登録日:2020/09/10 Thu 23:30:00
更新日:2024/05/23 Thu 10:21:16NEW!
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「私を挫けさせようと思えば骨だぞ」
イーヴン・ピール(Even Piell)とは、スター・ウォーズ・シリーズの登場人物のひとり。
旧銀河共和国の末期に活躍したジェダイで、最終階級はマスター、ジェダイ最高評議会のメンバーにもなった。
なお、苗字は「ピエル」「ピエール」と表記されることもある。
【人物】
「……今は戦時中だ。情報を守って死ぬ覚悟はみな出来てる!!」
種族はラニック(Lannik)。
ゴブリンのような小柄ながらも筋肉質な体に、巨大すぎるエルフ耳という、どちらかというとSFよりファンタジー的な姿をした宇宙人。髪の毛と眉毛はある。
ラニックは種族全体としては好戦的で攻撃的、小柄ながらも恐れ知らずで勇猛、場合によっては横柄で頑固、といった性質が強い。そういうところもゴブリンかドワーフに似ている。
故郷は惑星ラニック(種族名と名前が同じ)。
強力な肉食獣や、ラニック同士での激しい戦闘などがあり、そうした過酷な環境に適応して、小柄ながらも強力な種族となったようだ。
ちなみに、ヨーダは小柄ということで「ラニック族」と間違えられたことがあるらしい。
イーヴン・ピールは典型的なラニック族であり、勇猛果敢ながらも獰猛で厳格、容易に他人の意見に屈しない、鋼のような精神性を持った硬骨漢、もしくは頑固一徹で不愛想なじじいである。
(アナキンからは皮肉交じりに「相変わらずのユーモア」とからかわれたりしている)
そうした性格は露骨なまでに顔に現れており、昔の内紛で負った傷を「勲章」としてそのまま残し、本格的な治療を拒んできた。
左目がつぶれているのに、再生治療もせず義眼もいれず、つぶれたままにしているのである。
表情も常に険しいままで、愛想なんか浮かべたことがないらしい。
とはいえ冷酷なわけでも人間嫌いというわけでもない。
「自分も部下も死の覚悟はできている」といいながらも、現に部下が目の前で処刑されれば苦悶するまっとうな感性や、
偽って無理やり任務に参加してきた(それでプロ・クーンに迷惑までかけた)アソーカ・タノを死の床で導いた年長者としての優しさも垣間見せている。
【能力】
「先に行け!! こいつらは私とアソーカで始末する!!」
もともとの厳しい性格と、ラニック特有の激しい攻撃性が加わり、優れた戦士として大成した。
たとえ困難に見舞われようとも、自分の磨き上げた戦士としての姿を固持し、拷問に遭おうとも決して揺るがない、鋼の精神を持つ厳格で古風な戦士として自分を練り上げたのだ。
もちろん剣術修行にも妥協を許さず、ライトセーバーの七つの戦闘フォームすべてに通暁する一流の剣士となった。
もっとも難度が高いというジュヨーを使いこなす数少ない剣士の一人でもある。
ライトセイバーの光刃は緑色。柄は体格に合わせて短め。飾り気はない。
同じく小柄なヨーダは、リーチの問題をカバーするため実戦ではアタロしか使えないというが、
ジュヨーはすべてのフォームの要素を収斂しているとのことなので、アタロの跳躍を強く押し出したジュヨーを使うのかもしれない。
また「クローン・ウォーズ」では大ジャンプを駆使する場面も多い。猛スピードで飛び回るため、やはりアタロ寄りのジュヨーだろうか。
しかし、いくら戦士の腕を磨き続けているとはいえ寄る年波には勝てず、実際の腕前はジェダイでも中堅そこそこに落ち着いている。
後述のCG版「クローン・ウォーズ」では、ドロイディカを見て抵抗を諦め、猛獣を捌ききれず倒されるなど、腕は確かだが最強クラスのジェダイとは言えない実力になっていた。
性格上、怠けて腕が落ちたとは考えられないため、やはりこれは老齢ゆえの衰えであろう。
【経歴】
◆前歴
「今度は総力で、敵を叩くまでだ!!」
出身は、他の同族と同じく惑星ラニック。生年は不明ながら、見た目からしてEP1時点でかなりの年齢である。
当時の一般的なジェダイのコースに漏れず、幼少期にフォース感応者の素質を見いだされ、コルサントに招聘されてジェダイ騎士団に入門。
以後、パダワン、ナイト、マスターと昇進し、EP1時点で最高評議会のメンバーまで勤めていた。
もちろん彼はコルサントのジェダイとして活躍したのだが、彼は故郷である惑星ラニックにしばしば赴任し、暗黒街の惑星と呼ばれて紊乱していた故郷のため、「王室警護員」として奮闘した。
(別に、故郷の惑星に戻ることについては規制はないらしい。キ=アディ=ムンディも故郷に生活軸を置いていたクチであるし、シャアク・ティやソーラ・バルクも故郷の通過儀礼を受けている)
そもそも惑星ラニックが共和国に加盟したのは比較的遅く、長年武闘派の争いが続いていたところに高度なテクノロジーが流入したため、紛争が悪い方向に激化。
驚いた共和国が「技術封鎖」を敢行すると、こんどは暗黒街の勢力が新型武器を密輸する始末。
ラニック自体が気性の荒い種族なだけに、彼が産まれたころには治安・秩序・政治情勢は最悪の一言、暴力の根付いた無法地帯だったという。
この時期、ジェダイナイトとなって故郷に帰還したイーヴンは、ラニック王家とコンタクトを取って彼らの護衛についた。
当時の惑星ラニックは、反王政派が台頭して内戦状態にあり、王族はもはや風前の灯火にあった。
そして、ついに反体制派の暗殺部隊が王族を滅ぼそうとしたとき、護衛についていたイーヴンはライトセイバーを抜いて奮戦。
八人の刺客を相手に一人で戦い、全身に傷を負いながらもついに撃退。全滅するところだった王室勢力をすんでのところで救出した。
彼が片目を失ったのはこのときである。
コルサントの先進治療ならば、顔の傷を跡も残さず治療することも、義眼を埋め込むことも出来たが、イーヴンはいずれも拒絶。
失った目玉と刻まれた傷は「名誉の証」、八人の刺客に打ち勝った自らの「誇り」として、残すことにしたのだ。
また、このイーヴンの防衛達成は、当時王室側についていたコレリア人使節団を助ける結果にもなった。
そしてこの使節団には、ジェダイの同僚アディ・ガリアの両親も含まれており、以後彼女は両親の恩人として、彼を終生尊敬したという。
(ただし当のイーヴンはアディに対して「そんなのは私情に過ぎん。感謝する方が間違いだ」と嫌がったそうだが)
その後も、故郷の王家を補佐して奮闘を続け、同胞ラニックに仕えることを誇りとした。
◆ナブー危機
もちろん、常に故郷のために働いていたわけではなく、コルサントのジェダイ評議会の意思に従って宇宙各地で戦ってきた。
時期は不明だがジェダイ最高評議会の一員にもなっており、EP1時点でそれなりの古株だった(12年前のスターク・ハイパースペース戦争ですでに最高評議員)。
そんなある時、ジェダイマスターのクワイ=ガン・ジンが、惑星タトゥーインでシスの暗黒卿の復活と、「選ばれし者」アナキン・スカイウォーカーの発見を報告。
イーヴンもその場に臨席していたが、これといった発言はない。
その後はナブーにおけるクワイ=ガンの葬儀と戦勝パレードに出席。
◆クローン大戦
「ドロイドごときに負けてたまるか!」
それから十年後のクローン大戦でも、最高評議会メンバーを務めていた。
開戦当初の「ジオノーシスの戦い」にもいちおう参戦しているらしいが、姿は確認できない。活躍も不明である。
もしかしたら、参戦せずにコルサントに残っていたのかもしれない。
本格的に大戦が始まると、イーヴンは長年の内戦経験からの勝負勘を活かして、クローントルーパー軍団の将軍として多くの任務で活躍した。
この大戦中、彼はウィルハフ・ターキン大佐と組むことが多かった。
ターキンも厳格な軍人気質の持ち主であり、また若いころは槍術の名手だったこともあって、熟練した戦士であったイーヴンとは相性が良かったらしい。
ただ、一介の戦士としてはともかく、軍人・将軍としてはターキンは彼に幻滅している。フォースの能力をフルに使えばできることはもっと多いのに、自分の規律に縛られすぎて取るべき行動が取れない、それが不満だったのだ。
「マスター・ピール。生きたきみの声が聞けて良かった」
「こちらもだ、マスター・ウィンドゥ。脱出ルートは難所だらけでなあ、この先もドロイド兵士の妨害が予想される」
戦争後期には、ハイパースペース航路の調査・発見任務に就き、銀河共和国と独立星系連合の本部を直結しうる「ネクサスルート」を発見。
彼らはさっそくこの情報を持ち帰ろうとしたが、独立星系連合の待ち伏せを受けて、艦隊は壊滅。
イーヴンも奮闘するが、ドロイディカ三機にはかなわず降伏。部下とともに惑星ローラ・サユーのシタデル刑務所に拘束され、ネクサスルートの情報を引き出すため拷問にかけられる。
事態を察知した共和国は、オビ=ワン・ケノービやプロ・クーンらの部隊を派遣して救出任務に当たらせるが、戦力を分散させた結果か、逆に捕縛されるなどして苦戦。
それでも何とか地下洞窟まで逃げ延びたが、ついにはそこで追跡してきた犬のような猛獣アヌーバの襲撃をさばききれず、致命傷を負う。
そしてネクサスルートの座標のうち、彼が知っていた半分の情報を、独断でついてきていたアソーカ・タノに託して息を引き取った。
「正式メンバーじゃないんです! 嘘をついて勝手についてきたんです……」
「正式なメンバーだろうがなかろうが関係ない……今や重要な役割を担っておる! ……よく聞くのだ……これから私の話す情報は誰にも打ち明けてはならん……誰にもだ…………評議会で話せ…………」
その後、遺体はターキンたち一同が見守るなか、溶岩流に流すことで、即興ながら荼毘に付した。
◆死後
彼の死により、最高評議会には一席ぶんの空きができた。
アナキン・スカイウォーカーがシーヴ・パルパティーン元老院議長からの進言で就任した議席は、このピールの座っていた地位である。
しかしこの時期には、かつてピールが後事を託したアソーカ・タノはすでに騎士団を去っており、アナキンはもう評議会への信頼を失いつつあった。
また、彼が命を落としてまで守り抜いたネクサスルートの情報であるが、アソーカはジェダイ評議会に、ターキンは最高議長に直接報告するよう命じられていた。
結局、どのように報告するかはヨーダがパルパティーンと話し合って調整することになる。
どう調整したのかはわからないが、ヨーダとパルパティーンが同時に話を聞き、整合したと思われる。
……そしてそのパルパティーンはダース・シディアスであるため、おそらく彼経由でネクサスルートの情報は独立星系連合に渡り、EP3におけるコルサント奇襲作戦に利用された可能性が高い。
【余談】
クローン・ウォーズ製作以前の作品(レジェンズ分類作品)では、EP3時点ではまだ存命で、オーダー66を生き延びており、最後は年内にコルサントでストームトルーパーに討たれる、という作品もあった。
こちらでは、スラム街の最下層に忍んでいたのだが、食料も休息も不十分だったために体力が大きく落ち、抵抗もままならない状況となっている。
彼の最後の戦場となったシタデル刑務所はターキンにとって優れた要塞として高く評価され、のちのデス・スターの内装の参考となったほか、惑星スカリフにおける彼自身の研究所にもシタデルの名前が使われるようになった。
「マスター・ピール。きみの項目が見れて良かった」
「こちらもだ、マスター・ウィンドゥ。追記・修正は難所だらけでなあ、この先もWiki荒らしの妨害が予想される」
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- 次はイース・コスの予定です。ところでアニメの吹き替えじゃこの人の苗字をどう読んでるのかいまいちわからなかったりします。ピールなのかピエルなのか? -- 作成者 (2020-09-10 23:32:05)
- いかにも歴戦感漂う風格の爺さん剣士で好きだったなぁ -- 名無しさん (2020-09-14 16:47:07)
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