SCP-201-JP/wobe

ページ名:SCP-201-JP_wobe

登録日:2019/08/04 Sun 21:51:39
更新日:2024/04/19 Fri 10:57:23NEW!
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scp foundation scp-201-jp scp-jp 廃墟 ホテル キッチン 削除済 euclid 懺悔 人肉 クロッカスヘッドギャルソン








SCP-201-JPはシェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクトである。
オブジェクトクラスはSafe。
項目名は『ざんげのキッチン』。


現在は作者wobe氏の引退に伴う自主削除により別の作品が登録されている。



概要

SCP-201-JPは、北海道札幌市の廃ホテルの地下にあるキッチンである。
もともとは、照明を必要とせずに室内全体を視認することがかろうじて可能なくらいに常に淡く発光しており、
Anomalousアイテム「微妙に光るキッチン」として収容された。
収容から数週間でホテルの経営が破綻したことから、財団がこれを買収し、
北海道のフィールドエージェントのセーフ施設として活用していた。


しかしそんな折過去に要注意団体の構成員数人を終了した経験のあるエージェントがキッチンに入室したことで、
紫の花弁のクロッカスが、ちょん切れた首の上から生育している175cmのギャルソンが出現した。
人を殺した、あるいは間接的に死に追いやったことでトラウマになった人が入室すると、
このギャルソンが出現し、料理を懐から提供する。
常に項垂れた格好をしており、その言動や仕草は鬱あるいはヒステリーの傾向が見られるが、
他者にはいつも友好的で、丁寧な日本語で接する。
逆に言うと日本語が理解できない人の前には出現しない模様。
このクロッカスヘッドギャルソンは当然耳目も口もないが、不明な方法でその場の状況を把握し、発声する。


クロッカスヘッドギャルソンは被験者に対して、食事を提供しながらアドバイスを与え、被験者のトラウマを解消していく。
アドバイスの際に毎回嗚咽を発している。
このことにより、被験者の職務への取り組みが目に見えて向上するため、財団はこのオブジェクトを有効活用しようと試みていた。


しかし、食事が何度やっても回収できないことなどから、そもそもこのキッチンは別次元にあるのではないかなどという推測も立てられていた。


実験

女性のみを狙った無差別殺人の容疑で死刑判決を受けたDクラス

性格はかなり攻撃的だったのだが、クロッカスヘッドギャルソンにネグレクトを行っていた母親を転落死させたことを白状。
(なおこの事件自体は事故として処理されていた)
するとクロッカスヘッドギャルソンから、
「例えどんなに酷く苦しい記憶だとしても、貴方がお母様のことをいつまでも憶えている、それこそが貴方自身の贖罪になるのではありませんか」と言われ、
号泣しながら食事を完食、それ以降は財団にも従順になった。


妹夫婦の子供2人を浴槽に沈めて溺死させ、無期懲役の判決を受けたDクラス

軽度の躁鬱症を患っており、拒食症を発症していたのだが、
クロッカスヘッドギャルソンに姉よりも先に結婚し家庭を築いた妹に対しての憎悪と、
自分が居候であることの恥ずかしさから犯行に及んだこと、子供は関係なかったことから後悔しており、
自殺をほのめかしていた。


するとクロッカスヘッドギャルソンから、
「それでは誰もが救われない。我々は最後まで生きなければならないのです、それが死よりも苦しい道だとしても」と言われ、
号泣しながら食事を完食、拒食症は改善された。


なおこの際食事の回収には失敗している。


研究員

殺害経験はなし。
しかし、彼自身は同僚の死亡事故について、自分のオブジェクトに対しての警戒心の欠如が招いた結果と発言した。


するとクロッカスヘッドギャルソンから、
「貴方が自分自身を責めれば責めるほど、生まれる必要の無かった苦しみが貴方の心を更に締め付けるでしょう。それは貴方の御友人が真に望まれる事でしょうか?」と言われ、
号泣しながら食事を完食、その後の業績がみるみる上がり、Bクラスに昇格した。


殺人事件を引き起こしていない人物に現れた最初のケースである。


エージェント・SM_L

エージェント・SM_Lは物理的接触をしてこいと言われ入室した。
しかしその結果は[データ削除済]となっており、エージェント・SM_Lは退室し、
そしてなぜか入口近くでエージェント・差前がメソメソ泣いていた。


財団は、料理もクロッカスヘッドギャルソンも回収も接触もできないことから、
キッチンは別次元にあるのではないかという推測を立てた。


結城博士

オブジェクトの異常性についてなんの説明を受けることなく入室させられた。
結果は[データ削除済]となっており、指示した職員はレベル1に降格した。



事件

そんな折、Dクラスの一人が、自分のことを聞いてもらったあと、クロッカスヘッドギャルソンに逆に昔話をしてほしいと頼んだ。


すると、クロッカスヘッドギャルソンは重い口を開いた。


Kovk-Harazinが大のお気に入りでございました、あの方は。一時期はそれ以外の食事を全くお口に入れなかったこともありましたのです。色の濃い野菜は苦手だったようで、御食事の際はよく言い訳を仰いながら別の皿に選り分けていらっしゃっていましたが。


クロッカスヘッドギャルソンはもともと高貴な身分の人間に仕える給仕であった。
彼自身は本来は奴隷ではあった──ただ、料理長からすれば高貴な身分の人に出す料理である。
問題が起きたときに責任を押し付ける誰かが必要だったのであろう。
故に、クロッカスヘッドギャルソンは、自分が作ったわけではない料理を自分が作ったと言って出すことを要請されていた。


彼女は、そんなクロッカスヘッドギャルソン(当時はクロッカスヘッドではなかったんだろうが)に様々な話をしてくれた。
そんな幼い彼女に、クロッカスヘッドギャルソンは恋をした。身分をわきまえず。


しかし平穏は続かない。
ある時、Fugolの光宮に"過去の同胞"たちが雪崩込み、破壊しつくされた。
クロッカスヘッドギャルソンは息せき切って…そしてまだ彼女は生きていた。


瀕死の彼女は言った。あなたの作ったHarazinが食べたいと。
いまだ彼女はクロッカスヘッドギャルソンは料理長であると思っていた。
彼は急いでキッチンに向かった。料理長たちは暴徒に怯え、戸棚に隠れている。
しかし食材はあった。肉以外は。




いいや、肉も戸棚の中に




Dクラスは嘔吐し始めるが、クロッカスヘッドギャルソンは語り続ける。
いつもより塩辛いHarazin。はじめて見様見真似で作ったHarazin。


しかしそれを届ける頃には彼女はもう、息絶えていた。
クロッカスヘッドギャルソンの作ったHarazinを彼女が食べる機会は、いちども来なかった。
いや、彼女は知っていたのかもしれないとクロッカスヘッドギャルソンは語る。


あの方はきっと分かっていたのだ!私が卑しい愚かな給仕であることを、とうの昔に見抜いていたのだ!だから私に罰を与えるために、[判別不能]罰だ、これは罰なのだ!私の愚かさが招いた[判別不能]光芒よ、あなたは私が殺したのです!私が!お慕い申して……それでも!この世の春を!失った!


ホテル内の給水管から次々に放水され、部屋は水没していく。Dクラスは窒息死する。


クロッカスの花言葉、それは「愛の懺悔」。


Dが嘔吐した残骸は、ヒトの体組織でできていた。







オブジェクトクラスはEuclidに再指定された。


余談

作者のwobe氏はその後引退に伴い、この記事を含む自筆記事の全削除を行った。
これをオマージュしたのがAiliceHershey氏の「ざんごのハイウェイ」である。


あちらに対しては「最後のどんでん返しのクリーピーさが欠けている」という批判があったりするが、
AiliceHershey氏は「むしろ殺人のトラウマに苦しむ相談者にどこから調達してきたのかわからないが人肉を出し続けるなんて、懺悔していないとも思える」とこの記事に対してのラストに批判を加えているが、
記事全体としてはリスペクトの意味が大きい。




SCP-201-JP - ざんげのキッチン
by wobe
http://ja.scp-wiki.net/scp-201-jp(削除済)


SCP-201-JP - ざんごのハイウェイ
by AiliceHershey
http://ja.scp-wiki.net/scp-201-jp(削除済)
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  • "帝国"の解説は、と思ったら帝国がらみのSCiPって激減してるのな…… -- 名無しさん (2019-08-04 23:40:59)
  • 同じ「自分にも懺悔すべきことがあった、他者を懺悔させる存在」でも人によってこんなに見方が変わるものなんだな 今になって見ればそう思う -- 名無しさん (2019-08-05 06:09:53)

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