登録日:2015/03/11 Wed 22:48:45
更新日:2024/01/12 Fri 10:45:58NEW!
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フランス革命の前夜
花屋の娘として育てられたシモーヌは
「ラ・セーヌの星」と名乗り剣を取って戦う
しかし彼女は自分が、王妃マリー・アントワネットの
妹である事を、まったく知らなかった…
\マリーを殺せえええっ!!!/
「ラ・セーヌの星」とは昭和50(1975)年にフジテレビ系列で放送された少女向けアニメ。全39話。
フランス革命前夜のパリを舞台に、高貴な血を引く主人公がその事実を知らぬまま、仮面の剣士として強きを挫き弱きを救うために戦うという、貴種流離譚と変身ヒロインものの要素を兼ね備えた作風が特徴。
終盤の監督はあの富野由悠季(当時は富野善幸名義)が担当している事で知られる。
古い作品だが、地方局やBSなどでたびたび再放送されるほか、DVDによるソフト化もされており視聴は比較的容易。
【主な登場人物】
◆シモーヌと周囲の人々◆
- シモーヌ・ロラン→シモーヌ・ド・フォルジュ/「ラ・セーヌの星」
CV:二木てるみ
パリのシテ島で花屋を営むロラン夫妻の娘で、金髪碧眼の清楚可憐で心優しい少女。第34話時点で19~20歳。
だが実はオーストリア皇帝・フランツ1世(ロートリンゲン公、CV:宮内幸平)がパリのオペラ座の女優との間に設けた御落胤で、フランス王妃マリー・アントワネットの異母妹にあたる。
貴族の理不尽な逆恨みで両親を殺され、死に際の父から自分が二人の実子ではない事を明かされる。
その後、ド・フォルジュ公爵に引き取られて貴族の令嬢としての教育を受け、最終的にその養女となるが、後に陰謀に巻き込まれたド・フォルジュ家は没落。
再びシテ島に戻り花屋として生活する事となる。
貴族たるもの弱者のために戦う事が責務という公爵の教えを受け、夜になると仮面の女剣士「ラ・セーヌの星」となり、権力の横暴に泣く人々のため戦う。
剣術に関しては天賦の才能を持ち、パリ警備隊の精兵や剣術自慢の貴族や荒くれ者を向こうに回して引けを取らぬ腕前。
普段はおっとりとした喋り口調で淑女然としたシモーヌが「ラ・セーヌの星」となると凛とした声に毅然とした姿で、悪漢ども相手に大立ち回りを演じる様は、当時のお茶の間の少女たちの心を虜にした。
そしてベレー棒と仮面を身に着け、髪はポニーテール、マントの下には太ももを大胆に露出させたレオタードという「ラ・セーヌの星」の出で立ちは一部の多感な少年と残念な大人たちの心も鷲掴みにした。ヒロピンシーンにも定評がある。
番組終盤でついに自分がマリー・アントワネットの妹である事を知り、今まで憎むべき敵として見てきたマリーが実の姉であり、今まで守ってきた民衆がやっと再会した彼女を倒そうとしているという事実に苦悩する事となる。
- ダントン
CV:野沢雅子
宿無しとなった所をシモーヌに引き取られ、花屋の手伝いとして居候している少年。
シモーヌが「ラ・セーヌの星」である事を知る数少ない人物の一人で、サーカス仕込みの身の軽さを武器に、彼女をサポートする。女装回もあるよ。
何気に全登場人物で一番長い間シモーヌと一緒にいた。うらやま。
劇中数年が経過しているはずだが、最後まで子供のままだった。
- ロベール・ド・フォルジュ/「黒いチューリップ」
CV:広川太一郎
ド・フォルジュ公爵の息子で、後にシモーヌの義兄となる。
成人しても官職に就かず、軍にも入らずぶらぶらしているいわゆるNEET。
が、実は「ラ・セーヌの星」誕生以前から、仮面の剣士「黒いチューリップ」として貴族に虐げられる民衆を救うべく暗闘しており、シモーヌが「ラ・セーヌの星」となった後もその危機をたびたび救う。
公爵の死後、爵位を継ぐが国王暗殺未遂の濡れ衣を着せられ爵位没収の上、国外追放となる。番組後半で密かに帰国して汚名を晴らし御家を再興するが、巻き起こる革命の嵐の中、貴族と民衆の狭間で苦闘する事になる。
- ミラン
CV:富山敬
シモーヌの幼馴染。
圧政を敷く貴族たちに公然と反発し不穏分子として捕えられた事が、シモーヌが「ラ・セーヌの星」として戦うきっかけとなる。
「ラ・セーヌの星」に救出された後、アメリカに渡り、数年後に帰国。当初、理想は高いが威勢がいいだけの若者といった感じだったが、議会制民主主義を本場で学んだ事で人間的にも外見的にも大きく成長し、フランス革命の中心人物の一人として活動していく事になる。
なお、ミラン自身はよくできた人間なのだが、作中の描写から恐怖政治で知られるジャコバン派に所属しているらしく、史実を知る人からは心配される。
- ド・フォルジュ公爵
CV:寺島幹夫
花屋の仕事を通じてシモーヌと懇意になり、両親の死後彼女を引き取った大貴族。
実は若き日のロートリンゲン公とは親友同士であり、立場上、シモーヌを認知できない大公に彼女を託されたが、後述する理由から彼もシモーヌを育てる事は敵わず、花屋のロラン夫妻に預ける。
貴族とは弱者を守るためにあるべきという信念を持ち、そのために戦うための武器として剣術を仕込み、後に修道院に入れて一流の教育を受けさせた。彼女を正式に養女にし、ベルサイユに出仕させようとしていた矢先、シモーヌの秘密を知るもう一人の男、ハンスの手にかかり落命する。
- シュロ
CV:はせさん治
シモーヌやミランと親しい新聞記者。
たびたび「ラ・セーヌの星」の活躍を記事にしており、また貴族の不正を暴こうとして危機に陥り彼女に救われたりもしている。
「ラ・セーヌの星」の正体は知らないが、一度当てずっぽうで的中させた事がある。フランス革命時にもミランとともに民主主義の精神を喧伝するため活動。
- ブリエル
CV:藤城裕士
ド・フォルジュ家の執事。
ロベールが爵位を剥奪された後も御家再興が成るまで屋敷を守っていた忠僕。
シモーヌの事もお嬢様とよび、たびたびその手助けをする。
- ミシェル
CV:麻上洋子(現:一龍斎春水)
シモーヌが入った修道院のルームメイト。
平民出身の彼女にも分け隔てなく接し親友となる。世が世ならキマシ要因として大いに持て囃されたろうが、二人の友情の結末はあまりに残酷であった…。
- ホロ
シモーヌの飼っているフクロウ。伝書鳩や飛び道具にもなるすごいやつだよ!
- タンタン
昼は花屋の荷車牽き、夜は救出任務などで活躍するロバ。見た目に反してかなりプライドが高く、小さなころから一緒にいるシモーヌでさえ言う事を聞かせるのは一苦労らしい。
- 白馬
「ラ・セーヌの星」のメイン乗騎。
だが、上の一羽と一頭と違いただの馬としてしか扱われないかわいそうな子。どこからでも召喚され、彼(彼女?)が普段どこにいるのかは作中の謎のひとつ。
◆フランス王室と貴族たち◆
- マリー・アントワネット
CV:武藤礼子
フランス国王ルイ16世の妃であり、シモーヌの腹違いの姉。だが、お互いその事はしらない。
浪費家で世間知らずのスイーツ脳といったイメージが強いが、本作では王妃に相応しい器量と品格を持ち合わせ、またよき母親として一廉の人物に描かれている。
だが、苦しい現実から目を背けがちなのは確かで、民衆の心情を汲み取る事ができずに要所要所で悪手を打ち、革命を取り返しのつかない所まで煽ってしまう。
「ラ・セーヌの星」に関しては世間を騒がす悪党と認識しつつも、衛兵の追撃から逃がすなど憎からず思っていたようだが、後に彼女が実の妹である事を知り…。
- ルイ16世
CV:阪脩
フランス国王。
温厚篤実な人柄で、家庭にあってはよき父親、また凡庸ではあるものの王者としての誇りを抱いた人物として描かれる。しかし動乱期の君主には向かず、マリーや権臣たちの意見に右往左往し、革命の収拾に失敗してしまう。
- ハンス・カウニッツ
CV:雨森雅司
かつてロートリンゲン公、ド・フォルジュ公爵とは親友同士だった下級貴族。
だが、ロートリンゲン公からシモーヌの存在を聞かされるや、彼女を利用して権勢を得ようとしたためド・フォルジュ公爵から絶交される。
公爵がシモーヌを手元で養育できなかったのも、この男がいたため。事実、シモーヌが公爵に引き取られると、彼女の略取を企み公爵を殺害する。
- ザラール
CV:小林清志
パリの警備隊長を務める軍人。
平民出身だが、悪い意味で体制に忠実な冷酷非情の男。命じられれば民衆の苦しみを顧みずに苛政を強いる酷吏。
「ラ・セーヌの星」にはたびたび煮え湯を飲まされ、その打倒に執念を燃やす宿敵。
- クロジェール伯爵
CV:細井重之
前半の黒幕。
ミシェルの叔父で、両親を失った彼女の面倒を見ている。だが裏では領民に重税を課し、さらに一部を着服している悪徳貴族。
些細なきっかけから、シモーヌがマリー王妃に連なる人物である事を確信し、彼女を利用して権勢を得ようと暗躍、ミシェルもそのために利用されることになる。
- オルレアン公
CV:池水通洋
実在の人物でルイ16世の従兄弟。開明派貴族の筆頭で民衆の支持も厚く、国王には反抗的。国王暗殺未遂を起こし、その罪をロベールに着せた張本人。なのだが…。
- ド・モラール侯爵
CV:八奈見乗児
後半の黒幕。
国王の側近だが、その権勢を傘に私利私欲を貪る守旧派貴族の筆頭。
自らの権益を確保するため、ザラールと結託して市民運動を潰そうと暗躍するが、結果として革命の炎に油をそそぐこととなる。
- マリー・テレーズ、ルイ・シャルル
CV:小宮和枝、松金よね子
ルイ16世とマリー・アントワネットの間に生まれた長女と次男。シモーヌにとっては姪甥にあたる。史実において二人を待っていた運命は過酷であったが…。
他にも中盤に単発ゲストとして熱気球の発明者・モンゴルフィエ兄弟、大作曲家・モーツァルト、士官学校時代のナポレオンらが、後半はサン・ジュストやフェルセンといったフランス革命の中心人物など実在の人物も多数登場する。
【解説】
- 元々は『ベルサイユのばら』のアニメ化として企画されたが、当時は諸般の事情で実現せず、完全オリジナル企画として再編成された。その縁かシモーヌを演じた二木てるみ女史は、アニメ版『ベルばら』に先んじて『ルパン三世』にオスカルがゲスト出演した際、声を担当している。
- ストーリーは主にシモーヌの出生の秘密とそれにまつわる陰謀が巡らされる前半、「ラ・セーヌの星」となったシモーヌが横暴を働く悪徳貴族を成敗していく勧善懲悪時代劇の要素が強い中盤、そしてついにシモーヌが自らの出生を知り、折からのフランス革命に否応なく巻き込まれていく終盤部分に分けられ、一種の大河ドラマになっている。
- 前半はアニメ版『ベルばら』を担当した出崎統の兄・出崎哲(後半も作監として参加)、後半はおハゲ様こと富野喜幸が担当。特に終盤部では、革命の成立と「ラ・セーヌの星」の弱者を守るため戦うというスタンスから来る善悪逆転劇が描かれ富野節が炸裂している。
- 主題歌は狙ってそうなったのかは不明だが、1番から3番まで歌うと本作の物語を要約したかのような内容になっており、激しいバイオリンの旋律も美しい名曲。歌手は本放送の1話と2話でのみ使われた堀江美都子バージョンと、3話以降全話で使われた公募で選ばれたフランス人少女・アレーヌが歌うバージョンがある。アニソンの女王たるミッチーバージョンは流石としか言いようがない出来だが、フランス語なまりで一生懸命歌うアレーヌバージョンもまた魅力的で、こっちじゃないと物足りないという人も多く、双方支持が厚い。
【余談】
- シモーヌが花売りのために徒歩でベルサイユを訪れるシーンがたびたびあるが、実はパリから20kmも離れており単純計算で片道5時間の道のりを行き来している計算になる。「ラ・セーヌの星」の強さの秘密はその健脚にあった!?
- シモーヌの父とされるロートリンゲン公の没年(1765年)を考えるに終盤、フランス革命時のシモーヌの年齢がゲフンゲフンなことになるが、本作はあくまでフィクションなので気にしてはいけない。
一応、フランス革命勃発直前時点の34話の描写(その20年前にシモーヌが受精している、1770年に嫁入りしたマリーにド・フォルジュ公爵が後見している異母妹の存在を記したオルゴールを贈っている)から、物語世界でのロートリンゲン公の急死は史実よりも4~5年遅いようではある。劇中でナポレオン・ボナパルト(1769年生まれ)が登場した場面ではシモーヌの方が僅かに年上程度に描かれている。
- 昨今の女児向けヒロインものにあまり見られない特徴として「ラ・セーヌの星」は戦った相手を色の指定が間違っています。。でも時代が時代だし、敵も私腹を肥やすために無関係の人を平然と死に追いやるような外道が多いから仕方ないね。
- 作詞作曲が同じせいか本作の主題歌は『UFOロボ グレンダイザー』の主題歌とかなり似ている。どれくらい似ているかというと歌詞とメロディをあちこち入れ替えても自然に歌えるほど。なお、『グレンダイザー』はフランスで放送され驚異的高視聴率をマークした作品であり、フランス繋がりだったりする。
ぎーんのとぅるーぎで輝く星だー♪
「追記修正を♪シャシャシャッ!綴る時は今♪シャシャシャッ! 」
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▷ コメント欄
- シモーヌの説明の二行目のトコロ、オースト”ラ”リアじゃナイデショ -- 名無しさん (2015-03-11 23:42:31)
- もう修正された。・・・ -- 名無しさん (2015-03-12 00:25:48)
- イクシオンサーガDTで存在を知った…。 -- 名無しさん (2015-03-12 02:52:49)
- だいぶ前にAT-Xで放送してて、それで知りました。何と言ってもそのコスチュームに尽きる。 -- 名無しさん (2015-03-12 12:09:29)
- 数年前、地元のラジオ局でラ・セーヌの星とグレンダイザーの主題歌を違和感なく繋げて流したことがあったな。それでこの作品知ったんだけど -- 名無しさん (2015-03-12 15:21:34)
- いらん性癖に目覚めさせてくれてよくもありがとう -- 名無しさん (2015-03-12 19:41:26)
- 宮迫は冒頭のナレーションを全部ソラで言えるんだっけ -- 名無しさん (2015-03-31 22:46:30)
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