海のトリトン(漫画)

ページ名:海のトリトン_漫画_

登録日:2016/03/17(木) 00:03:53
更新日:2024/01/22 Mon 13:33:39NEW!
所要時間:約 17 分で読めます



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この項目を見るなり、「す~い~へ~い~線の終わりにわっあああ~♪」とコーラスの聞こえてきた方は、いったんそちらについては忘れていただきたい。





『海のトリトン』とは、手塚治虫がサンケイ新聞に1969年9月1日から1971年12月31日まで掲載していた漫画作品である。
連載中は『青いトリトン』というタイトルで連載されており、単行本化に際しこちらに改められた。
漫画完結後に、『海のトリトン』というタイトルに改められてアニメ化されており、冒頭で記したのはそのOPである。
若い世代の読者の諸君も、甲子園の応援歌などで聞いたことがあるのではなかろうか。


だが、このアニメ版は漫画版とは基本設定は同じであるが、ホントにそれだけであり、内容は全く異なる。
そもそもアニメ版トリトンは海を表す緑色の髪をしていたが、漫画版では全く異なる顔つきをしている。
手塚ファンであれば「フィルムは生きている」の宮本武蔵や「ナンバー7」の七郎、
メジャー作品で言うと「ブラックジャック」のピノコがプールでおぼれる話のアニメーターの人と言えば伝わるだろうか。あんな感じの外見である。


従って漫画版にはオリハルコンの剣も出なければ、あのアニメ史上類を見ない救われないオチも無い。


手塚先生は監督の富野喜幸が割かし好き勝手やったアニメ版に関しては「私の作品じゃないです」というスタンスを取っているものの、
富野監督は一方で「漫画版は手塚先生があまり気に入ってなかったんじゃないかと思う」と私見を述べている。
ちなみにこの一件で富野は手塚プロから出入り禁止を受けたらしい。



あらすじ

漁村で育った少年・矢崎和也はある日、岬の洞窟で海藻にくるまれた赤ん坊を見つけた。
和也の祖母はそのこを見るなり「忌み子」といい捨てるように進言するが、その舌の根も乾かぬうちに和也の村は地震に襲われ、
押し寄せた津波により和也の父は命を失った。
葬儀で祖母は、かつて海から来た青年・トリトンが謎の一族に追われ続けていることを和也に伝え、その子もトリトンの一族ではないかと言う。
和也は父を殺した海を必ずや征服してみせることを決意し、母と、そしてトリトンの名を受け継いだ赤子と共に上京を果たす。
しかし和也は悪徳業者に騙されて賃金を掠め取られ、乱闘の果てに殺人を犯してしまい、
外国船舶の乗組員・六と共に国外逃亡して海を征服する野望を燃やすこととなる。
そんなことも知らぬまま和也の母と共に、人間ではありえない程の急速な成長を遂げるトリトン。
井苔流泳法の師範・丹下全善と共に泳法を極めていくトリトンは、やがて言葉を話すイルカ・ルカーと出会い、
己の出生と宿命を知っていくこととなった…。


用語

  • トリトン族

超古代文明の生き残り。人類から進化した種族で、俗に言う人魚
ただし下半身が魚状になるのはメス(女性)だけで、オス(男性)は人間と足の指がないこと以外全く変わらない姿をしている。
陸上は勿論水中でも永遠に活動可能。どんな寒さにも暑さにも耐えうる。生殖方法は不明だが、実は卵生生物である。
人間とは異なり、成長速度が非常に歪で、何年間も同じ姿と思いきや急激に成長したりする。昆虫の変態のようである。
ポセイドン族の迫害を受け、絶滅寸前まで追いやられている。イルカと仲が良い。


  • ポセイドン族

超古代文明の生き残り。海生生物を始めとする、様々な生物の遺伝子を取り込んだ改造人間…の子孫たち。
歴代の王「ポセイドン」は自らを海の神として地上人に対し服従を強要させていた。
ポセイドンは如何なる相手とも生殖・繁殖を行えるよう、体外受精が可能な装置を用いて子孫を残す。
海の掟として、「陸上の生き物を殺してはならぬ」というものがあるらしい。



登場人物

トリトン族

  • トリトン

主人公。トリトン族の末裔であり、父の遺した法螺貝に遺された遺言を知り、己の運命に立ち向かうことを決意する。
ナイフ投げはブラックジャック以上の腕前であり、教室の端から投げて黒板に書かれた10円玉くらいのサイズの円に6本突き立てるほど。
家を飛び出してルカーと共に七つの海を回って行くうちに、最初こそガムシャラにポセイドン族を血祭りに上げていたものの、
トリトン族の将来や人間と海の民の共存について思索を馳せていくこととなる。
ドロテアの計略により漁村(和也の故郷ね)の住民から殺されそうになるが、洋子に刺されて一時的に仮死状態になり、
彼女がターリンから貰った強心剤で生き返るというロミオとジュリエット方式で生還を果たした。
後にピピと結婚し二男五女に恵まれる。


  • ピピ子

トリトン族の末裔の人魚。トリトンより13歳下(途中で追いついて同じぐらいの外見年齢に)。
おませな上にお転婆で、赤ん坊のころはよくわからない言葉をしゃべっていた。(独りぼっちで海上に取り残されていたため、海鳥と会話が可能)
成長した際には普通に話せるようになったが、幼い頃の生まれもあってか海鳥と話すことが出来る。
トリトンのことを溺愛しており、母親のことを口に出しただけで癇癪を起こすほど嫉妬深い。後のピ●コである


  • ブルー
  • グリーン
  • イエロー
  • オレンジ
  • レッド
  • バイオレット
  • ダークブルー

トリトンとピピの子供達。七つ子なのでトリトンが無い知恵を絞って七人の小人とか曜日から名前を付けようとしたが、
結局はピピの意見を取って虹の七色から名前が付けられた。男はブルーとレッドで、他は女の子。
性格はブルーがしっかり者、グリーンがおませさん、イエローがお転婆、オレンジが甘えんぼ、レッドが癇癪持ち、
バイオレットがせっかち、ダークブルーが怠け者。みんな可愛い。
後にブルーはトリトンの名を受け継ぐことになる。


イルカ

  • ルカー

トリトンの両親からトリトンのことを任された、知恵に長けたイルカたちのリーダー的存在。恐らくメス。
海ではトリトンを載せて人馬一体の旅をする。
聡明だが「人質を取る」などと言った戦術・戦略に関しては考えが回らないらしく、
手塚先生なりの「人間と動物の違い」を如実に表している*1


  • イル

ルカーの部下の三バカの一匹。目の周りに白っぽい模様がある。しっかり者。


  • カル

三バカの一匹。ちょっと慌てん坊で喧嘩っ早い。


  • フィン

三バカの一匹。覇気のない顔つきをしており常に「フニャ~」とやる気のない鳴き声を上げている。


海の住民

  • 大亀ガノモス

沖縄近海に棲む、島と見まがうほどの巨体を持つ大海亀の老人。初登場時点で既に1000歳
亀の甲より年の功とはよく言ったもので、トリトンに対しても「正義の反対はまた正義である」「お前の旅は敵を滅ぼしても終わる物じゃない」
「憎い敵程許す必要がある」と非常に徳の深いお説教を伝えている、本作屈指の名言製造機。
トリトン族とポセイドン族の争いに介入せずに中立の立場を貫き、一族の仇討に燃えるトリトンを度々諭してきたが、終盤、ポセイドンが卑劣な方法でトリトンを陸上人もろ共抹殺しようとしたことに遂に堪忍袋の緒を切らし、
トリトンと共にポセイドン族の砦に特攻をかける。


  • ガノモスのひいじいちゃんの死体

甲羅だけで2㎞四方はあるが、2億年前に死んでいる。既に白骨化しており、ガノモスの好意によりトリトン族のねぐらとして提供された。


  • ウミワタ

海綿状の群体生物。全身の殆どが水分で出来た不定形生物であり、くっついたり離れたりすることで変身することが出来る。手塚先生の性癖丸出し
この特性を生かし、ピピの影武者としてポセイドンの花嫁に仕立て上げられた結果、とんでもない結果を招くことになる。
ポセイドンはこんな超下等生物なんぞと子孫を作っちまったことを後悔して即座に処刑してしまった。


ポセイドン一族

王族

  • ポセイドン150世

海を支配するポセイドン族の王。ゴリラと虎と牛を足したような姿をしている。
歴代のポセイドン族の中でも最も残虐と言われており、脈々と受け継がれていたトリトン族狩りを急激に推し進め、
トリトン族を事実上の絶滅にまで追い込んだ張本人。
かつてのポセイドン王たちが作り上げてきた掟に背き、陸の人間をミサイルで皆殺しにして陸上を征服しようとしている。
雷を発生させ、嵐を巻き起こす超能力が使える。
悪の親玉だが非常に言動はコミカル。何故か王だけは独自の言語で語っており、時に部下のポセイドン族でもよくわかっていない。聞こえないらしい。
歴代ポセイドンはいずれも不死身であり、攻撃を受けてもすぐにその箇所が元通りになってしまう。



  • ドリッペ

ポセイドン族の3番目の子供。頑丈な甲殻と巨体の持ち主で、1コマ遅れて台詞を発するなどどこか抜けている。
体を丸めて相手を押し潰すのを得意とする。額からは毒の塊を飛ばすことが出来る。
兄弟を殺しまくったトリトンに復讐を目論むが、頭が悪すぎるせいで攻撃を悉くかわされてしまい、
最後はトリトンの計略に引っかかって深海の底から急上昇したため体が水圧変化に耐えきれなくなって死んでしまった。
死ぬ間際にガノモスについて教え、「一匹オオカミは辛かろう」と心配までしてくれた。頭は少々悪いが、トリトンの身を案じてくれたり、ポセイドン一族ながらガノモスを尊敬しているなど、性格や性根的には父や他の兄弟たちよりはまともな模様。


  • オクトポーダ

ポセイドン族の13番目の子供。翼を生やした巨大な蛸。ヒョウモンダコのように毒墨を吐く。北極海を支配する。
北極海に取り残されたピピを殺そうとしたが、トリトンに眉間を切り裂かれて失血死した。


  • ドデカポーダ

ポセイドン王の17番目の子供。額に長く伸びた触角を持つ黒ずくめの大入道。
霧を発生させ、触角で相手を探し出して捕まえ捕食する習性を持つ。
トリトンのダミー作戦に引っかかり、ナイフで刺されまくって死亡。死ぬ間際にトリトンに対し今後の旅の困難さを吐き捨てて散って行った。
最後の言葉は「考え直せ 倒すのはわし一人で十分だ」。意外と潔い奴だった。


  • イボリロ

全身真っ黒な皮膚のフンドシ男。ヘプタポーダの引き渡しに際し、人質の和也を連れてきた。
長く伸びた髪そのものが本体であり、この部分を人食い鮫に変えて相手を噛み殺す習性を持つが、
トリトンを襲った瞬間あっけなく返り討ちにされた。


  • ヘプタポーダ

額の部分が下に突き出た兜のような帽子を被った美女。憎悪の精神エネルギーを物理エネルギーに変換する光線銃を武器に使う。
最も人と似た容姿の為、地上から資源取得の為に赴いており、波三を毒真珠で洗脳しポセイドン族相手の商取引契約を結ぶが、
帰ろうとした車をトリトンに襲撃されてボコボコにされる。
しかし情が移ったトリトンにより矢崎家に連れ帰られて看病を受けることになり、人質として引き渡されそうになる。
だがポセイドン族はこの申し出を破りトリトン族全滅を言い出したことでヘプタポーダはそれを止めようとして
絶縁を申しだされ、トリトンを守るために銃を自らの頭に当て、引き金を引いた。


  • 三匹の殺し屋

トリトン抹殺に送り込まれた三人組。
人食い藻を育てている河童顔のヤツ、あらゆる匂いを触角から作り出すことのできる一つ目のヤツ、剃刀より鋭い皮膜で相手を切り裂くヤツの三人で、
トリトンの根城にしていた島を襲撃したが、トリトンのダミーがくくり付けられた沈没船を撃ってしまい、
内部にトリトンたちが大量に投げ込んだアセチレンガスを吹っ飛ばして三人仲良くあの世行きになった。


  • ドロテア

ポセイドン族の33番目の娘。ポセイドンの一番のお気に入りの娘にして無骨丸船長の正体(いわゆる男装の麗人)。地上の人間を見下している。
頭の中に全ての内臓が詰まっている頭足類(イカやタコ)に似た生き物で、首から下はいくら刺してもすぐに再生する他、蛸のように保護色を使うことも出来る。
無骨丸を使って積み荷を深海に投げ込み、ポセイドン族の資材としていた。
トリトンを陸の住民を使って殺そうとするが失敗し、誤って洋子を殺したことでトリトンを始末して証拠隠滅を図るが、
怒りに燃えるターリンに頭を刺されて瀕死の重傷を負い追い詰められる。
最後は無骨丸を自爆させてトリトンを道連れにしようとしたが、間一髪で逃げられた。


  • 残り24人の王子王女たち

ヘプタポーダの銃を拾って適当に撃ったトリトンの攻撃に巻き込まれ全滅した。


  • ゴーブ

ポセイドンがピピ子に化けたウミワタとの間に作ってしまった34番目の子供。
底なしの食欲を持つ巨大怪獣であり、敵味方の区別なく生きているものは片っ端から食ってしまう大バカ。
オマケに小便は強酸性の猛毒で、触れれば一瞬にして生物を溶かし、海に撒き散らせば赤潮を巻き起こす。
体はウミワタのため全身が泥状であり、いかなる攻撃も貫通してしまうため効果が無い。
放っておけば陸海を問わず全ての生物を食い殺しかねないため親であるポセイドンからも見捨てられ、
トリトンとポセイドンの協力により引き潮で陸地に追い込まれて乾燥と日射病で乾き死んだ。


  • 歴代ポセイドン族

引退すると一か所に集まって冬眠していた、歴代のポセイドン王。
トリトンとガノモスの殴り込みにより眠りから目覚め、一族149人全員が覚醒してトリトンを抹殺にかかるが…。



家臣

  • ターリン

ポセイドン王からトリトン族の全滅を命じられたポセイドン族の殺し屋。常にグラサンをかけたカエルみたいな顔の中年男。
トリトンやピピの親を殺した張本人であり、銛や剣、毒など様々な海の武器の扱いに慣れている。投げナイフも得意。
カニやエビのように皮膚(外骨格)を脱皮して、刺突斬撃から身を守ることが出来る。(但し、脱皮直後は体が柔らかく衝撃に弱い)
地上では素性を隠し、沖家の運転手に扮しているが、その仕事の中一人娘である洋子に好意を抱き、ポセイドン族の秘薬で彼女を延命させていた。
トリトンを殺すことに執念を燃やしており、特に洋子の死後は唯一の生き甲斐となっていたのもあって、
トリトンが氷漬けの果てにかき氷にされて死んだと勘違いした時には燃え尽き症候群に陥っていた。
砦から脱出を図るトリトンに(三バカを人質に取って)最後の決闘に挑む。


  • ミイラス将軍

ポセイドン軍の幹部でローマ兵みたいなカブトの方。
全身に着込んだ鎧からは、攻撃を受けると鋭利な鍼が飛び出す仕掛けが内蔵している。
人間に対しトリトンが地上を攻撃した張本人であると吹聴する一方で、地上人に攫われたグリーンが猫に襲われて死んだとトリトンに嘘を伝え、
双方の対立を煽り立ててトリトンを死に追い込もうと目論んだ。
しかし和也たちによりその計略は暴かれ、東京湾でトリトンに鎧を脱がされてしまい、海面に浮上して人間に救助を乞うたものの、
海上自衛隊にトリトンと間違えられて滅多撃ちにされてあっけなく死亡した。自業自得である。
正体はタツノオトシゴだった。


  • レハール長官

ポセイドン軍の幹部で白いヘルメットの方。吸血アブを従えており、侵入者を襲わせている。
熱線銃の達人で、トリトンの投げた投げナイフも次々に蒸発させてしまうほどの腕前を持つ。
砦に侵入したトリトンをポセイドンと共に襲撃するが、攻撃を受けて倒れたポセイドンに駆け寄ろうとしてトラップに引っかかり、死んでしまった。


  • 大僧官

神祇官。ポセイドンの34番目の子供の母親となる妃候補を捜そうとするが…。


  • 親衛隊

下っ端戦闘員。シャチのような潜水服を着ている。アホばっか。



生物兵器

  • 鮫(フカ)

ポセイドンの手下の中でも一番代表的な奴ら。
鮫に気を付けるようにトリトンが絵を描いて子供達に教えた結果、似ていたイルカにも風評被害が及んだ。


  • カツオノエボシ

ヒドロ虫の仲間の毒クラゲ(に似た生き物)。知能は低いが、集団でトリトン族を襲うように訓練されている。


  • ターリンの剣

生きた毒魚であり、普段は剣に擬態しているが水中では文字通り水を得た魚となる。
切っ先、つまり牙には猛毒があり、イルカ程度の大きさの相手であれば1秒で死に至る。
トリトンにけしかけられたが陸上に追い込まれ、ヒラキにされて死亡。



人間

トリトンの仲間

  • 矢崎和也

もう一人の主人公。後で説明するからもうちょい待っててね。


  • 和也の父

漁村の網本であり、和也の拾ってきたトリトンに対し「俺が酒を辞めりゃ済む話だ」とすぐさま育てる決意をした粋な男。
ポセイドン族の巻き起こした津波に巻き込まれ、家や漁場諸共押し流されて命を落とした。
その死は一也の心に大きな禍根を残す結果となる。


  • 和也の母

トリトンを育てた女性。手塚作品の、というか二次元の例に漏れず美人。
和也が間鳥に騙されて給料を盗まれてからは、育児に追われながらも清掃業を始め家計を支えた賢母。


  • 和也の祖母

先代のトリトンとの一件から、トリトン(主人公)をあまり好んでいない。


  • 丹下全膳

水戸水夫流の流れを組む井苔流泳法の師範で、矢崎家の近所の公園の管理人の胡散臭いじいさん。御年87歳
父親は幕末を生き抜いた武士であり、現代の「平和」という概念に疑問を抱いている。
冬にも拘らず公園の池で泳ぎまくっていたトリトンを見て井苔流泳法の後継者の資質を見出した、トリトンの泳ぎとナイフ投げの師匠。
渦の中に投げ込む、両手に石を持って立って泳ぐ、竹刀を持って素手のトリトンに殴りかかるなどの
とんでもないスパルタ訓練によりトリトンを鍛え、海に関する知識を与えた。
13歳になったトリトンに井苔流の全てを伝授し、弟子二人に見守られて天寿を全うした。


  • 沖洋子

トリトンの中学の同級生で、トリトンのことを思慕している少女。体が弱い。
トリトンのことを知るため丹下に弟子入りしたが何も学ばないうちに師匠を失ってしまう。
日に日に病状が悪化しており、ターリンから受け取ったポセイドン族の丸薬により命を留めている。


  • 沖波三

洋子の父親。ハゲ。海運業者「沖重工」を営む大富豪。ヘプタポーダによって洗脳され、ポセイドン族相手に物資の取引を行うことになる。
娘に近づくトリトンのことを快く思っておらず、その心をターリンに利用される。
妻には先立たれており、金と権力で強引にものにしたと洋子から言われている。


  • 出唐子博士

水産教授。お茶の水博士そっくりだが眼鏡をかけている。
海上保安庁に捕らえられたピピを研究しようとしていたが、トリトンの説得により思いとどまり和解した。



海の男たち

  • 矢崎和也

序盤における主人公。トリトンを拾い育てた張本人であり、トリトンの義兄。父を奪った海に復讐すべく海の支配を夢見ている。
上京してからは母と義弟のために製本所で働きながら海の勉強をしようとしていたが、間鳥に騙され、喧嘩になって彼を殺害してしまう。
殺人容疑で警察から追われていた所を六に拾われ、無骨丸の船員となる。
船長(ドロテア)の悪事を暴こうとしてブラアに捕まり、10年間ポセイドン族の砦で奴隷として扱き使われていた。
その最中にトリトンの義兄であることを知ったポセイドン族により視力と言語を奪われ、人質として監禁される。
後にヘプタポーダの受け渡しに際しトリトンに救出されたが、指名手配されていることから母の下に帰るのは断念しトリトンと別れる。
ポセイドン族の東京攻撃に際し、人間に撃たれて気絶していたトリトンを救い出し、六と共にポセイドン族に復讐しようとした最中、
ポセイドン族の潜水艇内で遂にポセイドン王の魔の計略を知ることとなる。


無骨丸の船員。どっからどう見ても丸首ブーン。川で溺れかけていた和也を救い、「時効まで国外に逃げりゃいいじゃん」と浅知恵を仕込んだ。
(戦争も含めて)既に39人も殺しており、腹に正の字の入れ墨を入れている。若い女性だったらエロかったのに
マストを棒切れのようにへし折るほどの怪力を有し、物凄く喧嘩が強いが、本人も作中で言っている通り怒ると見境が無くなってしまい、
逃げる敵には逃げられっぱなしになってしまう脳筋男。
ブラアに捕まり奴隷としてポセイドン族に奉仕させられていたが、砦のトラップで氷漬けにされたトリトンと三バカを見つけ出して救出した。
5000人の奴隷たちと共にポセイドンへの造反を目論んだが失敗し、海に放り出されてサメに食われかけていた所をピピ子に救い出され、
航行中の船舶に乗って陸に生還した。


  • 長久尾

無骨丸の船員。その名の通り首が長い。六の弟分的存在で出番も多い。


  • リー

無骨丸のコック。ちょっと訛りがキツイが気のいいオッサン。似たようなキャラが「すきっ腹のブルース」にも登場する。


  • 一本足のブラア

右脚の無い見るからに人相の悪い船乗り。ドロテアの手先であるが、ポセイドン族なのかどうかは不明。
松葉杖には仕込み銃が内蔵されており、なくても歩くのには困らない。
六と和也を捕まえ、ポセイドン族に引き渡した。



その他

  • 間鳥

上京した和也に職業を斡旋した男性。しかしその実態は子供をカモにして給金を掠め取る詐欺師。
和也と喧嘩になって腹を刺されその傷が元で自業自得ではあるが死亡。
ぶっちゃけ、住所は判明しているのに、和也は何故か警察に突き出されなかった。


  • 社長

間鳥の紹介で和也を働かせた印刷所の社長。間鳥は和也の親だと言う虚言に騙され、前借した給料を全て彼に渡してしまった。
その結果、和也は事実上半年ただ働きしなければならなくなった。
時代背景もあるだろうが、本来給料は親と言えども本人以外に受け取る事は許されていない。
間鳥を親と確かめず、かと言って半年分の給料を和也の許可なく前貸しすると言う愚挙のせいで、和也の人生は歪んでしまった元凶の一人。
半年分なら最低賃金でもそれなりの大金であろうし、受け取った時点で逃走もあり得るのに何の担保もなく前貸しするなど、
経営者としても人としても最低の部類の大マヌケである。


  • 酒柱

アセチレンランプ。海上保安庁の役人で、人魚を養殖しようと目論む小悪党。



客演情報

  • ピピ子:『ブラック・ジャック』53話「はるかなる国から」 大工の山田さんの娘役
  • ポセイドン王:『七色いんこ』23話「オンディーヌ」 オンディーヌの父親役
    『ブラック・ジャック』53話「はるかなる国から」 板台教授
  • ターリン:『ブラック・ジャック』165話「身の代金」 誘拐犯役
    『七色いんこ』第18話「青い鳥」多太理古和志役
  • イボリロ:『ブラック・ジャック』12話「その子を殺すな!」 ハリ・アドラ役

案外少ないが、トリトンを演じている武蔵君はしょっちゅう登場しているのでこんなもんだろう。
また、『ブラック・ジャック』82話「ハローCQ」に登場するトム君は、アニメ版トリトンに酷似した姿をしている。













「なんだ、これで終わりなのか? もっと追記・修正してやらなきゃなあ」
「人間は大変ですねえ」


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  • 実家に揃ってたから結構読んだなあ。アニメ版絵を見るだけでも相当違うけど、そんなにバッドエンドなの… -- 名無しさん (2016-03-17 18:16:19)
  • ↑ポセイドン族は実は被害者でトリトンがやってきたことは正義でも何でもなかった みたいな落ちだった気がする。うろ覚えだから細かく言えば違うのかもしれんが… -- 名無しさん (2016-03-17 18:58:38)
  • ↑、↑2 アニメの海のトリトンには「アトランティス人」と「オリハルコン」が出てくる。アトランティス人はポセイドン族をオリハルコン製のポセイドン像に生贄として捧げることで文明を維持していたが、僅かに生き残ったポセイドン族が生贄のシステムを使ってアトランティスを滅ぼす。その時アトランティス人はポセイドン族を滅ぼすためにポセイドン像と正反対の属性を持ったオリハルコン製の武器とそれを扱う一族を作って滅んだ。それがトリトンとトリトン族。だからポセイドン族は禍根を絶つためにトリトン族を虐殺してた。最終決戦の時トリトンはポセイドン族の神殿でポセイドン像を破壊したことでそこから供給されるエネルギーで生き残っていたポセイドン族は全滅して、ポセイドン族の長老のメッセージがトリトンを責め立ててそれに耐え切れなくなったトリトンはビビとどこかに去って行った。ちなみにこのアニメ版を作ったのは冨野御大(しかも監督としての初仕事) --   (2016-03-17 20:02:03)
  • ↑ 最後の方は「トリトーン!! お願いだから来ないでくれー!(意訳)」みたいになってたな -- 名無しさん (2016-03-17 21:19:59)
  • アニメに登場したポリペイモスやブルーダもトリトンの乱射でやられちまったのかなあ -- 名無しさん (2016-07-12 18:08:46)
  • 漫画完結後に作られたアニメだったのかアレwwwハガレンアニメ1期やクロノクルセイドなんかは原作完結前だったからアニメ版独自の世界観になった、って感じだったけれどもこっちは違うのか… -- 名無しさん (2016-07-12 18:20:15)
  • 最終回の内容は冨野御大が絵コンテの段階で初期のプロットとかを無視して独断でやった。しかも周りに話せば絶対に却下されるから最後まで黙っていたという -- 名無しさん (2017-05-03 20:08:50)
  • 「黒澤映画の日本刀アクション→スターウォーズのライトセーバー→ガンダムのビームサーベル」じゃなくて、「トリトンのオリハルコンの短剣→ガンダムのビームサーベル」っていう系譜だよね。多分。 -- 名無しさん (2018-04-18 10:50:02)
  • 「ピピ子」という名前は、2018年の今見ると違うものが浮かんでしまう(●)ω(●) -- 名無しさん (2018-04-18 11:34:02)
  • 虫プロに出入り禁止になったのは原作改変が理由ではなく、手塚治虫を裏切った西崎義展と組んだから…らしい? -- 名無しさん (2018-10-21 09:22:29)
  • 他作品で例えると鬼滅の鬼が実は正しくて鬼 -- 名無しさん (2022-01-12 18:14:29)
  • ↑途中送信 他作品で例えると鬼滅の鬼が実は正しくて鬼殺隊が悪だった的なストーリーにアニメが改変されたってことか -- 名無しさん (2022-01-12 18:15:56)
  • 富野監督は手塚治虫自身が原作を気に入らなかったと考えたんだとか。アニメ版がああなったのは子供達に戦争犯罪を考えて欲しかったかららしい -- 名無しさん (2022-04-20 02:40:03)

#comment

*1 よくわからない諸君は『ブッダ』や『鳥人大系』を読めばもっとわかると思うぞ。

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