学校の怪談(ドラマ)

ページ名:学校の怪談_ドラマ_

登録日:2015/10/08 Thu 00:38:23
更新日:2024/01/16 Tue 11:16:56NEW!
所要時間:約 6 分で読めます



タグ一覧
ドラマ 学校の怪談 オムニバス 池乃めだか トラウマ ホラー 短編 良作 dvd化希望 黒沢清 清水崇 呪怨 花子さん アサギの呪い 94年冬ドラマ 90年代テレビドラマ 中田秀夫 長江俊和 矢口史靖 鶴田法男



『学校の怪談』は、関西テレビ製作のオムニバス形式のホラードラマ。
制作局の関西テレビでは1994年1~3月に放送された。


概要

関西テレビで長らく放送されていた『阪急ドラマシリーズ』の最終作にあたる作品。
あの映画版『学校の怪談』シリーズよりも前に製作されている。


案内役として吉本新喜劇のちっさいおっさんこと池乃めだかが毎回出演していた。


放送時間帯や題材からして、子供を対象としたホラー短編が中心だが、製作スタッフの異様なまでの作り込み具合によって水準以上のホラー作品を生み出していた。


本シリーズは全国放送されたスペシャル3作品はDVD化されているが、『G』以前の作品はVHS版が出ただけなので鑑賞するのが非常に困難。
連ドラ版に至っては一部作品しかVHS化されておらず残りは見る手段がなく、配信も行われていない。
ただし、『片隅』『4444444444』は『呪怨』の特典映像としてソフト化されているほか、黒沢清監督作品についてはたまに都内である黒沢清の映画特集上映会で上映されることもあるので期待してみるのもいいかもしれない。


スペシャル版

連ドラ版の終了からしばらく経て、スペシャル版が6本製作された。
タイトルは以下の通り(太字はフジテレビ系全国ネット)。

  • 学校の怪談R
  • 学校の怪談f
  • 学校の怪談G
  • 学校の怪談 たたりスペシャル
  • 学校の怪談 呪いスペシャル
  • 学校の怪談 物の怪スペシャル

このスペシャル版、中には並かあるいはそれ以下なホラー編も少なからずあるが、
うち数本のオムニバスは、一流の映画に引けを取らないほど非常に怖い作品が含まれている。
というのも、これらスペシャル版のエピソードを担当した監督が後の日本ホラーの代表作を製作したホラー界の代表者だったりするのだ。
その名だたるや、


  • 黒沢清(CURE、回路、叫)
  • 中田秀夫(女優霊、リング、クロユリ団地)
  • 清水崇(呪怨、戦慄迷宮)
  • 鶴田法男(ほんとにあった怖い話、リング0、おろち)
  • 長江俊和(放送禁止)
  • 矢口史靖(ウォーターボーイズ、スウィングガールズ、ハッピーフライト)

など、一度は目にした名前たちばかりだろう。



本項目では、そうした監督たちの作品を中心とした代表作を紹介していきたい。


作品解説

●妖怪リリーちゃん/R
監督:小松隆史
都市伝説に伝わる鏡の妖怪リリーちゃんを呼んでしまった女子高生が、リリーちゃんにしつこく付きまとわれる。
逃げても逃げても鏡を通して追ってくるリリーちゃんの不気味さが良い。



●霊ビデオ/f
監督:中田秀夫/脚本:小中千昭
心霊写真が撮れた廃屋でビデオ撮影することになった写真部の女子高生一同。
霊感のある少女が女の子の霊がいると吹聴するが、撮影したビデオに不気味な顔が映っていた。
女子たちの微妙な関係を軸に、ギリギリまで霊の正体が不明のまま進行し、想像力を掻き立てられる。
ラストに破壊力のある恐怖シーンが。



●廃校綺談/f
監督:黒沢清
生徒数の減少に伴い、廃校が決定した中学校。
空虚な雰囲気が漂う中、目立たない男子生徒は学校のあちこちでこの世のものではない存在を目撃する。
得体の知れない存在が日常に紛れ込みながら顕在していく不気味な雰囲気漂う作品。



●木霊(こだま)/G
監督:黒沢清/脚本:高橋洋
超能力があるという少女に、校内に隠れてその場所を言い当てるという実験が行われた。
しかし、実験で使われた地図に得体のしれない影が現れ、生徒が次々と姿を消していく。
薄暗い校舎でカーテンや影、水を効果的に使いながら追い詰められる恐怖を見事に演出した傑作。



●片隅
●4444444444/ともにG
監督:清水崇
3分程度の超短編。
『片隅』は女子中学生がウサギ小屋で謎の女(伽椰子)に襲われるゾンビホラー、
『4444444444』は男子高校生が学校で拾った携帯を拾い真っ白な少年(俊雄)と遭遇する不条理劇。
いずれもビデオ版『呪怨』のエピソードの一つで、ビデオ版で省略されたエピソードを補完している。
ショートショートならではのインパクトが大きな効果を呼んでいる。



●たたり/たたりスペシャル
監督:鶴田法男
首吊り自殺を目撃した女子高生が、男の霊に付き纏われる。
『ほんとにあった怖い話』のメイン監督のためか、全体的に体験談的なストーリー構成であり、
「実際にあったかもしれない」恐怖が付随している。



●恐怖心理学入門/呪いスペシャル
監督:矢口史靖
大学の講義で集団恐怖心理の実験のサクラをすることになった男。
しかし、その実験中にいるはずのない女の霊が周囲に出回るようになって…。
基本的にコミカルタッチに進むものの、終盤の幽霊出現シーンがそのギャップとなって異様に怖い。



アサギの呪い/呪いスペシャル
監督:長江俊和
項目参照。
陰気な地下室での悪霊との追いかけっこがシャレになってない怖さである。



●おぞけ/呪いスペシャル
監督:水谷俊之
陰気な同僚の告別式をサボって遊園地に遊びに行った中学教師グループ。
しかし、アトラクションのフリーフォールに乗って以来、不気味な幻覚が見え始める。
霊の造形が生理的嫌悪感を掻き立てられる出色の作品。



●何かが憑いている/物の怪スペシャル
監督:鶴田法男
高校が別になった友人が、久しぶりに会ったら様子がおかしかった。
悪霊に取り憑かれ別人のようにやつれていく彼女を救おうとする少女の奮闘を描く。
漫画版『ほん怖』が原作で、取り憑きの描写が嫌な感じにリアル。



●花子さん/物の怪スペシャル
監督:黒沢清
学生時代のイジメが原因で自殺した部員の呪縛から逃れるため、閉鎖した母校に集まって「花子さん」の儀式を行った元イジメっ子たち。
しばらく校内でたむろしていたら、召喚してしまった邪悪な存在に追い詰められる。
花子さん」と言ったらおかっぱ頭の可愛い幼女を思い浮かべる者も多いだろうが、今作で描かれる花子さんは邪悪そのもの
ざんばら頭にガリガリの腕に赤いドレスを着て、音もなく忍び寄る姿はトラウマ級。
突如として正体不明の存在と化す加瀬亮の不条理さも不気味。








追記・修正は自分で考えてください。


[#include(name=テンプレ2)]

この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,7)

[#include(name=テンプレ3)]


  • マジ希望 -- 名無しさん (2015-10-08 08:16:26)
  • 監督のなかに1人毛色の違うやつがいる -- 名無しさん (2015-10-08 10:36:49)
  • リアルタイムで呪いスペシャルを観た当時は「アサギの呪い」がガチで怖かった -- 名無しさん (2015-10-08 11:12:33)
  • ↑2その作品も毛色が違って秀逸だよ しかし黒沢清作品はあらすじだけでもどんな雰囲気なのか目に浮かぶようだわw -- 名無しさん (2015-10-08 18:21:21)
  • ガキの頃レンタルビデオ屋で借りようと思ってとうとう借りずじまいだった。今になって思えば見なかったのが惜しまれる。 -- 名無しさん (2017-02-06 00:50:49)
  • 「恐怖心理学入門」の主人公の中の人がのちに「貞子VS伽椰子」に出てたな -- 名無しさん (2017-07-18 15:29:00)
  • 「花子さん」はラストもかなり不気味。あの後一体どうなったんだろうか。 -- 名無しさん (2021-04-11 20:05:29)
  • 廃校綺談の階段から滑り落ちてくる氷の意味が分からなかったな……が -- 名無しさん (2021-04-11 21:38:57)
  • 「花子さん」「アサギの呪い」等の特番のやつはDVD版出てるけど、廃盤になってるから凄い高価なんだよね。 -- 名無しさん (2021-05-07 22:00:21)

#comment

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧