登録日:2018/01/28 (日) 17:14:18
更新日:2024/02/16 Fri 14:27:30NEW!
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『Identity Crisis』は2004年にDCコミックスから出版されたアメコミ作品。
『Identity Crisis』#1~#7
発売 2004年8月から
脚本 ブラッド・メルツァー
作画 ラグス・モラレス
レギュラーシリーズ・タイイン
『Firestorm Vol.3』#6、『Flash Vol.2』#214~#217、『Manhunter Vol.3』#5、『JSA』#67とクロスオーバーした。
『Manhunter Vol.3』は本編とのつながりが薄めとなっている。
日本では2017年にヴィレッジブックスから邦訳本が発売されている。
ヒーローの関係者を狙う謎の連続殺人事件とヒーローの知られざる闇を描いた大型イベント。
脚本を小説家のブラッド・メルツァーが担当しヒーローの正体が鍵となる2つの事件が並行して描かれていく。
DCコミックス屈指の問題作と言われ過激な暴行シーンやヒーローたちの過去の活躍を汚すような展開が物議を呼んだ。
その一方でヒーローたちの細かな人間関係にスポットを当てたストーリーは小説家が手掛けただけあって評価が高く、
デスストロークやカルキュレイターの活躍は彼らの再評価につながっている。
問題作でありながら後の作品への影響は大きく他の『クライシス』と名のついた作品と同列に見なされている。
本作を補うタイイン/関連誌としてレギュラーシリーズ4作とクロスオーバーが展開された。
【物語】
変幻自在の肉体と優れた探偵術を持つエロンゲイテッドマンの誕生日、彼とファイヤーホークは取引現場の張り込みをしながら
彼の妻スー・ディブニーのことを話していた。事態が動き出し2人も動くが突如スーから連絡が届き、彼女の元に急行すると彼女の焼死体を発見する。
『ジャスティス・リーグ』の名誉メンバーに選ばれたこともあるスーの死はヒーローたちに衝撃を与え大規模な犯人捜索が始まった。
エロンゲイテッドマンやグリーンアローをはじめとする6人のヒーローはスーが関わった過去の事件が原因と思うも当てが外れてしまう。
その後も次々に容疑者が上がるが空振りに終わり、アトムの元妻ジーン・ローリングが狙われヒーロー関係者に脅迫状が届き
ヒーローたちに不安が広がっていく。そしてこの事件はヒーローたちの知られざる闇を浮かび上がらせていく。
【主な登場人物】
- エロンゲイテッドマン(ラルフ・ディブニー)
ゴムの様に形を変える肉体と探偵としての才能を持つヒーロー。妻スーとはおしどり夫婦で知られ世間に正体を明かしている。
誕生日にファイヤーホークと共に謎の取引の張り込みをしていたが、スーの異変を知り家に戻ると彼女の焼死体を発見する。
当初は顔が崩れる程に泣き葬式でも喋れなかったが、葬式を終えるとスーの過去の事件を知るヒーローたちと共にドクター・ライト逮捕に向かう。
しかしデスストロークの妨害で失敗しさらにドクター・ライトが犯人ではないと分かり、家に引きこもるようになってしまう。
≪ヒーロー≫
様々なヒーローがスーの葬式参加後、犯人捜索に向かう。炎を操るヴィランや空間移動能力を持つヴィラン、
『スーサイド・スクワッド』のメンバーを捜索する。犯人の死という形で事件の終わりが見えると家族と共に静かに犠牲者を悼む。
- スーパーマン(クラーク・ケント/カル=エル)
メトロポリスを守る鋼鉄の男。その耳はどんな小さな音や声も聞き逃さないため、聞きたいものを選んでいる。
他のヒーローたちと共に犯人を捜していたがドクター・ライトを狙うヒーローたちに気付き、彼らを制止しドクター・ライトが犯人ではないと告げる。
その後、ジーンが狙われたことで強い不安を感じ妻ロイスに脅迫状が届いてしまうが、彼女は狙われず事件は終わりを迎えた。
- バットマン(ブルース・ウェイン)
ゴッサムを守る闇の騎士。世界最高の探偵と呼ばれ知らないものは無いと言われている。
いち早く現場検証に出向きスーの葬式にも出ずに捜査を行い、犯行方法ではなく誰が得するかを考え犯人を絞っていく。
しかし決定的なものは掴めずアトムの元妻ジーンが狙われロビンの父ジャックが犠牲となってしまう。
その後犯人が死亡したと他の者たちが思う中、捜査を続け『バットケイブ』である可能性に気付く。
- ワンダーウーマン(ダイアナ)
超人的力を持つアマゾン族の平和大使。スーの葬式のスピーチを担当したほか、スリップノットの尋問を行う。
- グリーンランタン(カイル・レイナー)、フラッシュ(ウォリー・ウェスト)
偉大なヒーローの後継者コンビ。グリーンアローたちが捜査に向かわず集まったのを知り、彼らの様子を窺うが気付かれてしまう。
不審な行動を問いただしたところスーの過去の事件について教えられ共にドクター・ライト逮捕に向かう。
グリーンランタンはそれ以上追求しなかったが、フラッシュは尊敬するバリーの行動に納得できず更なる秘密を聞く。
- ロビン(ティム・ドレイク)
高い探偵としての能力を持つ3代目ロビン。父ジャックに活動の許可をもらっており、不安にさせないよう努めている。
今回の事件が原因でジャックから活動を辞めるよう求められるが、何とか説得して活動を続ける。
ジーンが狙われロイスに脅迫状が届いた頃、バットマンとパトロールに出るもその直後にジャックが襲撃を受けてしまう。
バットマンと共に急いで家に戻るが間に合わず殺された父を発見する。
- ドクター・ミッドナイト(ピーター・クロス)
暗闇でしか見えない目を特殊なゴーグルで補う有能な医師。煙幕や相棒の梟チャーリーを駆使して戦う。
スーの司法解剖を担当し彼女が殺された後に死体を焼かれたことを見つけ出す。
その後、ミスター・テリフィックの協力を得て解剖を進めるも結果を出せずにいたが、事件の終わり際に脳に異常を発見する。
- スペクター(ハル・ジョーダン)
罪人に悲惨な罰を与える復讐の天使。超常的力を持つが現世にいるためには依り代を必要とし、現在はハルを依り代としている。
グリーンアローに犯人の名前を聞かれるが、自分には決定権が無いとして断る。
- ファイヤーストーム(ロニー・レイモンド)
原子を操る力を持つヒーロー。犯人捜索の戦いの中で命を落としてしまう。
≪スーの事件を知る7人のヒーロー≫
エロンゲイテッドマンと共にドクター・ライトによるスーへの暴行現場に居合わせたヒーローたち。
昔からヒーローやその家族の正体を知ったヴィランに対して記憶を改変する処置を行い秘密を守っていた。
しかしドクター・ライトに対しては人格の改変が必要だったため意見が割れ、多数決の末に処置を行いそれ以降この行為をやめていた。
今回の事件にこの一件が関わっていると思いドクター・ライトの元に向かうもデスストロークに阻まれ取り逃がし、
スーパーマンからドクター・ライトは犯人ではないと知らされる。
ドクター・ライトの元に向かった際フラッシュ(ウォリー・ウェスト)とグリーンランタン(カイル・レイナー)に気付かれたため、
彼らに自分たちの行った処置について伝えている。しかし彼らにはまだ秘密があり……。
- グリーンアロー(オリバー・クイーン)
スターシティを守る弓の名手。ドクター・ライトへの処置は反対派だった。7人のリーダー格で若手2人に秘密を教える。
ドクター・ライトが犯人でないと分かってからも積極的に行動し、スペクターとなったハル・ジョーダンの力を借りようとする。
その後、事件の終わりが見えるとフラッシュ(ウォリー・ウェスト)の質問に答え更なる秘密を教える。
- アトム(レイ・パーマー)
特殊なスーツとベルトで体を縮小できるヒーロー。ドクター・ライトへの処置は賛成派だった。
弁護士のジーン・ローリングとは元夫婦で今回の事件をきっかけに再び距離が縮まり、彼女が狙われたことで恋人関係へと戻る。
- ホークマン(カーター・ホール)
猛禽類のようなコスチュームを着たヒーロー聡明期から活躍し続ける大ベテラン。
ドクター・ライトへの処置を提案した人物で、この件が原因でグリーンアローと長年対立していた。
- ザターナ(ザターナ・ザターラ)
言葉を反対に唱えることで魔法を使う魔女。彼女が記憶の改ざんを行っておりドクター・ライトへの処置は賛成派だった。
今はそのことを後悔しており、そのせいで真の力を発揮できずにいる。
- ブラックキャナリー(ダイナ・ランス)
初代ブラックキャナリーの娘。格闘技の名手で口から超音波を出す。ドクター・ライトへの処置は反対派だった。
- グリーンランタン(ハル・ジョーダン)、フラッシュ(バリー・アレン)
現在は亡くなっているヒーローたち。グリーンランタンは反対派で、フラッシュは多数決の最後となり賛成派だった。
≪ヴィラン≫
- ドクター・ライト(アーサー・ライト)
周りの光を吸収し活用する力を持つヴィラン。周囲からは3流と思われていたが、それは過去にスーを暴行した際に行われた人格改変の影響だった。
そのことが原因でグリーンアローたちに狙われてしまうが、デスストロークに警護を依頼し彼らの戦いを見て記憶を取り戻し姿を消す。
- デスストローク(スレイド・ウィルソン)
実験で驚異的な能力を得た傭兵。凄腕のため依頼にはそれ相応の金額がかかるが、ヒーローと戦えると知ってドクター・ライトの依頼を受ける。
様々な策と技量でドクター・ライトを狙うヒーローたちを圧倒するが、なりふり構わなくなったヒーローたちに羽交い絞めにされてしまう。
しかしドクター・ライトが記憶を取り戻した際の強烈な光にまぎれ姿を消す。
- カルキュレイター(ノア・カトラー)
裏社会の情報屋。かつてはコスチュームに身を包み活動していたが、ヒーローのオラクルを真似て情報屋となった。
ヴィランたちと情報をやり取りする一方、旧友のキャプテン・ブーメランに彼の息子の情報を教えある仕事を任せる。
- スリップノット(クリストファー・ワイス)
自身で開発した強化ロープで犯罪を行うヴィラン。ジーンの襲撃に縄が使われていたためワンダーウーマンの尋問を受けるが、無関係だった。
元『スーサイド・スクワッド』だったため他のメンバーも捜索の対象となった。
- キャプテン・ブーメラン(ディガー・ハークネス)
様々なギミックを持つブーメランを駆使するヴィラン。フラッシュのライバルの1人だったが、今は落ちぶれヴィランのたまり場をたむろしている。
旧友のカルキュレイターからある仕事を依頼され、その前に生き別れの息子オーウェンに会い親子の時間を楽しむ。
そして依頼されていたジャック・ドレイク殺害に出向き成功させるが反撃を受け死亡する。
≪ヒーロー・ヴィラン関係者≫
- スー・ディブニー
エロンゲイテッドマンの妻で『ジャスティス・リーグ』の名誉メンバー。エロンゲイテッドマンとは今も強く愛し合う仲。
彼の誕生日にはいつも謎をプレゼントとして仕掛けており、今回は歴史のある拡大鏡に加え妊娠を報告する予定だった。
様々なセキュリティが施された家で誕生日の準備をしていたが、何者かに殺され死体が焼かれていた。
過去に衛星基地でドクター・ライトの暴行を受け、その場にいたヒーローたちが内密に処理していた。
- ジーン・ローリング
アトムの元妻で有能な弁護士。ヒーロー活動と研究に時間とお金を割く夫に愛想をつかし浮気してしまい協議離婚した。
現在の関係は良好で今回の事件をきっかけに再び距離が近づき始める。
ドクター・ライトが犯人ではないと分かった後、自宅で何者かに殺されかけアトムに救われた。この一件を機に2人はよりを戻すことになった。
自宅はスー同様様々なセキュリティが施されており、犯行にはもやい結びの縄が使われジーンは男ものの靴を見ていた。
- ジャック・ドレイク
ロビンの父親。息子の活動を知っており心配しながらも許可を出し、毎晩彼の帰りを待っている。
しかしヒーローの関係者を狙う事件が起きてからはティムに活動を辞めるよう話していた。
ジーンが狙われロイスに脅迫状が届いた頃、外に出ようとするティムを呼び止めるも逆に説得され送り出す。
その直後、脅迫状と拳銃に気付きオラクルと連絡を取りティムに語りかけ、現れたキャプテン・ブーメランと相打ちとなり死亡する。
- オーウェン・マーサー
キャプテン・ブーメランの息子。母親はキャプテン・コールドの妹ゴールデングライダーと言われているが別人らしい。
父親譲りのブーメランの腕とフラッシュのような超スピードを操る力を持つ。
父親とは生き別れていたが久しぶりの仕事を前にする彼の接触を受け再会し、すぐに打ち解け親子の時間を楽しむ。
その後、仕事に向かった父からの留守電に気付き、現場に駆け付け相打ちとなった彼を見つけるが何もできずに追い出される。
そして父の墓前で彼の記事を見せ新たなキャプテン・ブーメランとなった。
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- 話は面白いと思うんだけど、読み終わってここまでやるせない気分になる話他にないわ。これでスポットが当たったキャラが好きだった人とかちょっと耐えられないでしょ -- 名無しさん (2019-04-24 02:37:00)
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