SCP-939

ページ名:SCP-939

登録日:2018/11/30 (金曜日) 18:00:00
更新日:2024/03/26 Tue 13:32:39NEW!
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本当にごめんなさい。嘘が悪いことだってのは知ってた。そんなつもりじゃなかったの。




SCP-939は海外のシェアワールド「SCP Foundation」に登場するオブジェクトの一つ。
項目名は「With Many Voices (数多の声で)」 オブジェクトクラスは堂々の「Keter」。


とあるゲームの影響で知ってる人も多いであろうオブジェクトである。




概要

SCP-939は、内温性の群居性捕食動物の集団である。
画像がないため姿ははっきりしないが、説明にはかなり詳しく外見が記されているので想像しやすい。


体長は2m程で重さは250kgくらい。赤い皮膚と長い顎、そして鋭い歯を持つ。目はなく、背びれのような棘が背中から生えている。
ざっくり言えば「目がない赤いワニみたいな生き物」。SCPで例えるなら赤いクソトカゲと言えば大体あってると思う。


こいつはこれといった生命維持器官をほとんど持っておらず、心臓はおろか神経も消化器も血液もない。呼吸器だけは一応あるが息はしていない。
生きるために必要な要素が全て欠けているのになぜか生きていて、しかもめちゃくちゃ活発に行動する。SCPではよくあること


体質上食事は不要なはずだが、にも関わらずこいつらは捕食をする。
当たり前だが捕食対象は人間である。
「消化器がないのにどうやって食うんだよ」と思うだろうが、食ったものは肺にため込んで、しばらくすると吐き出す。それだけである。
なぜ食べるのかは不明。あのウツボみたいに吐き出した物に何かあるわけでもなく、本当に生産性皆無である。


こいつの特徴の一つに、食った人の声を真似することで獲物をおびき寄せるというものがある。
発声の内容はだいたい助けを求めるものだが、その模倣力が尋常ではない。どれくらいかって言うと財団の音声認証でも騙されるレベル。
簡単な例が記事内の初期接触記録に書かれている。


エージェント・ウォシュバーン (T1L) : 了解、ホーム。トラッパー2、気をつけろ。俺達の回りにいる何かは空腹で、かなりたちの悪い牙を持ってるようだ。


エージェント・マイケルズ (T2L) : 了解、1。こちらはほぼ完了したところだ。ここに我々のエージェントがいるのなら、下のあんた達の方だ。すぐに下りて行くから――


<エージェント・ウォシュバーンのVOX経由で篭った人の声が聞こえる。声は遠く不明瞭である。>


エージェント・ウォシュバーン (T1L) : 1、2、静かに。


<出所不明の声: 助けてくれ!畜生!誰か!>


エージェント・ウォシュバーン (T1L) : ホーム、2、我々の仲間を見つけたんじゃないかと思う。皆、急ぐぞ。


<トラッパー1は建物内を素早く進む。助けを呼ぶ声が再び聞こえる。>


エージェント・ウォシュバーン (T1L) : ホーム、音の出所に近づいている。もうすぐ我々のエージェントを取り戻せる。2、ドクに救急バッグを準備させろ。あの声からすると、あいつは調子が悪いみたいだ。ホスキンス、やれ!


<2発のショットガンの銃声が響き、ドアが床に打ち倒された音がする>


<直ちに銃撃戦の音が響く>


エージェント・ウォシュバーン (T1L) : ホーム、接敵!2、急いで下りて来い!ローランド、退却だ!


エージェント・ニコラス (T1): 畜生!ホスキンスがやられた!


エージェント・ウォシュバーン (T1L) : 右だ、ローランド!2、もっと急げ!


エージェント・マイケルズ (T2L) : 1、下で一体何が起こってるんだ?


<銃声が止む>


…とまあ、こんな感じである。タチ悪いなおい。
ちなみにこいつらが言葉の内容を理解しているのかはわかってない。
まあいきなり助けを呼ぶ声が聞こえてきたら警察やお人好しじゃなくても興味本位で近づきそうだし、確かに効果的な手段ではあるが。


もう一つの能力として、こいつは肺から謎の気体を出す。これはAMN-C227と呼称されており、クラスC忘却物質…つまり記憶処理薬と同じ性質を持っている。
財団は案の定「これ利用できんじゃね?」と考えたらしく、クラスCの記憶処理に使おうと画策しているらしい。嫌な予感しかしない。


ここまで聞くと「逃がしたら確かにヤバそうだけど、ちゃんと収容しとけばいいんだからEuclidでもよくない?」と思うだろう。
だがこいつは元々野生動物である。つまり今も世界の様々な場所に生息しているのだ。それも大量に。
財団は何とか野生の連中を捕獲、駆除しようと試みているが、未だ目立った成果は出ていない。




SCP-939の繁殖

さて、ここまででも相当ヤバいが、こいつのヤバさはここからが本番。
群れであることからもう分かるかもしれないが、こいつらは増える。しかも普通に繁殖して増えるのだ。どうやってと言われても答えようがない。
記事にはこの繁殖に関する添付ページが存在する。


1992年9月25日、SCP-939-1はおよそ12ヶ月の妊娠期間を経て出産に至った。産仔数は6で、それぞれSCP-939-A1からSCP-939-A6の指定が与えられた。SCP-939-A1、A4、A5は雄、A3、A6は雌。SCP-939-A2は死産であり、すぐにSCP-939-1に捕食された。SCP-939-1は仔の接収に際していかなる抵抗も行わなかった。


SCP-939-A1、A3、A4、A5の生体解剖では、対象は形態的、遺伝的に健康な人間の乳児と区別できないことが判明。SCP-939-A1とA3の遺骸は、生物研究エリア-12内の生体物質保管ユニット939-026-Cと939-026-Dにそれぞれ保存された。SCP-939-A4とA5の遺骸は焼却された。


SCP-939-A6は[編集済]に移送され、成長過程の観察が行われる。月次の身体検査には、必要と見なされたあらゆる追加措置が付加される。


死産の子供を食うこと自体は別に動物として珍しいことではない。が、問題なのは次。
「形態的、遺伝的に健康な人間の乳児と区別できない」 クソトカゲみたいな謎生物から人間そっくりの子供が生まれてきたのだ。
…この時点で嫌な予感がするが先へ進める。


1997年3月16日通達: 職員間の多数の会話を盗み聞きしたことで、SCP-939-A6は自身の名前を「Keter」であると考えるようになっています。このことが対象の気分に与えている著しい正の影響を鑑みて、スタッフはこの前提を否定も肯定もしないことを推奨します。精神、身体の発達過程は標準的な人間からの逸脱を見せていません。


「ケテルちゃん」はだいぶキラキラネームなのでは・・・?
出産から5年近く。生まれた子は全ての面において普通の人間だった。この通達から更に数年経っても特に異常なし。ちなみにこの通達の前に


文書#939-A6-16: ██████博士の配置転換


[編集済]


とある。後述の内容から推察するに、どうやら彼女に愛着を持ちすぎたせいで移動されたらしい。
まあ見た目子供だしなぁ。




しかし、出産から約8年後、彼女の体に異変が起き始める。


日付: 2001年1月9日
20:00頃、SCP-939-A6は徐々に不安定な行動を開始。理由を質問された対象は倦怠感を報告。浅く速い呼吸が観察された。SCP-939-A6は精密検査のために病棟に移動。心拍は不安定で、平均して毎分190回。これ以外の異常は観察されなかった。SCP-939-A6はベンゾジアゼピンを投与され封じ込め下に戻された*1。おそらくパニック発作だが、原因は不明である。


日付: 2001年1月10日
04:30頃、SCP-939-A6は同様の症状と共に軽度の頭痛と羞明を報告。検査結果は前日と同様。SCP-939-A6には休息が指示され、鎮静剤の投与後に封じ込め下に戻された。


日付: 2001年1月24日
上記の症状は2週間継続し、その後激化した。SCP-939-A6は室内の照明器具を破壊し、01:40にベッドの下で、おそらく胎児のような姿勢で蹲っているところを発見された。A6は部屋から出ることを断固として拒否したため、エリア-██の病棟に搬送する必要があった。対象は重度の頭痛、極度の羞明感、聴覚過敏、胸部と腹部の激痛、不快な暖かさを訴え、「泣くこともできないほど痛い」とコメントした。A6の深部体温は41.2℃と計測された。医療技術者は脈を取ることができなかった。


MRI結果は[編集済]


直ちにSCP-939-A6用の強化コンクリート製封じ込めセルが準備された。要求に応じてセルの照明は減光され、水で満たされた大きな容器が準備された。


徐々に症状が悪化していることが分かるだろう。また、症状の中の「羞明感」これは眩しい光を見たときなどに、目が痛くなるあれである。
…もう大体予想できてると思うが、最後の記録に行く。


日付: 2001年1月26日
SCP-939-A6は容器内の水に浸かり、およそ41時間にわたって動きを止めた。その後、対象は自身の皮膚を暴力的に引き裂き始めた。対象は皮膚の脱落に気付き多大な苦痛を現したが、止めることはできないようだった。22:36、███████博士はSCP-939-A6の頭部が自然に脱落したことを報告した。22:40、対象はかなり小型のSCP-939-1と同等の形態となった。


この後SCP-939-A6はSCP-939-101へと再分類が行われた。




…まあ、そういうことだ。
これがSCP-939の繁殖方法である。色々な意味でエグいが、財団にとっての問題はそこではない。


こいつらの子供は、変異するまでは本当にどこからどう見ても人間である。区別する手段は存在しない。しかも生まれてから8年以上もその状態なのだ。
それはすなわち、連中の子供が人間社会に紛れ込んでいる可能性があるということ。
親がアレとはいえ、普通に捨て子としてどこかに引き取られ、何食わぬ顔で生活しているかもしれない。いつ化け物に変化するかも分からない爆弾が、である。
ただでさえ多くの個体が未収容なのに、潜在的なリスクまで内包している。これもしかしなくても詰んでるんじゃねぇの?




なお、SCP-939-101は他の個体と異なり、変異後も通常通りの会話が可能だったため、別のサイトへ移送されることになった。
その後ある博士との交流により、939-101の陳述を記録することに成功。


もしもし、すみません。何で私たちはここにいるの?ここはとても寒い*2から、早く家に帰りたいの。寝る時間がとても遅くなっちゃって、本当にごめんなさい。そんなつもりじゃなかったの。


私たちの絵を見たことある?お絵描きは好き。パパは絵を壁にかけてくれたけど、時々白い服の人たちが持って行っちゃうこともあった。パパは絵を隠したり、破ったりしちゃうこともあった。でも、それは絵が嫌いだからじゃないって、私たちをあの白い服のお医者さんたちから守るためだって言ってた。でも、お医者さんたちはパパを連れてっちゃった。


お医者さんたちは私たちに注射を打って、パパを忘れるように言った。パパが近くにいないから注射が怖かった。パパのことは忘れない。パパが私たちを忘れても。お医者さんたちが間違ってると思う。パパが私たちを忘れるわけない。そうでしょう?


お医者さんたちは偽者のパパを連れてきて、本当のパパだよって紹介した。でも私たちはそんなにばかじゃない。お医者さんたちは私たちにもっと注射を打って、偽者のパパを本当のパパだって言い続けたけど、私たちはだまされなかった。パパが私たちに言ったみたいに、嘘をつくのは悪いことだって言ってみたら、お医者さんたちも嘘をつくのをやめた。


お医者さんたちは私たちを普段通りにさせたけど、紙と鉛筆と絵の具をくれて、好きなものを描いてみなさいって言われたから、そうしてみた。パパを描いてみたり、パパに描くなって言われたものを描いてみたりもした。お医者さんたちは絵をみんな持ってっちゃった。


時々、白い服のお医者さんたちと、ポケットのいっぱいある黒い服を着て、曲がった覗き窓のあるヘルメットを着けた人……パパは何て呼んでたっけ?忘れちゃった。その人たちが私たちを広間まで連れてって、診察をした。私たちはそういうのは好きじゃなかった。


本当に、本当に静かで暗い場所に横になってなきゃいけない時もあった。そんなときパパは物語を聞かせてくれた。全部理解できるわけじゃなかったけど、それでも好きだった。どこまで行っても天井がなくて、床が白くない場所の物語。ばかみたい。天井はどこにでもあるものでしょう?お医者さんたちがパパを連れてってからは、もう物語は聞けなかった。


そして、気分が悪くなってきたの。


お医者さんたちはたくさんの検査をした。お医者さんたちが怖がってたから、私たちも怖かったんだと思う。とてもひどい頭痛がして、光がうっとうしくて、辺りがとてもうるさかった。頭痛がおさまるまで明かりを消して欲しかった。たっぷりの冷たい水が欲しかった。
あの人たちは私たちを暗いところに入れてくれて、たっぷりの水も準備してくれたけど、水につかると全身がかゆくなった。引っ掻いてると皮がだんだんめくれてきた。とても怖くてパパを呼びつづけたけど、来てくれなかった。


そうしてたら、全身の皮がはがれちゃった。でも、もうそんなものいらなかったから大丈夫だった。もうかゆくなかった。光があんなに辛いってこともなくなって、古い頭が取れてからは頭痛もしなくなった。光はまだうっとうしかったけど、前ほどじゃなくなった。もう物があまりよく見えなくなったから。


私たちはとてもお腹が空いてた。悪いことだって分かってたけど、古い皮と古い頭を食べてみた。悪いことには違いないんだけど、おいしかった。まだお腹が空いてたから、食べ物をねだってみた。あの人たちは食べ物をくれて、中には私たちの大好物も入ってたんだけど、どれもおいしくなかった。おいしかったのは一切れの肉だけ。私たちはそれをもっと欲しがった。


そしたら、あの人たちは私たちのいる暗闇の中に、2人の人を閉じ込めた。私たちはそんなことしないように頼んだけど、あの人たちは聞いてくれなかった。その後しばらくはお腹いっぱいだったけど、今はお腹が空いてる。


本当にごめんなさい。嘘が悪いことだってのは知ってた。そんなつもりじゃなかったの。


陳述内の「パパ」は移動させられた博士。「お医者さん」は研究員。「ヘルメットを着けた人」はおそらく保安部隊だろう。
そして一人称が「私たち」 …このことから察するに、SCP-939は一種の集合意識に近いものを持っていると思われる。




吐息の意味

最初のところで、「こいつの吐き出す気体記憶処理に使えるかも」という話題があったが、最終的にこの提案は承認され、実際に使用されることとなった。
若干迂闊にも思えるが、副作用の無い記憶処理薬というのがかなり貴重なものであることは事実。(あのY-909でさえ副作用が無いわけではない)
だからこそ利益になるなら使うべきだということだったのだろう。




…まあ、うん、やはりというか何というか、あったのだ。副作用。
その副作用による事案「AMN-C227-939事件」が発生したのである。


1990年11月、SCP-939とは関係ないあるオブジェクトの捕獲が行われ、その関係者や目撃者にAMN-C227が投与された。
その時は特に何もなく終わったのだが、二年後の1992年の報告で、投与された人物の中で全国平均の10倍以上の行方不明者が出ていることが判明したのだ。
財団は即刻使用を中断し、当時投与された人物の一人にインタビューを行った。


エージェント・████: お時間を割いていただきありがとうございます、S████さん。まず初めに、6月5日の事件についてできるだけ詳細に話していただけますか?


J. S.: 分かりました……私は友人に呼ばれハイキングに行くことになりました。森の中でちょっと何か馬鹿なことをしたいと思って。外出には丁度良い日で、他に特にすることも無かったので。私は……[冗長な対話を除去] 私がデジャビュを覚えたことを口に出すまで、何も変なことはありませんでした。A██████は変な顔で私を見て、彼女も同じことを感じたと言いました。私達皆が感じていたんです。M█████は怯えて帰宅してしまいました。賢い選択をしたのは彼だけです。残る私達は好奇心から調べてみることにしました。つまり、5人もの人が同時にデジャビュを感じるなんて聞いたことありますか?


エージェント・████: あるとは言えません。続けてください。


J. S.: もっとおかしなことに、既視感は私達が█████████ ███に近づくとだんだん強くなってきました。


エージェント・████: █████████ ███?


J. S.: ああ、近くの大きな洞窟です。私の記憶では誰も入ったことはなかったはずでした。後から考えるとあまりにも軽率な行動だったんですが、懐中電灯も1個しかないのに私達は中へ入って行きました。中に入ると感覚はますます強まりました。私は「デジャビュ」と表現し続けていますが、これは正確な言い方じゃありません。前に経験したことがある、というようなものではなく、誰もきちんとした言葉にできないような、ただ何か「知っている」というもっと一般的な感覚です。深く進むほど感覚はどんどん強まりました。もっと正確に言えば、近づいている、という感覚が。何に近づいているかは私達の誰一人として分かりませんでした。だから私達は進み続けました。


エージェント・████: 何か見つけましたか?


J. S.: いいえ。いや、ええと、私には分かりません。C██████が、遅くなるから帰ろう、みたいなことを言っていたのは覚えています。そ、その後のことは……何も、覚、覚えて……


エージェント・████: 少し時間が必要なら、それでも構いません。


J. S.: (啜り泣きながら) こ、高速のわ、脇に座って、いて、そ、それまでの記憶は……あ、ありません。そ……外は暗くて。警察の人に、し、質問……されて、お……落ち、着いて……救急車が、く、来る、からと。ぜ、全身が……傷だらけで、あ、赤い色を――見て叫んで、警察の人に、い、行かせてとお、お願いして、に、逃げ、逃げないと――いけない、って。


エージェント・████: 何から逃げると?


J. S.: 赤いものから!


エージェント・████: 赤いものとは何ですか?


J. S.: お……思い、出せ、ません。


エージェント・████: 友人たちはどうなりましたか?


J. S.: い――一緒にはいませんでした。け、警察の――ひ、人たちには……私の仕業だって――き、決めつけられて。麻薬で幻覚を――み、見たみたいに、興奮、してたからって、救急車の、ら、ランプを見て、さ、さ、叫び続けたからって……わ、私を、つ、捕まえようと――しました。お――覚えてないんですが、あ……赤色を見ると、ふ――不安になるんです。


[冗長な対話を除去]


<記録終了>


友人とハイキングに行った彼は、周りの景色に唐突に既視感を覚えた。しかもそれは彼だけではなく、他の全員も同じだったらしい。
既視感はある洞窟へ近づくにつれ強まり、彼らは興味のままにそこへ入っていった。そして……そこに奴らがいたのだろう。


AMN-C227の副作用とはつまり、「一度曝露した人がもう一度曝露したとき、気体の濃度が高い方へ誘引される」というもの。
一見意味の無いように見えるこの気体も、SCP-939の捕食手段の一つだったのだ。
当然AMN-C227の使用は無期限に中止されることとなった。ある意味では財団のやらかしとも言えなくない。




が、ある博士によって、今度はAMN-C227を曝露させた人間を使い、逆に奴らの巣を見つけ出す計画が提案されている。
どちらにせよ、野生のSCP-939個体がいつか根絶されることを祈るのみである。




+ 蛇足-

みんな大好き殿堂入り改造マシンこと、SCP-914の拡張実験記録にSCP-939も登場する。丸ごと入れてみた結果、

  • Rough グチャグチャになった骨と歯と肉片の山
  • Coarse 部位ごとに分けられた組織と、おそらく食われたと思われるDクラスの服
  • 1:1 [編集済]
  • Fine 死因不明のSCP-939の死体
  • Very Fine くすぶっている白い灰の堆積物

がそれぞれ出てきた。
中々不穏なものもいくつか混じっているが(特に最後)結果的に有益な情報は得られなかった様子。


またSCPを題材としたフリーホラーゲーム「SCP - Containment Breach」にも登場している。
こちらでもお得意の声帯模写で悲鳴を上げておびき寄せてくる。襲われると当然即死。
見た目のせいかクソトカゲと間違われることも。




追記、修正は声帯模写ができる人にお願いします。


CC BY-SA 3.0に基づく表示


SCP-939 - With Many Voices
by Adam Smascher
http://www.scp-wiki.net/scp-939
http://ja.scp-wiki.net/scp-939



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  • 自分も最初見た時は「幾ら危険でもサイト内に閉じ込めておけるならEuclidじゃないの?」と思ってたけど、後の説明見たらそりゃKeterだわ。実質収容できてないのと同じ -- 名無しさん (2018-11-30 20:36:06)
  • ゲームだと避けるの凄く難しいんだよこいつ -- 名無しさん (2018-11-30 22:44:12)
  • インタビュー最後の嘘って何だったんだろう。インタビュー内に嘘の証言が混じってるのか? -- 名無しさん (2018-12-02 00:59:05)
  • 声の模倣によるおびき寄せのことじゃない?Dクラス食べた時のことか、集合意識的に流れ込んできた他の個体の狩りのことかのどっちかだと思う -- 名無しさん (2018-12-02 07:07:48)
  • 914が改良して死体や灰が出てきたってことは、コイツって中途半端に死んだ人間なのか? -- 名無しさん (2020-07-25 15:57:52)
  • 101が人間の意識を持ち続けている感じから察するに、死んでいると言うより死んだ方がマシって状態なんじゃないかな。 -- 名無しさん (2021-07-05 23:33:47)

#comment

*1 人間の心拍数の正常値は毎分60~90回であり、異常なレベルで早いことが分かる。ちなみにベンゾジアゼピンは精神安定剤の一種である
*2 このとき939-101は低温保管室に収容されている

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