SCP-001-JP

ページ名:SCP-001-JP

登録日:2022/01/09 Sun 17:43:50
更新日:2024/06/17 Mon 13:22:24NEW!
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scp foundation scp-001-jp 001提言枠 初心者殺し 所要時間30分以上の項目 scp-jp 日本支部 scp-001 scp財団 kwana broken_bone tokage-otoko locker solvex o-92_mallet ykamikura okaka_onigiri yzkrt toraya hal_aki amamiel stengan774



以下のファイルは管理者の権限により




最高機密




に分類されています。



一般通告001-アルファ:SCP-001-JPの情報漏洩の防止策として、偽造SCP-001-JPファイルが本当のファイルと共に複数作成されました(または作成されていない)。偽造を含む、全てのSCP-001-JPの性質に関する資料にはミーム殺害エージェントによる保護が施されており、無許可の職員がファイルへのアクセスを試みた場合、即座に心停止が引き起こされるよう設定されています。████-███-██████下の要請を除き、SCP-001-JPの本当の性質を一般人に公開する行為は処刑事由となります。








警告


このファイルにアクセスしている無許可の職員はベリーマン=ラングフォード・ミーム殺害エージェントにより即座に処分されます。適切なミーム摂取無しに下部へとスクロールを行えば、即座に致死性の心停止が発生します。


待機してください。








































































ソース: http://scp-jp.wikidot.com/scp-001-jp
著作権者: fish_paste_slice
公開年: 2020年
このコンテンツはCC0ライセンスのもとで利用可能です。


















ミーム殺害エージェント作動


生命徴候の継続を確認


安全装置を解除



ようこそ、担当職員様。


この項目ではSCP-001-JP、すなわち財団日本支部におけるSCP-001提言について解説する。
「001提言」そのものの解説や、SCP財団本家(英語版)における001提言の解説はSCP-001
本部、日本支部以外の001提言についてはSCP-001/支部提言を参照のこと。



【日本支部における001提言】

「財団支部」そのものにフォーカスを当てた解説はSCP-001/支部提言に記載されているのでここでは省略する。代わりに、ここでは日本支部の001提言の特色について解説する。


まず、001提言とはいえ、日本支部のSCPなのだからアイテム番号の末尾には「-JP」がつき、「SCP-001-JP」として表される。
しかしながら、Kwanaの提言、Fennecistの提言などの一部の提言では、「支部のもの」ではなくて「世界全体のもの」あるいは「本部のもの」といったことをメタ的に表現するために-JPを付けない作品が存在する。すなわち、これらの作品に関しては「SCP-001」についての報告書、という形になっている。


次に題材についてだが、本部と同様、「財団の最後の切り札」である場合(O-92の提言など)や、「財団の基礎となる存在(solvexの提言など)」の場合もあるが、日本支部独特の特徴としてsolvexの提言Ⅱ、御舍利の提言など「日本支部発祥のきっかけ」を描いた作品が一定数存在する。というか、御舍利の提言に関しては、日本支部の前身となる存在である「蒐集院」目線での報告書となっており、蒐集物第〇〇〇八番(SCP-001-JP)が発見された西暦583年以前の時代から、1945年にそれが日本支部理事会に継承されるまでの歴史を描いている。


また、ヘッドカノンにもよるが、SCP-001-JPというのはSCP-001とは独立した存在であることが多く、SCP-001-JPの作品の中にアメリカ本部のSCP-001が登場することもある。実際、SCP-001-JPのykamikuraの提言では、SCP-001であるMJSの提言が登場する。


なお、ニコニコ支部のSCP-001-NC「SCP紹介動画」については、二次創作であるためここでは扱わない(ちなみに、SCP-000-NCの方が体裁としてはSCP-001に近い)。



【日本支部の提言】


名古屋城の座標に存在する直径1.3km、地上長・地下長10000mの円筒形の構造物。オブジェクトクラスはThaumielとなっている。
実効半径7kmに位相変調を起こしているため、大衆はこれを認識できない。
側面に垂直になるように重力を設定している。さらに内部は9つの区画に分けられており、現在は下から順に地下制御区画、地下機関区画、地下居住区画、地上エントランス、地上多目的区画、地上機関区画、地上制御区画、地上管制区画、頂点観測区画の構成になっている。
コイツに入ると「艦長」と名乗る人型実体に出迎えられ「乗組員」と呼称される。日本支部の那古博士はあるきっかけからコイツを発見したのだが、そこで彼は本部を含む既存のSCPオブジェクトの精巧な複製を見せられ、この艦橋がSCP-001だと聞かされた。
ちなみにこの記事は形式こそ財団のものだが内容は明らかに財団外の人間が記したものである。
この提言のオチは、この「艦橋」は宇宙という名の船のブリッジであり、SCPオブジェクトを生み出し財団を観察するためのもの。というもの。ちなみに本来の所有者は財団日本支部に紛れ込んだ上位存在たち(理事などに就任)だが、一般の職員に情報漏洩が起きたため財団形式の報告書という形で苦言を呈した、というわけである。
ちなみに那古博士は消された模様。この宇宙そのものが上位存在の世界の「実験施設」であり、艦橋はその出入口、ということらしい。


なお、この提言は「日本にあるこれが本家」ということをメタ的に表現するため、「SCP-001」表記でありJPのコードがない。


「ししまいっ!」というタイトルで括られた共同創作フォーラムで作られる会話形式のエピソード群。オブジェクトクラスはSafe。
ストーリー自体はある四人姉妹の日常を描いたものだが、執筆者の一部はこれの製作に傾倒したあげく消滅する、という異常現象が発生している。構成エピソードを100以上読むと執筆意欲が湧きあがり、ある程度書くと不明な方法で消滅する。
さらに、投稿されるエピソードは「ししまいっ!」の世界観を決して外れない、という自己同一維持性を持っている。


このオブジェクトが人間を糧とする情報生命体だと踏んだ財団は当初、フォーラム自体を閉鎖したが、執筆者たちは自前のバックアップを持ち寄って別のところで復旧。本質は執筆者の意識にあるのではないかと考えを変えた財団は、今度は「ししまいっ!」を利用して低クオリティな作品を公式発表し、論争を生じさせて創作を止める、という作戦に出た。
が、一時的に停滞したものの結局は失敗。


各情報攻撃への肯定的な感想が唯一の対抗手段となっている。ちなみに、ある職員はこんなコメントを残している。

一体何が楽しくてエピソードを作ってるんだ?金をもらっているわけでもないのに、100も200も作っている奴だっている。作って作って、その先には消滅しかないというのに。まるで、SCP-001-JPの世界を完全に作り上げようとしているかのようだ。


で、実質O5のみが閲覧できる機密部分には、SCP-001-JPはどこかに実在し、エピソードという形で己の情報をもたらし、多く公表した人物を登場キャラクターとして世界に迎える、という仮説が記載されている。実際、Dクラスを用いた実験で、1名の消失と共にキャラクターが一人増えていた。
が、ある消失した研究員はこんなメモを残している。


俺達と同じくSCP-001-JPは実在する。俺が望んだから、俺はこっちにいるんだ。忘れていた。


このオブジェクトは「ししまいっ!」の世界観そのものであり、世界観をエピソードという形で広げていくとその世界に行ける、というものである……と見せかけて、実際には「財団世界の方が虚構で、『ししまいっ!』の世界の方が現実である」というオチ。
それに対するあるO5のコメントが全てを物語っている。


我々は実在する。実在するのだ。


ちなみに元ネタはSCP財団ウィキそのものである。


オブジェクトクラスはKeter。財団世界そのもの。
天蓋がふたを開けるように開き、幼児のような手がSCPオブジェクトを投げ込むという現象と、宇宙に存在するもの全てがそれを自覚できない現象、そしてそれらに関する人員が跡形もなく消えるという三つの事象から成り立っている。
天蓋からの手の出現は例え目の前で見ていても一切認識せず、投げ出したSCPは新たに発見された脅威として扱われ、それらのSCPが人語を解し話す場合でも、投げ出されたことには気づいておらず、「背景」の通りに振舞う。


投げ出された知的存在はSCP関連組織に昔から所属している信頼すべきエージェントや博士として、たとえどんなに異常な能力や性格を持っていたとして振る舞い、周囲もそれを当たり前のこととして受け止める。さらには、人事ファイルなどのすべてのデータは昔から彼らが存在していたようかのごとく出現する。


そして、最終的にそれらは不定期に消え去り、オブジェクトがあったナンバーには別のオブジェクトが割り振られる。


この提言のオチは、天蓋の上でSCPをいじくり回している執筆者を「SCP財団という物語の登場人物」が認識、それについての報告書を書いている……という記事を執筆者が書いている、というもの。要は、財団世界の人物が自己意志で決定したことは、実は彼ら自身ではなく執筆者の意志で決定されたことである、という話である。


ちなみにこれ、元記事ではしばらく見ていると提言の部分が綺麗に消え去る。
財団世界でも白紙になったらしく、こんなメッセージがある。

O5の誰なのかは知りませんが、白紙の報告書を最重要機密に挟んでおくというのは誉められたことではありませんね。ダミーファイルのつもりなのかもしれませんが、それならそれらしい報告を書いてください。なにも書かれていない、こんなぐしゃぐしゃの白紙を他の団体のスパイが見たとして、誰がこれを機密文書だと思ってくれるのですか?


島根県に存在する時空間異常。オブジェクトクラスはKeter。
接近した人物の近縁の人物によく似た人型実体を放出する。この実体は生物学的には生きているとは言えない状態にあるが、生物として活動している。どうやら日本支部のでく人形と似たような存在らしく、認識によって存在を規定しているようであり、さらに無力化しても当該人物が穴の近くにいるとまた出てくる。


出てくる実体は当該人物の近縁者のうち死亡した人物であり、生存している人物が出てきた事例はない。
このオブジェクトは元々蒐集院が管理していたものであり、西暦900年頃から存在していたらしい。
が、実体は自己認識によって存在を定義しているため、「臓器や脳の損傷では死なない」ことを理解すると無力化が困難になる。


本当に厄介なのはこのオブジェクト自体ではなく、家族や友人にまた会いたいと願う人々や、実体たちの人権を主張する要注意団体、要は「やさしいひとびと」である。このため財団は「確保・収容・保護」の理念を頑なに実行することを徹底しており、件の穴については一切の妥協をせず、実体の人権を認めることもありえないとしている。


まあ、完全に解放されてしまえば死者で地上が埋まり、支配種シフトのKクラスシナリオが発生しかねないのだから当然だろう。


なお、このオブジェクトがSCP-001-JPとして扱われているのは、蒐集院の前身となる組織の設立理由の1つがこれに対処するためだったかららしい。


ちなみにこの提言、実は先に述べた要注意団体の誰かが、職員の一人に偽装したアクセス権を与えて中身を見せている、というクラッキングであり、機動部隊が派遣されている。つまりこの職員、まんまと騙された揚句に終了された模様。
これはひどい。


恐らくは魔法によって映像を記録された青銅の板。これ自体はSafeだが映像の内容が問題。
簡潔に言うと、この映像を記録したのは「蒐集院の四等研儀官ナカゾノ」なる人物である。
ナカゾノ研儀官によれば、彼の世界、恐らく過去に当たる世界は、魔法によって運行されていた。相反する思想である科学は淘汰され、架空のものとして扱われるようになった。
しかし、魔法という力には世界に歪みを生み出すというリスクがあり、それを使い続けた結果蓄積した歪みに引きずられ、世界は崩壊してしまった。
ここにきて世界は科学と魔法に互換性があることに気付いたが手遅れであり、ナカゾノ研儀官はアーティファクトを使って過去へ飛び、魔法の代わりに科学と博物学を広めることを決意。その時、映像を記したこの青銅板が一緒に飛んできたのである。
映像の最後はこう締めくくられている。


もしもこれを読んでいる人がいるのなら、貴方に問いたい。貴方の居る世界は、科学の力で回っているか? 私は世界を救えたか? 私は蒐集院に所属する、四等研儀官ナカゾノだ。三千年後、世界が正しく回っていることを願う。


が、その後の調査で、青銅板の裏側に別の技術で記録された映像が発見された。劣化が激しかったが、最後の部分で聞き取れたのがこれ。


わ█し█ざい███ほん█ぶに█しょ██す██クラ█2け█き██い█なか█の███もの██きっと██し████する██████ねが███る█


恐らく、


わたしはざいだんにほんしぶにしょぞくする、クラス2けんきゅういんなかぞのというものだ。


と始まっているのだろう。つまり、この映像の「なかぞのけんきゅういん」は、科学に傾倒した結果世界が崩壊したため、今度は過去で魔法を広めようと考えているらしい。
だが、その結果がどうなったかは「ナカゾノ研儀官」のメッセージが示している。


果たして、科学と魔法、どちらが正しかったのだろうか?


謎の巨大装置とそれを制御するAI。元は火星に存在していたのを財団が回収した。
何らかの使命を持っていたようだが、AIはそれに関する記録を損傷している、要は記憶喪失に陥っており、それについて考えている。が、このオブジェクトはいわゆる現実改変型であり、しかもかなり大規模であるため、AIが使命を思い出すことは現在の世界の存続に影響すると考えられている。
そのため、「そんな使命は今は必要ないんだ」と思わせるカバーストーリーを適用する「プロトコル-K98」が適用されており、装置の起動が不可避となればプロトコル-K99が適用される。


また、調査の結果オブジェクトの起動プロセスが完了した場合、現在の世界は消滅しオブジェクトも破壊される、と判明している。
内部記録を調査しメモリーを解析したところ、以前はThaumielに分類されていたことが判明しているが、現在はその特性上Keterに分類されている。
なぜThaumielだったのかは不明である。


また、本体の裏にはかつて何かの装置が存在したと思しき空白があり、記憶喪失の原因は恐らくこれだろうと考えられている。そしてさらに調査を行ったところ、どうやらコイツはビッグバンを意図的に起こすための世界のリセット&リロード装置であると推測されている。


その後、日本支部の収容した別のオブジェクトを接続したところ、AIは対話用のデバイスに未知のデータを送信し始め、さらにオブジェクトを起動させ始めたため実験は中断。
データを解読した結果はこうなっている。


批判。嘘。赤の山に立つ二本の樹。三本目の樹は何処に? 光あるものへ差す熱と死が示す尊き世は数珠に繋がれし玉と悲鳴の連鎖の果てに行き着く[解読不能]救済の呼び声。渇望と偽善の[解読不能]漂い明日へと行き着く昨日の死者にして使者。記憶か、知か。今にも神は寝返りを打つ。次の世に光あれ。私は原初の機械。最新の卵。旧き生、新しき死、次なる世界の卵。銘々らよ、普く知を求めよ。旧きを求めよ。


満ちる    …      un reloaded……





―――という一連のデータを財団がSCP-001-JPの内部から回収。
これらをもとに、装置の起動を意図的に操作することで、記録を保存するためのプラットフォームを一時的にSCP-001-JP-A内部に構築可能とする「プロトコル-K100」が適用されており、現在はThaumielクラスに分類されている。



どうやら50回以上起動した模様。


消えないランプ。オブジェクトクラスはThaumiel。
ランプの燃料に当たる物質はいわゆるエクトプラズムの溶液であり、当初はアメリカにて「燃え尽きないランプ」として収容されていた。しかし、後の暴露事例によって正確な異常性が明らかとなった。


それは、点火状態のSCP-001-JPを見ると、それが実物だろうが画像だろうが映像だろうが、特殊なミームに感染するのである。
暴露した人物は、自分自身が関わった人の死亡事例に関する言及を避け、無理なら遠回しな表現を用いるようになる。例えば、「死亡」「殺害」を「終了」と言い換えるなどである。
また、これによる二次効果として、その事例に関する暴露者の精神的負荷が大きく軽減されることもわかった。


しかし、自らのもたらす死に対して向き合わないということは、それに対する責任を負うことが出来ないということ。
つまり、一般道徳の社会で生きることが出来ないのだ。


財団の前身にあたる組織のほかにも、オブジェクトを研究する組織は数多くあった。しかし、ものによっては人体実験をせねばならず、それによって犠牲が相次ぐという事実は研究者たちの精神を疲弊させていた。
このランプはその対策として有用だったが、曝露した人物は社会では生きられない。


これを踏まえた現在のO5-1は、「異常存在を確保・収容・保護する人物を確保・収容・保護する組織」として財団を設立。すべての職員を暴露者とする「アクイタル・プロトコル」を実行することで現在のSCP財団を作り上げたのである。


私はいまだに思うところがある。特異なオブジェクトから護るために入った者達を、その特異なオブジェクトに変異させてしまうことを。そして自らも収容対象にさせてしまうことを。しかしそれでもこの方法より良い方法が見つかるまでは、やり続けなければならない。我々は常に最善を尽くさなければならないのだから。


財団で使用されている報告書そのもの。オブジェクトクラスはThaumiel。
「財団のエンブレムを使用している」「財団で定められている基準を満たしている」報告書が該当する。
ヒトに限らず、知性体がSCP-001-JPを閲覧すると、アンチ・ノーマリティ・オーガナイズ・マテリアル、略してアノム粒子が閲覧したものの情報処理機能において発生、記述されている対象が実際にある場所に移動、その対象と粒子が融合して報告書に記されている特性を持ったオブジェクトが発生する……というもの。つまりジョナサン・ボールの提言と似たようなもんである。
ただ、このアノム粒子は閲覧者の外部に起源を持つらしく、場合によってはこの粒子が減衰することでオブジェクトが無力化・消失することもあるらしい。そういう場合はオブジェクトクラスが改訂される。


ただし、財団が管理していない、もしくは未知の異常性を発揮したオブジェクトによりK-クラスシナリオの兆候が見られた場合、フェイクである他の提言を全て削除することになっている。














というのは虚偽である。
アノム粒子は現時点では存在しない。というのは、SCP-001-JPが効果を発揮し、アノム粒子が出現するのは、人々がこれについて書かれた報告書=SCP-001-JPを読み、その内容を信じた時だからである。
SCP-001のスロットは、完全にフェイクである報告書を登録することを許された数少ない場所である。だから、しかるべき時までこれを秘匿するために、このオブジェクトにはSCP-001-JPのナンバーが与えられたのだ。


この「報告書」、効果は絶大である。なぜならアノム粒子が出現して効果を発揮すれば、全てのオブジェクトは報告書に書いてある通りの特性しか持たなくなるからである。つまりイレギュラーが発生しなくなる。そうなったオブジェクトの収容がどれほど楽かは言うまでもないだろう。


しかし、アノム粒子は無から生まれるわけではない。
もしも、この世界を人知れず維持しているアノマリーがあり、それを財団が確保・収容・保護する=特性を報告書に書き起こして記録する前にSCP-001-JPが起動してしまったら?
そのアノマリーは抹殺され、世界は滅びるだろう。


そうなっては困るから、SCP-001-JPというフェイクの海にこの報告書は溶かされている。
世界を維持する全てのアノマリーを確保・収容・保護する。そうすれば、最終兵器は安心して起動できる状態になる。
それが財団の使命なのである。
報告書の最後は、新たな担当職員へのこんなメッセージで締めくくられている。


最後になりましたが、この報告書が真実として認可される日が永遠に来ないことを、私は願っています。


Okaka_Onigiriの提言 - PLANeT


単為生殖が可能なモンゴロイドの女性。オブジェクトクラスはスパイク・ブレナンの提言に続くYesod。
この女性が出産するのは、自身の遺伝子を全く持たないさまざまな人種の胎児と、クローンである胎児。
後者のクローンを出産した場合、この女性は死亡する。そしてこのクローンの方も、14歳で全く同じ能力を得る。


出自については不明で、財団創設の時点で既に収容されていたらしい、とだけわかっている。
詳細な情報はO5のみが閲覧可能となっている。


真相についてバラしてしまうと、この女性は元々ユダヤ人の一般市民である。
強く神を信仰しているだけの普通の少女だったが、そんな彼女に現在のオネイロイ・コレクティブのメンバーが接触した。
オネイロイ・コレクティブは、滅びた世界の住民であり、肉体を捨てて夢の世界の存在となることで脱出した者たちのコミュニティである。
少女の夢界に生まれたオネイロイ(抽象)達に、弱り切っていたコレクティブは商談を持ちかけた。つまり、少女の夢界をコレクティブの拠点とする代わり、自分たちの持つ、夢界から現界に至るための技術を全て譲ると。
夢界のオネイロイ達は、少女自身のオネイロイ(自身が夢の存在であること自体気づいていない)には断ることなく、それを受けた。


オネイロイ・コレクティブは、少女の信ずる神の写し身に擬態し、少女に受胎告知を行った。
これから起きることは全て神の御意志によるものであり、ゆえに受け入れ、永劫にこれを全うせよ、と。
そして、最初に少女の胎内から生まれ落ちたのが、少女の夢界に生まれたオネイロイ達の指導者である。彼は現在ではO5-1と呼ばれている。
彼はコレクティブから授かった知識と業により、数多の奇跡を起こした。続けて生まれ落ちたのが現在のO5メンバーとその後任であり、これが財団の創始である。


つまり、SCP-001-JPとなった少女とは、O5評議会のメンバーとなるオネイロイ=夢界実体を人間として産み落とす生産装置なのである。肉体に限界が来れば、自らのオネイロイを産み落として入れ替わる。
05のメンバーは死ねば夢界に戻り、また産み落とされる。救いとしては、少女にも、少女のオネイロイにも、もはや意識は存在していないことだろうか。


ただ、オネイロイ・コレクティブは、O5となる夢界実体に対してこう要求した。
つまり、異常存在の知識を与えた上で、それらを確保し、収容し、現実を保護せよ、と。
理由はわかっていない。現実が滅ぶことで、夢界もなくなるからではないか、と推察されている。



これらの情報は、夢界に戻ったO5の一人が同志から送られたメッセージとして読み取れる。
が、彼が「誕生」した後、現実に降り立ったために読めなかった、としてサイズ0の隠しメッセージがある。
曰く、


C:¥miryam.psyをスキャン中……設定条件を満たす夢界実体は検出されませんでした。
Gabriel ver.4.05をシャットダウンしています。定例ファイルの更新後、Gabriel ver.4.05は自動的に再起動します。


夢界で展開されているシステムの終了と再起動メッセージだが、「夢界実体は検出されませんでした」というのは、現在財団職員として生まれるべき実体が夢界にいない、ということである。


WagnasCousinの提言 - 進化


chuukunnの提言 - 二者択一(※別の項目に移動します)


darumaboyの提言 - 蜜


indonootokoの提言 - 現人神


[[k-calの提言 - 天秤 君が探している引き継ぎ文書>SCP-001-JP/k-calの提言]](※別の項目に移動します)


京極の提言 - バックベアード


locker氏の提言その2。
SCP-444-JP「緋色の鳥よ」が収容違反を起こし、アウトブレイクが発生した後日談となる。
緋色の鳥はもはや周知のとおり、人の意識の中を飛び、精神をついばみ心を食らう。だがその性質上、生命体でないものを食うことはできない。
そこで財団のは、緋色の鳥を調査するための疑似人格AI「ハル」を構築し、プロトコル“ロビンソン・クルーソー”により緋色の鳥の領域を調べることにした。
生き残った職員がこれを用いて緋色の鳥を収容しようと試みている……というのがこの提言の中身。


結果はというと、「ハル」が緋色の鳥の世界で見たのは、「灰色よりも透明で、灰の中から何かを拾い上げて啄んでいるモノ」。
間違いなく緋色の鳥だと思われたソイツは、こともあろうにAIである「ハル」の記憶領域に干渉、自身の画像を端末に送信してきた。


最終的に「ハル」は、そのナニカについて結論を出した。
ソレは世界そのもの。ソレは世界を食らったモノ。ソレは全ての知性の根源にして、模倣すべきオリジナル。ソレは最後に来るモノ。ソレは最初に眠るモノ。


「ハル」はソレを、“鈍色の鳥”と呼んだ。


財団博士の人事ファイル


Ikkeby-Vの提言 - 群盲(※別の項目に移動します)


hannyaharaの提言 - 最後の一人(※別の項目に移動します)


オブジェクトクラスはNon-Anomalous、すなわち「異常ではない」。
この記事におけるSCP-001とはすなわち「正常な世界」そのものである。
記事の前半は報告書だが記事その物は報告書のフォーマットを使ったtale。


この財団世界においては、それら「正常な世界」、財団の護るべき世界とそこに属する全てを「エリア・ビオトープ」という閉鎖保護区に封じ込め、その中で世界を運行させること、そしてそのために財団の総力を挙げることがプロトコルとなっている。
もしも保護区内にアノマリーの存在が知れた場合、EK-クラス“羽化”シナリオが発生するため、プロトコルは厳守が義務付けられていた。


異常を確保し、収容し、正常な世界を保護するのが財団である。
が、2020/2/8のSCP-169「リヴァイアサン」の活性化を皮切りに要注意団体が立て続けに活動を激化。特に「蛇の手」の妨害によって隠蔽工作が遅れたのが致命傷となり、サーキック・カルトによる生物的実体の召喚、壊れた神の教会による「壊れたる神」の復活とそれらの激突、GOCとの決裂、カオス・インサージェンシーの蜂起、これらの影響による地球全体のヒューム値の低下……と、「正常な世界」を揺るがすインシデントが溢れた結果、エリア・ビオトープは機能を停止。EK-クラス“羽化”シナリオが始まってしまった。


SCP-001-JP、すなわち「正常な世界」として保護されていたはずの人々は繭に包まれ、そして光の蝶となって羽化。ビオトープは「羽化」し、異常と正常が混交した。
正常と異常は表裏一体、お互いがお互いを定義する。このK-クラスシナリオは、その境界線が消滅し、「正常な世界」が消えてしまうという結末である。
169は再び海に還り、ヤルダバオートと「壊れたる神」は和解を言い残して宇宙に去った。
財団の護ろうとした「正常性」が、異常な世界に溶け込み、変質させた。


そして、全てが終わり、異常が正常になった世界。
かつて財団の管理者だった、あるいはかつてSCP-990だった男は組織の解散を宣言し、街を歩いていると、かつてSCP-682だった爬虫類と、彼に乗っかっているかつてSCP-999だったスライムに出会った。
682からはかつての敵意もすっかり消え失せ、今では揃って何でも屋として暮らしていた。
管理者だった男は、新世界における「宗教」の聖地で、かつてSCP-239だった女性と出会う。そして彼女に差し出した手には、一つの指輪が乗っていた。


財団は存在意義を失い、正常と異常は混ざり合った。
しかしそれでも、世界は確かに続いていた。


オブジェクトクラスはKeter。
このヘッドカノンにおける001-JPは、各種保存則のもたらす現象である。
端的に言うと「アノマリーが無力化すると、それまでアノマリーが違反してきた保存則の埋め合わせが起こる」というものだ。
例えば『水が無限に出る蛇口』が無力化すると、今まで蛇口が出してきた量と同じだけのHとOが周囲から消失する。


このため、アノマリーはそれ自身が驚異となりうるうえに、SCP-001-JPという爆弾を抱えていると言える。
特に破壊耐性を持つものは、この埋め合わせを溜めやすい。



いつ、どうして壊れるかわからないアノマリーのせいで世界が滅ぶことは受け入れられない。
そこで財団は世界オカルト連合と協力し、全てのアノマリーを隔離し、封印し、隔絶する「プロジェクト“ヘッド・レーシュ・メム”」を開始した。
このプロジェクトは6つのフェーズに分かれる。


フェーズ1では、特A級指定を受けたGOIの解体とともに、従来通りアノマリーの収容を続ける。


フェーズ2では、全ての財団とGOCの職員にプロジェクトを公開し、参加者を募る。
その人数が規定値に達したら、宇宙空間にsatケルビムという人工衛星を開発する。
この機能によって地球全土に薄ーく現実性領域を広げ、改変が起きる場所を絞り込んでアノマリーが発生する地点を探索する。


フェーズ3では、異常性の発生する区域をマッピングし、必要となる収容・生活のためあらゆる施設とライフラインを構築、エリア-0に指定する。
情報交換のルートを、財団の影響が限界まで小さくなる形で構築し、Satケルビムを完成させる。


フェーズ4では、ケルビムを打ち上げる。そしてエリア-0にスタッフを配置し、5年間経過を観察する。
新たに回収したアノマリーの発生場所のうち、98%以上がエリア-0内部であれば、次のフェーズとなる。


フェーズ5では、全ての職員に対して再度、参加の意思を確認する。
参加するものは親族とともにエリア-0に移動し、収容済みのアノマリーも全て移動させる。エリア外の施設については、フロント企業専用のもの以外は全て解体する。
参加しない場合は記憶処理を行い、異常性などを限界まで除去した上で一般社会に復帰させる。ただし、それが不可能ならば記憶処理によるプロジェクトへの参加、アノマリーとしての収容または終了となる。
財団とGOCの全ての資産と機能がエリア-0へ移動したら次のフェーズとなる。


フェーズ6では、エリア-0を外界から遮断する。
ブライト/ザーションヒト科複製機を使用してDクラス職員を量産して財団の機能を維持しつつ、エリア外のアノマリーや財団、要注意団体に関する記録も記憶もすべて消し去る。
情報操作と反ミーム迷彩によってエリア-0を外界から消し去り、フェーズ3で構築した情報網だけが接点となる。



ここまでが報告書の内容であり、ページの最後にはエリア-0から送られたメッセージが存在する。
それにより閲覧者は、プロジェクトはフェーズ7に移行することが決定したと知らされる。


フェーズ6から200年、エリア外でのアノマリーの発生は全てなくなった。後はフェーズ7、外部との連絡網を断ち切り、エリア-0を完全に孤立させるのみ。
報せを受け取ったエリア外の職員はメッセージを閉じ、同時にミームエージェントにより記憶を失った。


隔絶された世界の裏側で、財団とGOCは今日も異常と戦っている。


solvexの提言II - 箱庭は誰のものか


オブジェクトクラスはundefined、未定義。
現象タイプのオブジェクトであり、簡潔に言えばアノマリーの消失と、それに伴う財団の技術の喪失である。
スワン博士はこれを収容に伴う因果の逆転、つまり収容先のアノマリーが消えてしまえば、そいつを収容するために必要な技術も一緒に消えてしまうと推定している。


財団の観測部門は並行世界の観測を行い、K-クラスシナリオによる滅亡の事例を参照したが、その結果は「K-クラスによる滅亡を誘引するのは全て“財団が収容または発見しているアノマリー”である」というものだった。
つまり、財団が認知していないアノマリーによってK-クラスが起きることはないというのである。
スワン博士はこの結果を受けて、「財団によるアノマリーの発見と収容は同時に起きているのでは?」と仮説を立てた。つまり、アノマリーを財団が発見し、しかる後収容しているのではなく、収容されたという現実が先にあって、整合性を取るために過去改変が起きているというものである。


要するに、財団の持つ技術のほとんどはそれらによって収容されるアノマリーの存在に紐づけられており、別世界の財団に技術供与を行っても「収容先」がない場合まともに機能しない。
さらにそれとは別に問題があり、収容能力の低い「弱い財団」は危機管理能力にも欠けており、結果アノマリーの私的流用や暴走による滅亡を誘発するケースが多い。
逆に「強い財団」はアノマリー関連の技術を用いて一般社会にまで管理の手を伸ばしており、結果社会の反発からアノマリーの流出・暴走を招いてやっぱり滅亡するケースが多い。
加えてそういう財団の場合は収容能力が高いが、SCP-001-JPの原理によりオブジェクトの数が爆発的に増えるため、収容限界を突破して暴走して滅亡するケースもある。


空想科学部門の研究結果も合わせ、スワン博士は自分たちの財団が「強い」方にも「弱い」方にもならないため、現状維持のためのプロトコルを提起した。
このプロトコルは大きく分けて三つの行動に分かれる。


1つ目は観測。
アノマリーに対して個別にSCPナンバーを割り当て、同時にそのナンバーを近場の並行世界の財団が収容している同じアノマリーのものと一致させることで、並行世界を巻き込んだアノマリーのリストを作成。例えば「目を離したら首を追って殺しに来る彫像」を収容したら、近くの並行世界に同じアノマリーがないか探し、あればそいつに振られたナンバーをこっちの彫像にも振るのである。
同時にこれらに対して、「この」財団世界におけるアノマリーの収容割合を算出し、リストと照合することで、今の財団がどっちかに傾いていないかを判断する。


2つ目は保護。
こっちは空想科学部門が主導を取る。ロジェ博士の監督のもと、アノマリー同士を関連付けて消滅を回避する「プロジェクト・クロスリンキング」を実行する。
基本的には消えても問題ないアノマリーに対して実験的に行われるが、効果があった時のために682などの危険なオブジェクトに対してもこれは実行される。SCP-001-JPの原理が本当なら、それらに対して使われている技術の消失は財団を「弱く」してしまうからだ。


3つ目は排除。
これはO5-13の指揮のもと、「この」財団世界の収容オブジェクト数が許容値を超えつつある場合に実行される。
実際に何をするのかはO5-13のチームのみが知らされる。


で、具体的な方法はというと、世界オカルト連合に破壊させることである。
記事の最後にある折り畳みで、O5-13の正体がGOCへ送り込まれたスパイであり、現在はGOCの管理者として財団を攻撃していることが語られる。
なぜO5-13は財団を離反したのか、それはSCP-001-JPのそもそもの原因「どうしてアノマリーが消滅するのか」という疑問に理由があった。


つまり、アノマリーを消し去っているのはGOCである、という話だ。
GOCは多く、アノマリーを破壊することで厄介ごとの種を撒いているように思われがちだが、彼らによって危機が回避された事例は多い。それが表ざたにならないのは、財団の受ける技術的ダメージが大きく、それを認識できないからである。
並行世界の観測によれば、GOCとの宥和に成功した事例はあったものの、それが成功した途端にアノマリーが爆発的に増殖、結果世界が滅んでしまっている。


このことから、スワン博士とO5-13は、増えすぎたアノマリーをGOCが破壊することでバランスが保たれていると考えた。
アノマリーを財団は収容し、GOCは破壊する。そうすることでアノマリーの数を多すぎず、少なすぎず、均衡を保っていると。
しかし、アノマリーの中には有害でしかないものが多い。


ならば、正常な世界のためにもっとも望ましいのは、アノマリーが消え去ることだ。
プロトコルはそのために策定された物であり、観測手順によって財団の影響力を制限し、保護手順によってアノマリー同士を残らず関連付けて一塊にまとめ、排除手順によってアノマリーを連鎖的に消し去る。
そしてそれが成った時、財団もGOCも存在意義を失い消え去る。全てはその結末のために存在する。



財団もGOCも、その活動目的は正常な世界を維持することにある。
例えそのために自らが消え去ろうとも。

















+ 空想科学部門の職員へ-

実はこの報告書にはギミックが仕込まれている。かのSCP-2996と同じ、Wikiのリビジョン機能を使用した隠し報告書の存在だ。
これについてはヒントがあり、ディスカッション内でそれが提示されている。
答えを明かせば、ページ最下部の「History」から一番最初のリビジョンを閲覧すればいい。



ここで明かされるのは、スワン博士の提言に関する問答である。
財団世界が創作の世界であるという理論は確かにあり、空想科学部門はそれについて研究する部門である。だが、実際にその可能性に思い至った職員は往々にして精神を病んでしまっている。
スワン博士自身も、SCP-001-JPの原理から、「オブジェクトがあり、それが収容されているという現実が先にあって、経緯や手順が後から追加されている=上位世界の創作者がオブジェクトを創作し、それを収容する手順を後付けで考えているからこんなことになったのでは?」と考えてしまい発狂してしまった。


ただ、それは本当にそこまで恐れるものなのか?
上位創作者の気まぐれで消されることと、世界滅亡の危機に囲まれる現状にどれほど差があるのか?
そういうふうに考えた天邪鬼どもが作り上げたのが「超越的概念対抗部門」である。


「創作者」は被造世界の人間が、自分たちが創作の世界の存在だと自覚することを好まない傾向にある。
財団世界では「気づいた」人間は発狂させられ、時に現実遡及で消される。で、この部門の職員が一番困るのは研究成果が一緒に消されることだった。


そこで、この部門のある博士は一計を案じた。
特殊な物語層に職員や研究成果を挟み込む「オペレーション・オーバーメタ」を利用し、この提言の報告書の一番最初に裏の事情を記した「第一版」を作り、その上から正規の報告書を上書きすることで上位物語層の干渉による消去を回避した。
こうすればWikidotの性質上、この提言「存在意義」のページが残る限りこの文書は第一版として残り続け、例え筆者であろうとも消去できなくなるからだ。


そしてこの「第一版」そのものと化した博士は、スワン博士の提言にあった「ホラー作家の一団のような悪趣味な奴ら」が、実際には「悪意に満ちたアイデアの奴隷」である可能性を示唆している。
だが、アイデアはよりよいアイデアによって打ち崩せる。これはそのための「伏線」となる。


さて、最後にわざわざ”私”を読んでくれてありがとう、私の同士たる財団職員。あるいは…どうせこれも読んでるんだろう?物好きな私達の敵、”悪意に塗れたアイデア”に囚われた奴隷達。


君達を含めた我々全てに幸運があらんことを。


超越的概念対抗部門 █████博士SCP-001-JP rev.0


平行世界の分岐を異常な形で発生させると目されるアノマリー。
このヘッドカノンにおいては「通常の世界の分岐のメカニズム」がSCP-001-EX(Explaind/Ticonderoga)として解明されており、SCP-001はこのメカニズムに当てはまらない分岐を起こすアノマリーである。
なお001-EXは平行世界の分裂が有限にとどまっている理由でもあり、これにより2000年でだいたい60兆ほどで収まっている。


いくつかの偶然が重なり、シュレディンガーの猫的な理屈で分岐させるのが001-EXであり、001はその例外を引き起こす。
そして例外の先には破滅があるかもしれない。
そう考えた平行世界の財団たちは、近しい平行世界同士を情報的に接続する鏡のアノマリーを用いて「フォーラム」を作り、001を探し、対処法を考えようとした。



だが、その全ては無意味だった。
いくつもの平行世界が、そこに住まう人々が、死に怯え、助けを求めながら消滅していき、あるいは何一つ異変なく平穏に過ぎていく中、001もその原因のアノマリーも発見できなかったある一つの新しい世界があった。
とある別の世界は、「いくつかの平行世界群が組織だって移動している」ことは突き止めたが、結局それ以上の成果はなかった。


そんな中、「新入り」の世界に対し、フォーラムを立ち上げた世界の財団は、あまりにも絶望的な現実を突きつけた。
彼らがとっくの昔に解明した001の真実、そしてそれが意味するものを。



SCP-000、オブジェクトクラス:AXiom。
それは、60兆もの平行世界で構成された女性の人型実体である。


平行世界群は無数の細胞、001-EXは細胞の分化、001は分化を引き起こすトリガー。
「新入り」の世界は既に分化が終わっていた、安定した細胞だった。
滅びて行った世界は細胞としての役割を終え、自壊した細胞だった。


000の寿命は2000年前後。そして、残りの寿命が80年に迫ると、000は次世代の000をおのずから身籠り、001と001-EXによる分化を開始する。
80年ほどをかけて次世代は胎児となり、その出産と共に母体の000は崩壊。それを構成していた平行世界もまた、滅びて消え失せることになる。
とある世界の財団はこれを突き止め、存続に全力を尽くそうとしたが、ある観点からそれは取りやめられた。ミクシゲ博士の覚書がそれを物語っている。


簡単に言えば、世界一つ一つが一つの生命体の細胞である以上、いずれ崩壊するのは避けられない。
自由意志がどうのという問題ではそもそもない、生態の一つなのだから。
そして、それは000が生命体である以上、必然の結末だ。変えることはできないし、許されていない。個体に反逆する細胞は癌だ。癌は排除されなければならない。


―――つまるところ、何をどうしようが2000年少々で60兆の世界は消えてなくなるのである。そしてそれを回避することは絶対に不可能なのだ。細胞一つが足掻いたところで、母体と共倒れになるか、母体から排除されて滅ぶか、どちらかしかない。


財団の明日とかいう次元じゃなかった。


ああ、神よ。無の羊水に揺蕩う我らが神よ。無意味のなんと有情な事か。有意義のなんと無情な事か。


時絡の提言 - 酔醒


Fennecistの提言 - 無題(※別の項目に移動します)


飯落の提言 - 時刻(※別の項目に移動します)


禦舍利の提言 - 大八嶋


オブジェクトクラスはHod。これは収容違反が財団に対しクリティカルダメージを与えるが、財団がそうしようと思わなければ収容違反は起きないオブジェクトに与えられる特殊クラスである。


これが何かというと、器物っぽいSCP-001-αと、概念っぽいSCP-001-βをまとめたものである。
αの方は非ユークリッド幾何学的特質により、立方体または円筒として認識される器物だが、体積0.5cm³、上が開いていて中を覗き込めるという点では共通している。
βの方はαの中を覗き込むと見ることができる概念っぽい何かで、だいたいの場合揺らめく炎として認識される。ただ、炎であることは共通しているが、そこにどんな印象を受けるかは見た者によって異なる。


そのうち90%は肯定的印象を示し、宗教的善性、重要な科学の発見などの表現を用いて好ましい、望ましいと言った反応を見せる。
9%は否定的印象を示し、暗鬱、不安定などの表現を用いて漠然とした不安感を報告する。
不可解なのは現在まで2人だけが「何もない」と報告している点だが、ここは詳細に書かれていない。
研究チームは現在のところ、オブジェクトの本質はβの方で、αはそれを収容するための入れ物であるという仮説を立てている。


で、そのβの方は具体的にどんな性質があるのかというと、αを所有する組織・団体の構成員に対し、その組織・団体の掲げる理念や目的の達成に有意な精神的影響を与える形而上概念である。影響範囲は「自分はその組織・団体に属している」と自認するメンバー全員と広い上に条件が緩い。
ただ、この「自認」には組織・団体の目的・理念を共有していることが絶対条件になるようで、財団の場合「消耗品」であるDクラスや、「ガワ」であるフロント企業のレベル0職員には影響が及んでいない。
βの影響を受けた人物はその影響を自覚しておらず、一般的な思考とは大きく異なった思考形態を構築し、組織・団体の目的達成に対し自己犠牲的に振るまうことも辞さなくなる。



このオブジェクトは元々、要注意団体前身組織「プロメテウスの学徒」との交渉によって、財団の創設期に収容されたものである。
この組織はある時、主要拠点の一つが原因不明の爆発で壊滅したのを機に瓦解し、その後指導層の一人から財団が譲渡された超常資産の一つがこれである。
曰く、元々はαの方が本質であり、それはいわゆる「パンドラの箱」だったという。
「箱」を作り上げた「創作者」は、神々のもたらす災いや呪いの数々を「箱」に閉じ込めてしまい、神の手札を全て人間の資産に変えてしまった。結果、神々は人間を恐れて世界を去ったが、もたらされたものによって人類が発展した後、老いた「創作者」は好奇心から箱を開けた。
結果、内部で変質した災厄はアノマリーと化して世界中を蹂躙。
だが災厄から人々を守っていた神はもういない、人の手で人を守らなければならない。「箱」に残されたのはかすかな「灯」だった。パンドラの箱でいう希望と同じものかは定かではないが。


プロメテウスの学徒はそうして生まれた組織であり、今の財団と似たようなことをしていたが、今回の失敗で完全に理念が瓦解してしまい、後を財団に託すことに決めたのだ。
SCP-001は組織に属する。手放したければ、最高指導者がその意志を持ち、手放すことを明言すればいい。


これを受けた財団管理者は、SCP-001は財団の理念、即ちアノマリーの確保・収容・保護による正常性の維持に有用であると判断。同時にそれが個人によって運用されることを防ぐため、O5評議会が立ち上がった。
そして現在、O5は管理者に代わってSCP-001の放棄に関する議論を定期的に行っているが、最新の放棄見送りの決議ではなんと13人の内、常に投票を放棄するO5-13以外の12人の意見が真っ二つに分かれている。
これについて、放棄反対派のO5-1は「財団は世界の礎でなければならない。βは明日への希望であり、暗闇の中の灯だ、諦めることは許されない」と憤りをあらわにしたが、放棄賛成派のO5-2は「世界を滅ぼすアノマリーが山ほどあるのに何がどうできる、βは偽物の希望だ。全部諦めて滅ぶことを受け入れれば、それまでの間に無意味な犠牲を払わずに済む」と完全に諦めてしまっている。



財団はなぜ正常性の維持を諦めないのか?
答えは単純。
諦められないからである。


Wagnas/Fatty/R-00Xの提言 - 継承


indonootokoの提言Ⅲ - 外神


Amaryllis-en-Grappeの提言 - 審議中


Amamiel=Sanksの提言 - 末日の夢語り(※別の項目に移動します)


R-00Xの提言Ⅱ - 物語


雨四光の提言 - 綺羅(※別の項目に移動します)


終人の提言 - 死した刻


月夜見の提言 - かくも利己的な我らの血


物の提言 - 世界蛇


Shicoolrkiannの提 - *1


日辻養の提言 - 我々


或る西瓜の提言 - 焚書坑儒計画(※別の項目に移動します)


Wagnas/aisurakuto/izhaya/R74の提言 - 幻想


御器所の提言 - 神州


izumi_sngw/KanKan/Mas_kera_de/mojamoja/Okaka_Onigiri/solvexの提言 - Quality of Death


indonootokoの提言V - 妄創癖の神


アシッドの提言 - 我らを待つゴールテープ(※別の項目に移動します)



現在SCP-001-JPのページに存在しない、削除された提言

AiHeの提言 - 惟鯨(※別の項目に移動します)


AiHeの提言 Ⅱ - 剥奪(※別の項目に移動します)


太陽技師の最後のメッセージ(※別の項目に移動します)


その他のSCP-001-JP


残されたモノたち/SCP-1714-JP (※別の項目に移動します)


SCP-2995-JP - 嘯くウソ/sanks269=solvexの提言 - 物語緩衝層(※別の項目に移動します)


(旧)SCP-1682-JP - 救難信号(※別の項目に移動します)


ジョーク 001提言

ENのSCP-001と同様、これら001-JPにもジョーク記事が存在する。
すなわち「SCP-001-JP-J」。
せっかくなので、ここで解説しておこう。



未使用のアイテム番号。
非常にキリが良いため大事にとっておいた結果、完全に登録するタイミングを逃してしまったが、空席なのは見栄えが悪いため偽装報告書を緊急的に入れている。
O5評議会メンバーの12人が001に入れるに値するアイテムについて決議をするも、財団の根幹に関わる物、終末シナリオを起こす物、世界の再建が可能な物、異常性の根源に関わる物それぞれが3票ずつの同票になってしまう。


このように票が割れたときのためにO5-13という役職を創設してはいるのだが、こちらも██年経っても誰も着任していない。
そこでO5-13を決めようとするが、こっちも誰にするか意見が分かれ…というか、議論に満たない罵詈雑言が飛び交うただの言い合いになる始末。
無限残機博士(O5-1が「財団を奴のおもちゃ箱にする気か?」と却下)やカインをO5-13にしようなどという案が出てきた。
結局何も進まないのだった。


Jiraku/ogakuzu/yzkrtの"提"言


SCP-0001-JP-J - "提"言 我々はこれを提言とは認めない!


深夜一時の提言 - 飯落


SCP-1-JP-J - イチから始めるSCP


SCP-001-JP-J - ぜんいん、しゅうごーう。(※別の項目に移動します)



SCP-001-JP
by Dr Devan @2013
http://ja.scp-wiki.net/scp-001-jp


Kwanaの提言
by Kwana @2013
http://ja.scp-wiki.net/kwana-s-proposal


broken_boneの提言
by broken_bone @2018
http://ja.scp-wiki.net/b-bone-s-proposal


tokage-otokoの提言
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Torayaの提言
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hal_akiの提言
by hal_aki @2014
http://ja.scp-wiki.net/hal-aki-s-proposal


lockerの提言
by locker @2015
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solvexの提言
by solvex @2017
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O-92の提言
by O-92_Mallet @2017
http://ja.scp-wiki.net/o-92-s-proposal


amamielの提言
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ykamikuraの提言
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Okaka_Onigiriの提言Ⅱ
by Okaka_Onigiri @2019
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天眼の提言
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yzkrtの提言
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