登録日:2021/04/02 Fri 17:30:00
更新日:2024/05/27 Mon 09:42:19NEW!
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首藤剛志(しゅどう たけし)とは、日本の脚本家・小説家。
主にアニメ作品の脚本を手掛けていた。
●目次
【略歴】
1949年、官僚で奈良県知事の首藤堯の長男として福岡県で生まれる。
子供の頃から「文章を書くことが上手い子」として知られており、多くのコンクールで賞を獲得していた。だが、首藤氏本人は文章を書くのがあまり好きではなかったようで、後年には「小学校の作文は適当に書いていた」と語っている。
大学受験に失敗しフリーターもどきの生活を送っていたところ、妹が買ってきた雑誌「シナリオ」を読んだことをきっかけに脚本家を志し、シナリオスクールに通うようになる。
19歳の時、「大江戸捜査網」の第45話にて脚本家としてデビュー。
しかし番組製作スタッフと意見が折り合わず一話だけ書いて降板。その後は脚本の仕事を依頼する人も少なかったため再びフリーターもどきに逆戻りしてしまう。
26歳の頃に知人の紹介で「まんがはじめて物語」の脚本に参加。
レギュラー脚本の座を射止めた本作が転機となり、それ以降、首藤氏はアニメ脚本家として脚本業が軌道に乗ることとなる。
その後、タツノコプロ作品や葦プロ作品にも参加するようになっていき、葦プロ作品の「戦国魔神ゴーショーグンにおいてはシリーズ構成を務める。
1982年、魔法少女アニメ「魔法のプリンセス ミンキーモモ」のシリーズ構成を担当した。
同作は、それまでの魔法少女アニメとは一風変わったカオスな作品であり、この作品を担当した頃には首藤氏の脚本家としての知名度もかなり上がっていた。また、この作品の総監督を担当したのは湯山邦彦であり、首藤氏と湯山氏が本格的に知り合ったのはこの頃だった。
1997年、湯山邦彦氏の誘いで「アニメポケットモンスター」のシリーズ構成を担当。
「アニメポケットモンスター」は爆発的なヒットを記録し、一般的には首藤氏は「アニポケの脚本家」として認知されるようになる。
また、劇場版ポケットモンスターの脚本も第3作まで担当しており、特に第1作の「ミュウツーの逆襲」は、ポケモンにシリアスなテーマを持ち込んだ作品として有名になった。
2002年にポケモンの脚本を降板して以降は、渋谷に移住して「ダンクーガノヴァ」などの脚本を手掛けていた。だが、2009年ごろから徐々に体調を崩し始め、2010年、出先の奈良県にてクモ膜下出血を発症し逝去する。享年62歳。
【作風】
カオス脚本に定評があり、作品に登場するキャラクターのセリフ回しもテンポが良く言葉遊びを駆使した独特のものである。
魔法少女アニメに巨大ロボを登場させたり、ポケモンたちがおでん屋で酒盛りしたり、タイヤたちが自殺しようとしたり、そのカオスさは留まるところを知らない。
一方で、シリアス脚本や感動的な作品も多数執筆しており、「杜子春」や「ミュウツーの逆襲」はその代表格といえる。カオス作品であるミンキーモモも、終盤は暗めのストーリーになっている。
「戦国魔神ゴーショーグン」や「機動戦艦ナデシコ」では、「無機物と人間が意思の疎通をする」姿を描いたり、「ミュウツーの逆襲」では「自己存在とは何なのか」という問題を視聴者に問いかけたように、哲学的な要素・内容が入ったがシナリオも執筆している。
参加した「バルディオス」が打ち切りになり展開が中途半端なまま終わって以降、「自分が関わっている作品がいつ打ち切りになっても、みっともなく終わることのないような準備をしておく」事を心掛けていたという。
何でも「番組が始まる5本目ぐらいまでに、早めにいつでも終われる伏線を入れておく」そうで「打ち切りが決まって3本余裕をくれれば、きれいに、結構感動的に終わらせられる自信がある」「その伏線が生きているかぎりは、その番組が、10年続こうが20年続こうが……きれいに終わることができるはずである」なのだとか。
作品の展開自体は割と王道であることも多く、また、海外映画などのパロディも作中に組み込んでいる。
人によって好みが分かれる作風ではあるが、カオス脚本もシリアス脚本も書けるという稀有な人物であるため、現在もカルト的な人気を誇る脚本家である。
―[主な参加作品]―
テレビアニメ
葦プロダクション
- 宇宙戦士バルディオス
- 戦国魔神ゴーショーグン(シリーズ構成)
- 魔法のプリンセス ミンキーモモ(シリーズ構成)
- アイドル天使ようこそようこ(シリーズ構成)
- 獣装機攻ダンクーガノヴァ(共同でシリーズ構成)
ダックス・インターナショナル
- まんが世界昔ばなし
- 巴里のイザベル(シリーズ構成)
- まんがはじめて物語(シリーズ構成)
- まんがどうして物語(シリーズ構成)
- まんがなるほど物語(シリーズ構成)
- 新まんがなるほど物語(シリーズ構成)
- まんがはじめて面白塾
タツノコプロ
- とんでも戦士ムテキング
- 黄金戦士ゴールドライタン
- ダッシュ勝平
その他
- アニメ ポケットモンスター(無印)(シリーズ構成)
- 超くせになりそう(シリーズ構成)
- さすがの猿飛(シリーズ構成)
- 機動戦艦ナデシコ
- チックンタックン
- ストップ!! ひばりくん!
- タオタオ絵本館世界動物ばなし
- ビデオ戦士レザリオン
- 魔境伝説アクロバンチ
- まんが猿飛佐助
- 杜子春
- 科学救助隊テクノボイジャー(一部原案)
劇場版アニメ
- 銀河英雄伝説 わが征くは星の大海
- 劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲
- 劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕
- 劇場版ポケットモンスター 結晶塔の帝王 ENTEI(2000年)(園田英樹と共同脚本)
- 劇場版ポケットモンスター キミにきめた!(2017年)(一部脚本)*1
- ミュウツーの逆襲 EVOLUTION(リメイク作)
OVA
- 街角のメルヘン
- 戦国魔人ゴーショーグン 時の異邦人
- 魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢の中の輪舞
- MINKY MOMO IN 夢にかける橋(面出明美との共同脚本)
- MINKY MOMO IN 旅立ちの駅
- 永遠のフィレーナ
- 銀河英雄伝説
- コスモス・ピンクショック
テレビドラマ
- 月曜ドラマランド 新・翔んだカップル
- GOGO! チアガール
- 愛 Love ナッキー
小説
- 永遠のフィレーナ
- 戦国魔神ゴーショーグン
- その後の戦国魔神ゴーショーグン
- またまた戦国魔神ゴーショーグン 狂気の檻
- 4度戦国魔神ゴーショーグン 覚醒する密林
- 戦国魔神ゴーショーグン 時の異邦人
- はるか海原の源へ
- 戦国魔神ゴーショーグン 番外編 幕末豪将軍
- 戦国魔神ゴーショーグン 番外編2 美しき黄昏のパバーヌ
- 都立高校独立国
- バース または子どもの遊び
- 魔法のプリンセス ミンキーモモ
- 魔法のプリンセス ミンキーモモ それからのモモ
- 魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢の中の輪舞
- ポケットモンスター The Animation
ドラマCD
- 「平安魔都からくり綺談綺譚」シリーズ
- 「LIPs リップス・ザ・エージェント」シリーズ
- 「黄龍の耳」シリーズ
- マクロス7
- サウンドピクチャーボックス ミュウツーの誕生
作詞
- モモとモモ
- ええだば音頭
- ロケット団よ永遠に
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▷ コメント欄
- なんていうか変人で偏屈な人だったんだなぁってエピソードが多いよねこの人 -- 名無しさん (2021-04-02 18:30:55)
- もう亡くなって11年も経つのか -- 名無しさん (2021-04-02 19:15:53)
- ミュウツーの逆襲の制作に関わっていた関係上代表作でシリーズ構成だけどポケモンの脚本担当回数は実はそんなに多くないというのは有名な話。そしてバトルより話の面白さがメインでやってるのもあるからいわゆる「バトル回」の脚本をやってないのも特徴だったり -- 名無しさん (2021-04-02 19:27:57)
- ↑ディグダの話とか有名だね -- 名無しさん (2021-04-02 19:30:22)
- この人の訴えたかった「いつかは空想上の友達と別れて大人になろう」という案が人気により却下され、ポケGOなどの台頭でまさに「空想上の存在をいつまでも追いかける大人」が量産される世の中が来るとは 皮肉と言っていいのかどうなのか -- 名無しさん (2021-04-02 19:54:41)
- ↑それやって失敗したのが某ドラクエ映画だからな -- 名無しさん (2021-04-02 20:00:15)
- 最近のアニポケファンの中には、いい年してキッズみたいな言動してる奴もいるからな…やっぱり、いつかは空想の世界から離れて大人になるのが正しいのかもな -- 名無しさん (2021-04-02 20:27:13)
- 既に亡くなって久しいが、生前に遺したコラムとかはネット上に結構な量が現存してるよな。いま読んでも面白いものが多い。 -- 名無しさん (2021-04-02 21:33:02)
- ↑2そう言う問題って別にポケモンに限った話じゃ無いと思うけどな -- 名無しさん (2021-04-02 21:41:13)
- ポケモンたちがおでん屋で酒盛りって、サトシたちとハグレた話か。あれはポケモンたちみんなの鳴き声に合わせて字幕が張られて個々の口調やどういう性格かが分かって面白かったのは覚えてる -- 名無しさん (2021-04-03 00:17:27)
- ダンクーガは監督のせいで脚本をしっちゃかめっちゃかにされた結果あんな作品になったから、首藤氏が必ずしも悪いわけではない -- 名無しさん (2021-04-03 06:46:43)
- 首藤氏の脚本が好きな人っていうのは「首藤氏の掲げているテーマが好き」な人なんだよな 首藤氏の掲げるテーマが好きになれない人は首藤氏の脚本も好きになれない -- 名無しさん (2021-04-03 06:49:38)
- ↑「赤緑終盤のたたみ方がヘボ」って言ってるけど、カントー編は別に「シリーズ全体としての終わり」ってわけじゃないんだから、畳み方も何も無いと思うぞ -- 名無しさん (2021-04-03 07:08:20)
- 違反コメントを削除しました -- 名無しさん (2021-04-03 11:26:17)
- ↑8、10 いい年してポケモン等のコンテンツに触れてるのが幼稚なんじゃなくて元から幼稚な奴がポケモン等のコンテンツに触れてるだけともとれるけどなあ。後現実逃避とかじゃなく純粋に楽しみたくてアニメやゲームに触れてる身としてはただ単純に楽しみたくてポケモンGOとかやってる人を現実逃避してるみたいに言うのはなんか違う気がする -- 名無しさん (2021-04-03 17:49:25)
- フィクションと現実は線引きしろって話だよな。フィクションをフィクションとして楽しむのは大いに結構だが、現実捨ててまでハマっちゃうのは駄目 -- 名無しさん (2021-04-03 21:43:55)
- あくまで個人的な考えに過ぎないんだから正しいかのように言うのもなぁ。 -- 名無しさん (2021-04-03 22:00:24)
- ↑6 そのテーマも別に斬新、革新的というわけでもなくわりと昔からある物だし 「空想の友達と別れる」云々はウルトラマンとかのヒーロー物が結構そういうエンドだし -- 名無しさん (2021-04-04 08:32:53)
- 無理くり押し通したってんなら兎も角、求められるものと違うと潔く認めて前線から退いたくらいなんだけどね。御本人の終着点こそ求められているものとは違っていたとはいえ、今日まで続くアニポケの爆発的人気はこの人が最初に創りだしたってのを忘れてはいけない。 -- 名無しさん (2021-04-04 13:46:04)
- 度々この人のテーマの話が出るが、この人のテーマは一貫して「物語を楽しんで欲しい」だぞ。そのための手段の一つが「空想からの脱却」等であって、まるでそれしか引き出しがないみたいに言ってほしくない。 -- 名無しさん (2021-04-04 14:57:09)
- やっぱりポケモンは~でこの人の言葉を借りようとしている人はそもそもこの人が「空想からの脱却」が求められていないとわかって「存在するだけで価値のあるアニメ」と結論づけたことはスルーしないでほしい。 -- 名無しさん (2021-04-04 15:04:13)
- そもそもこの人は脚本製作にあたってまず終わり方を定めて作るスタンスであること。アニポケの放送も1年どれだけ長くても4年という構想だったこと。なにより御大層なテーマやエンディングは必要ない存在するだけで価値のあるアニメって結論を他でもないこの人自身が出していること。思想や現実の押し付けする人みたいなのは的外れもいいとこよ。 -- 名無しさん (2021-04-04 18:19:53)
- まあポケモンの人気が出すぎて空想からの脱却オチをやるにやれなくなったってことでもあるよな、ひとかどの人気を持ったコンテンツならともかくこのレベルになると最早夢オチ的な終わりにしたら大ブーイングは間違いなく任天堂ゲーフリからしても認められないだろうし。そういう意味では氏の手に負えなくなったとも言える。 -- 名無しさん (2021-04-05 01:49:00)
- 首藤氏は「アニポケは存在するだけで価値のある、空気のようなアニメ」って言ってたから、アニポケに対する創作意欲を無くしていた可能性もある -- 名無しさん (2021-04-05 17:06:49)
- 今日公開されたアニポケの新PVで「ポケモンはどこからやってきたのか」っていうセリフが出て来たけど、このセリフって「幻の映画三作目」に出てくるはずだったセリフと同じじゃん -- 名無しさん (2021-04-23 21:19:52)
- 首藤さん的に「昔のポケモンや戦隊、仮面ライダーの方が大人向けだった。最近のは子供向けだろ」とかいう人ってどんな風に映るんだろう -- 名無しさん (2021-04-24 21:49:10)
- 自分の脚本を極端に神聖視する人に対するのと同じ印象じゃない?「言葉の表層だけでまるで真意が伝わってない…」って -- 名無しさん (2021-08-26 19:52:08)
- 最近のアニポケに対してもなんか理不尽な批判してる人いるけど、少なくともそう人達を見たら首藤さんめっちゃ嫌ってそう -- 名無しさん (2021-10-16 20:16:45)
- 昔のアニポケの方が大人向けだったとか言ってる輩こそ見た目だけ大人なガキだよね。首藤さんは子供の為にアニポケの脚本書いてたのに -- 名無しさん (2021-11-02 15:36:34)
- ↑6 その場合の「空気」って、なかったらしんでしまう(生き物にとって必要不可欠な)ものって事やで・・・? -- 名無しさん (2021-12-19 14:17:04)
- 某大百科はともかくここも議論ってかレスバ気味になってんのはいかにもこの人らしくて面白い -- 名無しさん (2022-02-23 02:05:31)
- 開始時から抱えてた「ポケモン世界観の歪さ」に対するアンサーとして用意したのが数々の世界観への伏線や破滅的プロットだからな。本編やアニポケが後付でもなんでも首藤氏が嫌った「世界の歪さ」を丁寧に解消していけば納得できると思う。 -- 名無しさん (2022-04-17 19:18:01)
- 氏の物語に対する拒絶感と言うか 危機感をよく作品から感じていたけど アニポケの大人も子どもも真に楽しめるコンテンツ化は最後の最後に救いになったんじゃないかなと思う -- 名無しさん (2022-04-19 07:14:05)
- 報告にあった荒らしコメントを削除しました。 -- 名無しさん (2023-08-26 17:32:46)
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