登録日:2014/10/30 (木) 00:33:48
更新日:2023/12/21 Thu 13:25:22NEW!
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牙狼 魔戒ノ花 石板 怪人 魔獣 garo 陰我 やられ役 クリーチャー ネタバレ項目 牙狼-garo- 所要時間30分以上の項目 ホラー(牙狼-garo-) トドメは突き! アーティスティックな悪役たち マユリホイホイ 恒例の韮澤イズム バラエティ豊かにも程がある 趣味に生きてる悪党ども 楽しそう 歪んだ職人魂
この項目では特撮テレビドラマ『牙狼-GARO-』第4期作品『牙狼-GARO- 魔戒ノ花』に登場するホラーを紹介する。
概要
ホラーとは人の強い負の思念『陰我』の宿った場所や物品(オブジェ)をゲートに現世に現れ人間を喰らう邪悪な魔獣であり、
『護りし者』としてホラーの脅威を退け、討伐するのが主人公・[[冴島雷牙>冴島雷牙(牙狼-GARO-)]]を始めとする魔戒騎士の使命である。
本作独自の新設定として古のホラー『メシアの涙・エイリス』を封印した『アディーの石板』に
エイリスと共に封印された9体の特殊なホラーが存在する。
通常ホラーは魔戒騎士に斬られることで再度小さな剣を象ったオブジェに封印され、それが12本揃うごとに
魔戒騎士に指令を伝える番犬所から元居た魔界へと強制送還される手順になっているが、
石板のホラーはエイリス封印のために秘術を施された特殊な個体であり、
魔戒騎士に倒されてもその邪気は魔戒剣に封印されずに石版の破片となって残るという性質を持つ。
それをそのまま放置しておくと再び復活してしまうため、マ号ユリ型…マユリの内にある
『籠』の中に取り込んで処理する必要が出てくるのである。
毎度毎度 脇で仁王立ちしてるだけで戦闘に参加しないのにマユリが雷牙にくっついてくるのはこのため。
また、エイリス自体も種子に還元された状態で石板のホラーのいずれかの内部に潜伏しており、
劇中では「今回のホラーは石板のホラーなのか?」また、「エイリスが潜んでいるのか?」という当たり外れの概念があり、
同時に石板のホラーを封印していくごとにエイリスの逃げ道を潰し追い詰めていくという達成感が物語の縦軸として機能していた。
無論、それとは関係ない従来通りの陰我ホラーや、厳密にはホラーとは異なる異界の存在も登場する*1。
全体的な傾向として絵画や音楽といった『アート』・『創作活動』関連の陰我をゲートにして現れ、
取り憑かれた人間と一緒になって己の芸術的願望を満たすために積極的に悪事を働いているホラーが多い。
また、そうしたホラーは一様に理不尽で独り善がりな主張ではあるものの、各々が自身の芸術に関するポリシーを持っている。
見様によっては非常にユーモラスに映る場合もあり、4期がバラエティ豊かで『牙狼にしてはゆるい雰囲気』と評される一因を担っている。
比較的ユーモラスな性格を持ったホラーが許容された結果、ゾンビ映画回とかオーケストラ回とかのいい意味で狂気にあふれた回が制作されたりしたが、まあそこも『魔戒の花』の特色という事で。
第1話『化石』
アズダブ
演、声:日村勇紀
アディーの石板が管理されていた博物館で、何者かの手で石板が破壊された際、
偶然その場に居合わせた警備員のセキヤに取り憑くことで真っ先に復活した石板のホラー。
セキヤは過去に殺人を犯しており、その罪の陰我に惹かれたものと思われる。
人を驚かせ、化かすことを好む悪戯好きのホラーで、「驚いた!?」が口癖。
セキヤに化けている状態でも、顔を増やす・馬鹿でかい金魚の幻影を見せるなどの不気味な手管で道行く人やマユリをからかっていた。
…それだけなら無害なお化けで済むが、こいつはホラーなので当然びっくりして動けなくなった人たちを喰い殺している。斬るべし!
基本的に逃げ腰で騎士とことを構える気は無いタイプだが、
太った身体でもワイヤーアクションじみた格闘戦を仕掛けるなど意外にすばしこい。
追い詰められたことで『怒る!』の掛け声と共に本性を顕した。監督、遊びすぎですw
ホラーとしての本性は魚類や貝といった水棲生物が折衷されたような異形(こっちの体型は引き締まっている)。
そのせいか人間態でもダメージを受けるごとに水しぶきが飛び散っていた。決して汗やヨダレでは無い。
自身の周囲に無数の鱗を舞わせ、相手に魚群のようにけしかける遠隔攻撃を得意としていたが、
触れたホラーを焼き尽くす牙狼の鎧の効果で着弾するかしないかの内に次々と燃え尽きてしまい全く効果はなかった。
自棄になって肉弾戦を仕掛けるもワンパンで吹き飛ばされ、最後は鞘をぶつけられて生じた隙を『突かれ』、牙狼剣で貫かれて爆発四散した。
牙狼の1話に登場したホラーがいい勝負なんかできるわけない。これは真理である。
……なお、雷牙は顔を合わせて早々「こんなマヌケ面のホラー、初めて見た!」と言い放ったが、
その時のアズダブは人間態なので雷牙がマヌケと評した顔はセキヤの地の顔である。ひでえ!
第2話『害虫』
エクスタ
エサになりなぁ!!黄金騎士!!
演、声:羽野晶紀
2体目の石板のホラー。
生物/無生物やサイズの大小を問わずあらゆるモノに変身できる能力を持ち、相手の興味を引くものに化けて待ち伏せを仕掛ける狡猾な捕食者である。
猫に化けて猫好きのホームレスの女性に近づき憑依。
これに伴い人間態は彼女の若かりし日の姿となり、ボディラインにフィットした黒いエナメル質の衣装+サングラスという出で立ちになっている。
若い男が好物らしく自動販売機に化けるなどして夜の街で獲物を喰らっていたが、駆け付けた雷牙(とマユリ)と交戦、さらに同じ管轄に来ていた魔戒騎士・クロウの参戦で追い詰められ、一時は退却する。
しかしそれは雷牙たちが追いかけて来ることを見越した罠で、無人の工事現場に停車していたユンボに変身。
普通の重機とは比べ物にならない速度での機動に加え、バケットから銛状の陰我を飛ばすなどの攻撃で猛烈な反撃に出る。
本性は猫のような瞳の単眼と裂けた口を持つ毛玉からカニかクモのような無数の棘脚が伸びた巨体のホラー。
口からは鞭のような触手を伸ばし相手を絡め取る。また、この形態でも人間態の上体だけを生やすことでこの状態でも意思疎通が可能である。
一進一退の攻防の末、脚を車輪状に変形させての突撃で牙狼を轢殺しようとしたが、
背面の立体機動ギミックでこれを回避した牙狼に死角である真上から貫通され爆発四散した。
第3話『温室』
サキュバス
摂理すら超越した芸術を…私の手で!!
演、声:佐伯日菜子
石板とは関係の無い陰我ホラー。
『死』や『生命の儚さ』を題材にしたフラワーアレンジメントで名を馳せる芸術家・常盤エリナが美の追求の果てに殺人を犯した際の凶器である裁ち鋏をゲートとして出現した。
獲物となる人間を花びらのように分解して捕食した後には花を活けられた塑像…としか言いようのない不気味な『作品』が残る。
感情が無いマユリを「生も死も感じられない」と評し作品の素材として興味を示す。
植物園となっている巨大な温室で誘き寄せたマユリを捕え、追ってきた雷牙に「死は美しい」と嘯くが、
雷牙が「懸命に生きようとするもの全てが美しい」と返し作品を破壊したことで逆上。戦いを挑んできた。
ホラーとしての本性は全身が極彩色の花々で彩られた妖艶な女性型。
四肢からはツタや花びらが伸び、ハエトリグサめいた右肩の中に緑色の小型ホラーが潜んでいる(台座に飾った状態のザルバにそっくりのポーズ)。
さらにエロい唇とそこから上はマスクで覆われたような頭部…ともうこれ以上ないってくらいのど真ん中の韮澤女性型クリーチャーである。
マユリの両手を鎖で縛っていたこともあってか、戦闘ではもっぱら木々や草花といった死角から鎖を伸ばして攻撃をしていたが、
空中で交差する瞬間に牙狼剣で胴を薙ぎ払われ、落下して力尽きた。正直、実力的には弱体ホラー。
死に際して最初は「自分の死を使って最高の美を創り出せる」と悦に入っていたが、
実際に訪れた死は一切の価値観の入り込む余地のないただの消滅でしかなく、
その真理に開眼すると同時に恐怖と後悔と絶望に塗れて散華していった。まさに陰我応報である。
…まあ、普通のホラーのこいつは後々魔界に送り返されるので良いクスリで済んでいる気がしないでもないが。
ちなみに、4期では珍しく1期のころよく見られた『伝承の悪魔や怪物』の名をそのまま冠したホラー。
創作のサキュバスと言えば蠱惑的な女性の姿をした夢魔と相場が決まっているが、
終わってみれば美女タイプのホラーではあるものの『夢』や『エロス』とはあまり関連性が無いタイプであった。残念。
第4話『映画』
イルギシン
映画の価値は、『人がどれだけ無惨に殺されるか』!それだけだぁ!!
演、声:きたろう
石板とは関係の無い陰我ホラー。カオス回要員一号。
オーナーの意向で閉館が決定した寂れた映画館で働く映画技師・ハリマの『ホラー映画に対する偏愛』の陰我に惹かれ、古い映画フィルムをゲートにして出現したホラー。
映画館そのものがイルギシンの結界であり、上映した映画の世界に見る者を引きずり込んでしまう。
当然、ハリマの映画館の上映作品は古今東西のホラー映画ばかりであり、
引きずり込まれた者はゾンビやビザール系殺人鬼に追い回され、イルギジンに弄ばれた挙句惨殺されてしまう。
特にハリマの映画に対する愛を踏みにじったオーナーは死んだ後もゾンビ役・死体役として使いまわされる羽目に…
ただし、無力な人間が逃げ惑い恐怖するのが妙味であるホラー映画に『無敵のスーパーヒーロー』である黄金騎士を放り込むというのは誤算も誤算、大誤算であった。
案の定スクリーンでは名だたる名作が次々に湧き出てはイモか大根の如くぶった切られて死ぬザコ相手に白コートのイケメンが余裕綽々で華麗に大立ち回りを演じる…という有様になってしまう。
ホラー映画が苦手な視聴者にはスカッとした人も多い*2かもしれないが、ファンからすれば不愉快極まりない映像である。
その様を目の当たりにしてハリマ=イルギシンも徐々にフラストレーションを溜めていく。
雷牙(とザルバ)をぎゃふんと言わせるため、手を変え品を変え自身の推奨するホラー映画の世界を連れ廻すが、
ホラー映画に対して興味も関心もない彼らにその情熱は空回りするばかりで
ついに実力行使で死の恐怖を味わわせんとその本性を顕す。
その姿は髑髏・屍骸・鉤爪・チェーンソーなどの様々なホラー映画のエッセンスをフュージョンさせた、これまたTHE★NIRASAWA WORKSといった造形のクリーチャー。
「クリーチャーはアナログに限る」というハリマの志向に合わせてきちんと着ぐるみのホラーである。
様々なホラー映画のクリ―チャーを融合させたキメラのようなかなりスタイリッシュなカッコイイ外見。韮澤先生GJである。
無数のフィルムが乱れ飛ぶ異空間で決戦を挑み、自身の歪んだホラー映画愛をぶちまけ、上記の台詞を叫びながら牙狼に襲い掛かるイルギシン。
しかしそのセリフはホラーを過剰なまでに持ち上げ、他のジャンルを否定してその愛好家達まで愚弄する、絵に描いたようなホラー厨の物言いだった。
愛するホラー映画をバカにされて絶望するハリマに同情した視聴者も、殆どはこの辺りで愛想を尽かした事だろう。
で、肝心の戦闘はというと、フィルムを利用した変幻自在の攻撃はことごとくガードされ、自慢のチェーンソーも黄金騎士の鎧には歯が立たず、逆に刃毀れする始末。
さらにその時散った火花でフィルムが焼け焦げるのを見て弱点が『火』であることを見抜いたザルバの魔導火放射で結界を焼き払われ、続く牙狼の烈火炎装でトドメを刺された。
「私の映画があぁ!?」と断末魔の叫びを上げるが、どう考えてもこいつの映画ではない。
因みに、最初にオーナーを引きずり込んだのはジョージ・A・ロメロの「ゾンビ」。
裏方スタッフや、果ては雨宮慶太総監督までもがゾンビ役でカメオ出演している。何やってるんですか・・・
なお、このおかげで「サングラスをかけたゾンビ」という中々に珍しい絵柄が見られた。
雷牙を引きずり込んだのは、順に「28日後…」、「スクリーム」、「羊たちの沈黙」。
最初と最後はともかくとして、何故ホラー史上五本の指に入る程殺人鬼が弱い*3スクリームを選んだのだろうか…
第5話『星図』
ステラス
These beautiful stars are all mine!(この素晴らしい星は全て俺のものだ!) HAHAHAHA…!
演、声:セイン・カミュ
3体目の石版のホラー。
『星空が汚れているのは人間の仕業であり、人が死ねば星となって夜空を輝かせる』という異常な考えを持つシリアルキラー・ルークの陰我に惹かれ、彼に憑依した。
ノリノリで歌ったり踊ったりするハイテンションな性格だが、自身の殺人行為を『救済』と騙り、根城にしたプラネタリウムに殺した人間の断末魔の悲鳴を響かせて楽しむなど、本質は極めて残忍。
魔導具・オルヴァと円参の合わせ技でいち早くホラーの居場所を突き止め先行したクロウと激闘を繰り広げた。
実質的に本作でクロウの初陣の相手となったホラーである。
ホラーとしての本性は隕石のような質感の銀灰色のボディに星座を思わせる黄色い光点が配された姿をしている。
天体モチーフ・銀のボディに黄色の光点という組み合わせは、クリーチャーデザインに雨宮監督が参加した作品
『魔弾戦記リュウケンドー』のライバルキャラ・月蝕仮面ジャークムーンにそこはかとなく似ている気も。
隕石のような外殻は非常に硬質で、通常の魔戒剣の刃も通さない。
また、長時間にわたって遥か高空を飛翔する能力を持っており、純粋な強弱を別にして、大抵の騎士は物理的に手も足も出せないという難敵。
ブラックホールのような暗黒の力場に大気中の塵を収束させ隕石の弾丸として発射する『陰我の星』を攻撃手段とし、劇中では街中に高高度から陰我の星を降らせることで大量虐殺を行おうと目論んだ。
しかし、例外的に空を翔べる魔戒騎士であった幻影騎士・吼狼の追撃によって地に墜とされ、待ち伏せしていた牙狼に一閃で葬り去られた。
…そう、トドメは牙狼である。この頃からクロウの役回りが…
ちなみにルークを演じるセイン・カミュ氏はシリーズのスピンオフ作品
『絶狼-ZERO- BLACK BLOOD』でもホラー・リング役で出演しているが、
撮影時期的にはこちらの方が先だったとか。無論、ルーク(ステラス)とリングの間には何の因果関係も無い。
名前はそのまま『ステラ』(星の~)から。
第6話『風鈴』
エゴサイレーン
「さあて、ね……。俺にゃあ……なぁんにも聴こえねぇよ……」
演、声:松方弘樹
石板とは関係の無い陰我ホラー。
事故で息子を亡くした風鈴職人・シマダが引きずっていた悲しみと未練が陰我となり出現。
前々からシマダを憑依対象として付け狙っており、息子の姿を借りて嘲笑うなど陰湿な精神攻撃で心の隙を探り続けていた。
憑依に成功してからは昔ながらの江戸風鈴の行商人の恰好で風鈴を売り歩き、風鈴に描かれた美人画を通して実体化し客を喰らっていた。
ただ、自分の食い道楽を捗らせるためにシマダを乗り物として利用している感が強く、事件を知りホラー討伐に乗り出した雷牙と対峙した際は、エゴサイレーンというよりも『陰我に取り憑かれたシマダ』として対応していたようにも見える。
神社の境内でかつて共に風鈴作りを楽しんだ雷牙と避けられない闘いに臨んだ。
ホラーの本性は割れた風鈴の中に脳髄がむき出しになった頭部を納めたグロテスクなもの。
脆そうな外観とは裏腹に搦め手は使わない武闘派で、風鈴を担いで運ぶ竿竹を使っての純粋な武術で戦う。
この竿竹は異常に強靭で、牙狼剣とも互角に切り結べる。
ちなみに撮影ではモノホンの竹を使用。
激戦の果てに、とうとう竿竹を断たれ、牙狼剣の刺突でその身を貫かれて砕け散った。
今わの際に温かい記憶を取り戻せたのがせめてもの救いだった。
名前は『エゴ』(我執)・『セイレーン』(歌で聴くものを惑わし喰らう魔物)からか。
「なにも聴こえない」という台詞から『サイレント』(無音の~)もかかっているかも。
第7話『神話』
100体目のホラー
雷牙が英霊の塔での浄化の儀式を終えた帰り道に遭遇した、
全身が赤い羽と鱗に覆われた一本角のホラー。石板とは関係ない。
素体ホラーに近い理性の無い獣のようなタイプで、雷牙を奇襲しマユリにも襲いかかろうとしたが、
背後から追いすがる牙狼の一撃でさくっと倒されてしまった。
これによって雷牙は通算100体のホラーを封印したことになったが、その戦闘中に英霊の塔から持ち帰った『グラウ竜の牙』がザジのゲートとなる石像の欠片へ突き刺さったため、
ザジの封印が解けてしまうことになった。
前座だけにスーツは過去ホラーの改修っぽいのだが、公式からは一切情報が明示されいない。
2015年10月13日に稼働予定の「CR牙狼 魔戒ノ花」で『グリムゾーラ』と名付けられるまで名無しのモブ扱いの不遇なホラーである。
ハッキリ言ってザジ戦メインだったことを考えると「脚本の被害者」ではあるが、コイツがいなければ轟天を呼べなかったわけで(後述)。
ザジ
黄金の鎧を纏え!! 牙狼の存在を永遠に消してやる!!
CV:天野ひろゆき
今まで黄金騎士に倒されたホラーの邪気が固まり、ホラーを模った石像の欠片をゲートに実体化した存在。
溜まった怨念を晴らすべく、その代の黄金騎士の生命を狙ってやって来る。
『時空ホラー』なる別名があるが厳密にはホラーではない。
正確には『時空を超えて存在する邪悪な意志』『黄金騎士の系譜が続く限りついて廻る業』のようなものとされる。
過去にも第2期・『牙狼-GARO- MAKAISENKI』にて先代牙狼・冴島鋼牙に封印された他、パチンコにおけるIF展開では『邪竜ザジ』という姿で異世界の牙狼・道外流牙とも戦っている。
雷牙が100体のホラーを封印したことを感知し、上述の封印が解けたことで目覚め雷瞑館に出現する。
周囲の時間を止め邪魔の入らない状況を創り出す等、並みのホラーとは一線を画する力を持つが、同時に『黄金騎士を真っ向から破り、系譜を断ち切ることで怨みを晴らす』という目的以外は眼中にないため、無防備なゴンザやマユリに危害を及ぼすことはなかった。
邪悪とされながらある意味非常にフェアな好敵手。
人間に憑依しているわけでは無いので常時異形の姿だが、流暢な人語を操り、知性も高い。
あとすっげえイイ声。
前の復活では一発勝負で鋼牙に返り討ちにされたのが余程悔しかったのか、今回は3体に分裂しての3本勝負を雷牙に持ちかける。
1回戦目は剣も魔法衣も身に着けていない雷牙を肉弾戦で圧倒するが、攻撃の基点である右腕にダメージを集中させる雷牙の戦術を前にして勝負を焦り、振り子で吊り下がっていたグラウ竜の爪を地面に落として一気にカタをつけようとする。
しかし、逆に雷牙の抵抗で顔面をグラウ竜の爪に叩きつけられ絶命。
2回戦目は屋外に戦いの場を移し、魔戒剣を装備した雷牙に長剣&鉤爪のコンビネーションで迫る。
しかし、鞘と剣の二刀流で偉大なる師の技を再現した雷牙にその両方を封殺される。
3本目の剣である木の枝を眼窩に突き立てられて怯んだところを両断された。
そして3回戦目、黄金騎士の墓場として誂えた広大な異空間にて正真正銘の本気を出し、
悪魔じみた巨体を誇る超ザジとして顕現。
雷牙に黄金の鎧を纏うよう促し、圧倒的なパワーとスピードで牙狼を追い詰めた。
しかし、内なる試練=ザジを撃破せよ!!という英霊牙狼(おじいちゃん)の拡大解釈で
魔導馬・轟天を召喚した牙狼の突貫により逆転負けを喫する。
…とはいえ、まだまだ諦めてはいない。シリーズが続けば、そのうち別の黄金騎士の前にも立ち塞がることになるのだろう。
第8話『家族』
デリィータス
演、声:ガッツ石松
石板とは無関係の陰我ホラー。
人間体は茅葺屋根の古民家に住むイチロウを長とする大家族*4。
その家と住人の一家そのものが擬態した一つのホラーという変わり種。
本体の古民家ごと各地を移動する神出鬼没なホラーであるが、山奥は兎も角、都会の河川敷や公園に茅葺屋根の古民家が建っている光景は何処となくシュール。
何の陰我により出現したのか、イチロウら一家は本当に実在していたのかは不明。
一見一昔前のホームドラマのような明るく笑顔に溢れた田舎の大家族という趣だが、これはチョウチンアンコウの擬似餌のようなもの。
自殺志願者や失業者など、精神的に弱っている人間を家内に招き入れ、親身になって励まし家族の温もりと団欒を味わわせた上で、空の大鍋に放り込み煮込んで喰い殺してしまう。
大鍋に放り込まれた人間は瞬く間に液状になり肉体は完全に死に至るが、魂は少しの間残留。その間その人間の死ぬまでの人生が走馬灯のように鍋の中に映し出されるという悪趣味な仕様。(イチロウ曰く「走馬灯=美味い出汁」)
「家庭の温もり」というありもしない偽りの幸福を与え、命を奪うという手口は極めて卑劣で悪辣。
更に人の笑顔を『一番の御馳走』と嘯き、自身の捕食方法を「(喰われる側と喰う側の)お互いが幸せになる方法」と考える独善的な性格。
討伐に赴いた雷牙もその外道ぶりに対する怒りゆえに最初からかなりボルテージが上がっており、相手が女子供の姿をしていようと容赦なく薙ぎ倒していた。
因みにこの際、雷牙は剣筋で「G-A-R-O」の4文字を描きながら迫りくる敵を斬り伏せるという、中々に小洒落の効いた技を披露した。
大黒柱ポジションのイチロウが最も強いが、何故か戦闘スタイルはボクシング。ホントナンデダロウネー(棒)?
鋭いパンチで挑むが、ボクシングルールに付き合う気も無い雷牙に無慈悲なローキックをぶち込まれたことで憤慨。
他の家族と溶け合い更に古民家とも融合した後本性を現す。
その真の姿は茅葺屋根の古民家から二本の角と足の生えた妖怪ハウスじみた巨大ホラー。木造っぽい質感とは裏腹に牙狼剣を弾くほどの防御力を持つ。
口から吐く大量の焼けた木片で相手を包み込み自由を奪う攻撃を得意とするが、轟天を召喚した牙狼に突破され突撃で破壊された。
名前は『デリシャス』(おいしい)と『デリート』(消す)の合成からか。
第9話『飼育』
リザリー
思い出したよ…。恐怖に怯える人間の味…堪能させてもらったよ!
演、声:柄本時生
石板とは無関係のホラー。
強姦殺人を犯した大学生・ミキモトの陰我に惹かれ、被害者の女性の死体をゲートに憑依した。
憑依して完全に宿主の肉体を乗っ取り覚醒するまでに時間がかかるという変わった性質を持ち、その間宿主の記憶を操作することで憑依された自覚を失くさせる寄生虫のような生態を持つ。
リザリー潜伏中もミキモトは次々と猟奇殺人を重ねてきたが、その記憶は『生き物のオスだけを喰う裸の女性と同棲(飼育)する』という奇怪な妄想に変換されていた。
いわばラブコメ・エロゲの鉄板である『オチモノ系』の邪悪なパロディである。
人間を『くだらない命』と見下しており、その恐怖を味わい、血肉とすることを好む典型的なホラー。
人間態では口から節足状の棘を打ち出して眉間を貫いて殺すというグロテスクなやり方で獲物を狩り、狩った人間の死体を写真に収め自身の住処の部屋の中に貯め込みコレクションする狂気的な一面を持つ。
その残忍性は死体を見ることなど日常茶飯事のザルバですら「人間の仕業じゃない」と評し、嫌悪感を隠そうともしなかった。
雷牙の魔導火で正体を見破られた時点で覚醒が完了し、両性具有の昆虫人間めいたグロテスクな本性を顕す。
天井に張り付いて這い回り、口から黄色い溶解液を吐き出して抵抗したが、吼狼の投げた円参との摩擦で帯電した牙狼剣の斬撃によりあっさり討滅された。
名前は『リザレクション』(再生)・『ミザリー』(苦痛・悲惨な状況)からか。
第10話『食卓』
グランダ
4体目の石版ホラー。
人間に憑依する必要が無く特殊な空間に潜むホラー。
それ故に出現場所が特定され易いが、出てくるまで辛抱強く張り込まねばならないという別の意味で厄介な相手。
見た目は不揃いなカメラアイのくっついた継ぎ接ぎの玉のような姿で、まるでマスコットのような愛らしい雰囲気。
分身攻撃を得意としており、どんどん増えるが…
この回、主役は雷牙から休暇をもらったゴンザであり、
ホラー狩りの方は雷牙・マユリをフェードアウトさせるための都合でしかない。
ゆえにグランダも戦闘シーンはほとんど描かれず出現して次のシーンではマユリに封印されてしまっていた。
いろいろと不遇なホラーである。似たようなホラーに第2期10話『秘密』の烈空ホラー・ズフォーマーがいる。
パチンコ『金色になれ』ではビウルという名称で再利用されている。
第11話『漫画』
カリカジュアン
ほほぉ~残念ですねぇ…大切な読者をひとり失うことになるとは…
演、声:石井正則
石板とは無関係のホラー。カオス回要員二号。
かつては売れっ子だったものの才能の枯渇で見る影も無く落ちぶれていた漫画家・カワバタセイジの若手漫画家への嫉妬心が陰我となり、手にしていた目打ち*5をゲートにして出現し彼に憑依した。
ホラー形態は羽箒やペンといった漫画のツールを全身に配した怪人で、右手が巨大なGペンになっている。
憑依後は独立しようとしたアシスタントや同じ漫画誌『週刊少年ビクトリー』で連載中のライバル漫画家たちを捕食し彼らのアイディアや人気の秘密を奪い取り自身の作品の肥やしにしていた。
この暴挙で同出版社から判明しているだけでも5名もの人気作家が蒸発しており、出版社や作品ファンに与えた損害は計り知れない。
カリカジュアンの影響で作品内容は暗く殺伐とした救いの無いものに変質してしまった。
自身の作品を世に送り出すことしか頭にない自己顕示欲の塊にして近視眼的な性格。
代表作『マカイキング』に旧魔界文字でホラーを賛美するコマを描いてしまったばかりに、わざわざ仕事場に結界を張ることで番犬所の目から逃れていたにも関わらず漫画を立ち読みしたマユリ経由で雷牙に尻尾を掴まれてしまうなど、どこかツメが甘い。
最後に悪が敗れる勧善懲悪なヒーローものを毛嫌い。「大衆は醜いものを見て喜ぶ」と嘯く露悪的な思想を持っている。
自身の能力で生み出した使い魔はあっという間に雷牙に片付けられてしまうが、その時間を使い短編作品『黄金騎士の最期』を執筆。ホラーの本性を現し決戦を挑んだ。
漫画のホラーだけあって戦闘時は
- 原稿に描いた武器を実体化する
- 叫んだ声や擬音が吹き出しとして出現し、それを投げつけて攻撃する
- 描いた漫画のキャラクターを使い魔にして使役する
と奇想天外な手練手管で相手と視聴者を翻弄した。
なお、彼の描くキャラクターは皆他の作家からの盗作なので、萌え美少女*6、怪獣、巨大ロボ、ミリタリーな兵士&兵器、あしたはどっちだ!?なボクサー、なんか電気ビリビリだしてるネズミだかウサギみたいなの、口の付いた目玉みたいなの
…等、絵柄も方向性もバラバラで一貫性がなく、彼自身のオリジナリティが一向に見えてこないという困ったもの。
雷牙にもそのことを酷評されたが、「売れれば何でもアリなんですよ」と語り全く悪びれていない。ドス黒い!!
また、あくまで二次元の産物なので(比喩ではなく)厚みの概念が無く横から見るとぺらっぺらである。
しかしカリカジュアンの真骨頂は結界内に踏み込んだ者を
自身の描いた漫画の筋書き通りに知らず知らずの内に操ってしまうことにある。
彼の描いた漫画は常にバッドエンドゆえ、オチは相手の死の一文字。まあホラーなんで当たり前と言えば当たり前なのだが…
「1ページ目で相手の惨殺死体を描いたらいいんじゃないの?」という向きもあるが、本人曰く「一発で仕留めてしまったら物語の盛り上がりに欠けるからな」とのこと。
…まあ、万能のように見えて独特の制約や法則性といったものがあるのだろう。
牙狼も例外では無く、『本性を現したカリカジュアンの猛攻に防戦一方になり最期は胴体をぶち抜かれて惨死する』
というストーリーを辿らされてしまう(皮肉にも先々代黄金騎士・冴島大河の最期が丁度そんな感じであった)。
しかし、最期のコマに差し掛かる寸前にカリカジュアンの武器である『墨ベタ』攻撃を牙狼剣で受け止め、
原稿の『牙狼が斃される箇所』を墨で塗り潰して筋書きを変更するという雷牙の奇策が炸裂。
本来のオチとは逆に牙狼に串刺しにされて敗北した。
怒りと屈辱のどん底で消えかけていたが、作業場でカワバタが幼少時自由帳に描いた作品『ニンジャリン』を読んだマユリに
「嫌いじゃない」と純粋な言葉をかけられたことで漫画家としての初心を取り戻し、笑みを浮かべながら消滅していった。
名前は『カリカチュア』(人の顔の特徴を戯画的に誇張した絵。漫画と訳す場合もある)からか。
ちなみに、カワバタの仕事場はセットではなく「るろうに剣心」「武装錬金」などでおなじみ和月伸宏先生の仕事場を貸してもらって撮影、漫画やイラストの作画は「ヤング ブラック・ジャック」の後藤伸正先生や「D.C. ~ダ・カーポ~」シリーズのたにはらなつき先生などに依頼…と、さりげなくリアル売れっ子漫画家が撮影協力している。もう一度スタッフロールを見てみよう!
第12話『言霊』
Ex:ヒナ
翻訳家の女性・カリナ(我妻三輪子)の拾ったタマゴから孵った生物。ホラーとは無関係。
ケサランパサランのような目鼻もついていない純白の毛玉という形をしており、
見ただけではどういう生き物なのかさっぱりわからない。
正体は第2期でも触れられたことのある霊獣の雛(ヒナ)。
霊獣の幼体である自身を拾った者に、大切な者の夢を見せる力を持つ。
霊獣の扱いには非常に厳正な取り決めが存在する。
ヒナ自体は無害であるが、親の霊獣から長時間離れていると不安から周囲に異変をもたらすため、
親元へ返さなければならないという理由からカリナの下へ雷牙たちが出向いた。
実はカリナは祖父・ショウジと一緒に幼少時『ツキトンボ』=霊獣の姿を見ていたが、
今回新たに判明した設定として『霊獣の姿は見る者によって異なる』というものがあり、
カリナの眼には『羽が生えている』と映った霊獣がショウジにはそう見えなかったため、
祖父がカリナに送った木彫りの霊獣像に翼が無いことを見咎め拒絶してしまったことが
トゲとなって彼女の心に刺さっていた。
始末がついた後は記憶を消させてもらうという条件付きで
霊獣の返還に同行することを認めてもらったカリナは、そこで彼女と祖父の過去の経緯を聴いた雷牙から
『自分の見た霊獣の姿を形にして大切な人に贈るとその人に幸せが訪れる』という風習を教えられ、
祖父の霊獣像にも大切な孫への想いが詰まっていたことを改めて知るのだった。
親の霊獣そのものも登場はするが、新設定により視聴者のイマジネーションを優先するために、
2期のようなはっきりした姿で画面には出てこない。
第13話『凶獣』
Ex:バルグ
クロウが所属する影に生きる『隠密の魔戒騎士』たちの間で管理されている魔界の獣。
厳密にはホラーではなく、あくまで魔界の生態系の中で生きている野性動物という分類。
体内にホラーやその邪気を吸収するという特異な性質を持つことから、
普段は辺境の祠の奥にある深い井戸の底に閉じ込められており、定期的に魔戒剣に溜まった邪気をバルグに突き刺して浄化する
影の騎士たちの儀式『月光の儀』に利用されていた。
この性質から、単純に倒すと体内に封じられている邪気やホラーが解き放たれてしまうため、
討伐には札を介した魔導陣が必要となる。
儀式に参加していた騎士の1人・ナユタが井戸の中に汗を落とす不注意を犯したことで抜け出してしまい、ゲント以外の騎士を殺害して逃走したが、
この時点でもはや祠の中でしか生きられないために衰弱し、余命わずかの状態となっていた。
頭が大きく、全身を甲殻で包んだカバかイノシシのような外観をしており、鋭利な爪牙と俊敏な動作は脅威。
折りたたみ式の一対の翼を背に隠しており、これを展開することで空を飛べる。
劇中の個体は背中にこれまで廃棄された形もサイズもバラバラの魔戒剣が槍衾のように突き刺さった痛々しい姿であった。
気性は極めて獰猛だが、同時にあくまで獣であるためホラーのような知性に由来した悪意は持たない。
劇中ではただ生きようとしているだけの存在であるバルグを道具として苛んだ挙句、
手に負えなくなれば殺そうとする騎士たちのエゴ(しかも剣の浄化自体は普通に番犬所で可能)が
同じホラーを体内に封印することができ、道具として扱われていたマユリのシンパシーを通して浮き彫りにされ、
やるせない結末へと繋がっていく。
マユリの試みで『籠』の中に取り込まれようとしたが、雷牙がそれを阻止し、
最後はクロウとゲントに魔導陣で動きを封じられたところを牙狼に斬られ、その生を終えた。
その亡骸は此度の事件で命を落とした影の騎士たちの墓標の隣に葬られた。
なお、オムニバス映像作品『牙狼<GARO>‐魔戒烈伝‐』では
『魔戒ノ花』とはパラレル関係にあるシリーズ第6弾『牙狼-GARO- -GOLDSTORM- 翔』の世界観を背景とする
第2話『天満月』においても火群の里に至る森の中で野生のバルグとおぼしき魔獣が出現しており、
こちらの世界でも存在し、なおかつ独力で人間界まで侵入してくる個体がいるようである。
第14話『変身』
イドラ
お前の居場所は籠の外じゃないよ…私たちと同じ、籠の中だ
演、声:安藤遥
5体目の石板ホラー。エロい白いドレスを着た少女の姿で人間界に潜伏していたが、物語開始早々に牙狼剣で串刺しにした状態から投げ捨てられ爆散・討伐された。
体内にエイリスの種を宿していたが、初戦で討伐された際にエイリスが別の石板ホラーの下へ転移してしまったため、封印は叶わなかった。
あっけない最期と思われたが、実は肉体を喪失した後も思念体の状態で行動でき、他者の精神世界に侵入する能力を持つ。
ホラーをその身に封印する能力故、些細な要因で人間からホラーに近づいてしまう両儀性を持ったマユリを唆すことで封印から解放され、外の世界に舞い戻ろうと企む。
マユリの内面から執拗に闇への誘惑を続け、最早外部からの浄化は叶わずホラーとして斬るしかない状況まで彼女を追い詰めたが、
決死の覚悟で四道法師の力を借り、マユリの精神世界に突入した雷牙に阻まれる。
トリッキーな戦術で牙狼を翻弄したが、最期は牙狼剣の抜き胴で両断され思念体をも完全に滅ぼされた。
幻想的で淫靡な雰囲気の人間態とは裏腹に、ホラーとしての本性は鼻と瞼と唇を削ぎ落とされたような醜悪な面相をしており、
身体のあちこちからまばらに生えた羽は手裏剣のような飛び道具となる。
マユリの精神世界で牙狼と交戦した際は時計や歯車があたりに浮いた異空間を展開した。なんという魔空空間
トドメは一撃で刺されているものの生身の肉弾戦では雷牙とクロウを同時に相手取って互角以上に渡り合っており、結構な強敵。
『イドラ』はアイドルの語源となった言葉で、ラテン語で『偶像』を意味する。哲学用語では『幻影』と訳されることも。
第15話『紅茶』
“魔戒通信”記者
エイリス封印の使命を果たすべく、日夜奮闘する雷牙たちの活躍を間近で見守ってきた冴島家執事・倉橋ゴンザに
インタビューをすべく雷瞑館まで取材にやって来た謎の記者。劇中ではわかりにくいが、インタビュアーとカメラマンの2人組らしい。
15話は基本的に彼らの(持参したビデオカメラによる)一人称視点&ゴンザの受け答えによって展開する総集編である。
彼らの発する言葉は一切聞けないが、仕事熱心な人物であるようで食い入るようにゴンザの言葉を聴き、
特に雷牙たちの知られざる秘密については並々ならぬ集中力を示していた。
一方でゴンザの身の上話を無情にも打ち切るなど、ややドライな態度も目立つ。視聴者は聴きたかったと思うぞ!
ゴンザの淹れた紅茶には終始口をつけなかった。
その本性は(やはりというか)ホラー。見た目は何の変哲もない素体ホラーであり、帰ってきた雷牙たちに正体を見破られるや乱闘の果てに牙狼の突きを受け、あっさり倒されてしまった。
(もう一人は画面に映らないところでクロウに討たれている。やったねクロウさん!)。
ただ、黄金騎士の牙城たる雷瞑館に堂々と乗り込めるあたり、頭抜けた隠密能力を持っている模様。
石板のホラーではないが、何故危険を冒してこのような挑戦に踏み切ったのかは不明。
情報収集に関する陰我に誘われて出現したのか、
それとも他のホラーに頼まれて牙狼の情報を探りに来たのか?
…謎は深まるばかりである。
第16話『絶叫』
プロファンデス
ウフフ…☆ここからが本当のショータイムよぉ~?
演、声:宮地真緒
石板とは無関係のホラー。
民間のアミューズメントマシン開発研究所を経営する女性・キエラに憑依しており、
自身の考案した『史上最強の絶叫マシン』の筐体を他社にプロモートすることで大規模な捕食を企んでいた。
人間態はノリのいいおねーさん風で、突然魔女やマジシャンのコスプレ姿で現れ、大袈裟な身振り手振りに合わせてアニメアニメしたSEを鳴らすやたら楽しげな雰囲気の持ち主。
しかしそこはホラー。
実態は魔界へ大量の人間を一斉に連れ込む習性を持ち、己の仕掛けた罠に嵌った人の恐怖に怯える姿を眺めることを愉しむ悪趣味なサディストである。
彼女の用意した筐体はキッチュな髑髏やジャックオランタンの意匠が施された箱状の小部屋。
まるでコントの大道具のような安っぽさ&胡散臭さから最初は下見に来たレジャー開発会社のリーマン諸氏も軒並み笑い飛ばしていたが、ホラーの結界の応用による迫真のリアリティから驚異的スピードで試乗会へと漕ぎ着けている。
実はこの筐体は魔界へ通じる穴の真上にクレーンで吊るした箱のようなもので、中に入った人間をいたぶり殺すための無数のトラップが仕掛けられた『屠殺場』兼『食卓』にすぎない。
種も仕掛けもあるが、夢も希望も無い。
何故なら、外れないシートベルトに固定された状態で本物の斧が飛んでくるのだから。
無論こんなものが世に出れば大事件になって公開初日で何もかもパーになってしまうため、プロファンデスとしてはこの計画も刹那的な娯楽の一環にすぎないのかもしれない。
番犬所の指令を受けた雷牙とクロウの妨害工作によって試乗会が大虐殺の場となることは未然に防がれ、続いて研究所内に突入してきた両者との交戦に入る。
人間態の格闘戦でもステッキと強烈な蹴り技で雷牙とクロウを圧倒し、筐体内に雷牙を閉じ込めることでサシの状況を作るなどかなりの戦巧者。
本性は道化師の恰好をした女性型だが、本当の顔は頭部の側面についており、
首を真横に傾けることで初めて正面を向くことができるという前田慶次のちょんまげみたいなギミックになっている。
不安定な足場も利用し雷牙を追い詰めるが、牙狼の鎧を纏った雷牙の反撃で形勢逆転され、
牙狼剣で筐体の天井に縫い止められ力尽きる。
それでも断末魔のあがきで結界を解除することで牙狼を素体ホラーひしめく魔界に堕とそうとしたが、
助太刀に駆け付けた吼狼の飛翔+牙狼の烈火炎装の合体技で脱出され、完全敗北した。
名前は『プロファウンド』(深遠な)・『デス』(死)からか。
奈落の底へ牙狼を道連れにせんとしたホラーらしくもある。
第17話『少年』
素体ホラーの女
…美味しそうな子供…
登場回の17話は過去回想エピソードなので、石板とは関係ない。
深夜零時の訪問者、愉快なゼロおじさんこと伝説の魔戒騎士・涼邑零のホラー狩りに連れられた幼き日の雷牙が
公園の中に紛れ込んだホラーを探し当てるという試練を出された際、優れた観察眼で正体を見破った。
一見知的で大人しい雰囲気の女性だが、真夜中だと言うのに照明の無いベンチで本を読んでいたことから当たりを付けられた。
本性は素体ホラー。人間態でも後ろを向いたと見せかけて身体の前後を逆転させる妖しい技や、激しい体術を使い抵抗した。
雷牙の才気に惚れ込んだ零が最後までやらせる気になった為、雷牙が初めて交戦したホラーになった。
雷牙を追い詰めはしたものの、それを救うべくバトンタッチした零には赤子も同然の相手であり、
『ホラーとは何か』を雷牙に説くための『教材』として
斬られ・刺され・蹴られ・羽交い絞めにされた上、銀牙騎士・絶狼が揮う銀狼剣の十字斬りで露と消えた。
この一連の攻撃は明らかにオーバーキルであり視聴者サービスの犠牲者ともいえる。哀れ。
この経験を機に、雷牙は本格的に魔戒騎士としての道を志すようになり、零に師事することとなった。
第18話『紅蓮』
ラテル
お前強いな!?それでいいッ!! 俺は愉しくて堪らないッッッ!!!
演、声:和田三四郎
6体目の石板ホラー。
闇に堕ちた魔戒騎士・イズモに憑依しその肉体を乗っ取った『魔戒騎士のホラー』である。
心滅獣身を超越してホラー喰いの騎士となる『暗黒魔戒騎士』や
3期における『殺戮の闘将』の異名を持つ古のホラー・ゼドムのプラントを刺された騎士が、かつての力を持ったままホラーとなる『魔導ホラー』とはホラーと化した経緯が異なるので完全に別物と思われる。
弱者を蔑み、強者を打ち負かして屈服させることに無上の悦びを見出す邪悪な戦闘狂。
ホラー化の際に憑依された人間は死亡する為イズモ本人の自我は既に消え去ったが生前の戦闘経験や技能は完全にモノにしており、ホラーでありながらソウルメタルの魔戒剣を自在に操る。
鎧の装着は出来ないが、フードを脱ぎ完全な戦闘態勢を取った際の頭部は狼を象った騎士の兜を有機的に変化させたような造形。
エイリス討伐の使命を追う雷牙たちとは別に、道を踏み外した騎士や法師の内部粛清を請け負う闇の狩師・媚空にも追跡されている。
両者の協力体制により雷牙、クロウ、媚空というこのタイトル中では最強と呼ぶに足る布陣で挑んだにもかかわらずこれを物ともしない圧倒的な強さを見せつけた。
おそらく、エイリスを除けば直接的な戦闘力に於いては4期においても最強クラスのホラー。
鎧を装着した雷牙すら押し返す猛威を奮うも、イズモの左腕にあった古傷に媚空の援護射撃を喰らい、怯んだところを牙狼の乾坤一擲の斬撃を受け敗北。散り際には元の姿に戻り、自身が纏っていたマントを残して消滅した。
イズモは、媚空の実の弟だった。左腕の古傷も彼女が訓練の際につけてしまったもの。
名前は昨今知る人ぞ知る『地上最強の猛獣』として知名度を上げている蜜穴熊…『ラーテル』からか。
向こう見ずの好戦性もギネスブックに『世界一怖い物知らずの動物』と記されるラーテルらしい。
演者の和田氏の本業はスーツアクターであり、変身前後共に同一人物が演じるという珍しいホラー。それにしてもイイ声だ。
第19話『組曲』
アビスコア
これは貴方の命のスコア…人生の…『組曲』です
88888888888888888888888888888888888888888888888888888888888888888888888888888888888
\ワーワー!/\ヒュ~~~~!/\ウィーピピー!!/\ワッパッパオー!/\ウォー―――!/\ワ~オ!!/
演、声:ROLLY
7体目の石板ホラー。カオス回要員三号。
悪の天才音楽家にして指揮者であるヨハンの正体。幻影の楽団を引き連れて忽然と出現する神出鬼没のホラー。
エキセントリックかつハイテンションな性格のイカれたオカマ。
金髪のウィッグをかぶっていたかと思えば、黒の短髪にガイ・フォークスのマスクめいた悪趣味なヒゲのメイクをしていたりと外見は登場場面ごとに違う。
あとやたらカメラ目線が多い。こっちみんな!
常に落ち着きなく動き回り一挙手一投足に派手なSEが立つ。口癖は「ルン!パッ!パァァァァ~~~♪」
手に持ったタクトは『食器』でもあり、人間の血肉や魂を楽譜に変換、綿アメのように巻き取って喰ってしまう。
魔戒剣と切り結んでも折れないほど頑丈なほか、指揮に合わせて落雷攻撃も可能。
そして音楽の陰我のホラーらしく、自身の指揮する演奏を聴かせることで喰らいたい人間の精神状態を支配する能力を持つ。
- 会議室に忘れ物を取りに戻ってきた会社員を『威風堂々』で愉快な気持ちにさせる
- 唐突に女子トイレの個室から楽団を召喚し手洗い場で泣いていた女性と『花のワルツ』に合わせて踊り狂わせる
- 町の銭湯で入浴するおじいさんを湯船から引っ張り出し、『美しき青きドナウ』の節に乗って踊らせる
などそのコンサート情景は狂気に満ちている。
また、指揮だけではなく自身で演奏することもあり、ピアノで『葬送行進曲』を弾きながら
自殺未遂者を指揮棒で滅多刺しにして無理やり死に追いやっている。
…何故か途中でピアノから離れても曲は鳴りっぱなし。
これらの演奏のオーディエンスは例外なく喰い殺されているが、アビスコア自身は一般人の魂を弄んで殺すことには飽きがきており、
「魔戒騎士の魂を音楽に変えて喰う」という大それた欲望を満たすためにわざわざ雷牙に招待状を残して行った。「回りくどい自殺」にしか見えないのは気のせい。
しかし、同行していたマユリに興味が湧いたため彼女を攫う。
…ちなみに、マユリの楽曲は『白鳥の湖』らしい。
追ってきた雷牙にフィナーレを告げるべく勝負を挑むが、たちまち劣勢になりホラーとしての姿を顕す。
本性は鷲鼻・広がった翼のような形状の耳・鉤爪と猛禽類の擬人化のような姿だが、人間態のインパクトが強すぎてまるで印象に残らない。
肩からは金管楽器のパイプのようなものが伸び、この状態でもタクトは手放さない。
楽譜を手裏剣の如くけしかけるもそのことごとくを牙狼剣で斬り払われ、
雷牙の魂の音楽=『雷牙〜Tusk of thunder〜』のシンフォニック・アレンジバージョン(言うまでもなく、原曲はこの番組のOP)
の大合奏をBGMに、完膚なきまでに叩きのめされて敗北。自分の求めていた素晴らしい曲を聴けたことに感動し、「ブラボーーーー!!」の歓声と共に消え去った。
ちなみにこの曲はアビスコア自身も知らず、なおかつ演奏中は楽団を制御できないでいた。
また、演奏が終わる頃は鎧装着から明らかに99.9秒以上経っている…これが主人公補正ってやつか…それとも魂の音楽のおかげで伸びたのか…
ローリー氏の怪演もあって、非常にインパクトの強いホラーである。
満足感と共に封印された非常に稀有なホラーだが、
1期にも同じ芸術家タイプのホラー・ガーゴイルが似たシチュエーションで最期を迎えている。
奇しくもトドメを刺したのは雷牙の師匠・零。
名前は『アビス』(奈落)+『スコア』(楽譜)からか。
第20話『鉄人』
ドゥオクト
演、声:桑江咲菜
石板とは無関係のホラー。
『巨偶ホラー』の異名を持つ大型ホラー。
長く伸びた寸胴のボディから不釣り合いなサイズの四肢が伸びた
武骨でレトロな巨大ロボットのような外観をしており、人語は介さず、自我のようなものも見受けられない。
当初はホラーに取り憑かれた女子高生・サキの命令に忠実に従い人を襲っているように見えたが、実はこれは偽装。
『陰我を持たない無垢な心を持つ人間を体内へ捕え、動力源として駆動する』という特殊な性質を持ち、取り込んだ人間の姿を模した擬態に使役されているように見せかけながら2体1組で活動するという変わったホラー*7。
本質はロボットと言うよりも、手足の生えたアイアンメイデンに近い。
動作は鈍重だが凄まじい怪力と、外部からの攻撃は一切通じない堅牢な外殻を持つ。
また、擬態の方のサキは人間離れした身体能力でクロウと互角以上の戦闘をこなしており、
一撃の重さのドゥオクト+敏捷な手数の擬態サキのコンビネーションは強力無比。
初戦から雷牙とクロウを分断した上で押しまくるが、サキ本人の内部からの抵抗で一時的な機能不全に陥ったところをマユリの能力で擬態のトリックを看破され、クロウが擬態を斬ったことで撤退する。
最後はサキを救出すべくあえて攻撃を受け続け、内部に自分を取り込ませた雷牙が体内で牙狼の鎧を召喚したことにより、内側から爆砕され消滅。鎧内部の異空間に収納することでサキも無事であった。
これは鋼牙がカオルを救った時に使った秘策で、幼少期の雷牙も父から聴かされていた。
でも、それならこの回の主役のクロウさんに試させてあげても良かったんじゃないかな…
ちなみにかなりの大物だが、撮影はCG処理ではなく実物を造った上で動かしている。
名前は『ドゥオ』と『オクト』の合成か。
それぞれラテン語で『2』と『8』を意味し、繋げると…
第21話『残像』
ゴギート
イイねェ……♪ねえ!僕と手を組まない?
演、声:渡辺大
8体目の石版ホラー。
イドラの次にエイリスの種の宿主となったホラーであり、本人も自覚がある(自己申告なので怪しいが)。
娘・アイ(奥田いろは)を連れて放浪する謎の剣士・マトウの正体。
飄々として掴みどころの無いトリックスターを気取り、本気か冗談か、嘘か真実かも判然としない軽口を叩いて場のイニシアチブを握りながら戦う相手を翻弄する。
浮浪者じみただらしのない風体とは裏腹に、魔戒剣に酷似した黒い拵えの剣から繰り出される技は雷牙の太刀筋すら凌駕する域に達している。
純粋な剣術の技量とは別に、瞬間移動能力と幻の投影能力というトリッキーな能力も有しており、虚虚実実の口三味線も交えての戦手筋は非常に厄介。
特に『追い詰められるとどこからともなく光と共にアイが現れ、戦いの場に割って入る』、という幻は家族の温かい絆に弱い雷牙には効果覿面であり、
アイを可愛がるマトウの『平和な親子』めいた光景を見て生じた隙を衝かれ2度も同じ手で不覚を取っている。
デリィータスの時は「人間を騙ったホラー」だったのに対し、今回は「人間を再現した幻」だったのも痛いかもしれない。
また、本格的な戦闘態勢に入るとまるで暗黒騎士のような禍々しい甲冑(コダマの『魔獣装甲』にも似ている)をその身に纏い、初見の雷牙も魔戒騎士と誤認しかけた程。
しかし、ザルバの見極めではあくまで純然たるホラーであり、
『魔戒騎士の特徴を己の戦闘スタイルに取り入れている騎士もどきのホラー』とでも言うべき存在。
ラテルのように魔戒騎士に憑依したのだろうか。
実はアイはマトウの娘などではない。そもそもオリジナルのアイはマトウがホラー化して最初に喰らった人間である。
その死も『本当の父親の目の前でマトウに喰い殺される』という無惨なものだった。
誰かを騙す必要が無い時もアイを可愛がり、左手を傷つけられ消えるアイに未練のような声を上げる場面もあるが、これは戦利品を愛でるような感覚に近いものと思われる。
マユリと出くわしたときは「エイリスの見せてくれている幻なのかな…」と感傷的な態度を取っていたが、幻の投影はゴギートの固有能力なのでこれもウソ。
ちなみにアイの幻影を斬られた直後に発生源である手を斬られたため、それ以降は出せなくなる。
劇中では雷牙のホラー狩りに乱入する形で彼が追っていた素体ホラーを瞬殺。
さらにその屍骸を喰ってしまうなど、同族意識は欠片も無い(このシークェンスもまた呀の『陰我吸囚』っぽい感じで紛らわしい…)。
曰く「やっぱりホラーは美味しくない」らしい。
雷牙に「ホラー狩りを手伝う代わりに、人間を喰うことを黙認する」という条件で手を組まないか持ちかける。
「ホラーを狩る君達もホラーの力を借りているじゃないか」という彼の言い分は字面だけ見れば一見もっともらしいが、ゴギートを初めとした、魔界からゲートを通して現れるホラーはプリズンホラー、つまりは不法入国を犯した犯罪者である。
当然雷牙が応じる筈も無く、敵対する。
後にマユリとも接触し、エイリスの種が体内にあることを見破られ本格的に雷牙たちの討伐対象となる。
卓越した戦闘力と狡猾な話術、駆け引きで雷牙とクロウを同時に相手取っても余裕の態度を崩さなかったが、
彼にマユリを狙われたことで迷いを断ち切った雷牙にアイの幻影を斬り捨てられ、投影能力を喪失。
家族を引き裂き、死者を道具として利用する下衆なホラーとしての本性を露わにした。
しかし、それを聞いた雷牙の怒りが頂点に達したことが命取りとなり、
荒ぶる修羅と化した牙狼の猛攻で一方的にボロ雑巾の如くぶちのめされた挙句、トドメの一閃で呆気なく粉微塵にされ絶命した。
雷牙・クロウのコンビを苦も無くあしらう実力といかにも重要なことを知ってそうな意味深な態度から大物臭を醸し出していたが、
アイに関する種明かしを雷牙にぶちまけて高笑いするなど実際は悪趣味で浅薄な小物に過ぎず、
劇中のポジションとしても1話ポッキリの使い捨て怪人以上の意味合いは無かった。
内外通して全てが嘘八百やハッタリで覆い尽くされたホラーとも例えるべき存在であった。
第22話『番犬』
ジエンダ
貴様 魔戒騎士か
演、声:江口ヒロミ
最後の石板ホラー。
それまでの石板ホラーがことごとく牙狼に封印され、逃げ場を奪われたエイリスがその体内に宿っている。
若い女に憑依し、人間を喰らい続けていたが、
想い人であるアカリ(吉井怜)を蘇らせるという目的の為にエイリスの力を欲する魔戒騎士・[[毒島エイジ>毒島エイジ(牙狼-GARO-)]]のターゲットにされた。
ガリガリに痩せこけた体躯に2本の角を生やした頭部を持つ青いホラー。
人間態でもかなりの敏捷性を見せたが、歴戦の強者であるエイジの老獪な戦技の前にはまるで歯が立たず、
生かさず殺さずで無力化された末にあっさりと捕獲されてしまった。
エイジの隠れ家にてマユリを確保した上でエイリスを解放すべく彼の執り行った儀式の犠牲となり封印された。
その体内からついに行き場を失くしたエイリスが姿を顕す。
演じた江口氏は映画『牙狼-GARO- RED REQUIEM』以来牙狼シリーズの常連。ファンからは何度倒しても復活するとネタにされているが、
当然ながら今回ジエンダに憑依された女性はシオンやギギとは無関係である。
名前は石板ホラーの最後の一体ゆえに『ジ・エンド』からか。
~ホラー エイリス~
エイリス
もうすぐ我は覚醒する。偉大なる覇者・メシアの涙となり、花となるのだ
「メシアの涙」と称される、アディーの石版に封じられていた古のホラー。
第2期・MAKAISENKIに登場した古の赤き魔獣、『メシアの牙』・ギャノンと同格の上級ホラーと思われる。
植物に似た生態を持ち、覚醒し開花の時を迎えるまでは『種』となって他のホラーの体内に潜伏する性質がある。
エイリスが完全に覚醒すれば人間界と魔界が1つに繋がってしまうとされる一方、
その花には死者を蘇らせる力を持つという言い伝えもあり、エイジが道を踏み外したのも後者の伝承に一縷の望みを賭けたからである。
しかし、実際のところは遺髪などの死者の身体の一部から肉体を復元するクローン止まりの効能であり、
死んだ人間の魂を保存する技術は無いため、眉唾ものだったと言える。
エイジの誤算
エイジは過去に自分に触れたマユリが初対面の自分の名を呼んだことから、彼女の体内にある『籠』の中に
ホラー同様アカリの魂も封印されていると考え、エイリスの力で復元された肉体に
マユリの中にあるアカリの魂を移し替えることで彼女を蘇らせようと目論んでいた。
しかし、現実には当時のマユリがエイジの中にあるアカリの記憶を読み取り半ば無意識にその名を口にしただけであり、マユリには人間の魂を保存する能力などない。
後にマユリ本人からそれを聴き、エイジは己の愚かな心得違いを悟るのだった。
当初の宿主は石板にいたホラー・イドラだが、潜伏したホラーが封印されるごとに違う石板のホラーの体内へ転移を繰り返し、
イドラ撃破後もゴギート、ジエンダと宿主を乗り換えていった。
種の状態では、半透明の胚のような本体から長い触手(鞭毛?)を生やしたプランクトンめいた姿をしている。
この段階でも人語を介し意思疎通も可能で、会話の際は単眼を開き、ますますデカいミジンコちっくな雰囲気に。
時たまピチピチと音を立てて動くのが非常にキモイ。
この状態では文字通り手も足も出ないため、機動性は皆無。他者の肉体に潜伏するのも、
『開花の地』へと自分を運ぶ乗り物として利用するためである。
ただし、そこは上級ホラー、クロウの決死の攻撃でも破れないほど強固な結界を展開し、
触手を鞭のように操ることで敵を打ち据える。ミジンコTUEEEEEEEEEEEEEEEEEE!?!?!?
また、潜伏したホラーや人間の潜在能力をブーストすることも可能で、
エイリスに取り憑かれたクロウはこれまでの不振ぶりが嘘のような爆発的強化を遂げ、
消耗していたとはいえ雷牙とエイジを同時に相手取りこれを圧倒していた。
エイジの手でジエンダから抽出されたエイリスの種は、アカリを蘇らせる代償に、
開花の地へと自身を運ぶ器としてマユリの肉身を欲する。しかし、マユリを犠牲にすることが許せないクロウが
「空を飛べる」ことを交渉材料にしたことで身代わりとなり、
エイリスは彼の肉体を乗っ取った上で吼狼の鎧の力で開花の地へと飛ぶ。
無数の素体ホラーが湖底に潜む『慟哭の湖』に到着したエイリスはそこでクロウの肉体を棄て、
湖底に根を張ることで真の姿を顕す。なお、根を張る直前の姿は白いウェットスーツを着た女性のような妙な姿で、
ファンからはリアル白ピクミンなどとネタにされている(画像はその状態)。
最終形態となったエイリスは白い球体を頂上に戴く黒い幹の大樹で過去作の『魔界樹』や『エリンネルグ』に近い外観。
大樹の中に本体が居り、その姿は『等身大にダウンサイジングしたメシア』といった雰囲気の白い裸身の女性型ホラーである。
大樹の内側では無敵に近い能力を発揮し、全方位から襲い来る触手や傀儡、牙狼の鎧すら貫通しダメージを与える棘状の弾丸などを
無尽蔵に繰り出す。また、時の流れに干渉する恐るべき力を有し、大樹の枝はあらゆる時代・場所に通じるタイムトンネルを発生させ、
湖底から吸い上げたホラーをそれらの時代に送り込む侵略前線基地の役割を果たす。
さらに、『魔戒烈伝』第12話(最終回)「金字塔」では、牙狼抹殺に燃えるザジに時空を超越する力を与えている。
……雷吼様、道満が呼び寄せたのにも紛れ込んでいるかもしれないのでご用心を。
レオン君、ヴァリアンテに行った分の始末は頼みます。
流牙君、ひょっとしたらボルシティにもちょっと流れちゃったかもしれません。
ソードさん、もしかするとラッセルシティにも……。
ちなみに、雷牙の幼少期に彼の両親が行方不明になったのもエイリスの枝がその時間軸に伸びたことが原因。
そうした意味で雷牙とは時を超えた宿敵同士ともいえる。
時間操作の応用で口移しに魔戒騎士の鎧のタイムリミットを加速させ、強制的に心滅獣身に導くことも可能。
このプロセスを経ると装着した騎士は怒りに心を支配された通常の心滅とは違い、意識は明瞭ながら鎧の中の異空間で素体ホラーに拘束され、
身体を制御できないというやや特殊な状況に置かれる。雷牙を心滅させた際にこれが逆転の糸口となり、
託された想いを胸に心滅獣身を克服した雷牙が新たな境地、光覚獣身・牙狼となったことで形勢が逆転。
牙狼の繰り出した光覚斬馬剣の一撃でその身を貫かれ、大樹もろとも五体を砕かれる。
四肢を失い宙に投げ出されてもなお抵抗を試みたが、これまで封印した9つの石板の欠片の力を借りたマユリの手により、
再びアディーの石板の中に封印された。
追記・修正は石板にいたホラーをすべて討伐してからお願いします。
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▷ コメント欄
- こうしてみるとクロウさん、スコア0か・・・まあ、ドゥオクトの擬態とか斬ってるけど。 -- 名無しさん (2014-10-30 00:40:57)
- メシアを思い出すエイリス最終形態の画像をアップロードしたけど追記できなくて凹んだ… -- 名無しさん (2014-10-30 01:15:13)
- 右端の説明が切れている・・・・。あとアビスコア人間態の方かいwwwwwwww。 -- 名無しさん (2014-10-30 09:42:39)
- 毎回毎回バラエティに富んでいて飽きなかった。闇照なんざ「リベラ」など決まったやつや雑魚でも「口ぱっかん」みたいなワンパターンばかりで飽きる。 -- 名無しさん (2014-10-30 09:45:27)
- 個人的に好きだったのはやっぱり「ザジ」だな。大嫌いなのは「リザリー」「イドラ」「ゴギート」 -- 名無しさん (2014-10-30 09:51:01)
- ゴギートはまぁ、あそこまで雷牙を怒らせたんじゃしゃないな -- (2014-10-30 09:54:05)
- アレ、爺ちゃんの拡大解釈だったんかい…良いのか、それで -- 名無しさん (2014-10-30 10:10:00)
- エゴサイレーンは鬼だな。シマダさんがかわいそう。 -- 名無しさん (2014-10-30 11:27:44)
- カリカジュアンはもうちょっとデザイン変えたら普通にヒーローとしても通じる外見。それぐらいイケメン -- 名無しさん (2014-10-30 13:22:01)
- バルグは本当に気の毒だったマユリも泣きそうだったが自分も泣いた。 -- 名無しさん (2014-10-30 17:37:24)
- 霊獣のヒナが出したあの女はなんだったんだ? -- 名無しさん (2014-10-30 17:38:25)
- 魔戒通信記者なんだが「レポーター役」と「カメラマン役」の二人がいたらしい。レポーターは雷牙にカメラマンはクロウni -- 名無しさん (2014-10-30 19:21:20)
- ↑ミス、クロウに倒された。 -- 名無しさん (2014-10-30 19:21:52)
- ↑そうなのか。追記しておこう -- 名無しさん (2014-10-30 20:02:57)
- 携帯でも見られるようにしてみました。 -- 名無しさん (2014-10-31 18:45:45)
- グランダだけは本当に気の毒だと思うがあのスープ本当においしそうだったもんな。 -- 名無しさん (2014-11-02 09:10:07)
- ディリータスを見て思ったのだが昔の映画「HOUSE」を思い出した。 -- 名無しさん (2014-11-02 09:14:11)
- ザジが3体になったとき思わず「○ージ・ダ○ジ・ザジ」とあほな事を考えてしまった(だって中の人が・・・・) -- 名無しさん (2014-11-03 12:39:35)
- せめてイドラは口くぱぁでもよかったんじゃね?と思った俺は陰我にまみれてるかもしれん… -- 名無しさん (2014-11-03 12:52:56)
- プロファンデス見て思ったんだけど、彼女はもうちょいファイナル・デスティネーションばりのトラップ仕掛ければ良いと思うの -- 名無しさん (2014-11-03 14:00:37)
- 流牙と戦うときはドラゴン形態か、未来でも系譜は消そうと必死なんだな。 -- 名無しさん (2014-11-03 17:32:00)
- ゴギートは魔戒騎士に憑いたホラーだったのか、最初に食ったのが魔戒騎士だったのか……謎は尽きないな -- 名無しさん (2014-11-03 22:41:35)
- メシア、カルマ、ギャノン、エイリスたち上級ホラーたちが人間の姿なのはこの世でもっとも陰我を産み出すのが人間だから、人間の姿に似ていくんじゃないかな? -- (2014-11-04 00:31:23)
- ↑ゼドムェ…… -- 名無しさん (2014-11-04 00:32:10)
- あ、素で忘れてたわ -- (2014-11-04 01:01:48)
- ↑2だって闇照はパラレルなんでしょ?忘れられても仕方が無い。大竹まことだしwwww -- 名無しさん (2014-11-04 11:50:28)
- 9日の「びっクリィム」で「日村お化け屋敷」が出たが1話のセキヤ思い出した。(日村の顔がボヨヨンと5つも出たりと一緒や!) -- 名無しさん (2014-11-11 12:48:07)
- ザジの声が本当に素敵で本当にアマノッチなのか疑ってしまった。 -- 名無しさん (2014-11-11 12:49:37)
- カリカジュアンの攻撃方法だがどう考えても「ザ・エコーズ」ではなく「コエカタマリン」か「ギャートルズ」だろう。 -- 名無しさん (2014-11-11 12:54:22)
- ↑2 アレは同姓同名の声優さんかと思ったわw -- 名無しさん (2014-11-11 12:55:56)
- しかしザジはラスボスにしてもおかしくないほど貫禄があるな。 -- 名無しさん (2014-11-11 17:36:10)
- ↑天野さんにはこの調子でラスボス声優として特撮方面に進出して欲しいかも。 -- 名無しさん (2014-11-11 17:38:40)
- エイリスの最終形態は『グロピクミン』 -- 名無しさん (2014-11-21 13:30:59)
- みんなにピクミンとみなされたエイリスwwwww -- 名無しさん (2014-11-26 20:35:39)
- 組曲の画像のみ人間態なので「?」と思っていたらなるほど確かに印象薄いわwww -- 名無しさん (2014-11-27 08:46:47)
- ドゥオクトはある意味たちが悪いと思う。マユリがいてくれなかったら「陰我持ち」と思われてサキが殺されたかもしれない。 -- 名無しさん (2014-11-28 21:38:55)
- ゴギートには流牙すらも「ふ・ざ・け・る…なァァァァァッ!!」と激怒して一閃して終わりだろうな。ハリケンブルーの例を見ると特にそう思える -- 名無しさん (2014-12-01 19:33:03)
- アビスコアが何故エイリスホラーなんだろう?道考えても -- 名無しさん (2014-12-01 21:08:32)
- ↑打ちミス、どう考えてもイルギシンと同じネタキャラホラーじゃないの!? -- 名無しさん (2014-12-01 21:09:20)
- そろそろホラーゲームをモチーフにしたホラーが出て来ても -- 名無しさん (2014-12-25 22:19:41)
- ↑打ちミス そろそろホラーゲームをモチーフにしたホラーが出て来てもいいと思うの。 ホラー映画のイルギシンみたいに・・・ -- 名無しさん (2014-12-25 22:20:49)
- ↑ヒバゴンとか? -- 名無しさん (2015-05-25 13:39:43)
- 話の演出があんなだから軽そうだけど、カリカジュアンの誕生の経緯は結構悲しいな…。デリィータスも誰にどのように憑依したのか考えると結構切ない。イチロウ自身か、はたまたイチロウが住んでいた家か…。 -- 名無しさん (2015-05-26 14:49:20)
- 白タイツw黒くて男だったら江頭になりそうw -- 名無しさん (2015-06-12 21:17:38)
- 「闇を照らす者」、「炎の刻印」、「GOLDSTORM翔」のホラーもどなたかお願いしますね。 -- 名無しさん (2015-08-08 10:49:17)
- 第3話に出てくる芸術家の人、金田一 一のライバルの犯罪芸術家の高遠 遙一に似てるが、高遠が求める芸術は完全犯罪で怨みを抱える人間に自分のシナリオを実行させる! -- 名無しさん (2015-10-24 10:58:42)
- 霊獣、ほのぼのしていて今でも好きな回。あの翻訳家の女性もなかなかかわいかったし。 -- 名無しさん (2016-03-19 17:20:32)
- 何かディリータスの所だけリンクがうまく機能してないね -- 名無しさん (2016-03-19 17:44:21)
- ディリータスってどう見ても不自然な所に罠なんかしかけて何故獲物がかかるんだ? なんか相手に幻覚でも見せているのか? -- アグバー (2017-01-06 02:05:49)
- ラテルとゴギートはジンガのプロトタイプと言えるな -- 名無しさん (2020-04-26 04:46:18)
- ラテルは倒すのに二話くらいかけて欲しかった -- 名無しさん (2020-11-09 04:41:51)
- リザリーの中の人の兄も特撮に出てたけど、あちらは逆に虫モチーフのヒーローを演じてたな -- 名無しさん (2023-05-07 13:06:03)
- リザリーはゼノモーフのビッグチャップもイメージしていると思う。最後の裸の女はミキモトが食おうとしていた被害者だったのか、ミキモト自身の願望が生み出したリザリーの分身だったのか不明。あと裸の女もミキモトに寄生するリザリーのもうひとつの姿=成長過程と見て間違いない。 -- 名無しさん (2023-11-25 11:09:26)
- ディリータスが出現した陰我はおそらく家族を持ちたかったというものだと思う。イチロウ一家も実は他人同士でディリータスが食ってきた被害者にすぎないと思う。あのままにしていたら今度は新しく食った被害者の姿を悪用して下劣なおままごとを演じただろう。 -- 名無しさん (2023-12-01 18:13:05)
- クロウがミキモトに「ホラー(リザリー)はお前だ」と言っていたあたり、雷牙達はマユリの能力で被害者をホラーとして飼育していると思い込んでいるミキモトの姿も把握していたと思われる。カマキリのように「俺を食ってくれ!」という願望を持ち、幻覚?のマッパ女をクロウに斬られた際は「殺してくれ!」と懇願してきたミキモトだが、自分も他者の命も軽んじる性根はマユリに初めて嫌悪の感情を抱かせ、残留思念を見せたのは「貴様が奪ってきた命を醜く薄汚い妄想でごまかしたまま死ぬな!」というマユリの怒りだと思う。 -- 名無しさん (2023-12-01 18:39:31)
- ゴキブリという害虫に似た姿を持ち、ミキモトの姿の時は獣のように女達を襲い続けてきたリザリーだが、リザリーにとって「虫けら」「獣」という言葉をフィクションで安易に多用する人間こそ、その言葉を使うに値しないくだらない命なのだろう。ホラーとしての姿は虫や獣を含めたすべての命に対する侮辱の姿とも言える。 -- 名無しさん (2023-12-09 12:12:50)
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*2 と言っても牙狼を見ている時点である程度の耐性はあるだろうが…
*3 原作でも真っ向勝負でボコられるシーンがある
*4 マコ、ジロウ、マミ、サブロウ、シロウ、マリ、赤ん坊
*5 真っ白なケント紙に枠の目安になる小穴を空けるために使う錐のような道具
*6 作画ミスなのか右手の指が6本ある
*7 つまりサキ本体は無実な上、生身の人間のままである
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