つ者であれば、六つ以上もの称号を持つことも珍しくない。中でも、“剛胆なる”「アルター」ほど多くの称号を授与された者はいまい。
彼の伝統的な称号は“光の守護者”であるが、これに加え、他にも多くの名誉称号を授かっている。中でも“血の獣を屠りし者”が一番低い栄誉であるとしたら、“ソリプシス星域を解放せし者”が群を抜いて最も誉れの高い称号と言えよう。
このように、グレイナイト戦団の戦士たちは多々の栄誉や称号を持つため、騎士団支隊長の称号が省略されずにすべて読み上げられる戦団の「大祝宴」(ハイフィースト)は、非常に仰々しく重々しい(部外者から見ればかなり退屈な)時間になるが、こうした場が騎士団支隊長にとっては、達成した聖務や自らの英雄的資質を示す重要な場となってもいるのだ。



画像出典:コデックス「グレイナイト8版」(codex:GreyKnights) P35イラストより


  • 「ブラザーフッド・ライブラリアン」(司書官)


【概要】
全てのグレイナイトには何かしらのサイキック能力が潜在的に備わっている。しかし、それを自由に用いることができるのは、ほんの一握りの同胞だけだ。ほとんどの者は、入念な管理と訓練のもと、他の同胞と協力する事で、ようやく自らサイキック能力を集中させることが可能となる。
しかも、彼らが協力して行使するサイキック能力は、ネメシス・フォースウェポンの使用や、自身が所属する分隊が持つサイキックパワーといった特定の行為に限定されてしまうことが多い。しかし、彼らの中には、他の同胞よりも遥かに強靭な精神力を宿す者たちがいる。
それを証明できた者たちは、戦団の司書官として認められるのだ。
【強力なサイキックパワー】
グレイナイトの司書官には、まさに鋼鉄の意志が備わっている。彼らが巧みに操る妖術の数々は、同胞たちが用いるサイキック能力よりもはるかに強力なものであるため、彼らには強靭な精神力が要求されるからだ。
また、強力なサイキック能力を持つという事は、〈歪み〉の中でひときわ明るい輝きを持つという意味でもある。つまり、一瞬でも揺れ動く心を見せたり、一瞬でも弱き精神を露呈すれば、たちまちこの世ならざる捕食者であるケイオスディーモンに発見され、永遠なる破滅を迎える事になるだろう。
戦場において、司書官は同胞を支援するため、己のサイキック能力を駆使する。彼らの力は、天変地異の如き〈歪みの亀裂〉(ワープリフト)や奇怪な雷撃といった、生のままの破滅的なサイキックパワーとして発動させることが多い。
しかし、こういった直接的で荒々しいサイキックパワーに比べて派手さこそ劣るものの、より巧妙で支援的な力の方が、戦場ではより大きな戦果をもたらすものだ。例えば、いとも簡単に仲間を自分の隣に召喚したり、仲間たちを護りの影で包み込んだり、仲間たちの身体能力を強化したり、といった支援的なサイキックパワーである。
〈至聖の間〉には、考えられる限りのあらゆるサイキック能力、魔力の印章、魔法の呪文などが記録されている。この場所で、司書官は来る戦闘に備えて自らの武器を自由に選べるのだ。
それ故、司書官ほど万能な戦士は、グレイナイト戦団の中でも数えるほどしかいない。
【教官としての司書官】
グレイナイトの攻撃部隊に対して大いに貢献している司書官であるが、彼らにとって最も重要な責務は、戦場ではなく要塞院内部での務めである。司書官はここで新規入団者を訓練し、グレイナイトであれば必ず知らなければならない秘儀、すなわち拒否の詠唱を六つ、生と死の言葉を七つ、戦いの讃歌を八つ、全ての魔術の根底となる恐ろしき呪文を九つ、その他にもさらに多くのことを教え込むのだ。
司書官による教導過程は極めて厳格かつ苛酷であり、ほとんどの志願者たちが耐えきれずに命を落としてゆく。だが、脆弱なる入団者にとっては、己の力不足によって戦団を危険にさらすという恥辱よりも、司書官の手によって死ぬ方が遥かに善きことではなかろうか?
とはいえ、司書官はたとえ教導者として無慈悲になれど要求されたとしても、彼らの行動に意図的な残酷さはなく、また悪意もない。こういった弱者の淘汰は、戦団にとって当然必要なものだからだ。
一人のグレイナイトが高潔であり続けるためには、己の意志と精神力が、その肉体を同じぐらい強靭でなければならないのである。
【老兵、一線を退く】
ごく僅かではあるが、なかには自らの肉体がもはや厳しい軍事行動に従事できない歳にまで運良く到達した司書官もいる。彼らは戦団の戦闘者登録名簿から完全に抹消され、第一線から退いて〈至聖の間〉の迷宮のような回廊の中へと隠居し、かび臭い書物庫の守護者としての責務に就くのだ。
〈至聖の間〉に所属された全書物の目録を把握しているのは、この古き者たちだけである。というのも、〈至聖の間〉には騎士団長たちでさえ知り得ないような重大な秘密が、しばしば埋もれているからだ。
これらの秘密は、〈至聖の間〉の領域から決して外部へ漏れてはいけない。というのも、戦団内ではこれまでにも増して堕落と誘惑の警戒が強まっており、グレイナイトたちの中からでさえ、誘惑に屈してしまう者が出るのではないかという恐れがあるからだ。



画像出典:コデックス「グレイナイト8版」(codex:GreyKnights) P36イラストより


  • 「ブラザーフッド・チャンピオン」(騎士団支隊筆頭剣士)


【概要】
グレイナイトの各騎士団支隊には、その筆頭剣士が一人存在する。筆頭剣士とは、他のあらゆる戦闘訓練を犠牲にし、ただひたすら剣の腕を極める事に専心する剣士たちのことだ。
騎士団支隊筆頭剣士は、新規入団者が受ける戦闘訓練に対して責任を負っているが、戦場で騎士団支隊筆頭剣士に与えられる最重要任務は、騎士団支隊長の護衛を務める事である。騎士団支隊長ほどの司令官ともなると、かなりの戦闘技術や知識を有しているため、その人材は容易に替えが効くわけではない。
よって、戦団が提供しうる最高の戦士、騎士団支隊筆頭剣士を騎士団支隊長の護衛に就かせるのは至極当然のことであろう。ゆえに、騎士団支隊筆頭剣士が、自分の命に代えてでも騎士団支隊長を護る覚悟でいることは、言うまでもない。
とはいえ、騎士団支隊筆頭剣士が英雄的犠牲を強いられる事態が起こることは稀である。並外れて強大な(あるいは並外れて幸運な)敵でない限り、騎士団支隊筆頭剣士の護りを破ることはできないし、彼らの反撃を受けて無事でいられる敵も滅多にいないのだ。
【最後の一撃】
万が一、騎士団支隊筆頭剣士が敵に打倒されたとしても、彼の戦力がゼロになったと判断するのは早計である。致命傷を受けた騎士団支隊筆頭剣士は、己のイージス型装甲服にサイキックエネルギーの波動を解き放つことで、禁断の魔力を限界まで増幅させ、驚異的な英雄行為を成し遂げられるのだ。
一時的にではあるが、イージス型装甲服が騎士団支隊筆頭剣士の腱と骨を再生させ、たとえ彼が瀕死の状態にあったとしても、残された同胞たちのために最後の一撃を繰り出す力を与える。死んだはずの者からの攻撃という、全く予期せぬ一撃は、敵にとって実に恐るべきものとなるだろう。
このようにして、最後の攻撃を繰り出し終えると、騎士団支隊筆頭剣士の魂はついにあの世へと旅立つ。彼の亡骸は後ほど回収され、アナーク山の地下墓所へと埋葬される。
こうして、彼らは生前と同じく、死した後も邪なる敵から戦団を護り続けることができたのだ。



画像出典:コデックス「グレイナイト5版」(codex:GreyKnights) P26イラストより


  • 「ブラザーフッド・ターミネイター」(滅殺者)


【概要】
グレイナイト戦団の特徴を一言で表すとならば、“精鋭中の精鋭”である。彼らの戦力の中核を成しているのが「滅殺者分隊」(ターミネイター・スカッド)であるという事実が、これを何よりも雄弁に物語っているだろう。
創設されたばかりの戦団であろうと、古の「兵団」(レギオン)の名を引き継ぐ戦団であろうと、スペースマリーン戦団のほとんどは、第一中隊に供給する「滅殺者装甲服」(ターミネイター・アーマー)を数十着も保有できれば幸運である。だがその一方で、グレイナイト戦団の場合は、ほぼ戦団全体に供給できるほどの「小型恐無装甲服」(タクティカル・ドレッドノート・アーマー)を有しているのだ。
滅殺者装甲服は確かに並外れた防御力を誇るが、それに身を包む者たちは、それ以上に卓越した戦士としての能力を持っている。渾沌の悪魔との果てしない戦いに身を投じるならば、単なるスペースマリーン以上の兵士が必要とされるだろう。
それこそが、精鋭中の精鋭たるグレイナイトである。頑強なる戦士として知られるグレイナイトは、スペースマリーンが常人を遥かにしのぐ超人戦士であるように、他のスペースマリーンを遥かにしのぐ精鋭の超人たちなのだ。
【過酷なる訓練】
土星の衛星たるタイタンでは、他の戦団の拠点惑星と異なり、「斥候」(スカウト)としての初期訓練が行われる事は無い。ここでは容赦のない厳しい戦闘訓練あるのみであり、これにより、未熟なる新規入団者を銀河最強の戦士へと育てる事に成功してきている。
この訓練は、何百年以上にも渡って磨き上げられてきたものだ。新参者として要塞院へと足を踏み入れた若者のうち、ごくわずかの者だけが、目の前に立ちはだかる過酷な試練を乗り越えられる。
最終的にこの訓練を終えて要塞院から出てきた者たちは、超人的な肉体と確固たる意志、高い戦闘能力、悪魔やサイキック魔術に関するあらゆる知識を身に着けているという。つまり、グレイナイトとしての初期訓練が終わった段階で、その戦士はあらゆるスペースマリーンの中でも最強の兵の一人と見なされるようになるのだ。
つまり、グレイナイトとしての戦闘訓練が終わった段階で、その戦士はあらゆるスペースマリーンの中でも最強の兵の一人と見なされるようになるのだ。訓練を終え、実戦経験を積み始めると、彼の能力はさらに向上してゆく。
これほどまで完璧に、かつ迅速に新規入団者を訓練できる場所は、タイタンであるからこそ、ここまで過酷な訓練が切に求められるのである。
【退魔の武具】
ターミネイターは、何らかのネメシス・フォースウェポンを主要武装として使用する。どういったネメシス・フォースウェポンかは、持ち手の能力と好みに応じて、戦団武具庫から選択できる。
教義上、携える武器の種類や数に関しての制限が存在しないため、二個の滅殺者分隊が全く同じ組み合わせで武装しているというのは、極めてまれな事である。グレイナイトらは常に、組織的な規定よりも、効率性や合理性を好むからだ。
したがって、彼らの中には、痛烈な一撃を浴びせられる「ネメシス・ディーモンハンマー」を好む者たちもいれば、「ネメシス・ファルシオン」を両手に装備する事を好む者たちもいる。こういった強力な白兵戦武器に加えて、各グレイナイト・ターミネイターはストームボルターも装備しているが、彼らのストームボルタ―は、ほとんどの場合左腕装甲部に内蔵されており、自由に左手を動かせれるため、両手でフォースウェポンを握ったり、ストームボルターで射撃しながら腰に携えたグレネードを取り出すことも可能だ。
【滅殺の陣形】
滅殺者分隊が標準陣形で戦うことは滅多にない。これは、彼らの兵数が常に敵よりも少ないからだ。
従って、グレイナイト・ターミネイターたちは、最大限の効果をもたらせるように、攻撃目標を限定し、そこへ攻撃を集中させなければならない。ターミネイターたちはほとんどの場合、戦場の中心へと直接テレポートする事を選ぶ。
敵陣の真っただ中に出現し、猛烈な剣戟と射撃の嵐で不意打ちを喰らわせるほど、効果的か攻撃方法はないからだ。実際、グレイナイト・ターミネイターの攻撃目標となった敵が唯一得られる攻撃の前兆は、テレポート光線から先行して発せられたるほんの一瞬の閃光と、独特のオゾン臭だけである。
そして、敵がこれらの兆候に気づいた時には、もうすでに手遅れなのだ。



画像出典:コデックス「グレイナイト8版」(codex:GreyKnights) P40イラストより


  • 「ジャスティカール」(制裁長)

【概要】
制裁長はグレイナイト戦団の一般兵たちを率いる実戦経験豊富な古参兵でかつグレイナイト固有の位階で、他のスペースマリーン戦団での「軍曹」(サージェント)にあたる。制裁長と一般兵の大きな違いは、これらの指揮官が個人の紋章を身に着ける事が許可されていることにある。
制裁長は分隊の指揮官としてのみならず、同胞のサイキック能力を磨き上げ収束させる、サイキック的な“導管”としての役割も担うのだが、この役割ゆえに、彼を同じ分隊内の同胞よりも遥かに危険な立場であると言えよう。発動したサイキックパワーの収束点となる彼は、それが安定を失った際、真っ先にその影響にさらされるからだ。


  • 「ストライク・スカッド」(討滅分隊)


【概要】
討滅分隊は、グレイナイト戦団の攻撃部隊において、最善性の役割を担うことが多い。戦闘開始時、常にグレイナイトの司令官は、1個以上の討滅分隊に対し、重要拠点や重要作戦目標の確保という任務を課し、孤立した場所、もしくは近づき難い地点を迅速に占領するため、固定式テレポーターを使って討滅分隊を展開させる。
一端適所についてそこを確保すると、討滅分隊は後続部隊を支援するために、ストームボルターやサイキャノンによる支援射撃を繰り出すことが可能だ。なお、討滅分隊を重要拠点から撤退させようと考える敵に一つ助言を与えるならば、テレポートを使ってでの反撃や空挺作戦を試みるよりも、地道に戦力を前進させることによって討滅分隊を後退させたほうが、遥かに効果的である。
なぜなら、グレイナイト戦団の討滅分隊は、「歪みの振動」(ワープクェイク)というサイキックパワーを解き放ち、敵の誘導システムを混乱させ、テレポート攻撃部隊や空挺部隊の到着地点を大幅に狂わせてしまうのだ。



画像出典:コデックス「グレイナイト8版」(codex:GreyKnights) P41イラストより


  • 「インターセプター・スカッド」(迎撃者分隊)


【概要】
迎撃者分隊は、バックパックと同等サイズの個人用瞬間移動装置、「パーソナル・テレポーター」を装備しており、大掛かりな固定式テレポート装置を配備しなくとも、ある地点から別の地点へと容易くテレポート移動が可能だ。パーソナル・テレポーターを装備するグレイナイトは、戦況に応じて迅速に行動できるほか、〈歪み空間〉(ワープスペース)という名の脇道を使用して、非常に長い直線距離でも一瞬にして移動が可能だ。
〈帝国〉に奉仕する戦士たちの中でも、そのような技術を活用できるのは、グレイナイトたちだけだ。これを装備する者は、「ゲラー・フィールド」と呼ばれる防御エネルギーによってその身が保護されることなく、〈歪み空間〉を行き来しなければならないので、不屈の精神と屈強なる肉体の持ち主でなければ、パーソナル・テレポーターを使いこなすことはできない。
本来、〈歪み空間〉を通行するにはゲラー・フィールドが必須であり、この防御エネルギーによって宇宙船がワープ航法を使用したり、常人がテレポートを使用することができ、〈歪み〉がもたらす汚染から保護してくれるのだ。加えて、パーソナル・テレポーターを装備するグレイナイトは、「ターミネイター・アーマー」(滅殺者装甲服)に身を包む事もできないため、防御面でもいささか不安を抱えてしまう。
また、ターミネイター・アーマーを装着するには専用の肉体改造を行わなければならず、兵士の質量がかさばり過ぎてパーソナル・テレポーターの使用限界を超えてしまうからである。したがって、迎撃者分隊は、〈歪み〉がもたらす危険な汚染から身を守るために、何よりもまず自らの妖術に依存しなけばならないのだ。



画像出典:コデックス「グレイナイト8版」(codex:GreyKnights) P42イラストより


  • 「パーゲイション・スカッド」(断罪分隊)


【概要】
グレイナイト戦団の断罪分隊は、その名の通り、断罪の炎を放つ事によってあらゆる罪穢れを浄化する分隊だ。汚物は消毒だ!各断罪分隊は、複数の重火器を携行している。
一個の断罪分隊は、最大で四個まで、グレイナイト戦団の誇る強力な重火器を携行できるのだ。断罪分隊は、スペースマリーン戦団の「撃滅分隊」(ディヴァステイター・スカッド)に比べて外見的には大きな違いはない。
しかし、その戦闘教条を比較すると、断罪分隊と撃滅分隊の間には明確な差異が存在する。ほとんどのスペースマリーン戦団では、新規に入った同胞を「斥候分隊」(スカウト・スカッド)から撃滅分隊に配属させて、その任務に就かせて戦場とはどういったものかを経験させる良い機会であるとしている。
だが、グレイナイト戦団の断罪分隊にこの理由は当てはまらない。断罪分隊が携える武器は、撃滅分隊に配備されている武器と比較して二倍もの威力を誇り、また何百倍も希少であり、さらに一万倍もの価値がある代物があるからである。ゆで理論計算式かな?
それ故、断罪分隊に所属する者たちは、何らかの形で他の同胞たちよりも優れた能力と意志力を持つことが証明できた者たちなのだ。これに加え、撃滅分隊の場合、効果的に火力支援が行えるように、絶好の射撃ポジションを探しながら主力攻撃部隊の後方を前進してゆくが、断罪分隊は、主力攻撃部隊と足並み揃えて前進しながら、適切な攻撃目標を次々と排除してゆくことが要求される。
【揺ぎ無い精密さ】
グレイナイトたちは「正確無比なる火力支援こそが、戦闘の趨勢を決める」ことをよく認識している。つまり断罪分隊の一員となった同胞は、不屈の信念と精神力を備えているだけでなく、常に揺ぎ無い姿勢で武器を構え、標的を狙い損ねることの無い鋭い目を持つ者たちなのだ。
しかし時には、標的を正確に狙えるという事だけでは不十分な場面もある。グレイナイト戦団は、人数的にかなりの劣勢を強いられた状況で戦わなければならない場合が多い。
そして、劣勢下で戦う兵士というものは、一瞬でも注意が他所へと向けられれば最後、たちまち敵の人数に圧倒されてしまうものだからだ。それ故、断罪分隊に配属された同胞は、自分と攻撃目標の間にいかなる障害物が横たわっていようとも、〈歪み〉という名の異世界で発生する荒々しきエネルギー越しに敵を見抜き、攻撃目標に射撃を命中させて射貫くための訓練を重ねている。
このような超自然的視覚は、常人からすれば一見不可能な射撃すらも可能にする。彼らは射出された弾道やエネルギー光線をねじ曲げることで、木々の間や防衛施設の背後に身を隠した敵にさえ、正確無比な射撃を試みる事が可能なのだ。
ロックリートの防壁や、焼け落ちた戦車の車体を盾にして、自分たちは安全だと信じていた敵は、断罪分隊の射撃を受け、あっという間に血みどろの終焉を迎える。この世の防御物では、断罪分隊の猛攻を完全に食い止める事は出来ない。
そのような意味で、断罪分隊こそは、皇帝の意志を最も正確に体現する者のひとりだと言えるだろう。
【断罪者としての聖務】
ひとたび断罪分隊への配属が決定すると、そのメンバーが戦団内の異なる分隊に所属して奉仕する事は稀である。ひとたび遠距離からの戦闘方法を極めた場合、それを放棄して新たに白兵戦の戦術を習得する事は、決して容易くはないのだ。
実際、断罪分隊にかつて所属していた騎士団長や騎士団支隊長は、断罪分隊を離れても、「サイキャノン」やサイレンサーを装備し続けるため、その装備や外見から元所属者であることが簡単に見分けることができる。遥か昔から、これら断罪分隊で使用していた武器が自分の腕であったかのように、すでに自らの体の一部となってしまっているのだ。
彼らが最終的に司令官となり、己の重火器を捨ててストームボルターを装備する事になったとしても、彼が〈帝国〉における最高の射撃手の一人であることに変わりはない。断罪者として身に着けた射撃技術は、決して失われる事は無いのだ。



画像出典:コデックス「グレイナイト8版」(codex:GreyKnights) P43イラストより


  • 「パラディン・スカッド」(聖騎士分隊)


【概要】
グレイナイト戦団は「戦争によって優れた兵が生まれる。」とは信じておらず、「初めから優れた資質を持つ兵の闘志を、さらに鍛え上げるのが戦争なのだ。」と考えている。それ故、あるグレイナイトの同胞が「聖騎士」として相応しいかどうかを証明するのには、武勇と技能だけでは不十分である。
グレイナイトは、八つの探求(クエスト)を達成する事で、己の人格と大義を確立しなければならないのだ。
【過酷な聖騎士への道】
まずパラディン候補である「志願者」(アスピラント)は、衛星タイタンにあるアナーク山の地下にある洞窟の中で、正気を失うことなく一昼夜を過ごさねばならない。これを耐えた者は、戦団の〈至聖の間〉に鎖でつながれた恐るべき書物「アッビアラーク」に宿る眠ること無き邪悪と、自らの意志力を対決させることとなるだろう。
この二つの探求によって、志願者の精神力が試された事になる。次に、彼は戦士としての能力を証明せねばならない。
続いて志願者は、呪わしきタイタンの月である「テティス」にある“ランセルの墓”へと巡礼する。しかも志願者には、そこに潜む〈歪み〉の獣どもから身を守るための鎧が着用されることが許されないのだ。
志願者はここで、渾沌の神に従える四種の悪魔の御使い(ヘラルド)を倒す術を探し求め、それを実行し、勝利の証明として、各御使いの角か牙を持ち帰らねばならない。この後、さらに四つの探求が続いてゆくが、そのどれもが、前回の探求よりもさらに厳しいものだ。
そして最後の探求は、彼がこれまでに達成した探求よりも、遥かに困難なものとなる。聖騎士の候補者は、ネメシス・フォースウェポンと、鋼の書から知り得た悪魔の〈真名〉だけを頼りに、人間界で知られている最も強大なる666もの悪魔の一つを追い詰めて捕まえ、追放しなければならないのだ。
これを成し遂げられた時のみ、志願者は聖騎士の位階に登ることができるのである。
【気高き聖騎士の資質】
これらの探求には、凄まじい危険が付きまとう。ゆえに、最も剛胆なるグレイナイトのみが聖騎士になれるという事実は、何ら不思議ではない。
とはいえ、志願者が探求を途中で放棄するという事は、非常にまれである。探求の試練を放棄するという事は、由々しき不名誉を被る事になるからだ。
確かに聖騎士としての探求には高い犠牲が伴うが、だからこそタイタンの〈英雄の間〉には、〈帝国〉の中で最も高潔で気高い戦士達が残ることとなる。志願者が探求を達成し、勝利の祝宴の夜が終わると、新たに聖騎士となった者は、騎士団支隊を去り、神聖なる〈英雄の間〉にその籍をおくことが許される。
聖騎士へと昇格した瞬間から、どの聖騎士も、己の戦団に奉仕する義務があるのはもちろんのこと、近衛にして代理戦士にして助言者として、騎士団長の一人に仕える事になるのだ。従って戦場では、激戦区域や危険区域へと優先して聖騎士が投入されることになる。



画像出典:コデックス「グレイナイト8版」(codex:GreyKnights) P30イラストより


  • 「ピュリファイアー」(浄化者)


【概要】
グレイナイトの戦士としての理想を体現しているのが聖騎士であるように、戦団の神聖なる務めの体現者となっているのが、浄化者だ。浄化者は、狷介でかつ緘黙であり、彼らの瞳には教信者じみた黒い炎が燃えている。
グレイナイトが浄化者の位階に就くために必要な訓練課程や明確な条件は、規定されていない。また、他の同胞とは異なる部署である「浄化者騎士団」(ピュリファイアー・オーダー)の一員となる資格は、同胞の持つ技量や武勇、ましてや血濡れの功績によって与えられるわけではないのだ。
事実、優れた能力を持つグレイナイトは、数々の功績をあげながら何世紀にも渡って果てしなく戦団に奉仕することができるが、浄化者になるという究極の栄誉を授かることはないかもしれない。能力もさることながら、グレイナイト戦団の厳格な基準に照らし合わせてもなお厳しい水準で、全く堕落を許さぬ高潔な心と、〈歪み〉の誘惑に完全に抵抗できる精神を持つと認められた同胞だけが、新たな浄化者として迎えられるのだ。
浄化者の選考基準はかくも厳しく、その人数が数十人を超える事は滅多にない。ただ、浄化者の任命に関する制限を緩和するという考えが持ち上がったことは、今まで一切ない。
敷居を下げる事で、浄化者騎士団の神聖さが少しでも損なわれることがあってはならないからだ。
【禁断の区域】
浄化者たちは、その成り立ちと踏襲する伝統からして、他の同胞たちとは明らかに一線を画しており、ゆえに他のグレイナイトとは全く別の騎士団に所属している。〈純潔の間〉が、グレイナイト要塞院の地下深く、アナーク山の謎に包まれた古の地下室の入り口にあるのは、そこに潜む邪悪に対して浄化者による護りをより確実なものとするためだ。
これらの区域へと自由に立ち入りできるのは、グレイナイト戦団の騎士団長たちのみである。この規則があるため、グレイナイト戦団の「新修士」(ネオファイト)たちにとって、これらの立ち入り禁止区域は伝統的に、自らの好奇心を試される場所となってきた。
この好奇心に屈した新修士の中には、浄化者によって厳しく叩きのめされた後で、階上にある間に戻ってくる幸運な者たちもいる。浄化者たちの領域には何らかの秘密が存在しており、それを守るためならば、彼らはグレイナイトの同胞さえも信頼する事は無いのだ。
むろん、これらの区域に足を踏み入れようと試みた者たちの中には、二度と戻ってこれない者たちもいる。彼らがどうなってしまったのかは、全くの謎となっている。
【少数精鋭部隊】
浄化者の人数は極めて少数ではあるが、幸いにも聖務を遂行するにあたって人数が少なすぎるという事態に陥ったことは今まで一度もないという。これが運命のいたずらであるのか、何らかの高次の力が働いたのか、それを明言する事は不可能だろう。
ある意味において、無数の悪魔と戦い、勝利の灯火を護り続ける、ほんの一握りの高潔なる戦士たちが存在する事は、この世界の道理なのかもしれない。この暗黒の時代に、最も過酷な戦団の“槍の穂先”(スピアヘッド)を担わねばならぬ浄化者たちにとって、この不可思議な事実は大した慰めにもならぬだろう。
しかし、全てのグレイナイトと同じく、浄化者たちにとっても、己が生き残れるかどうかよりも、聖務を達成する事の方が遥かに重要なのだ。
【穢れ無きサイキックパワー】
浄化者は皆、一点の曇りもない強き精神力の持ち主である。そしてこの精神力こそは、彼らの持つ最大の武器でもあるのだ。
グレイナイトが持つ並外れたサイキックパワーの力と組み合わされた時、浄化者たちの神聖なる心と精神は、浄化をもたらす紺碧の炎へと変わり、身体だけではなく、その中に眠る魂をも燃やし尽くしてしまうだろう。この攻撃に耐えられる生物は、ほとんど存在しない。
あらゆる生物は、心に何らかの邪を、ちょっとした卑しさであれ、冷酷な悪意であれを抱いているものであり、こういった邪な考えが、浄化の炎を増幅させるのだ。光り輝く火花が、止めようのない炎になり、浄化者以外の誰も、この猛火の中を何の傷も受ける事なく通り過ぎる事は出来ず、雪花石膏色の鎧を身に纏う浄化者は、黒く焼けた敵を刃で屠っていくのである。



画像出典:コデックス「グレイナイト8版」(codex:GreyKnights) P33イラストより


  • 「ブラザーフッド・テックマリーン」(技術官)


【概要】
グレイナイト戦団が用いる全武器、全兵器の製造から修理を一手に引き受けるのが、最高の技術を擁した戦士鍛冶(ウォリアースミス)、すなわち技術官である。彼らの骨身を惜しまぬ働きにより、来るべき戦闘に向けて装甲服が整えられ、宇宙艦艇が星間飛行に備えて整備され、ドレッドノートが眠りから覚まされ、銀と鉄からネメシス・フォースウェポンが鍛冶されるのだ。
新たな技術官に任命された者は、宇宙船に乗って〈赤き惑星〉と呼ばれし「火星」(マーズ)に向かい、そこで技術官としての訓練を受ける事になる。見習いを示す銀の印象をつけると、〈赤き惑星〉の地下深くに隠された工業惑星へと足を踏み入れるという。
ここで彼らは、門外不出と言われる帝国技術局の古の知識にその身を浸すこととなり、技術官に求められる科学技術を習得する。数ある工業惑星の中でも名門であり、帝国技術局の本拠地である火星で技術官の見習いは、機械教団の神秘的なる数々の技術を会得してゆくと同時に、その身もサイボーグとして貧弱な生身の身体を機械に置き換えてゆく。
ここで習得した技術を用いれば、損傷を受けた兵器に対し、常人から見れば奇跡としか思えない数々の業を使いこなせるのだ。技術官は、兵器が受けた損傷をことごとく修復できると言われている。
ちょっとした武器の故障であれば、彼らは指先で軽く触れるだけで修理できるし、適切な施設で時間をかけて修理を行えば、大破した車両も、完全に修理するとが可能だ。
【孤独のマリーン】
火星からタイタンに戻った技術官は、他の同胞とは距離を置いた存在となる。これは、火星で「機械崇拝」(カルト・メカニカス)の教えや訓練を長期間教え込まれ、帝国技術局の伝統と儀式を身に着けたためと言われている。
彼らが教えられた帝国技術局の教条と、グレイナイトの教条で完全に一致するものはほとんどない。帝国技術局の教条はグレイナイト戦団の目標と多くの点で矛盾している。
このことから、技術官は帝国技術局とグレイナイト戦団の相反する二つの教条に板挟みになりながらも、二つの教条をうまく消化していくことが求められている。例を挙げると、戦団の理想と目的のための行動するが、その方法は帝国技術局のやり方で奉仕するといったようにする。
【戦火の兵器職人】
彼らは普段は、タイタンに常設されている鋳造所や兵器製造工場で聖務に励む。しかし、時には彼らも戦場に投入されることも珍しくない。
技術官の優れた能力を活かし、彼らは戦場での過酷な環境下でも、修理困難な兵器以外の戦闘車両などの兵器を修理する事が可能だ。たとえ銃弾が飛び交う中でも、損傷を受けた兵器の隣に独りかがみこんんで、技術官はひたすら修理に専念する。
一見すると、戦場の中で隙を晒している技術官は格好の獲物と思われがちだが、実際は全く違う。修理に専念する技術官に近付こうとした敵は、装備している切断機や溶接機、サーボアームなどの修理用器具で敵を易々と屠っていくという。



画像出典:コデックス「グレイナイト8版」(codex:GreyKnights) P44イラストより


  • 「ブラザーフッド・チャプレイン」(教戒官)


【概要】
教戒官はスペースマリーン戦団にとっての精神的指導者である。グレイナイトにおいて教戒官は聖別と軽蔑のサイキック的な祈りを執り行い、同胞たちに皇帝陛下の御言葉を伝える。
彼は普段、〈英雄の間〉にて同胞たちに祈祷の儀式を行い、精神的な純潔を保つように努める。また教戒官は新たな「志願者」(アスピラント)を迎え入れ、彼らを訓練を監督すると同時に精神的な指導を行い、熱心な新兵に戦団の典礼や厳格さを叩き込む。
更に教戒官は志願者の規律も同時に監督しており、皇帝陛下への献身に対して疑問を抱いたり決意が揺らいだりした者に対して、致命的な厳罰を与える。戦団に所属する同胞たちの純潔を保証する上で、教戒官以上の権限を持つのはグレイナイト内でも至高騎士団長ただ一人に他ならない。
数ある同胞たちから教戒官となれるのは、聖騎士の中で最も精神的に純潔を保っている者だけで、戦場においては恐るべき戦士としての戦闘能力を有するのだ。
【規律の番人】
戦場において教戒官は、〈戦闘者〉もといスペースマリーンとしての神聖な任務を体現する同胞たちの模範を体現している。彼らはグレイナイト内の精神的な規律を保ち、周囲の同胞が精神的な守りを崩してディーモンの餌食になる事を防止する。
グレイナイト戦団の教戒官は共に戦う同胞たちと精神的な繋がりを持ち、祈祷が中断されることを防ぐ。彼の発現する一言一句がグレイナイトにおける目的の神聖さを示し、彼の唱える一節一節が皇帝陛下から賜った贈り物となり、彼の周囲にいる同胞たちにとっては装備している武器と同様に不可欠なものとなっている。
教戒官から発せられた神聖なる格言が彼らを勇気づけ、同胞たちは強大な敵へと立ち向かうことができるのだ。この精神と魂の連携は、グレイナイトに立ちはだかる仇敵にとって大きな脅威となるだろう。



画像出典:コデックス「グレイナイト8版」(codex:GreyKnights) P31イラストより


  • 「ブラザーフッド・アポセカリー」(医術官)


【概要】
スペースマリーン戦団における衛生兵。他の戦団の医術官と同様、グレイナイトでも倒れた同胞の治療と遺伝種子(ジーンシード)の回収を行う。
グレイナイトが医術官に就任するのに十分な視覚があると判断された場合、彼らは高度な識別救急の訓練を受け、現職の医術官が採取した遺伝種子を用いた新しいグレイナイトの同胞を生み出すための神聖なる儀式を習得する。他戦団の医術官とは異なり、グレイナイトの医術官は全ての超人器官に対して一連の聖別を行い、〈歪み〉の脅威に対抗するための永続的な結界を生成する事を学ぶ。
【医術官に託されし戦団の未来】
医術官が戦場へと赴くような場合、医術官の護衛は聖騎士分隊に託される。というのも、医術官は戦団の未来にとって、極めて重要な任務を背負う者たちだからだ。
戦場に倒れた同胞を看取るのは医術官の役目であり、彼らは「ナーゼシウム」と呼ばれる装置を使用して傷を治療したり、治療の施しようがない場合は「リダクター」と呼ばれる装置で、負傷した同胞から貴重なる「遺伝種子」(ジーンシード)が蓄えられた器官、すなわち「プロゲノイド線」を摘出する。医術官無しでは、グレイナイト戦団の遺伝子情報は継承されず、荒廃した廃墟の中に埋もれて、失われてしまうだろう。
遺伝種子が無ければ新たなグレイナイト戦団の同胞を生み出すことができず、そうなれば戦団は何十年もしないうちに消滅へと至る。よって医術官たちは、戦団が提供し得る最高の保護を、受けるべうして受ける事となるのだ。



画像出典:コデックス「グレイナイト8版」(codex:GreyKnights) P37イラストより


  • 「ブラザーフッド・エインシェント」(騎士団旗手)


【概要】
グレイナイトの旗持ちである騎士団旗手は、崇高なる英雄的偉業が描かれた旗を高々と戦場に掲げ、同胞たちに英雄の武勇伝を思い起こさせて戦意を奮い立たせる。無私なる同胞の英雄的偉業は、聖なる戦旗に描かれることによって記録され、讃えられる。
これらの穢れ無き戦旗は時に騎士団旗手によって戦場へと運ばれる。彼らは戦意を鼓舞するこの至宝を命を懸けて守り抜き、旗を高々と掲げて戦団の威厳と誇りを敵味方に示す。
戦旗の中には悪魔の追放を描いたものもあり、近くで戦う同胞たちの戦意を大いに掻き立てるのだ。
【パラディン・エインシェント(聖旗手)】
聖騎士版の騎士団旗手。名誉の騎士にして信頼篤き助言者でもある聖旗手は、戦団の聖なる戦旗の護り手たちの中でも最も高い尊敬を受けている。
聖旗手は彫刻の施された滅殺装甲服を身に着け、グレイナイトの戦団旗の一つを掲げて戦場へと赴く。そしてその御旗に描かれし戦いの多くは、彼が自ら加わった戦いなのである。



画像出典:コデックス「グレイナイト8版」(codex:GreyKnights) P53写真より


  • 「サーヴィター」(機械化奉仕者)


【概要】
〈帝国〉で一般的に用いられるサイボーグ奴隷。戦団の労働者や入団に満たなかった志願者、かつての協力者だったものが、いずれも機械強化とサイボーグ手術を受けて今の姿となった。
多くの者は腕をサーボアームや重火器に置き換えられており、主たる技術官が修復作業を行っている間にこれを護衛したり補助するために用いられている。過酷な精神消去工程により、どのサーヴィターも自らが見聞きしたことを語る事は無い。



画像出典:コデックス「スペースマリーン5版」(codex:SpaceMarines) P72イラストより


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ウォーギア(武器)と防具

「鎧われし履帯によって我らは敵を砕き、空より敵を掌握する。敵の数が如何ほどであろうとも、敵が如何なる地にて蔓延っていようとも、我らは必ずやそれを見つけ出し、殲滅するのだ。」



画像出典:コデックス「グレイナイト5版」(codex:GreyKnights) P59イラストより


【概要】
グレイナイトは数多くの特殊な武具が用意されており、悪魔狩りの名に相応しき装備を整える事が可能だ。おお、驚嘆すべきは彼らの振るう戦争の祭具の強大さよ!
第42千年紀(西暦41000年)を迎えた現在でさえ、グレイナイト戦団が誇る最先端かつ強力な科学兵器の数々に匹敵する装備は〈帝国〉内の他のいかなる軍も保有していない類のものだ。これらの多くは、「帝国技術局」(アデプトゥス・メカニカス)と彼らの間に存在する古の盟約の産物である。
しかし、それだけではない。悪魔の侵攻が人類に限らず、この銀河系に生きる異種族(ゼノ)にとっても極めて大きな脅威になってきている現在において、グレイナイト戦団は特定の異種族の一派との間で、同盟関係さえ結んでいる。
むろん、それは永続的な友好関係ではなく、彼らは相手が異種族であるという事実を度外視し、共通の敵である渾沌に対抗するための、一時的な共闘姿勢を築いているに過ぎないのである。しかし、これらの同盟関係は科学技術の提供をももたらし、その成果は、口先だけの友好関係よりも間違いなく実りあるものだ。
これによってひとたび得た科学技術の遺産は、それを発明した異種族との同盟関係よりも、はるかに長期間にわたってグレイナイト戦団の武器となるからである。


【ネメシス・フォースウェポン】
ネメシス・フォースウェポンは、グレイナイトが用いるフォースウェポンの一種だ。剣、斧、ハルバード、メイス、ハンマーなどの形状をしており、ディーモンに強烈な一撃を与える。
ネメシス・フォースウェポンにはその一つ一つが鉄、銀、所有者固有の精神に同調する「結晶マトリックス」や精神回路が集約された神秘的な鍛造品なのだ。武器自体の威力は使用者のサイキック・タレントに直接対応し、己の意志に適応した強い力を放つ。
これらのネメシス・フォースウェポンは戦団の技術官によって造られ、多様な形態に富み、それぞれが独特な性質を秘めている。また、奉納の儀式は使い手と武器とを結びつけ、この繋がりを通じてグレイナイトは異能の力を発揮する。
所持者の超常的な力は、武器に刻まれた、ディーモンを屠る古代のルーンを内なる神聖な焔で輝かせ、武器の「ディスラプター・フィールド」の力をさらに増加させる。何年もの戦いを経て、グレイナイトのネメシス・フォースウェポンは、主が斃れた後もその精神の一部をその切っ先に永い間宿らせ、戦団の名誉ある古代兵器として活躍する。


  • 「ネメシス・フォースソード」

最も一般的なタイプのネメシス・フォースウェポン。グレイナイトが活用する“魔術的な力”と“科学”が融合した武器と言えよう。
銀の破片が混じった強化鉄の刃には、悪魔殺しを意味する古のルーンが彫られているという。このように刃は原始的な素材が使用されている一方で、この剣の柄には高度なパワーフィールド発生器が内蔵され、剣の威力を向上させている。


  • 「ネメシス・グレイトソード」

ネメシス・ドレッドナイトが扱う大型の両刃剣。かなりの重量があり、常人が独力で持ち上げて扱う事は出来ない。


  • 「ネメシス・ディーモンハンマー」

ディーモンに鉄槌を下すべく異端審問庁の〈鉄槌の団〉(オルド・マレウス)が作り上げたハンマー。ネメシス・ディーモンハンマーは、より伝統的なスペースマリーンの武器である「サンダーハンマー」の痛烈な威力と、破壊の魔法を組み合わせた武器である。
このハンマーの破壊力に耐えれるものはほとんどいないという。


  • 「ネメシス・ディーモングレイトハンマー」

ネメシス・ドレッドナイトが扱う大型の鉄槌。


  • 「ネメシス・ドゥームフィスト」

グレイナイトのドレッドノートに装備されているパワーフィストの一種。ネメシス回路によって性能が向上し、恐るべき威力をもたらす。


  • 「ネメシス・ファルシオン」

ネメシス・フォースソードの小型版で、常に左右一対の二刀流で装備される。ネメシス・ファルシオンはネメシス・フォースソードを短くし、刃の形状は緩やかな曲線状になっている。
武器に内蔵された「単繊維回路」(モノフィラメント・サーキット)を作動させれば、グレイナイトは驚くべき速さで攻撃を繰り出せることができ、通常での一回あたりの攻撃時間に複数回攻撃を行うことができるのだ。


  • 「ネメシス・フォースハルバード」

アダマンチウム鋼の長い柄の上に、鉄と銀の刃が取り付けられた薙刀。刃の攻撃範囲が広く、自身が敵武器の間合いに入る前に敵を攻撃できるため、グレイナイトにとって有益な武器となる。


  • 「ネメシス・ワーディングステイヴ」

護りの杖の意味を持つネメシス・フォースウェポン。その名の通り、攻撃よりも防御に優れている。
杖の柄にあるへこみには、「リフラクター・フィールド発生器」がいくつか内蔵されており、使用者はサイキックエネルギーをここで充填する事を可能とする。リフラクター・フィールドが起動すれば、使用者の周囲に防御的なサイキックエネルギーが展開され、敵の攻撃を弾き返す。


  • 「タイタンソード」

至高騎士団長カルドール・ドライゴが持つネメシス・フォースソード。その起源は〈統一戦争〉に遡り、人類の皇帝がある将軍のために鋳造してその剣を授け、剣に宿った力を解放するための精神を教えたと言われている。
その後、剣は将軍の盟友へと手渡され、〈大征戦〉の激戦でその猛威を振るった。〈ホルスの大逆〉が終結し、皇帝の側近マルカドールがグレイナイト戦団に遺した遺物の中に皇帝の鍛え上げた剣があった。
初代至高騎士団長であるヤヌスはその剣をタイタンソードと名付け、それ以来グレイナイト戦団では新しい至高騎士団長が抜擢された際に、その者がタイタンソードに誓いを立てて振るうようになったのだ。ドライゴも伝統に倣ってタイタンソードを振るって数々の戦いを繰り広げてきたが、ディーモンプリンスのム=カールにその剣を折られてしまった。
ドライゴはその後〈渾沌の領域〉へ転移してしまう。そこでドライゴは「コーン神の領土」で、「上級悪魔」(グレーターディーモン)の「ブラッドサースター」である「カル=ヴォス」を屠り、悪魔が持っていた巨大な斧を奪ってしまう。
その斧から渾沌の穢れを取り除いて融解し、タイタンソードを再び鍛え上げて修復したのである。


  • 「白銀の聖槌」(マレウス・アレギュルム)

第三騎士団の騎士団長ヴォルス・モルドラックが振るうネメシス・ディーモンハンマー。この武器は盲目の武器職人「フリュイヴェール」によって、一世紀かけて鍛え上げられたものだ。
ヴォルドゥスがこの武器の中核に自らのサイキックパワーを注ぎ込む時、このハンマーはうなりをあげて打ち震える。騎士団長はこの武器がまるで重さを持たぬかのように振り回すと、雷撃の威力を込めて敵に一撃をたたきつける。


【近接武器】

  • 「デジタルウェポン」

アーマーの指先部分、「機械義体」(バイオニック・インプラント)、ガントレットの手甲部などに内蔵された小型レーザー発射装置。小型ゆえにレーザー出力は弱く、射撃武器としては実用的ではない。
だが、白兵戦では、敵がこちらの主武器を薙ぎ払った隙をついて、敵の弱点に対して致命的なレーザー攻撃を至近距離から加えるといった使い方もできる。このような使用法ゆえに、デジタルウェポンの使用者は“信用ならぬ者”、“不名誉な者”と見なされることもある。


  • 「クロジウス・アルカヌム」

「チャプレイン」(教戒官)が持つ儀礼杖の打撃武器。雷のような音を立てる妨害フィールドをまとった神秘の杖は、教戒官の地位の象徴でもある。
教戒官は通常、杖を戦棍のように使って、高々と掲げては振り下ろして敵の防御を打ち破り、ひざまずかせる。武器には骸骨や双翼がデザインされていることが多い。


  • 「万機神のパワーアックス」

万機神の忠実なる僕でもある技術官が持つパワーアックス。カルト・メカニカスの聖なる象徴でもある万機神のパワーアックスは、戦いを通じて万機神への信仰を示した信者に賜るものである。
この恐るべきパワーウェポンは上位の信徒から技術司祭にのみ贈られる。武器には歯車を彷彿させるノコギリ刃を備え、神聖なる方程式が刻まれている。
最高級の素材で鍛えられ、焼き戻しやフィールド生成による秘伝の業によって武器が製造される。万機神の信徒にとって、万機神のパワーアックスを持つ者は最高に祝福された存在として見なされており、戦場における万機神の化身として激しく戦うという。


  • 「サーボアーム」

技術官のバックパックに取り付けられた拡張腕。戦場で損傷した車両の修理や、接近戦用の武器として使用したりと多彩な用途を持つ。


【射撃武器】

  • 「アサルトキャノン」

ガトリング式のバレルを高速回転させ、聖なる弾丸を嵐の如くの発射速度で敵に浴びせかける。射出される弾丸一発ですら、人間一人を肉塊へと変えるだけの威力を持つ。
また、猛烈な速度で発射されるアサルトキャノンの弾丸は、いかなる重装甲さえも貫き通す。その圧倒的な貫通力と連射力を活かし、対歩兵のみならず対物用途にも使用可能。


  • 「インシネレイター」

特殊な火炎放射器。戦団の武具庫に収められた数ある武器の中で、インシネレイターがグレイナイトの主力武器となっているのは、グレイナイトの多くが「炎による浄化こそが最良の武器」と考えているからだ。
インシネレイターは「ヘヴィフレイマー」の改良型であるが、サイキックエネルギーが封入されたプロメチウムを燃料として内蔵できるよう、火炎放射器と格納容器に対しては大幅な改良が加えられている。引き金を引くと、光り輝く蒼い炎が噴出し、通常の火炎よりも更に高い温度で焼き尽くすのだ。


  • 「サイフレイム弾」

この弾丸を使用する事で、比較的単純な方法でインシネレイターに使用されているのと同じサイキックエネルギーが込められたプロメチウム火炎を、通常のフレイマーウェポンでも使用できるようになる。


  • 「衛星軌道砲撃誘導装置」

グレイナイト戦団の艦艇であれ、他のスペースマリーン戦団の同盟艦隊であれ、あるいは「帝国宇宙軍」(インペリアルネイビー)であれ、グレイナイトらが惑星の衛星軌道上に待機する宇宙艦艇の支援なしに戦うことは極めて稀だ。敵に正確無比な「衛星軌道砲撃」(オービタル・ストライク)を浴びせるため、グレイナイトらは衛星軌道砲撃誘導装置を携行し、目標座標データを艦隊へと送信するのだ。


  • 「オートキャノン」

大型の炸裂弾を射出する大口径砲。二連装オートキャノンとして、グレイナイト戦団のドレッドノートに搭載される。
多くの場合、機体に「サイボルト弾」が装填されており、グレーターディーモンや、大部分の装甲車両に対して、大きな効果が期待できる。


  • 「コンバージョン・ビーマー」

〈ホルスの大逆〉以前に開発された、極めて希少価値の高い旧時代の遺産。この装置からは強力なエネルギー・バーストが発射され、攻撃目標に対して素粒子反応を引き起こす。
直撃を受けた敵は、全質量を純粋なエネルギーへと変換されてしまい、消滅してしまうのだ。この装置には、目標が遠ければ遠いほどビームの威力が増すという奇妙な特性を持つ。
ビームの貫通力や爆発の潜在性を高めるためには、目標に到達するために、ある程度の距離と時間が必要だからだ。


  • 「ボルトガン」

〈帝国〉の上位軍事組織に配備されている重火器で、75口径の推進式爆発弾頭「ボルト弾」を発射する。標的に貫通したボルト弾は内部で爆発し、敵を肉塊へと変えてしまう。
ボルトガンをはじめとしたボルタ―は製造コストも高く、スペースマリーンやバトルシスターといった上位の軍事組織にしか配備されていない。またボルタ―は反動(リコイル)が大きいために、パワーアーマーを着装していない一般人には扱うことが難しい。


  • 「コンビ・ウェポン」

コンビ・ウェポンとは、熟練職工によって改造された特殊なボルトガンで、ボルトガンの銃身に別種類の銃火器が組み込まれている。ボルトガンとしても使用できる他、「メルタガン」、「プラズマガン」、「フレイマー」といった武器を組み込んで使用することができる。
ただし組み込まれた武器は弾倉スペースが限られているため、たった一発しか発射できない欠点を持っている。このため、通常はボルトガンを使用し、緊急事態にのみ組み込まれた銃火器を使用するのが一般的な運用法である。


  • 「サイキャノン」

ボルト弾を撃ち出す銃火器「ボルタ―」の一種で、「ボルトガン」をベースにサイキック的な機能を持たせている。サイキックエネルギーを込めたボルト弾を発射し、異能者やディーモン及び、ディーモンに憑依された者らの精神と肉体に壊滅的なダメージを与える。
ほとんどのサイキャノンは比較的小型であり、1人のグレイナイトでもこれを装備する事が可能だ。第41千年紀(西暦40000年代)の末期において、現存するサイキャノンはごくわずかで現存数が少ない。
〈技術の暗黒時代〉(西暦14000年~西暦24000年)以来、多くのサイキャノンが失われ、破壊されてしまった。その上、〈帝国〉は、サイキャノン製造の秘密さえも消失してしまったのだ。
これらの長き時代に生き延びてきたサイキャノンは今、グレイナイト戦団の保護下にあり、重宝されている。人類の守護者たちの中で、唯一グレイナイトのみが、サイキックエネルギーが充填されたサイキャノンの弾を発射させる精神力と意志力を兼ね備えているからだ。


  • 「ヘヴィサイキャノン」

サイキャノンの大型版。グレイナイト戦団ではかなり少数であるが、ヘヴィサイキャノンを所有している。
ヘヴィサイキャノンは極めて恐ろしい破壊力を秘めたボルタ―であるが、その大きさと威力ゆえに「ネメシス・ドレッドナイト」にしか装備できないのである。


  • 「ストームボルタ―」

二挺のボルトガンを横に連結させた形状のボルター。通常のストームボルタ―は片手で持って使用する銃火器だが、グレイナイト戦団で使用されるストームボルタ―はアーマーの腕部に組み込まれている。
これは、ネメシス・フォースウェポンを両腕で扱えるようにするためである。またストームボルタ―は通常のボルトガンとは異なり、突撃中に発射しても走る勢いを衰えさせずに、かつ装備者が白兵戦へなだれ込む間も、的確な火力を攻撃目標に対して叩き込むことができる。


  • 「旋回銃座搭載型(ピントルマウント)ストームボルタ―」

装甲車両用のストームボルタ―で、銃座に座って敵を蜂の巣にするほどの弾丸を撃ち出す。


  • 「ハリケーンボルタ―」

ツインリンク・ボルトガンをさらに三連装にしたボルタ―で、極めて強力な連射武器として活躍する。


  • 「サイボルト弾」

戦乱を銀で覆われ、さらにサイキックエネルギーが充填されたボルタ―専用のボルト弾。主にストームボルタ―などの銃火器に使用される。
このボルト弾を使用して射撃すると、各弾丸にグレイナイト自身のサイキックパワーが充填され、不気味な蒼い光を伴って輝き、通常の弾丸と比較して高い威力を叩き出すことができる。サイボルト弾の製造は困難であり、またそれを撃ち出す銃火器そのものの消耗も激しい。
だが、銃火器そのものに特殊な改造を加える事なく使用できるため、サイボルト弾が供給されれば、比較的単純な方法で標準型武器の威力を強化する事が可能だ。


  • 「サイレンサー」

サイレンサーは、射手自身のサイキックパワーを収束させ増幅して打ち出す射撃武器だ。サイレンサーには、引き金が搭載されていない。
グレイナイトがサイレンサーのエネルギーコアに対して自身のサイキックエネルギーによる稲妻を放出する事によってのみ、サイレンサーの射撃機構が作動されるのだ。グレイナイトから発せられたサイキックエネルギーのパルスは、サイレンサー内に備わるエネルギー収束用結晶体によって、制御し難い蒼色の光線へと精錬される。
この光線は、特に悪魔の物理的形状を不安定にさせる特殊な性質を持つという。サイレンサーがどのような経緯でグレイナイト戦団の武具庫に加わったのかは謎に包まれている。
ただ、サイレンサーに用いられている技術が異種族由来のものである可能性は高い。サイレンサーの発射機構は、〈帝国〉に存在するその他ほとんどの射撃武器と、根本的に異なっているからだ。
だとしたら、サイレンサーは異種族から盗んだ技術によって製造されているのか、それとも無償で提供された技術なのか。それについて、グレイナイト戦団は沈黙を貫いている。


  • 「タイフーン・ミサイルポッド」

タイフーン・ミサイルポッドは「フラグ・ミサイル」と「クラック・ミサイル」を撃ち分けることが可能なミサイルポッドだ。


  • 「ハンターキラー・ミサイル」

〈帝国〉の戦闘車両に搭載される最も一般的な飛翔弾頭だ。このミサイルは単発式で主にライノなどの兵員輸送車両に搭載され、敵装甲車両と遭遇した際の対抗手段として用いられる。


  • 「スカイハンマー・ミサイルランチャー」

ストームタロン・ガンシップに搭載されているミサイルランチャーで、超高速ミサイルを連射し、戦車を破壊するのに理想な火力を提供する。


  • 「フレイムストームキャノン」

ビークル用のヘヴィー・フレイマー。プロメチウムの激しい火焔を発射し、敵を燃やし尽くす。


  • 「ラスキャノン」

ライフルサイズのラス兵器で、数多くのラス兵器の中でも標準的な性能を持つ。「ラス」とはレーザーの略であり、レーザーチャンバーが内蔵されレーザー砲が打てる兵器の総称である。
ここから放出される爆発的なエネルギーによって、ほぼあらゆる物質に穴をあけることができる。


  • 「ラスキャノン」

「ストームホーク・インターセプター」を始めとした各種スペースマリーンの兵器に搭載されている2連装砲型のラス兵器。固い装甲を持つ標的も貫通するレーザーを発射できる。しかし、射程が短く、長距離では威力が減衰してしまう。


  • 「プラズマカッター」

技術官が手に装備しているプラズマウェポンの一種。


  • 「プラズマキャノン」

大型のプラズマ兵器で、両手持ちをしないと運べないほど重い。プラズマガンよりはるかに長距離射程で、そしてより広い爆風半径を持つ。
また、対戦車などの対物兵器としても使える設定に切り替えることも可能。ちなみに〈帝国〉におけるプラズマ兵器はプラズマ兵器は圧倒的破壊力を誇る反面、メルトダウンの危険性が高いため、扱いには細心の注意が必要となっている。
その原因は帝国技術局の技術力不足で、〈帝国〉内では自己犠牲が無ければ使えない兵器として扱われている。なお、異種族のプラズマ兵器は安全に扱うことが可能で、〈帝国〉製のプラズマ兵器は欠陥品である。


【グレネード】
グレイナイト戦団は、様々な種類のグレネードを装備している。これらの中には〈帝国〉の諸軍に正式支給されている一般的なグレネードも存在しているが、極めて珍しく風変わりなグレネードも少なくない。
これらの特殊グレネードは、異端審問庁による熱心な徴発活動(没収)の賜物と言えるだろう。

  • 「エンピリアン・ブレインマイン」

とある「亡霊惑星」(ゴーストワールド)から得たテクノロジーを基に作られたグレネード。このグレネード投げ込まれると敵に吸着し、手の脳に直接エネルギーパルスを送り込む。
これによって敵は、筋肉に対する信号伝達細胞の機能を停止し、一瞬にして行動不能状態に陥るのだ。エンピリアン・ブレインマインは使用後数秒でエネルギーが尽きてしまため、この効果は一時的なものではあるが、少なくとも効果が持続している間は、敵は一方的に攻撃を受ける状態にある。


  • 「クラック・グレネード」

戦車の装甲貫通を目的に開発された、強力な対戦車グレネード。メルタ・ボムなどの特殊爆弾に比べれば威力こそ劣るが、クラック・グレネードは小型化かつ軽量化がなされた対戦車グレネードであり、様々な場面で活躍する汎用性の高い手榴弾だ。


  • 「サイクアウト・グレネード」

「星辰波」(アストロノミカン)を維持するための秘儀の中で副次的に作り出されるとされる、ある極めて珍しい物質を使って製造されるのが、このサイクアウト・グレネードだ。このグレネードが爆発すると、サイキックパワー屈折性素粒子の分厚い煙幕が攻撃目標の周囲に立ち込め、この煙に捕らわれた異能者や〈歪み〉の怪物たちを一瞬にして麻痺させる。
敵はもはや、グレイナイトによる猛攻を受けて全滅する他ない。


  • 「ブラインド・グレネード」

高性能の発煙グレネード。煙幕、強赤外線(インフラレッド)、広域スペクトル電磁波放射線などを同時に発生させる。
通常の生物の視界では、この煙幕の向こう側を見る事はほぼ不可能であり、さらに強赤外線を用いた視覚補助装置、解析機、目標補足装置などがほとんど役に立たなくなる。


  • 「フラグ・グレネード」

突撃時に、物陰に潜んでいる目標に対して投擲する対生物グレネード、爆発したフラグ・グレネードは、敵に対して無数の金属片を浴びせかける。
敵がたまらず身をかがめるその一瞬の隙を突いて、攻撃側は一気に距離を詰めるのだ。


  • 「サイコトローク・グレネード」

爆発と同時に、香ばしい神経ガスを発生させるグレネード。この神経ガスは、敵に暴力的な幻覚や、戦意を弱体化させるような幻覚を見せる。
サイコトローク・グレネードは、敵の精神に対して驚くほど敏感に働きかけるため、装甲服による防護効果など何の役にも立たない。


  • 「メルタボム」

「素粒子反応」(サブアトミック)エネルギーを応用した、危険極まりない特殊爆弾。戦車は掩蔽壕など、いかに重装甲の攻撃目標であろうとも、メルタボムの爆発を受ければその装甲が一瞬で溶解してしまう。
その威力ゆえ、クラック・グレネードよりも遥かに大型で、起爆方法も複雑だ。このため、メルタボムを装備できるのはその扱いに熟練した「特技兵」(スペシャリスト)だけに限られる。


  • 「ラッド・グレネード」

爆発と共に、極めて微小な汚染物質の破片を撒き散らすグレネード。各破片の放射能はミリ単位の半減期を持つため、これを投げる兵は、自らを汚染物質にさらすことなく突入してゆける、
しかし、爆発に巻き込まれた敵は、しばらくの間ラッド・グレネードの効果により身体が弱体化してしまうだろう。


【防具】


  • 「パワーアーマー」(機動装甲服)

パワーアーマーは〈帝国〉内で使用される機械式の装甲服だ。様々なタイプのパワーアーマーが存在するが、その中でも人類の守護者たるスペースマリーンの全身を覆う最も標準的なパワーアーマーは、上位の性能と防御効果を持つ。
一般的な対人用銃火器の弾丸を弾き返す防御力を持ち、汚染地帯や宇宙空間等の生身では生存できない環境での活動を可能にする。その特徴的なシルエットには、人類に仇なす敵どもに対し大きな恐怖を与える。
パワーアーマーには厚く強固な「セラマイト合金」の複合装甲から成る極めて重厚な装甲服だ。内蔵する「電気刺激伝導性人口靱帯」(エレクトリカル・モチベ―テッド・ファイバーバンドル)の働きによって、着用者は装甲服内部で取った動作を全く同じように装甲服の外骨格へと伝える。
なお、グレイナイト戦団で用いられているパワーアーマーは「イージス・アーマー」と呼ばれる特殊なパワーアーマーで、グレイナイト戦団と〈鉄槌の団〉の異端審問官にしか配備されていない。アーマー製造時には部品が儀式的に聖別され、魔術的な祈祷と結界が込められている。
イージス・アーマーはマークVI、マークVII、マークVIIIのパワーアーマーのコンポーネントをベースにして、騎士を彷彿させる意匠が施されている。スーツには心理伝導性のフィラメントと防御性格子構造によって六角形の結界を形成し、〈歪み〉に対する耐性を向上させているため、サイキック攻撃に対する高い防御効果を誇る。


  • 「アーティファイサー・アーマー」(特別装甲服)

〈帝国〉の戦士が着装する装甲服の中で、上位の防御効果を持つのがアーティファイサー・アーマーである。「ターミネイター・アーマー」(滅殺者装甲服)ほどの重厚さはないが、スペースマリーンが着装する通常のパワーアーマーよりも高い防御効果をもたらす。
アーマーには超密度素材と「衝撃波吸収機構」(ダメージコントロール・メカニズム)により、着装者は対戦車ロケット弾やキャノン砲弾の直撃さえも難なく払いのける事が可能だ。グレイナイト戦団は異端審問庁の協力によって多数のアーティファイサー・アーマーを保有している。


  • 「ターミネイター・アーマー」(滅殺者装甲服)

ターミネイター・アーマーは、スペースマリーンが保有する装甲服の中でも上位の防御性能を誇る重装甲服で、「ターミネイター」(滅殺者)の称号を持つ者のみに着装が許されている。宇宙に漂う「特異航宙体」(スペースハルク)を代表とした過酷な密閉区域で白兵戦を行うために、帝国技術局によって開発されたというターミネイター・アーマーは、ほとんどの攻撃を防いでくれる。
セラマイト合金の複合装甲によって物理的攻撃を防ぎ、クラック・ミサイルでさえ胸板を貫通することができない。また、アーマーに内蔵されたサーボモーターによって通常のパワーアーマーでは扱う事の出来ない重火器を使用でき、重火器プラットフォームとしての役割も持っている。
ただし重厚な装甲ゆえに移動速度は遅く、着装者の身体に特殊な手術を施さないと使用できない。今日、ターミネイター・アーマーは各戦団で非常に珍重されており、常に修理と更新が繰り返されている。
帝国技術局は現在もターミネイター・アーマーの限定生産を続けているが、その生産速度は非常に遅く、しばしば戦場から回収された再生パーツから「新しい」スーツがこしらえられることがある。また、グレイナイト戦団で用いられているターミネイター・アーマーは特殊な改造が施されており、イージス・アーマーと同様のサイキックパワーに対する高い防御効果をもたらす。


  • 「ストームシールド」

エネルギー発生器が内蔵された大型の盾。その防御効果は絶大で、ラスキャノンの攻撃や、白兵戦でのパワーウェポンの攻撃さえも無効化してしまう。


  • 「鋼鉄の光輪」(アイアンヘイロー)

敵からの攻撃を防ぐ環状の防御装置で、パワーアーマーの背面に装備されている。騎士団支隊長や騎士団長のみが装備する事が許されており、グレイナイト戦団では鋼鉄の光輪は、位階の高さを示す象徴にもなっている。
この防御装置のどれもが戦団創設の初期に造られたもので、精巧優美な模様が施されている。光り輝く鋼鉄の輪の下には、エネルギーフィールド発生器が内蔵されており、どれほど強力な物理的衝撃さえも防ぐことができるという。


  • 「追加装甲」

ビークルのクルーの中には、自身が乗り込む戦闘車両の防御力を高めるために、装甲板を追加する者もいる。


  • 「ドーザーブレード」

聖別された鉄と銀を撚糸状に加工し、装甲板に埋め込んだもの。これが埋め込まれた車両に対する接触は、悪魔や異能者にとって極めて有害なものになるという。


  • 「ワープスタビライゼイション・フィールド」

〈歪み〉空間安定化フィールドを発生させる特殊装置。ランドレイダーやドレッドノートほどのサイズの物体を、過酷な〈歪み〉航法から保護するようなテクノロジーは、極めて稀でかつ複雑ではあるものの、確かに存在する。
ただ、一度破壊されると再び製造する事が不可能なので、希少なこの装置が使用されることは滅多にない。


【その他ウォーギア】

  • 「サイオキュラム」

視界を強化する特殊装置。サイオキュラムのバイザー部分には、魔術的な力が込められたレンズ、「映像鮮明化回路」(イメージ・エンハンス・サーキット)、「視界明度増幅器」(ローライト・アンプリファイア)などが複雑に組み合わさっている。
これを装備する兵は、自らの視界に頼るだけでなく、異能者が放つサイキックパワーの痕跡を追跡する事で敵を追い詰める事が可能だ。サイオキュラムは「はぐれ異能者」(ローグ・サイカー)を追い詰めるのに欠かせないツールではあるが、戦闘用としても有用なことが実証されている。
適切な改造を施せば、バイザーに送られる映像情報を銃器などに備わった従来型の「目標捕捉装置」(ターゲッティングデバイス)と連携が可能になり、異能者やそれを守る愚かな敵を驚くほど正確に射撃する事を可能にするのだ。


  • 「サーチライト」

ビークルに取り付けられる車両照明。


  • 「スモーク・ディスチャージャー」

発煙弾発射装置。猛烈な煙幕によって、一時的に敵の視界からビークルを隠してしまう。
掩蔽壕といった建造物が少ない戦場では、敵に対戦車部隊から車両を守るために必要不可欠な装備であるが、これを使用したビークルも、煙幕が晴れるまでは、全く射撃ができなくなってしまう。


  • 「サーボスカル」

〈帝国〉の忠実なる下僕の頭蓋骨に小型の反重力場発生器を埋め込んで造られた、浮遊型の情報収集ドローン。〈帝国〉では死後にサーボスカルとして奉仕できることは、大きな名誉であると考えられている。
中は〈帝国〉で使用されているコンピューターにあたる「コジテーター」(熟慮機)が搭載されており、付近の探索や偵察、通信機、プロジェクター、映像録画等々の機能を持っている。サーボスカルそのものには戦闘用の機能は備わっていないが、グレイナイトにとっては必要不可欠なツールである。
例えば戦闘開始前に、これを戦闘領域に放つ事でステルス状態を保ちながら、絶え間なく戦場の情報を収集、送信する使用方法もある。


  • 「テレポート誘導装置」

強力なシグナルを発生させ、グレイナイトの「打撃巡洋艦」(ストライク・クルーザー)からテレポート転送座標のロックオンを行うための装置。この誘導シグナルを用いる事で、テレポート転送座標の誤差を最小限に押されることができる。


  • 「騎士団支隊旗」(ブラザーフッド・バナー)

グレイナイトの騎士団支隊には数多くの軍旗が存在する。どの軍旗も、グレイナイト戦団が過去に挙げた大勝利を祈念したもので、敵の妖術を阻止できるように銀の糸を使って編み込まれている。
騎士団支隊旗の下で戦うという事は、先人たちの眼差しの下で戦うことを意味するため、グレイナイトたちはさらなる熾烈さで敵に立ち向かっていくだろう。


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グレイナイトの至宝

【予見の宝物】
グレイナイトの予見者は露機に、至宝の贈呈を通じて自らの叡智を与える。彼らの占いは極めて重要な瞬間にのみ明かされるのだ。
そしてその時、その時にのみ、彼らの贈り物はその役割を発揮する。これらはいずれもタイタンの城塞にて予見された特定の時点で用いられるために特別に造られたものだ。


  • 「真名の断片」

〈歪み〉の悪魔が突出した瞬間、この断片上の巻物に記されたその悪魔の〈真名〉が読み上げられ、所有者のサイキック的意志と共にディーモンの肉体へ突き刺さる。この巻物はこれによって崩れ去るが、その力は地獄の評議会に属する悪魔さえも揺るがせるほどである。


  • 「時空爆弾」

不浄の隠れ家や純潔の地はいずれもこれらの魂魄反応型装置で聖別することができる。神聖な瞬間に、渦巻く〈歪み〉の基板に植え付けられたこの爆弾はその転移の力を爆発させることで、亀裂を生じさせることなく現実空間へと転移する。


  • 「玉座の従僕」

この戦士の腕甲に封じ込められているのは、〈黄金の玉座〉に座す皇帝陛下のエネルギー源として犠牲になった異能者のサイキック的な断末魔である。超常的に所持者と結びつけられたこの断末魔は、予言された瞬間にまばゆい光を放ち、穢れ無き責務のオーラによって攻撃を退ける。


  • 「デルミナイター・オヴ・マジェスティ弾」

ディーモンの肉体から波動のように放たれる邪悪なるオーラが予見された。その卑小なる怪物にまつわる666の真実が彫り込まれたこのボルト弾は、その悪魔の忌まわしき虚飾を引き裂き、真実の姿を顕にする。


  • 「イノクトゥの宝玉」

ガス巨星「イノクトゥ」の非物質層に雨として降り注ぐ伝説の宝玉の一つであるこの小さな宝石は、あらかじめ定められた時に明るく燃え上がる。
これをエネルギーの焦点となるプリズムとして用いる事で、装備者は限られた時間ではあるが信じられないほどの力を引き出すことができる。その後、この宝玉は命を失った眼のように不透明に濁る。


  • 「セヴェランス弾」

戦団の敵が戦いの最中に特定された場合、予見者はその敵を屠る無数の幻視を視てきている。特別仕様のセヴェランス弾はまさしくその瞬間のために長い年月をかけて造られた弾丸なのだ。
サイキックパワーが注入され、その敵の過去と未来の悪行が唱えられたこの弾丸の白銀の断頭は、他のあらゆる障害を排除して獲物の〈歪み〉の痕跡を突き進む。


【タイタンの至宝】
グレイナイトには、他の組織にとっては「異端的」、「大逆的」、「魔術的」な複雑で古い歴史を持つテクノロジーの数々を用いた至宝を保有している。彼らの強さ、警戒心、そして純潔さは常人には理解し得ぬ水準に達しており、悪魔を討つために数々の至宝で戦いを有利に進める。


  • 「魂の薙刀」

何百年にも渡る戦いの中で、グレイナイトの本質の一部の中に宿ることがある。ごく稀に、あまりにも強く存在が宿ったために持ち主が死んだ後もそれが持続し、別の者がその武器の持ち主だった時、持ち主と死せる英雄のサイキック能力が組み合わさることがある。
魂の薙刀もそのような武器のの一つであり、悪魔の皇子「カリツァール」を一騎打ちで下したことで知られるグレイナイト第十三代至高騎士団長「サイラス・カルソーン」卿が戦いで用いた武器である。


  • 「クリスイリックス砕き」

これは歴史上最初の「ネメシス・ディーモンハンマー」であり、他のあらゆるディーモンハンマーの原型となった武器である。これは“厳正者”として知られる第七騎士団の第三代騎士団支隊長「リード・ヴァナール」によって鍛えられたものであり、初めて用いられた戦いで「クリスイリックス」の名で知られるロード・オヴ・チェンジを打ち砕いた。
それ以来というもの、長き年月の中で数え切れぬほどの悪魔がその憤怒を味わってきた。


  • 「デイモスの怒り」

帝国技術局によって火星の衛星「デイモス」がタイタンへ送られたとき、技術局はこれに〈帝国〉史上最高水準の武器の数々を満載した輸送艦を同行させた。その積み荷にあったのが、彼の〈ホルスの大逆〉以後最初の火星製造総司令が製造した武器“デイモスの怒り”である。
この武器は一般のストームボルタ―よりも、射程、精度、連射速度、信頼性の面で遥かに優れており、この至宝をめぐる秘密は長く忘れ去られている。


  • 「精焔の戦旗」

この聖別旗は、グレイナイトの歴史を通じて打撃部隊や個々の戦闘同胞が成し遂げた最も正しき浄化の数々を記録してきた。この戦旗の担い手はこの輝かしき過去の過去の反響を自らの異能と共鳴させることができ、まばゆい魂の焔を解き放つことで敵を焼き尽くすことができる。


  • 「悪魔大全記録」

この大著には666の追放の真言を修めた初代至高騎士団長「ヤヌス」の至宝であり、一つ一つの頁にそれぞれの真言が丹念に記録されている。必要に迫られた場合に限り、戦団の英雄がこの書物を戦場に携える。
本の表紙が神秘的なエネルギーでバチバチと音を立てる中、真言が〈歪み〉の怪物を退け、悪魔たちを〈歪み〉へと放逐する。


  • 「犠牲の鎧」

この装甲服の内部表面には、グレイナイトと共に悪魔との永劫の戦いに加わり、散っていった多くの同盟者の名前が刻まれている。この鎧は彼らの名をタイタンの子らが忘れぬようにする役割を持ち、装備は自らの肉体に僅かでも力が残っている限り、彼らの名を決して穢さぬ厳粛と誓いを立てる。


  • 「聖別の破片」

悪魔が巣食う惑星「ガレガスト」から回収されたこの輝く宝石は、戦団の蔵書院の最高位メンバーによって再度の聖別が施された。この神秘的なオブジェクトの放つオーラは666ある浄化の真言の全てを使って束縛され、グレイナイトはこの四方の神秘的な力を保ちながらも、渾沌による穢れをすべて取り除くことに成功した。


  • 「時間回転庫」

このこぶし大の至宝の内部では、永続的な時空サイキック・エネルギーが小型のパルサーを形成していると考えられている。いかなる古代の陰謀団が、あるいは遥か以前に去った異種族がこれを作り上げたのかはいまだ不明だ。
いずれにせよ、正しく呪文を唱える事で、その漆黒の表面からエネルギーが吸い上げられ、時の流れを歪める事が可能となる。これにより装備者の味方は信じられない速度で動けるようになり、戦いの趨勢までもが変わりゆくのだ。


  • 「見捨てられし刃」

危急のときのみ〈純血の間〉から持ち出すことが許されるこの“見捨てられし刃”の出自を知るのは浄化者のみである。その来歴が如何なるものであれ、この剣はグレイナイトの仇敵とのいくつもの戦いにおいてその価値を証明してきた。


  • 「危急の印章」

技術官「ドーヴェル・ウルザン」によって鍛えられしこの銅製の紋章には、強力な小型テレポート回路と三つの用心深き機械精霊が搭載されている。機械精霊たちの直感的なサイキック・ルーチンは遠方からの攻撃を防ぎ、まばゆい光と共に持ち主を危険から守る。


  • 「予見の巻物」

〈予兆の間〉の予見者たちからもたらされしこれらの巻物には未来の予見が記されており、これらは厳格な監視を受けた莫大な数の戦団労働者たちによる絶え間ない努力によって得られたものである。グレイナイトによって記録されたその謎めいた幻視は、その者のネメシス・フォースウェポンのサイキック回路に流れ込み、装備者のサイキック的筋肉記憶に影響する事で、その戦闘能力をさらに高めることができる。


  • 「優越の杖」

この厳重に管理されたネメシス・ステイヴには〈歪み〉のエネルギーをより広域に行き渡らせる効果を持つルーンが刻まれている。この武器は打撃巡洋艦「タイタンの手」が〈歪み〉空間の航行中に保護バリアである「ゲラーフィールド」の故障を被ったとき、乗員のグレイナイトたちが生き延びる上で大きな役割を果たした。


  • 「カントゥの腕甲」

白銀のセラマイトが幾層にも積み重なったこの防具は、死地惑星「カントゥ」における勝利と共に回収されたものである。カントゥにおけるグレイナイトの無私なる防衛精神がこの腕甲には融合しており、装備者は揺らぐこと無い決意を得る。
斃れし同胞たちの魂が着用者の意志を強める事で、そのものはいかに超常的な攻撃をも耐え抜くことができるようになる。


  • 「高精度無効化マトリックス」

グレイナイト草創期の遺産であるこの先進的なサイキックフードは、戦団の職人の間でもはや失われて久しい強力なサイキック・テクノロジーが搭載されており、〈歪み〉の捕食者に対する強力な防護を提供する。


  • 「エーテル導管」

〈技術の暗黒時代〉にまでさかのぼる由来を持つこの古の装置は、その複雑な回路ネットワークによって所持者のサイキックエネルギーを導き、損傷した車両のいかに繊細なシステムをも直観に操作する事を可能にする。


【征戦の至宝】

  • 「ファルコザンの遺骨」

かつて第三騎士団長であった「ファルコザン」は非常に強力なサイカ―であった。ファルコザンの遺骨は死者の地から取り出される度に聖別されし白銀の遺骨箱に収められる。
彼の遺骨には今でも生前のサイキック能力の一部がなお残っているという。


  • 「キャラディスの鎧」

この鎧には、隅々に至るまで騎士団長「キャラディス」の長き障害を綴った魔除けの文言が刻まれている。悪魔の存在を感知すると、この鎧に刻まれし魔除けは明るく輝き、その神聖なる力によって周囲の邪悪なる者の目を眩ませるという。


  • 「ナルボルト弾」

この希少な弾薬は、破裂と共に〈歪み〉を減衰させる物質を撒き散らし、攻撃対象と非物質空間のつながりを断ち切る。この弾薬によって死ぬことが無かったとしても、犠牲者は息の詰まるような無力感に襲われ、〈歪み〉の荒々しい流れを感じる事ができなくなり、物質空間の如何に鮮烈な感覚も知覚できなくなる。
これは特にスラーネッシュ神に仕える悪魔にとって耐えがたい苦痛なのだという。


  • 「アルマゲドンの刃」

大規模な浄化が行われた汚染灰の中から回収されたこの武器は、第一次アルマゲドン戦役においてコーン神の強大なる従僕にとどめを刺したものであると伝えられている。戦火に見舞われしこの惑星から持ち主の遺骸と共に回収されたこのフォースハルバートの刃は今なおその壮大なる決闘の従僕たちに忌み嫌われているという。


  • 「サイベインフード」

ティーンチ神の迷宮次元から奪取され、浄化の間にて聖別されたクリスタルの破片をこのサイキックフードは力の源にしている。妖術神の手先どもは、この至宝を身に着ける者が放つ精神的な力によって、自らの〈歪み〉由来のエネルギーが曇っていくことに気づくだろう。


  • 「ヤヌスの兜」

このヘルメットが初代至高騎士団長であるヤヌス自らが着用したものであるかは不明であるが、この至宝は最も古き精神的痕跡をたどるサイキック的尋問の結果、そこには複数の「最初の持ち主」が存在するという矛盾が明らかになった。技術遺産たる「自動アーカイヴ・システム」を通じ、このヘルメットは一万年に渡り戦団が培ってきたあらゆる教理問答をカタログ化しており、装備者は神秘的な儀式の数々によって悪魔に抗することができる。


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サイキック能力

【概要】
【天命のサイキック体系】

  • ゲート・オヴ・インフィニティ(無限の門)

術者は、揺らめく非物質空間に通路を形成し、一瞬のうちに途方もない距離を移動する事を可能とする。


  • エンピリック・アンプリケーション(異界の増幅)

術者は、仇敵を取り囲むような文様を持つ複雑な祝福の「網」を構築する。この領域を通じてサイキック的に強化された武器は、同胞たる騎士たちの武装と組み合わさることで、更なる強烈な威力を持つようになるのだ。


  • サンクチュアリ(聖域)

司書官から発せられた束縛の呪文により、サイキックパワーの乱気流から成る盾が形成され、敵の攻撃を妨げる。


  • ワープ・シェイピング(〈歪み〉の形成)

術者は〈歪み〉の奥深くからその構成要素を引き出し、自らの意志と同胞たちの必要に応じてこれを形成する。


  • ゴーストリー・ボンド(霊的膠着)

術者は物質世界と非物質世界を隔てる見えない障壁を構築し、これによって敵の周囲に空間的な不均衡を生じさせる。そうすることで敵はまるで精神的に押し止められたかのようにその動きを鈍らせるのである。


  • ヴォーテックス・オヴ・ドゥーム(破滅の渦)

司書官は、我々の物質世界と破滅の嵐が吹きすさぶ〈歪み空間〉(ワープスペース)と結ぶ、恐るべき裂け目を作り出す。そこから放たれた猛悪なる破滅のエネルギーによって、敵は跡形も無く消滅するだろう。


【聖別のサイキック体系】

  • アストラル・エイム(超自然の眼差し)

術者は同胞たちの精神に働き掛ける事で、目標への照準を導く。


  • パージ・ソウル(魂魄粛清)

術者は持てる限りの意志力を行使して敵の魂に潜む邪悪を粛清し、あらゆる堕落の痕跡を拭い去る。


  • ピュリファイング・フレイム(浄化の焔)

術者の魂に宿る透明な火が超常の焔として放たれ、価値無き者の本質を焼き尽くす。


  • アーマード・レジリエンス(鎧われし頑強)

術者は超常の根源的エネルギーを引き出し、これを味方の装甲服に吹き込むことで、人類の技術で達成できるレベルを超える硬度をセラマイト合金にもたらす。


  • エターナル・キャスティゲーション(霊罰執行)

術者は同胞たちの射撃を導いた後、一瞬のうちに彼らを転移させる。そのあまりの素早さに、その祝福された裁きを眼にしたものは、あたかもそれが何処からともなく現れたかのように感じるという。


  • ハンマーハンド(我が腕よ鉄槌と化せ)

内なる激情の力を集中させたグレイナイトたちは、ただでさえ強力な超人的腕力をさらに強化し、素手で肉や骨さえも軽々と引き裂くほどの筋力を得る。その手にソードやハンマーが握られれば、おそらくどんな相手でも屠ることが可能だ。


【その他】

  • ダーク・エクスコミュニケーション(暗き放逐術)

グレイナイトは魔術的な結界を紡ぎ出し、悪魔とその暗き主との間に存在する結びつきを絶つ。


  • マイト・オヴ・タイタン(タイタンの武勇)

戦団の伝説から武勇の力を引き出した司書官は、その大いなる力を仲間たちに分け与える。


  • クイックシルヴァー(水銀のごとき速さ)

司書官のサイキックパワーによって水銀のごとき素早さを得たグレイナイトたちは、想像を絶するスピードで攻撃を繰り出す。


  • サンクチュアリ(聖域)

司書官から発せられた束縛の呪文により、サイキックパワーの乱気流から成る盾が形成され、敵の攻撃を妨げる。


  • シュラウディング(異能の霧)

司書官のサイキックパワーによって、敵の思考に霧が立ち込め、視界だけでなく判断能力すらも鈍らせる。この霧に覆われた者は、たとえゼロ距離からでも射撃を外す可能性があるし、ひどい時には、自分の脳内だけに存在する敵の影に向かって、無駄な射撃を繰り返す事さえある。


  • スマイト(猛撃)

司書官の指先から、必殺の雷撃がほとばしる。敵の肉体は猛烈なサイキックパワーの奔流にさらされ、千の肉片と化すだろう。


  • サモニング(召喚)

司書官は〈歪み〉の橋を作り出し、同胞を自らの元へ召喚する。


  • ワープリフト(歪みの亀裂)

司書官が小さなジェスチャーを見せただけで、たちまち物質空間はズタズタに切り裂かれ、敵を〈歪み〉の彼方へと消し去ってしまう。


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ビークル、地上兵器

【地上兵器】


  • 「ライノ」


【概要】
〈帝国〉で最も使用されている一般的な装甲兵員輸送車の一つ。その起源は西暦40000年から数万年前、人類が宇宙へと進出した〈技術の時代〉(西暦10000年~25000年頃)に遡るという。
かの黄金時代から現在の暗黒時代まで、ライノの基本設計はほとんど変化していない。ライノに備わった「兵員輸送スペース」、「装甲強度」、「機動性」の優れた三要素が理想的なバランスを常に保っているため、基本設計を変える必要が無いほど完成度は高い。
そのため、ライノがかつて人類の全軍において主力兵員輸送車として活躍していた事実も驚くべきことではない。しかし皮肉なことに、この暗黒の第42千年紀(西暦41000年代)においても、その設計に関する秘密はもはや伝承途絶してしまっている。
何千もの車両が製造されては破壊され、現在ではもはやグレイナイト戦団をはじめとするスペースマリーン戦団や帝国近衛団、修道聖女会といった〈帝国〉の中でもエリートクラスの部隊にしか、実践投入に耐えうる台数を確保できていないのだ。
【驚異の自動修復】
このように〈帝国〉でも高い性能によって高評価を得ているライノだが、その真価は機体性能だけではない。なんとこの車両には、「自動修復機能」を有しているのである。
本来、補給物資の少ない惑星であっても適切な整備なしで再動作できるように備えられた機能だが、戦乱が絶えないこの時代においてはこの自動修復機能が数々の戦場で重宝されるようになった。ライノはこの機能によって、クローラーやエンジンに重大な損傷を受けても、他者の力を借りる事無く完全修復する事が可能だ。
さらにライノは、自身が自動的に修復できない部位に関しては、直感的に修理できるほど単純な構造になっている。そのため、「万機神」の祝福を受けた「技術司祭」(テックプリースト)であれば、比較的短時間で本格的な分解修理も可能だ。
【グレイナイト戦団におけるライノ】
この車両はグレイナイト戦団の至宝庫の中でも、誉れ高い役割を持っているが、他のスペースマリーン戦団に比べたら使用頻度は少ない。これは、彼らの戦闘教条やライノの信頼性によるものではない。
ライノの信頼性に代わる車両は他にはないが、その理由は他のところにある。原因はライノが有する兵員輸送スペースの物理的な限界や、グレイナイト戦団の有する装備に起因する。
ライノを兵員輸送スペースには、大型のパワーアーマーを着込んだ滅殺者を輸送できるスペースが確保されていない。そのため、グレイナイトの多くが滅殺者装甲服を着込んで戦闘を行うという戦術に合致しないという問題が出てくるのだ。
グレイナイト戦団ではライノを滅殺者装甲服ではない、通常の「機動装甲服」(パワーアーマー)を着込んだ特殊部隊の輸送車両として使用している。攻勢時に、特にライノを用いる分隊として知られているのが、「断罪分隊」や「浄化者分隊」だ。
ライノを輸送車両として用いる事で、突撃に最適な場所まで、分隊を迅速かつ安全に輸送する事が可能となっている。特殊部隊を乗せたライノは、大型戦車「ランドレイダー」に護衛されるように前進してゆくことが多い。



画像出典:コデックス「グレイナイト9版」(codex:GreyKnights) P38写真より


  • 「レイザーバック」

【概要】
レイザーバックはライノの派生機種であり、重武装を施したバリエーションだ。砲塔には「ツインリンク・ラスキャノン」や「ヘヴィボルター」といった重火器が搭載され、その代り兵員輸送スペースが一部削減されている。
兵員輸送能力は落ちたものの、通常のライノよりも高火力を実現している。レイザーバックは兵員輸送車両と移動式砲座という一台二役をこなし、ライノや歩兵の護衛車両として運用されることが多い。
グレイナイト戦団は他のスペースマリーン戦団よりも少ない人数で敵に立ち向かうことが多いため、レイザーバックによる高火力支援は大歓迎されている。


  • 「ランドレイダー」


【概要】
スペースマリーン戦団が誇る巨大戦車で、兵員輸送、応急手当施設、簡易指令室、そして動く要塞として様々な役割を果たすことが可能な車両だ。グレイナイト戦団でもランドレイダーは他のスペースマリーン戦団同様、運用されているが機体には特殊な改良が施されている。
〈帝国〉内に存在する他の部隊とは異なり、グレイナイト戦団では装甲車両を多用しない。彼らはその足でしっかりと大地を踏みしめ、敵に一対一の戦闘を挑み、戦士が装備する全身の武器と不屈の闘志で勝利を掴むという方針を持っているからだ。
そういった状況の中でも、ランドレイダーが戦団の武具庫(アーモリー)で高い地位を確立しているという事実は、騎士団長が機体性能を高く評価している事の何よりの証明であろう。
【万機神の祝福】
グレイナイト戦団が配備する他の多くの戦闘車両とは異なり、ランドレイダーの各車両には強力な「機械精霊」(マシーン・スピリット)が宿っており、機体に搭載された多くの武装制御システム、駆動系制御システムをコントロールする事が可能だ。このため、戦団の技術官たちにとってランドレイダーは偉大なる神である「万機神」(オムニシア)による創造物の中で最も祝福されし物の一つとしており、万機神の破片が多少なりとも各ランドレイダーの内に宿っているのだと信じている。
従って、敵が愚かにもランドレイダーを破壊しようと試みているのならば、技術官たちは当然の如く怒りを露わにするのである。
【特殊仕様】
一見すると、グレイナイト戦団が有するランドレイダーは、銀河中で使用されている他の部隊が持つランドレイダーと何ら変化が無いように見える。彼らが持つランドレイダーも、セラマイト合金とアダマンチウム鋼の車体、高気密性の兵員輸送スペース、そして高火力の武器を備えている。
なお、機体の両側面にある砲塔には伝統的に、ツインリンク・ラスキャノンが一対搭載されているが、この他の武器が搭載されている例もある。しかし、アダマンチウム鋼で覆われし車体の内部には数多くの改造が施されており、それらの改造がランドレイダーをグレイナイト戦団にとって必要不可欠な存在たらしめてている。
彼らのランドレイダーには「異能力集積回路」(サイチャージ・サーキット)、「精神感応式装甲板」(サイコリアクティヴ・アーマープレート)、「異能力集積印章」(チャージド・シギル)などの特殊装置が搭載されている。それ故、ランドレイダーのクルーはサイキック能力を駆使する事で、車両の制御や自身の精神力を集中させることによる車体の応急修理が可能となる。
また、グレイナイトの装甲服に備わるイージス・フィールドも各ランドレイダーに搭載されており、敵異能者に対して高い防御効果を発揮する事が可能だ。
【神聖なる繊維】
さらに、グレイナイト戦団のランドレイダーの中には、魔力の込められた銀と鉄で織られた特殊な「微細繊維網」(マイクロフィラメント・メッシュ)がセラマイト鋼の装甲板に埋め込まれ、悪魔に対して有害な効果をもたらすものもある。このような改造は、彼らの拠点惑星であるタイタンにて、グレイナイト戦団の技術官によって行われる。
これらの改造は、宗教的儀式のような正確な作法をもって施されるべき、極めて神聖な任務として執り行われる。またこれらの改造は、厳密に言えば、帝国技術局の偏狭的な慣習に違反するものであり、本来行われるべきでないものである。
しかし、これらのサイキック的な改造は、グレイナイト戦団という特務組織が持つ特権の分かりやすい一例であり、また彼らが帝国技術局でさえ手を出すことが許されない禁忌の技術を有していることの、確かな証拠でもあるのだ。



画像出典:コデックス「グレイナイト9版」(codex:GreyKnights) P98写真より


  • 「ストームレイヴン・ガンシップ」


【概要】
ストームレイヴン強襲揚陸艇は、兵員輸送も可能な支援型戦闘機であり、テレポートが不可能な状況下でグレイナイト戦団が第一に用いる兵員輸送手段である。ストームレイヴンの兵員輸送スペースには、滅殺者装甲服を着装した同胞を六人収容が可能だが、通常の機動装甲服に身を包んだ同胞であれば、その二倍もの人数を収容可能だ。
大人数を輸送できるため、これだけでも恐るべき攻撃部隊と成り得るが、さらなる火力が要求される場合は、船体の後方に搭載された固定器具を用いてドレッドノートを一機格納することもできる。どの戦団にも配備されている揚陸艇である「サンダーホーク強襲揚陸艇」と比較して、より迅速にかつ小回りが利く分だけ、空撃作戦を敢行する上でストームレイヴンは実に適切な戦力と言えよう。
特に、戦場上空が悪魔の襲来によって乱気流が巻き起こっている状態は、ストームレイヴンの活躍場である。
【高い汎用性】
ストームレイヴン強襲揚陸艇は、グレイナイト戦団で何千年にも渡って活躍し続けた機体だ。必要に応じて火力支援、阻止射撃、機甲突撃などの様々な作戦を遂行できるため、ストームレイヴンはグレイナイト戦団の中で最も汎用性が高い兵器の一つとして運用されている。
ストームレイヴンは“翼持つランドレイダー”と例えられることも多い。というのも、この二つの兵器には多くの共通点があるからだ。
その中でも特に注目される点は、ストームレイヴンにもクルーと同様の練度と正確さで武装制御システムを操作できる、強力な機械精霊が宿っている点である。しかも、ストームレイヴンはランドレイダーよりも更に強力な武器を搭載しているのだ。
ストームレイヴンこそはまさに、空飛ぶ機動要塞と言っても過言ではない。



画像出典:コデックス「グレイナイト8版」(codex:GreyKnights) P49イラストより


  • 「ストームホーク・インターセプター」


【概要】
冷たい虚無の中を降下してゆくストームタロンの近縁機種であるストームホーク迎撃機は、空中戦における優位性を持つ特殊なガンシップである。アンダエムス編隊に代表されるストームホーク迎撃機の編隊は、電光石火の速度によって〈歪み〉に侵された空をも貫いて飛行する。
高高度の航空優勢を獲得するために設計されたこれらの機体のサイカー・パイロットたちは、刃ではなくミサイルと連射砲によって決闘を行うのだ。



画像出典:コデックス「グレイナイト8版」(codex:GreyKnights) P89写真より


  • 「ストームタロン・ガンシップ」


【概要】
ストームタロン攻撃機は高い機動力を誇る航空機であり、様々な敵と役割に対応可能な汎用性を持つ。多くの場合、この機体は大型機のための護衛任務に就き、敵戦闘機や恐るべき〈歪み〉の飛竜を撃墜する。
アフターバーナーの方向転換によってパイロットは地上攻撃を行い、テレポート地点に飽和射撃を行うと、同胞の安全を確保する。



画像出典:コデックス「グレイナイト8版」(codex:GreyKnights) P91写真より


  • 「ネメシス・ドレッドナイト」


【概要】
グレイナイト戦団が誇る対「上級悪魔」(グレーターディーモン)用の大型外骨格。勇猛さと純潔なる心、そして鍛え上げられた異能力と武術のみでは一対一で強大なる力を持つ上級悪魔を討滅する事は難しい。
その事実はグレイナイト戦団もしぶしぶながらも認める事実だ。上級悪魔は渾沌の神々から多大なる恩寵を受けた怪物であり、その巨躯は滅殺者よりも大きい。
それに加えて、上級悪魔の下級クラス一体でも、スペースマリーン十人分の戦闘力を優に超えるという。この巨大な怪物に立ち向かうのは、戦団の中でも英雄と呼ばれる者のみが着装できるというネメシス・ドレッドナイトのみだ。
このネメシス・ドレッドナイトは、危険極まりない上級悪魔の討滅を目的とした大型外骨格で、驚異的な科学技術を用いて製造されている。その中核には、「アダマンチウム鋼」の合金で作られし外骨格があり、小型ながらも強力な「プラズマ・リアクター」を動力源とする。
この外骨格を覆うのは、接合された強固なセラマイト製装甲と、入念に装甲を施された制御ケーブル群だ。
【強固なる防御力】
パイロットとなるグレイナイトは、その体がネメシス・ドレッドナイトの機体前面部にある「統御装置」(コマンド・ハーネス)へと固定される。ドレッドナイトの統御装置とパイロットの肉体に挿入された神経系接続ケーブルが連結され、搭乗者は機体の手足や武装システムをまるで自分の体のように意のままに動かすことが可能となる。
つまりパイロットは、自分の肉体よりも強靭で耐久性があるドレッドナイトの機体を、その身に着装する事になるのだ。また、機体から露出したパイロットは強力な防護用のフォース・フィールドを展開する事によって護られている。
これに、ドレッドナイトの武装システムが誇る破壊力が加われば、上級悪魔に対抗できる戦力を有することができる。ネメシス・ドレッドナイトは上級悪魔が繰り出す強力な攻撃にも耐え、必殺の一撃を与える事が可能となるのだ。
【明かされぬ由来】
ネメシス・ドレッドナイトの製造に関する科学技術は秘密とされている。その由来は〈技術の暗黒時代〉に失われし人類の科学技術なのだろうか?
はたまた、異種族由来の新兵器なのだろうか?どちらにせよ、この件に関しては、グレイナイトは口を開く事は無いし、この秘密を他の誰とも共有する事は無い。
〈帝国〉内の組織でこのような態度を貫くことができるのは、彼らや異端審問庁、帝国近衛団といった〈帝国〉内でも上位組織にしか存在しないだろう。もし、他の組織がそのような秘密主義を取った場合は、帝国技術局と衝突を起こすこととなるし、また人類の全軍に課せられた補給物資に関する大原則にも違反する事となってしまう。
しかし、グレイナイト戦団は異端審問庁にのみ仕える特務組織であるため、そのような〈帝国〉内の政治的闘争に巻き込まれること無く、独自の路線を貫くことが可能となる。
【栄誉ある資格】
グレイナイトの全同胞がドレッドナイトに登場して戦場に投入されれば、戦団にとってこれほど歓喜な事は無いだろう。だが、現実はそうはいかず、グレイナイトの全同胞がネメシス・ドレッドナイトに搭乗できるほどの強靭な精神を持っているとは限らず、また複雑な機体操縦法を習得できるほどの反射神経を持ち合わせているわけでもない。
銃弾が飛び交う最前線でいきなり機体を操縦することなど不可能であり、しかも操縦訓練を始めるのにふさわしい適正があると判断されるのは、戦団内でもほんの一握りの同胞だけだ。それ故、ネメシス・ドレッドナイトのパイロットとして任命された者は、他の同胞もうらやむほどの高度な戦闘技術を有している、最も栄えある英雄の一人と言えるのだ。
ドレッドナイトの搭乗者は、当然の如く最も危険な戦場に投入されるからだ。他の多くの戦士達がこうした過酷な戦場を回避する一方で、ネメシス・ドレッドナイトのパイロットたちは、むしろ過酷な戦場を享受している。
絶体絶命の戦場で戦い、修羅場を潜り抜けて生き残る度に、新たな知識や戦闘技術を身に着けていくことを彼らは心得ているからだ。このようにしてドレッドナイトは、自らが皇帝の手に握られる最も鋭い剣となるべく、その戦闘能力を研ぎ澄ましてゆくのである。
グレイナイトたちにとって、これに勝る栄誉などなかろう。



画像出典:コデックス「グレイナイト8版」(codex:GreyKnights) P46イラストより


  • 「グレイナイト・ドレッドノート」


【概要】
''ドレッドノートは致命傷を受けたスペースマリーンの英雄が納められたロボット兵器で、グレイナイト戦団でも他の戦団と同様に運用されている。''通常、定命の人間が持つ武勇だけでは、どうしても勝利を得ることが難しい戦闘もしばしば存在する。
時には、圧倒的な兵数さを知りながらもなお、敵の大群を迎撃しなければいけない過酷な場面もあるだろう。こういった状況下で勝利を手にするには、戦団内でもとりわけ強大な英雄たちの力を結集させて敵に立ち向かうことが求められる。
このような場合には、グレイナイト戦団に所属する「武具職工長」(マスター・アーマラー)は、〈英雄の間〉へと降りてゆき、眠りについているドレッドノートを再び起動させるのだ。
【恐れを知らぬ鋼鉄の身体】
激しい憤怒で突き進むドレッドノートの勇姿は、それを仰ぎ見る者に畏怖の念を感じさせずにはいられないだろう。機体の全高は人間の二倍以上もあり、グレイナイト戦団が持ちうる最も恐るべき武器を装備する。内蔵された機関部は、戦闘の喜びに満ちた唸りを発しながら、大地揺らしながらを一歩ずつ前進していく。
ドレッドノートの全身を阻もうとする敵は、その巨体へと銃弾を撃ち出すであろうが、アダマンチウム鋼の装甲に護られたボディには対人兵器はほとんど効果はない。反撃に転じたドレッドノートは、その両腕に装備された恐るべき兵器で敵を容赦なく屠っていく。
機体には二連装の熱線銃「マルチメルタ」や嵐の如くボルト弾を発射する「ストームボルター」をはじめとした射撃兵器のほかに、強力なネメシスの鉄拳を放つ「ネメシス・ドゥームフィスト」といった武器が装備されている。発射した銃弾が豆鉄砲と化してしまい、ドレッドノートが放つ熾烈なる火力を場面を目の当たりにした敵は、恐れをなして逃げてしまうだろう。
しかし、グレイナイト戦団のドレッドノートが持つ真に恐るべき要素は、装備されている武器だけではない。同胞が放つサイキックによる強固な防御能力こそ、この機体が持つ最も恐るべき要素だと言えよう。
機体に搭載されている棺の中に組み込まれたサイキック回路を用いて、グレイナイト・ドレッドノートは自らの「イージス・フィールド」を付近にいる同胞とリンクさせ、個々の力の総和よりも遥かに強力な防御効果をもたらす事が可能だ。
【棺に納められし英雄】
しかし、ドレッドノートを更に恐るべき存在にさせているのは、ドレッドノートそのものの機体性能ではなく、機体内に納められているグレイナイトの英雄がパイロットとなっているという事だ。数十年、数百年と戦いその生涯をささげたグレイナイトの戦士たち。
そのグレイナイトの中でもとりわけ強大なる英雄が瀕死の致命傷を負った際に、ドレッドノートの棺に納められる。通常のグレイナイトがドレッドノート入りを果たす事は無く、強大な力を持つ英雄のみがドレッドノート入りという栄誉を与えられるのだ。
ドレッドノート入りを果たした英雄はその四肢を切断され、人口生体被膜と永遠に一体化した後に、棺の中にある生命維持水槽の中へと納められる。こうして瀕死の英雄は、恐れを知らぬ者の名を持つドレッドノートとして戦団に仕える事となるのだ。
強靭な機械の身体は定命の生物のような痛覚を有さず、数百年、運が良ければ数千年もの寿命が与えられる。しかし、ドレッドノート入りを果たした英雄は、時間がたつにつれて少しづつ狂気へと駆られていく。
四肢を切断された状態で生命維持装置に繋がれたまま何百年もの間を生きるのは、どんな勇者であれ苦痛が生じるものだ。まさに恐れを知らぬ戦う棺桶であるドレッドノートは、その存在自体が恐れそのものなのである。
【重ねてきた武勲と経験】
ドレッドノートが持つ戦闘経験は、言うまでもなく極めて豊富だ。眠りから目覚めたドレッドノートは、長距離支援から強襲の先導役まで目の前の戦闘状況に応じて様々な役目をこなすことが可能である。
戦団内では、騎士団支隊長が前線指揮を誰かに預ける際にドレッドノートに副司令官の役目を任せて、主力攻撃部隊の指揮権限を譲ることも珍しくはない。ドレッドノートに収められているパイロットは以前、騎士団支隊長や騎士団長の位階にあった強者であったことが多い。
そんな彼らに副司令官としての役割を任せるのは、珍しい事ではなく、むしろ彼らが得意とする戦略的手腕が発揮される場面と言っていいだろう。このような戦士と共に出撃する事は、戦団の歴史や伝説と共に戦う事と同じであり、ドレッドノートと共闘できることは同胞にとって誉れ高き名誉なのである。
【眠りにつく英雄】
グレイナイト戦団においてドレッドノートは非常事態以外、休眠状態についている。彼らは元々、戦団のために一度戦場で斃れ、死んだはずの者たちだ。
それ故、戦団の騎士団長はこの古き時代の英雄に頼り切ってばかりいては、彼らの奉仕によって築かれた戦団の栄誉を汚してしまうと考えている。ドレッドノートは非常事態が過ぎ去れば、再び〈英雄の間〉へと戻り、その暗闇の中で再び眠りについて、次なる戦いの夢を見続けているのである。



画像出典:コデックス「グレイナイト8版」(codex:GreyKnights) P47イラストより


  • 「ヴェネラブル・ドレッドノート」


【概要】
尊き者の名を持つドレッドノート。ヴェネラブル・ドレッドノートに接続された者は古の英雄であり、彼らは数々の戦いを生き抜いてきた経歴を持つ。
数百年から数千年に渡り、何千もの戦いに参加してきた彼らの戦略的洞察力と、かつての戦いで彼らが追放した悪魔についての知識は大いに尊ばれている。彼らは厳粛なる決意と共に、自ら戦場に馳せ参じ、彼らは生ける伝説と戦うことが大いなる名誉と見なされている。



画像出典:コデックス「グレイナイト8版」(codex:GreyKnights) P55写真より


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この世ならざる恐怖、我らが内を侵す時、我ら降伏と追討を成さん。我ら揺るがぬ憤怒に抗い得る、渾沌の脅威なし。


〈鈍色の騎士〉たる者は追記・修正を怠るな。悪魔の脅威は常に変化し、汝らに襲いかかってくるのだ。


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  • ライノって貴重な存在だったのか… -- 名無しさん (2023-02-13 18:20:24)

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