登録日:2021/09/09 Thu 23:13:56
更新日:2024/06/03 Mon 13:53:06NEW!
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ジョン・レグイザモ コカイン テロリスト ゲリラ メタリカ 後藤敦 北沢洋 本編より先に立った項目 フェリックス コラテラル・ダメージ ラテン農民のラップ
フェリックス・ラミレスとは、2002年公開のアクション映画「コラテラル・ダメージ」の登場人物。
演者は実写映画版スーパーマリオでルイージを演じたジョン・レグイザモ。
日本語吹き替え版の声優はフジテレビ放送版では後藤敦、映像ソフト版では北沢洋。
【概要】
ゲリラ組織「コロンビア解放軍」の支配地域内にあるコカイン精製工場の責任者。
詳しい過去は不明だが、以前はアメリカのニューヨーク、シカゴ、マイアミ、ロサンゼルスなどに在住していたらしく、いつの日か音楽で成功して大物になりアメリカに戻りたいと考えている。
そんな彼がなぜ反米ゲリラ組織に協力しているのかは謎である。
「コロンビア解放軍」に重機を販売、修理を生業にしているショーンの代理を名乗る我らがシュワちゃんことゴーディーを最初は警戒していたが、発電機を直すことを第一と考えアジトに連れていく。
そこでゴーディーは発電機を修理しつつ、消防士として得た知識で秘密裏に工場中に爆弾を仕掛ける。
その夜、ゴーディーを探しにクラウディオの部下たちが来たところでゴーディーが爆弾を起爆し、彼のコカイン工場は大炎上。
最期はクラウディオの部下に必死に命乞いをするも無慈悲に射殺された。
……と、役回りだけを書けばなんてことないキャラなのだが、テロリストに与するものとは思えないノリの軽さや、ジョークセンスに溢れた台詞、そしてゴーディーに披露したラテン農民のラップなどから、約10分しか出番がないにもかかわらず、ドスケベカナダ人メカニックことショーンと並んで妙に印象に残るキャラになっている。
コラテラル・ダメージという映画はアーノルド・シュワルツェネッガー主演のアクション映画だが、その大筋は「テロリストに家族を奪われた消防士の復讐譚」であり、シュワ演じる主人公のゴーディー・ブルーアーもタクシーに思いっきり轢かれてもピンピンしてる程度のごく普通の消防士である。
更に公開直前にかの9.11テロが起きたことで封切りが延期になり、映画内でテロが発生する場面が大幅に修正され、旅客機がハイジャックされるシーンがカットされるなど、当初の予定とは多少異なる内容での公開となった。
結果として、当作は港湾労働者組合と呼ばれる類のファンが望むような小粋なジョークの飛び交う爽快な活劇要素の薄いもの(全くないとは言ってない)となってしまった。
そんな中、フェリックスとショーンは全体的に暗くなってしまったこの映画の清涼剤と言えるのではないだろうか。もっともショーンはまだしもフェリックスの所業は普通に悪人なんだが
【名言】
赤文字はテレビ版
青文字はDVD版
全体的に翻訳の妙は原語の単語を活かしつつユニークに仕立てたテレビ版にあるが、ラテン農民のラップはDVD版にしかないのが痛いところである。
「おぉイエイエイエイエふざけんなこんなのアリかよマジで契約違反だ。書類にバッテンつけて頼んだのにこんな野郎よこしやがって!ピザのトッピングにカナディアンベーコン頼んだらジャーマンソーセージのっけて来たようなモンさ、詐欺だよ詐欺!」
「おいこりゃ完全なる契約違反だぜ?俺が書類に書いて正式に頼んだのはコイツじゃねえ。これじゃピザの宅配ミスだ。カナダのベーコン入りを頼んだらドイツのソーセージが来ちまった!」
発電機の修理を馴染みのイタリア系カナダ人であるショーンに依頼したのに代理として自称ドイツ人のベックマン(ゴーディーの偽名)がやって来たことをピザのトッピングに例えるセンスが光る。
「おいおいおいおい待てよ待てったら!本当にドイツ人は怒りっぽいんだから。アームストロングに何があったか説明してくれよ、その通行証アンタが盗んだのかもしれねぇし。」
「おいおいおいおいちょっと待てよ待てって!そう短気を起こすこともねーだろ?まずはショーンに何があったのか話してくれよ。あんたが殺してねえって保証はどこにある?」
到着早々に文句を言われたゴーディーが踵を返して帰る素振りを見せると、コカイン精製工場の発電機を直さない事には税金も払えないととりあえず話を聞くことにする。
「ウヘヘハハあいつらしいぜ、相手構わず突っ込むんだからスケベ野郎がぁアハハハあやかりてえよ」
「ヘヘヘハハハそりゃああいつらしいぜ、三度の飯より女が好きだもんなあのバカ!ハッハッハッハッハあやかりてえよ」
「ショーンは警察署長の娘とヤって昨日逮捕された」というゴーディーの説明に。これをあっさり信じられてしまうあたり、ショーンの日頃の素行が窺い知れる。
ともかくこれでベックマンをひとまず信じたようでアジトでもある工場へと連れていくことに。
ちなみにこのセリフはショーンの助言のままなのだが、ショーンは「俺がスケベなことして捕まったと言え」としか言ってないので、警察署長の娘とヤったという内容はゴーディーが考えたものだろう。でもよく考えたらショーンが昨日スケベなことして逮捕されたのは事実だ
「いつまでもレコード会社に頭下げてCD聴いてもらう俺様じゃない!自分でアルバムを出す!ジャンルは、ラテン農民のラップだ。分かるかぁ?ちょっと聴いてみるか?」
アジトへの車内でミュージシャンになるという自分の夢を語るフェリックス。聞かされていたゴーディーに自慢のラテン農民のラップを披露するのだが……
「ブンツクツクツク、ブンツクツクツク、ベボベボベボ、ハッハッハッ!ゲリラ・スリラ・連れてってマニラ・口当たりいいのはバニラ。どれ、あれ、それ、そう!だからCIAに言えよ、さっさと出てけってな!…どう思う?」
問題のラテン農民のラップ。なんというか、非常にコメントに困る……いやはっきり言ってしまえばクソである。
日本語訳がまずいだけでは?と思うかもしれないが、
元語でも「Guerrilla,thrilla,take me to Manila.What do we got? smooth like vanilla. Hottie,eenie-minie-mo Tell the CIA to go They gotta get out」なので、これはほぼ直訳である。
この後ゴーディーは「最高だよ。きっと大物になれる。こんなところで燻ってちゃだめだ」と真顔かつ棒読みで見え透いた筋肉式お世辞を言うが、フェリックスは「マジかよ。やっぱりそうか、俺もずっと前からそう思ってたんだ」と真に受けた様子だった。これまでお世辞も言われなかったのだろうか。
港湾労働組合員からはネタとして人気のシーンの一つなのだが、本筋にさして影響のないシーンでもあるためTV放送時は大体カットされる。
「え~わかってるわかってる、俺は貧乏な国の貧乏人だ、だからって金を稼いじゃいけねえのか?俺がやらなきゃボリビア人か中国人がやる、ボリビア人か中国人がやらなきゃアメリカ人がやる。実際もうやってるけどよ」
「言いたいことはわかってる。けどラテンの貧乏人が稼いじゃいけないって法はないだろう?俺がやんなきゃボリビア人が、ボリビア人がやんなきゃ中国人が、中国人がやんなきゃ……アメリカが代わりにやる。もうとっくにやってるけどな」
アジトに到着し、フェリックスの生業を聞かされていなかったゴーディーが工場の様子を見て表情を変えたときに発した台詞。
一見ただのお調子者にしか見えないフェリックスもまたゲリラの協力者であるシビアな一面を見せる。
とはいえ、彼のシリアスなシーンはここだけと言っても過言ではないのだが。
「ドイツ人ってのはサイボーグみてえだな、腕が立つよ。イライラしちゃって働きすぎィ?」
「さすがはドイツ人だけあってクソマジメによく働いてるよ、しかも腕がいいと来た。あんたも働きすぎじゃねえのか?」
ゴーディーがフェリックスの工場にメカニックとして忍び込んだとの情報を掴んだクラウディオが差し向けた彼の部下たちをゴーディーの眠る部屋に案内しながら。
突然のことに焦りながらも軽口は止まらない。
「すぐに見つかるよ、でっかいネアンデルタール人なんだから!」
「すぐ見つかるさ、バカでかい白人の男だ」
しかしゴーディーは間一髪で逃げ出しており、クラウディオの部下たちと共に工場内を探し始める。だが、直後にゴーディーが工場の各所に仕掛けた爆弾が起爆する。
「なぁ、この償いは絶対する!損した分は返すから、2倍でも3倍でも払うよ!2倍でも3倍でも絶対損はさせねぇ!だから何とか(ズドン
「ああすまねえ、この借りは俺が必ず返す、2倍でも3倍でも払うから!あんたたちには絶対損させねえよ!必ず何とかするから!(ズドン
得体のしれない男の言うことをあっさり信じてアジトに連れていった結果、工場が火の海になるという惨事を招いてしまい、必死に命乞いをするフェリックス。しかしクラウディオの部下は一言も返さず怒りのままフェリックスを射殺した。
こと切れる寸前、コロンビア解放軍の車の底面に張り付いているゴーディーと目が合い、ゴーディーは一瞬だけ申し訳なさそうな顔を見せた。
結局、彼の死もまたゴーディーが復讐という目的を果たすために必要な犠牲……コラテラル・ダメージであった。
「ブンツクツクツク、ブンツクツクツク、ベボベボベボ、ハッハッハッ!オタク・帰宅・連れてって自宅・口ごたえしたなら御託。どれ、あれ、それ、そう!だから閲覧者に言えよ、さっさと追記修正しろってな!…どう思う?」
「最高だよ。きっと大物になれる。(筋肉式お世辞)」
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▷ コメント欄
- ジョン・レグイザモ…確かジョン・ウィックに出てなかったっけ。役は忘れたが… -- 名無しさん (2021-09-09 23:23:47)
- コラテラルは全体的に今までの筋肉映画のアンチテーゼ的な作品だけど、こいつだけ妙にインパクトがあるので組合員にも人気。 -- 名無しさん (2021-09-09 23:46:53)
- 演じたジョン・レグイザモ氏もコロンビア系 -- 名無しさん (2021-09-10 07:34:55)
- みんな大好きラテン農民 -- 名無しさん (2021-09-10 23:19:19)
- 翻訳のキレッキレっぷりはテレビ版の方が好きなんだけど、肝心要のラテン農民のラップはソフト版限定の翻訳というのがもどかしいというか…ラップ入りのテレビ版音声が欲しい所。 -- 名無しさん (2021-09-11 06:53:06)
- ラテン農民のラップの人から知るとレグイザモが実は長期に渡り活動してる名バイプレーヤーってことに驚いてしまう(笑)尚、実写版ルイージは演じてた当時から黒歴史級で、当人は素面じゃやってられなかったらしい。 -- 名無しさん (2021-09-11 14:45:42)
- フジテレビ版のフェリックスとアームストロングの吹替聞く度に、フジテレビ版を収録したコラテラル・ダメージ完全版がないのが悔やまれる…。 -- 名無しさん (2021-09-11 19:40:17)
- コラテラル・ダメージの記事も、ゴーディーの記事も無いのにどうしてコイツの記事だけが建つのよ! -- 名無しさん (2021-09-12 23:19:56)
- 如◯千早 -- 名無しさん (2021-09-12 23:29:12)
- ↑2 おめでとう、『コラテラル・ダメージ』の項目は作成された。 -- 名無しさん (2022-02-19 08:56:44)
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