本田鹿の子の本棚

ページ名:本田鹿の子の本棚

登録日:2019/03/02 (土) 20:00:05
更新日:2024/04/04 Thu 11:06:02NEW!
所要時間:約 6 分で読めます



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佐藤将 リイド社 漫画 読書 短編 父娘 父親 本田鹿の子の本棚 暗黒文庫



娘の部屋を隅まで漁ったら変態的だが

本棚を見るくらいなら紳士的かつ文学的かと思うのだが

如何だろうか


本田鹿の子の本棚は、佐藤将による漫画作品。
リイド社のWEB漫画サイト「リイドカフェ」で連載されており、毎月10日・24日更新。
単行本は暗黒文学少女篇・天魔大戦篇・大乱戦クラッシュファミリーズ篇・続刊未定篇・鳳凰の帰還篇・魁題十五撰相篇・七大魔王篇の既刊7巻。



【概要】

娘との距離が遠ざかっているように感じた父親が、読んでいる本からプロファイリングを行おうと部屋に侵入し本棚に手を伸ばすといった内容。


各話ごとに独立した作中作が展開されており、作中作と本編の二段オチとなっている。
作中作はパロディ的な内容のものも多く、それぞれ絵柄の再現度は高い。


作中作中作が外伝としてアダルト誌に掲載されていたりする。



【登場人物】

  • 本田鳩作

本作の主人公の、娘との距離がわからなくなった父親。
速読術を習得しており、文章を脳内で映像再現できる想像力の持ち主。
脳内で再現された映像を見る限り、結構幅広いジャンルの漫画好きとも思える。


  • 本田鹿の子

鳩作の一人娘。思春期真っ只中で一切の光のない目を父親に向ける。
幼少期から星新一などを愛読していた読書好き。しかし、現在は暗黒のような内容の小説が本棚の大部分を占める。
また、栞作りも趣味で小説の内容を踏まえたイラストの栞を自作し挟み込んでいる。


  • 本田鷹子

鳩作の妻で鹿の子の母親。


  • 杣水月

鹿の子の友人。園芸教室に通う山マニア。


【作中作一例】

巨大隕石が迫り地球の最期が近づく中、愛を囁き合う少年少女。冷めた性格の少女に火を灯したのは少年だった。
生まれ変わっても一緒になることを望み、同じ生き物に転生することを希望するが、
隕石の衝突で地球の生き物は一匹残らず滅んでおり、


生まれ変われるのは宇宙生物一択!!


隕石に付着していたエイリアンに転生することとなった。
単為生殖で増える彼らに愛はなく、同族さえも捕食対象に過ぎない。


再開を果たすも殺し合う二人、争いの合間に挟まれる人間だった頃の回想。


私冷めてる方だし恋なんてしないと思ってた

庵也君は私に火をつけたの


エイリアンファイヤー!!


どんぶらこどんぶらこと流れてきたグレープフルーツから生まれたグレープフルーツ太郎は、
彫りの深い顔や金髪など、明らかに周囲の人々と異なる姿形から差別され続けていた。
ある時、鬼ヶ島の噂と鬼を倒せば英雄になれるという噂を耳にし、人々を見返すために鬼退治の旅に出る。
辿り着いた鬼ヶ島に住んでいたのは、自分と同じ外国人たち。グレープフルーツ太郎は鬼の一人に性的に食われ幸せに暮らしましたとさ。


桃太郎に続く!


マルコ・ポーロが東方見聞録の中に記した黄金の国ジパング。
時は大航海時代、多くの船乗りがジパングを目指し海に出た。
その中の一人、艦隊を率いた提督・ガブリエルが部下を失い一人帰還した。


彼らは空に浮かぶ謎の光に吸い上げられ、気が付くと一面が黄金色に輝く都市の中に立っていた。
そこにいたのは目も口も鼻もない槍の穂先のような形状の頭部を持つジパング人。
握手を試みた部下のダミアンは、肉体がジパング人のような形に変異し、接触した部下たちも次々ジパング人に変えられていく、
銃撃を試みた者もいたがバリアで防がれ、反撃のビームで消し飛ばされてしまう。残された体の断面からは小型のジパング人が大量に生えてくる。


ジパング人に変異しかけながらもギリギリ自我が残った部下の助けで一人だけ生き延びたガブリエルは、
ジパングの恐ろしさを説くのだが狂人扱いされ医者に連れられてしまうのだった。


修学旅行中に誘拐された2年B組の生徒を待ち受けていたのは仮面を付けた謎の組織。
「これから皆さんには殺し合いをしてもらいます」
その言葉を以て惨劇の頭脳戦…デスゲームが始まるかと思われたが、招集された2年B組の生徒は揃いも揃って豪放磊落を地で行く男の中の男達だった!
他者の命を弄ぶ謎の組織と、仲間のためなら己の命を捨てることも厭わない男達の戦いが幕を開ける!


てめぇらに殺し合いなんてさせられなくてもなぁーーー!!

男の人生はいつだって生きるか死ぬかのデスゲームよーーーっ!!


プロレス団体の合宿中に、ブロンコキッドが死体で発見された。
ミスターオーメンは、背中に残った足跡と壁の破壊あとから、
空中に投げたブロンコキッドに飛び乗りサーフィンボードのようにうねりを付け壁に激突させたと推理し、サーフィンが得意なオカピマンを捕えようとする。


そこに意を唱える男が一人。
銀田一マスクは体の側面に残った擦れ痕を指摘し、更に死体を調べると両足が粉砕されていた。


犯人はブロンコキッドの背中に飛び乗ると自身の両足で胴体を挟み、両足を掴み、
壁に衝突するエネルギー100万パワーを、両足を押し込むことで200万パワー、
胴体を押し上げ更に2倍、衝突の衝撃は速度の2乗になるので1600万パワーの驚異の殺人技を仕掛けていた。


オーメンの誤推理も解決の一役となった真犯人の正体とは?
技の全貌が推理できれば犯人を示す決定的証拠が最初の方に描かれている
ため、1600万パワーの意味不明さにさえ目をつぶれば何気にちゃんとミステリーしている(ような気がする)。
ちなみにパロディ元の方もミステリー物を何回かしていたりする(詳細は当該項目にて)。


自分の苗字が嫌いな小学生・井尻るかは自分を助けてくれた同級生・新妻小太郎と結婚の約束をした。
それから数年後、成長したるかはいつも恋人に一途な愛を囁く。
しかし、その相手の名前はその時々で違っていて…。


普通に叙述トリック物として完成度の高いエピソード。
最後に明かされる物凄く地味などんでん返しも、よく見ると最初の方にちゃんと伏線が張ってある。


野生のトロッコが凶暴化し、トロッコ問題が日常化した時代。
常に生と死に向き合わねばならぬ状況から生まれた独特な精神性を持つ者、サムライ。


そんなサムライの一人、厚美太はある時トロッコ問題の1人側に選ばれる。
トロッコが来るよりも先に自害することで分岐器役の心理的負担を減らそうと決意する太であったが、そのトロッコは線路がループして5人側とつながっている奇行種であった!
この状況下で犠牲を最小限に減らすべく5人側のが提案した奇策とは!?


ヤケクソではない 冷静に死ににいっている

これがトロッコ問題の捨てがまりかぁ――!


恋人の桂(ケイ)から突然、妊娠の報告を受ける順吾。
そんな現実を受け入れることが出来ずに妊娠を疑う順吾だが、妊娠検査薬の再使用、医師の診察を経て桂の妊娠は確実のものと判明する。


膨らみ続ける桂の腹を見てもも妊娠を疑い続ける順吾に対して桂の叫びが爆発する.


「好きだからしてたんだよね!?ここでつけないでいっぱいしたよね!?何度も何度も中で出したよね!?」


なおこの作品は本来の掲載予定作品が「商業誌でこれはきつい」、「変化球ではなく魔球」、「編集長曰く、生むな」との理由でボツとなったため急遽掲載された。
特別にボツ作品の冒頭部分も併せて掲載された。


著者である龍造寺忌み名が構想に60年を費やした超大作。
だが、その60年の中で龍造寺は老い、筆を執ることはおろか思考すらままならなくなってしまう。
僅かに残された正気の中でバラバラとなった物語を纏め上げた、まさに龍造寺の作家人生の「残骸」と呼ぶに相応しい物語。


「面白いんだけど人には勧めづらいと扱いに困られている作品」とリィドカフェ公式が自負している本作の中でも特にギッシリと狂気が詰め込まれた問題作でもある。




っひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっ


N。Ↄgおひつじ座CkZ■■pジョーテーFヒRZaZpp▲


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  • 個人的にデスゲームと男塾混ぜた奴が好き -- 名無しさん (2019-03-02 20:23:38)
  • 話が進むに連れて、鹿の子ちゃんは思春期だからお父さんに冷たい態度を取ってるんじゃなくて、単純にヤバいくらいサイコの不思議ちゃんに育っちゃったのでは?って思えてくる。実際話によってはお父さんと普通にコミュニケーションしてるし -- 名無しさん (2019-03-02 20:36:22)
  • ↑2 男のデスゲームだっけ?あれ大好きだわ -- 名無しさん (2019-03-02 20:41:38)
  • ↑「ダチを殺されて黙って従うくらいなら命なんざ捨ててやらぁーっ!!」の名言見た後だと他のデスゲームモノ読んだときに「コイツ、仲間殺されてもデスゲームに従うなんて男じゃねえな…」って思うようになってしまった -- 名無しさん (2019-03-02 20:47:35)
  • そもそも男塾の戦いってほぼデスゲームだし・・・ それも「負ければ死、勝っても重症もしくは死」っていう -- 名無しさん (2019-03-02 22:46:45)
  • キン肉マンの奴作画もストーリーも本当それっぽくて凄いな -- 名無しさん (2019-03-03 00:50:50)
  • まさかジャガイモが書かれてないとは思わなかったぜぇ…… -- 名無しさん (2019-03-03 04:46:33)
  • 猿の手大喜利と弟大会の話が大好き -- 名無しさん (2019-03-03 11:50:12)
  • 真インフェルノより強いんじゃねと思わせる完璧な殺意の技 -- 名無しさん (2019-03-04 01:17:49)
  • 毎話ジャンル違うのに毎話面白くて凄い -- 名無しさん (2019-03-04 09:32:26)
  • 漫画家にインタビューする話好き -- 名無しさん (2019-03-04 14:25:17)
  • ↑3ただ反動が背中に全力のドロップキック食らうようなもんだから仕留めきれなかったり、ダイヤモンドパワーとかで耐えられると逆に背骨を折られかねない -- 名無しさん (2019-03-05 01:24:05)
  • 組織が滅びて遠い山奥で荒れてるだけで知らないうちに仏師の域に達した彫刻家にだけ被害を出している怪人の話がなんかもう登場人物全員気の毒で -- 名無しさん (2019-03-09 23:38:48)
  • 最近知ったけど一話一話凝縮してて面白いね、こんな濃い話が40話以上続いてるのすごい(すごいエロい話として姉が80人ぐらいいるやつが紹介されてて知った) -- 名無しさん (2019-05-26 22:30:13)
  • 世紀末プロレスの話が大好き。というかアレが載ってるらしい短編集は是非読んでみたいわ、ゆで×原哲夫の夢のコラボ臭w -- 名無しさん (2019-06-02 17:38:42)
  • 最新話の不可視になって襲って来る耳なし芳一に対して、テンプレ透明になる能力者対策を即座に講じる平家の亡霊と「三節棍!(大嘘)」でめちゃくちゃ笑った -- 名無しさん (2019-08-13 10:00:21)
  • 作中作ということにしてパロディ漫画を世に出すという新手の手段。 -- 名無しさん (2019-09-24 19:16:24)
  • 最初ギャグマンガかと思ってたがシリアスや真っ当なSFだの滅茶苦茶幅広いんだな。 -- 名無しさん (2019-10-10 23:20:31)
  • それにしてもこのお父さん、帰宅中にその辺で遊んでいる娘に出くわしたり、家に帰宅したのが15時40分くらいだった回があったりと異様に帰宅時間早いけど、何の仕事してるんだろ… -- 名無しさん (2020-02-21 23:22:35)
  • ゆで理論殺人事件は当時最新の完璧始祖篇から2世までを網羅しているビジュアルとロジックが素晴らしい逸品 -- 名無しさん (2020-02-21 23:28:40)
  • 一話一話が濃い、濃すぎるくらいに濃い -- 名無しさん (2021-11-28 15:02:31)
  • 単行本で没ネタ紹介にだされていた「耳なし芳一VS平家の亡霊」が地味にみたい。でも、ネタバレしてるから描かないだろうな -- 名無しさん (2021-11-28 15:03:59)
  • ↑もう描かれているんだよなぁ… -- 名無しさん (2022-03-29 09:09:18)
  • 男の人生はいつだって生きるか死ぬかのデスゲームよ! -- 名無しさん (2022-05-13 17:01:25)
  • とってもヘルシー♪とってもヘルシー♪とってもとってもとってもとっても -- 名無しさん (2022-05-13 17:24:59)
  • archive.j-mediaarts.jp/festival/2019/manga/works/Honda_Kano_kono_Hondana/ -- 名無しさん (2022-08-23 09:05:06)
  • ↑2019に推薦受けてて草 -- 名無しさん (2022-08-23 09:05:53)
  • 娘の部屋を隅まで漁ったら変態的だが 本棚を見るくらいなら紳士的かつ文学的かと思うのだが 如何だろうか←なんかセウトで文学的な感じなのが腹が立つ -- 名無しさん (2023-01-31 22:45:39)

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