登録日:2014/01/10 (金) 00:00:49
更新日:2023/12/08 Fri 13:49:37NEW!
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ニーベルンゲンの歌 お姫様 王妃 復讐者 バルムンク fateサーヴァントネタ元項目 ドイツ叙事詩 クリームヒルト
クリームヒルトとは、ニーベルンゲンの歌のヒロイン兼主人公のことである。
え?主人公ってジークフリートじゃないかって?
実の所ジークフリートは中盤で死ぬし、そもそもニーベルンゲンの歌はクリームヒルトについて語るところから物語が開始する。
そして冒頭で彼女が夫の仇討ちのために多くの人間を巻き込んだ争いを展開することを示した後にジークフリートの話が始まるので
ぶっちゃけ物語を通しての主役はクリームヒルトだったりする。要するにジークフリートの話は、ジークフリートを活躍させ彼がクリームヒルトの愛を得るためにいかに努力したかを語ることで、クリームヒルトの悲しみと復讐心を納得のいくものにするものなのだ。
前半はヒロイン的な役回りだが、後半はジークフリートの仇を討つためにフン族の地に王エッツェルと再婚しに行き、ジークフリートを殺したハーゲン達を呼び寄せると彼らに戦いをしかけた。
最後は捕えられた無抵抗のハーゲンを斬り殺したために、この仕打ちにキレたヒルデブラントに斬り殺されて生涯を終えた。
ライン河の流域近くに住むブルグント族の姫として生まれ、兄グンターとゲールノート、そして弟ギーゼルヘアや数多くの勇士たちに守られ、母ウーテと共に花よ蝶よと華やかな暮らしをしていた。
母ウーテの夢占いで夫となる人物が聞かされ、当初は「結婚なんてしないでお母さんとずっと一緒にいるわ」と言っていたのだが、ジークフリートと出会うとアッサリ恋に落ちた。まあ運命だからしかたない。
ジークフリートもジークフリートでクリームヒルトを愛していたが、ヘタレ極まりなかったためになかなか2人は結ばれず、1年以上たった後にグンターとブリュンヒルトとの結婚を手伝う事を条件にようやく2人は結ばれた。
とにかくジークフリートラブであり、後にブリュンヒルトと揉めたのも「私の夫って世界で一番素敵でしょう?(意訳)」と惚気だしたのに対して「お前の夫とかグンターの家臣だろ」と(クリームヒルトからすれば)根拠のない言いがかりを付けられたのに対して激怒したのが原因である。
まあ、それに対して公衆の面前で「ブリュンヒルトはジークフリートの妾」と嘘を言って恥をかかせたのだから大概だが。
彼の死後10年以上にわたって喪服で過ごしており、フン族の地に嫁いだのもジークフリートの殺害に対する復讐を果たす力を欲したからで、ハーゲンにニーベルンゲンの財宝を渡すように執拗に迫ったのも財宝がジークフリートが結婚祝いにくれた贈り物だからである(もしジークフリートが生き返るなら財宝は欲しなかったとも語られている)。
お嬢様育ち故か煽り耐性が低く、ブリュンヒルトとの一件といい後のフン族の地でのハーゲンとの言い争いといい、煽られるとすぐに顔を真っ赤にして倍返ししようとする悪癖を持っていると言える。
ジークフリートの死も、フン族の地で全面戦争になったのも、最後にヒルデブラントに斬り殺されたのもだいたいこの性格のせい。
海千山千の勇士ハーゲンとは相性が悪く、たびたび騙されたり煽られたりしている。
またブラコン(弟限定)かつマザコンでもあり、フン族の地に嫁いだ後にはギーゼルヘアとウーテと共に楽しく散歩する夢を見てたりもする。フン族の地で全面戦争になった時にも、ギーゼルヘアの嘆きの言葉でそれまでの殲滅姿勢を和らげ、ハーゲンの身柄を引き果たすことを引き換えに他のブルグント族は解放しようとしたほどである。まあ結局ギーゼルヘア含め、彼らが仲間を裏切ることを良しとしなかったので意味はなかったが。
……ちなみに次兄ゲールノートもクリームヒルトに優しいのだが、何故かクリームヒルトは彼についてあんま触れない。お兄ちゃんとは哀れなものである。
当初はいかにもな「お姫様」であったのだが、徐々に性格が悪くなっていき、しまいには作中で「鬼女」と罵られる始末である。
最初はハーゲン1人さえ殺すことができるのならといった感じだったが、フン族の地で散々に煽られた事やフン族が揃いも揃って腰抜けだったのもあって最終的にはエッツェルの弟をけしかけてブルグント族の従僕たちの宿舎を襲わせ、一方でハーゲンにエッツェルとの間に生まれた幼い息子を殺害させて両軍を全面戦争に持ち込むに至った。
写本によっては扱いが異なり、日本で気軽に読める写本B(岩波文庫など)では「ジークフリートに対する誠実な気持ちはともかく、正直やりすぎよね。」といった感じの評価なのだが、写本C(ちくま)では「とにかくハーゲンが悪い。クリームヒルトはこうするしかなかった。」といった感じの擁護する内容になっている。
またジークフリート絡みの伝説の例にもれず、古くから原型が存在するキャラであり、エッダを含め様々な伝説にも彼女の同系列キャラが存在する(エッダのグズルーンとか)。
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▷ コメント欄
- 弟と兄、どこで差が付いたのか。 -- 名無しさん (2014-01-10 17:33:19)
- ↑女兄弟ってのは下の者にはちょっとは当たりが優しいもんなんだよ… -- 名無しさん (2014-01-11 16:26:52)
- ニーベルンゲンの歌は西ローマの将軍アエティウスがフン族をけしかけてブルグント族を滅ぼした事件が元ネタ。アッティラとは同時代人で戦ってもいるが、何故か一番の汚れ役であるアエティウスは登場せず代役をクリームヒルトがやることに。 -- 名無しさん (2014-08-20 18:09:18)
- 良くも悪くも苛烈な性格ってだけで某ケルトのドグサレビッチとは雲泥の差よ -- 名無しさん (2019-11-08 17:45:24)
- ここまでさんざっぱら引っ掻き回して大暴れしてくれると逆にスカッとしてしまう -- 名無しさん (2020-01-05 01:48:39)
- 何も悪いことしてないしずっと姉の事を思って庇い続けたギーゼルヘル君が可哀想…可哀想じゃない? -- 名無しさん (2022-06-08 10:09:39)
- ↑ グラニア? -- 名無しさん (2022-06-08 10:13:25)
- ↑ ↑4の 良くも悪くも苛烈な性格ってだけで某ケルトのドグサレビッチとは雲泥の差よ に対してです -- 名無しさん (2022-06-08 10:13:51)
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