登録日:2015/10/05 Mon 15:34:00
更新日:2024/01/16 Tue 11:16:46NEW!
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黒猫 ヒロイン ライアーソフト スチームパンク 赫炎のインガノック エロゲー 巨乳 悲恋 黄金瞳 健気 元お嬢様 猫娘 アティ ×サブヒロイン○ギー先生の奥さん 野月まひる 中身は乙女
あたしの相手をしたいなら、医療用の現象数式のひとつも使えて、金にならない巡回稼業でもしなきゃ。
……別に、誰のことでもないけど。
赫炎のインガノックに登場するキャラクター。
CV.野月まひる
【概要】
閉鎖都市インガノックで荒事屋として活動している女性。
その仕事は個人の護衛から企業絡みのダーティなものまで多岐にわたり、日々危険と隣り合わせで生きている。
異名は「黒猫」。これは彼女が幻想人種≪猫虎≫に変異していることからつけられたものである。
主人公であるギーとの付き合いは10年に渡る。
出会ったきっかけは行き場をなくしたアティが娼婦として身を売る直前に、とある病原菌が原因で≪猫虎≫への変異が加速し娼館の女主人から殺されかけていたところをギーに救われたこと。
その後娼館と縁を切ったアティは荒事屋として身を立てるようになり、危険な仕事をこなす傍ら大脳変異の影響で生命維持すら危ういギーを何かと気にかけながら生き抜いてきた。
その甲斐甲斐しさたるや、ギーのアパルトメントに立ち寄ったついでに彼の体調をチェックしたり放っておいたら何も口にせず餓死しかねない彼の面倒を見たりトラブルに首を突っ込みがちな彼を守ったりあれこれなんてベタ惚れ?
≪猫虎≫への変異を加速させられた際に右瞳が黄金色に変化した。
それと時を同じくして肉体の老化と成長が止まっており、自らを「年をとらない化け物」と表現することもある。
だが、その方が現象数式で老化を抑制しているギーと(肉体関係を含めて)付き合うには都合がいいとも考えているらしい。あれこれなんて(ry
【戦闘能力】
≪猫虎≫の基本的な能力として多くの幻想人種より強い肉体としなやかな筋肉を持つ。
それに加えて人体埋め込み式の数秘機関(現象数式を刻み込まれた機関機械)で身体機能と神経系を強化している他、手足には鋭利な鋼鉄の爪を埋め込んでいる。
これらの改造によりアティの体は高い戦闘能力を有しているが、その一方で爪を埋め込んだことで調理器具を触れなくなった自分の手と家事全般をこなすキーアの手を比べて少し複雑な気持ちになる場面や、過去にギーとの行為に及んだ際に力加減と爪の具合を調整することができず彼に酷い怪我を負わせてしまった回想があった。
【性格】
蓮っ葉であけすけな言動とは裏腹に情の深い一面があるが、それを表に出すことは少ない。
どうやらインガノックの過酷な環境に身を置く内に誰かと必要以上に親しくなることを避けるようになったらしく、度々立ち寄るギーのアパルトメントのことも「数ある仮宿のうちのひとつ」として扱っている。
だが、目下最大の恐怖は「ギーがいなくなること」。どう見ても完全にベタ惚れです本当にありがとうございました。
また、完全に甘い部分を捨て去ったかといえばそういうわけでもなく、現象数式使いで腕利きのハッカーKと女荒事屋Mが互いに手を取り合い最期を共にした噂話に思いを馳せる感傷的な面もある。
ギーのことはあくまで肉体関係を伴う友人と主張している。
だが、キーアから「ギーの奥さん」扱いされるたびに照れる姿は完全に乙女。
かわいい。
ギー関連では複雑な感情を持て余し気味で、キーアが来てからはそれがさらに加速した。
その一方でキーアの良き友人兼姉貴分として信頼関係を築いており、彼女に女として嫉妬してしまう自分に嫌悪感を抱くこともあった。
ギーより余程稼ぎは良く、「心の声」でギーが「アティに何か恩返しをしたいが、自分が彼女に買ってあげられるものはほとんどない。彼女は欲しいものをすべて自分で買いそろえることができる」と漏らし、どうすれば彼女に感謝の気持ちを伝えられるのか悩む場面もあった。
それなりに酒好きらしく、とても希少な天然もののワインをギーが手に入れたと聞きつけてアパルトメントまでねだりに来たこともあった。
が、その時はギーにうまくはぐらかされて持っているかどうかも確認することができなかった。
その後そのワインは…
余談だが、荒事屋として名を立てる傍ら美人としても名が通っているらしい。
抜群のプロポーションで露出度の高い服を着こなす姿はキーアやリリィから「格好良い」と評されている。
以下、第11章「心、私の胸のどこに」のネタバレ。
キーアと過ごすうちにギーの様子が少しずつ変わってきたことと、ギーが関わるとすぐに揺れ動いてしまう自らの気持ちに複雑な心境になっていたアティは、ある日ギーを真夜中のデートに誘った。
とはいえ最初はただの意地悪のつもりで、本気でギーを連れ出そうとしたわけではなかったのだが、
「キーアをこんな夜中にひとりにするわけにはいかない」
ギーの断り文句はこうだった。
この一言で兼ねてより感じていた複雑な気持ちを爆発させたアティは、その場で仕事仲間の荒事屋にギーのアパルトメントの護衛を依頼。
事態についていけないギーを無理矢理外へ連れ出した。
その後デートを満喫していたふたりは、気づかないうちにアティのトラウマの場所である娼館の前に来てしまった。
娼婦として身を売ろうとし殺されかけたときのトラウマに身を凍らせたアティだったが、10年間ずっと避けていたその場所でギーと交わることでトラウマを「良い記憶」で克服しようと決心。
娼館へ入ることをギーに提案し、ふたりはそのまま体を重ねた。
そして、求められるままにアティを抱き、ねだられた通りに好意の言葉を呟くギーに対して行為そのものよりもその声と言葉で歓び昂ぶってしまう自分を感じて、とうとうアティは自覚した。
「……わかった。あたし、わかったよ」
「……惚れちゃってるんだ。あたし、あなたに」
「好きよ。ギー」
その後、アティはギーの返事も聞かずにそそくさとその場を後にした。
想いを伝えてしまった以上、これから彼のところへ顔を出すときどのような態度でいればいいのか。彼とどのように接すればいいのか。
そんなことを考えながら歩くアティの前にひとりの少年が現れ…。
「……許せない男がいるんだ」
「数式医のくせにろくに金稼ぎもせずに、
巡回医師なんて趣味であの子を連れ回す男」
「10年前に大脳が変異した男。
大公爵お気に入りの現象数式を操って」
「それだけならまだ我慢もできた。
でも、許せない」
「キーアとあんな近くにいるだけじゃなく、
あの男は《奇城》を得た」
「この《善の左手》は、立ち塞がるものの肉体と精神を変容させる。
耐えうる知性生物は存在しない」
「誰もが“耐えきれない現在”を持ってる。
人間なら、誰もが」
「僕はそれを揺さぶるだけ。増やすだけ。
破壊しない。
奪い取らない」
「僕は上品なんだ。
きみ以外の誰も傷つけはしないよ、ギー」
以下、さらなるネタバレ。
アティと別れた後帰路についたギーは背後の《奇城》ポルシオンが何者かに反応するのを感じた。
ポルシオンの声に導かれて路地に入ったギーが目にしたのは、理性をなくして襲い掛かってくる黒い獣だった。
最初こそ正体がわからなかったギーだったが、彼の名前を呼ぶ獣の声と黄金瞳でその正体を察することができた。
それは何者かに強制的に《奇城》を引き出され、再び《猫虎》への変化が加速し変わり果てたアティだった。
アティを救おうとするギーだったが、一介の数式医に過ぎないギーでは 《猫虎》の機動力と膂力の前には為すすべがなかった。
《奇城》ポルシオンの力を発動すれば攻撃を避けることはできるが、変異の原因となっているアティの《奇城》を止めようにも彼女の動きが速すぎて狙いをつけることができず、このまま攻撃すれば《奇城》もろともアティも無事では済まないのは明らかだった。
どうすればアティを救えるのか。そう逡巡するギーの喉元にアティの爪が迫ったが、あと少しでギーの頭を吹き飛ばすというところでアティは動きを止めた。
『だめ……でき、ない……よ……。
だって、あなたは、ギーなんだから……』
そんなアティにギーは右手を伸ばし、ポルシオンの能力を発動させ――
「……今、背後の“それ”を消す。
アティ。すぐに助ける」
《奇城》が消え去ったアティはかろうじて理性を取り戻した。
だが《奇城》の力に囚われた体の変異は止まらず、ギーに語り掛ける言葉にも意識の混濁と記憶の混乱が顕著になっていた。
それでもなおギーを気遣い続けるアティに彼はそっとポルシオンの3つ目の能力《悪なる右手》を伸ばした。
対象の肉体と精神の時間を奪い取り、都市が変異する前の状態へ戻すこともできる《悪なる右手》。
それをかざしながら、ギーはそれまでかたちにできなかったアティへの感謝と自らの気持ちを言葉にした。
「……初めて会った時。アティ。
僕は嬉しかった。きみに声をかけられて」
「嬉しかった。僕が……」
「俺が、今も生きているのは、
きみがずっとここにいてくれたからだ」
「いや……」
「やめ、て……? ギー……?」
「あたしは……あなたと、もっと、もっと、つらいのも、くるしいのも……」
「ワインの蓋は開けない。あれは、きみに渡すつもりだったから」
「すまない。アティ」
「きみが好きだった。凍っていく僕を止めてくれたきみが」
「もしもまた会うことができたら。その時は、きっと」
すべてが終わった時、そこには「黒猫」の面影など微塵もないひとりの女が立っていた。
ギーは《猫虎》への変異に苦しむアティの「現在」を、共に過ごした10年間ごと奪い取って《復活》前の状態まで戻すことでその命を救ったのだった。
「黒猫アティ」としての彼女の死は頑なに人を傷つけることを避けてきたギーの内面を変貌させた。
アティを傷つけた黒幕に相応の報いを。その想いはやがてギーを黄金螺旋階段へ導くことになるが…。
あくまでインガノックという物語のメインヒロインはキーアだが、ギーが己の信念としている「手を伸ばす」ことをやめてまでアティの敵討ちを選んだ展開はその存在が彼にとってどれほど大きかったかを示している。
10年という決して短くない間ギーを支え続け、想いを育んできたアティ。そんな彼女を指してファンは「ギー先生の奥さん」と呼んでいる。
追記・修正は気まぐれな黒猫にやきもちを妬かれるようになってからお願いします。
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【その後】
Webノベル「Inganock Tails」「After the Inganock」の主人公として登場する。
ここでは「After the Inganock」の彼女について記述する。
~After the Inganock~
10年間の記憶を喪っている。
《猫虎》への変異がリセットされてただの人間に戻っており、仕事でインガノックに訪れたという黒い男と奇妙な同居生活をすることになったり原因不明の頭痛に悩まされたりしつつも喪われた記憶を求めて都市をさまよい歩くことになる。
右瞳の黄金瞳も普通の瞳に戻っていたが、そちらは物語の途中で突如復活した。
その後は夜眠るたびに「黒猫アティ」として失くした10年間で知り合った人々と過ごす夢を見ていたが、起きた時にはその夢の一切を忘れてしまっていた。
また、夢の中で出会う人々のほとんどを思い出すことができたにも関わらずギーの名前だけがどうしても思い出せずにいた。
自分の記憶を探すアティの道行きは、かつてギーとキーアが出会ったひとびとのその後を拾い上げていった。
そしてアティはギーのアパルトメントがあった場所へたどり着く。
もはや瓦礫の山と化したそこで彼女は立ちすくみ――
ネタバレ防止
なぜか見覚えのあるその場所で、ポルシオンと呼ばれる子どもとどこからともなく聞こえてきたキーアの声に導かれて、アティは呟いた。
あなた……
うん……、うん……
キーア……
うん。あたし、ここにいるわ。
大丈夫。アティ、あたしは大丈夫。だから呼んで? あなたが、一番呼びたいひとのことを。名前を。
名前……、名前……。誰の、名前……
思い出せるわ、アティ。思い出せる。
巡回、医師の……。
いっつも、寝不足で……。食べなくて……。馬鹿ばっかやってる……。
そう、あなた……。
あんたの、名前……。
知ってるよ。知ってるさ……!
きみの、名前は……。
うん……。うん……!
ギー……!
こうしてアティは涙ながらに自らの記憶の一部を取り戻したのだった。
【さらなる余談】
本名はアティ・クストス。《復活》の前は第3層に住むお嬢様だった。
大学に通えるほどではないが計算が得意で機関工場で計算手として働いていたらしい。
10年間外見が変わらなかったことについて本編では「黄金瞳の影響で肉体年齢が固定されているから」という説明がなされていたが、これについてはアティの体のみ無限霧内の10年間ではなく外の2年間を過ごしていたため外見の変化が少なかったのではないかという考察がされている。
根拠はギーとアティが最後に体を重ねたシーンの一文。都市の10年間でアティの胸は成長していたらしいことが示唆されている。
しかし、その成長も悪なる右手によって無に帰された。
旦那であるギー先生がいない以上元通りになるかも定かではない。
もう先生は責任取ってとっととアティと再会してもっかい彼女を成長させるべk(ry
追記・修正は《解放都市》インガノックで涙を流してからお願いします。
画像出典:赫炎のインガノック-What a beautiful people-
株式会社ビジネスパートナー・Liar soft
イラストレーター 大石竜子
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▷ コメント欄
- 10年前の姿のアティは一部で「地味子アティ」と呼ばれてたが、ファンディスクでの新規絵でまた美人になって今度は「白猫アティ」に -- 名無しさん (2015-10-05 18:11:42)
- このシリーズは後日談も素晴らしい。記憶取り戻すシーンは感動したよ。あとMさんはこの時から分かりにくいツンデレだったw -- 名無しさん (2015-10-06 11:09:38)
- 一応いきてるっぽいギー先生と再会してほしい -- 名無しさん (2015-10-06 16:54:19)
- 先生そろそろ戻って来てくれ。死んでるとかそういうのじゃないんなら、頼む。 -- 名無しさん (2015-10-08 18:13:51)
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