登録日:2010/01/10(日) 12:57:39
更新日:2023/08/08 Tue 17:12:52NEW!
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.hack .hackg.u. 付録 terminal disk
TITLE THE END OF “The World”
DATE 2016.8.31
REC JUN BANSYOYA
『.hack//G.U. Vol.1 再誕』に同梱されているディスクで、CC社で働いていた『番匠屋淳』という人物が残した報告書という設定。
前作「.hack」で起きた「The World」内のモルガナ事件と「.hack//G.U.」までに起きた出来事を記録したもので、中には全部で12個のファイルが収録されている。
内4ファイルは初期状態からオープンされているが、残り8つのファイルに関しては、「Vol.1」〰「Vol.3」のプレイの進行に合わせてプロテクトが解除され、閲覧できる仕組みになっている。
最後まで解除すれば、ゲーム本編のみならず、アニメ、コミックにつながる謎も明らかになる仕掛けになっている。
収録されている映像は、ターミナルディスク用に新たに製作されたものらしいが、ゲームプレイの映像が海外版を、ストーリー映像を日本語版で収録しているため、スケィスの杖など海外版で見た目が異なるものは見た目が統一されていない。(そのため他の八相と異なりスケィスの登場ムービーのみ日本語版のものが使用されている。)
「.hack//G.U. Last Recode」ではHD化に際して携帯端末からの再生という形でターミナルディスクを再生している設定となっている。
内容(以下ネタバレ注意)
- File1 第一次報告書―感染拡大―
- File2 第二次報告書―悪性変異―
- File3 第三次報告書―侵食汚染―
- File4 第四次報告書―絶対包囲―
Graceless Unison “「神」に見離された調和”
Geek's Utopia “ハッカーたちの楽園”
Guilty Universe “罪深い世界”
Genesis of Ultima “究極の創世記”
「モルガナ事件」について、腕輪の勇者の物語を語るファイル。ファイル名は前作のサブタイトルを使っており、この4つのファイルのみ最初から閲覧することができる。
前作を遊んでいないプレイヤー向けに前作で起きた出来事をダイジェスト形式でまとめたものになっており、既プレイヤー向けにG.U.発売までに追加された設定を盛り込んでいる。
あくまで番匠屋淳目線で描かれているため、サブキャラクター達に関する話は殆ど無く、ゲーム操作パートのムービーも少ない。
なお、前作では主人公の名前を自由に決められたが、本映像および後続の作品では一貫してデフォルトネームである「カイト」で統一されている。
- File5 第五次報告書―アウラ消失―
Guardian Ubiquitos “遍在を守護するもの”
究極AIとなったアウラによって管理されることで「The World」、ネットワーク全体は黄金期を迎えていた。
2010年のモルガナ事件解決から4年後を描いた「.hack//黄昏の腕輪伝説」で開催されたカイトとブラックローズのPCボディ入手キャンペーンも、アウラが腕輪の勇者のテストを目的に仕込んだものであった。
そんなThe Wolrdであったが、2015年から明らかな不調を見せ始めた。
この異変がThe Worldのみならずネットワーク全体に波及したこともあり、CC社上層部は2015年初頭にアウラがネットワークから姿を消したと判断。
番匠屋もこの出来事を「ネットワークが本来のスペックに戻った」と語る。
そこでCC社はアウラを復元する「RA計画」、それを実行するための組織「プロジェクトG.U.」を発足することとなる。
- File6 第六次報告書―サルベージ計画―
Gateway to Utopia “理想郷への門”
アウラを人為的に復元し、管理下に置くためプロジェクトG.U.が発足。RA計画が本格始動する。
番匠屋はCC社の代表としてプロジェクトG.U.の中心メンバーとなっていた。
RA計画とは、モルガナ事件においてカイトの腕輪によって破壊されデータの海に散逸した8つの「モルガナ因子」をサルベージし、それをバラバラの状態でPCデータに封入することでプレイヤーがコントロールできるようにする、つまり碑文使いPCを作り出す計画であった。
この時、番匠屋は早熟の天才である天城丈太郎と初めて出会い、彼に尊敬と嫉妬の入り乱れた感情を抱きつつプロジェクトを推進。
一番最初にサルベージされたモルガナ因子「第三相 メイガス」の碑文使いPCを作り出すも、誰も碑文使いPCを使うことができずにいた。
これを天城は「モルガナ因子はプレイヤーを選ぶ」と推測し、プロジェクト内に適格者を探し出すチームが設けられた。
次に発見された「第六相 マハ」の因子は猫PCのミアに再び癒着していたことが判明し、ミアのデータを破壊することで摘出に成功する。
(この出来事は「チャップチョップ事件」として「.hack//Link」で詳細が語られている。)
- File7 第七次報告書―半存在〰クビア―
Gathering of the Unwilling “不本意な収集物”
こうして8つのモルガナ因子を次々とサルベージしていき、同時に適格者候補も洗い出していった番匠屋と天城。
8体の碑文使いPCを完成させたが、その最終段階で番匠屋はあることに気づく。
「モルガナ八相の力、『本来、存在しないほどの力』の行使はネットワークに歪を生み出す。」
歪、すなわち「反存在」。モルガナ事件の際に黄昏の腕輪の反存在であるクビアが誕生した。
腕輪一つであれほどの存在が生まれたなら、モルガナ八相の力から生まれる反存在は計り知れない力を持つはず。
そう考えクビアが再び誕生することを恐れた番匠屋はプロジェクトの一時凍結を進言するが、天城に一蹴されてしまう。
プロジェクトはクビアの存在をハロルドシステムによるバグだと断定した天城によるRA計画の強行へと暴走していく。
(後に、モルガナ八相の力の反存在の誕生という番匠屋の懸念は、最悪の形で的中することになる。)
- File8 第八次報告書―天城丈太郎―
Genetics of the Unknown “それは未知数の遺伝学”
クビア誕生を回避するため、番匠屋は「第七相 タルヴォス」の碑文使いPCを抜き取り隠蔽するも、それを読んでいた天城は欠けた碑文使いPCのダミーデータを用意することで回避していた。
番匠屋の不在を狙って7人の適格者候補とダミーを用いた天城はRAプログラムの施行実験を行う。
この時を、天城の人生の絶頂の瞬間だっただろうと番匠屋は推測するが、施行実験したプログラムは何もかも不完全だった。
クラッシュしたプログラムはThe Worldのゲームデータの8割以上を破壊し、適格者候補もモルガナ因子の暴走に巻き込まれ全員が意識不明、天城もその余波で重度の精神障害を負う結果になってしまった。
- File9 第九次報告書―『碑文使いPC』の散逸―
Genocide of the Unfaithful “不誠実の集団虐殺”
事を知り駆けつけた番匠屋は事態の収拾を図った。
かろうじて「第三相 メイガス」の碑文使いPCを回収することに成功するも、隠蔽された1体を除く残り6体は全てデータの海に散逸。
さらに錯乱した天城によってCC社ビルの3分の1を焼失させる火災が引き起こされてしまう。
番匠屋はこの失敗について、「天城はThe Worldに真心がなかった」「ハロルド・ヒューイックの亡霊に取り憑かれていたのは天城かもしれない」と推測。
プロジェクトG.U.の研究データが消失したこともあり、番匠屋は責任を負う形でCC社を辞職することとなる。
- File10 第十次報告書―『The World』最後の日―
Generation of Unity “美しき統一の世代”
ほどなくしてThe Worldはサービス停止が決定したが、CC社にとってこの出来事は極秘開発されていた「The World R:2」に移行する良い機会であった。
同時に、かろうじてデータの残った箇所が限定公開される形でThe World最後の日が訪れる。
個人用のPCでログインした番匠屋は、マク・アヌの路地裏で物思いにつぶやく。
「『アウラ』は……」
番匠屋はこれまでの出来事を思い出していると、いつの間にか幼い少女が囁きかける。
「『アウラ』は……世界に同化したの」
少しばかり問答をするが、幻のように少女は消えてしまった。
彼女の言葉を理解しようとする過程で、番匠屋は彼女がイリーガルな姿をしていることから放浪AIであり、同時にアウラに似ていると考える。
そしてThe Worldの終わりを「この心地よい混沌こそが最もThe Worldらしい」と評価すると同時に、今は全てが遅いと嘆くのであった。
- File11 第十一次報告書―オーヴァン〰『再誕』コルベニク―
Guide to an Uprising “動乱への導き手”
The World R:2は2015年12月24日に公開された。
突貫工事故に公開当初からバグが発見され続け、頻繁なメンテナンスでゲームとして熟成されていった。
CC社の外部からモルガナ因子の存在を監視することになった番匠屋は、「第三相 メイガス」の碑文使いPCはセキュリティ管理部で厳重保管されているとし、手元にある「第七相 タルヴォス」の碑文使いPCにCC社が目をつけることを危惧。
残り6つの碑文は、R:2にログインしたプレイヤーが偶然にもモルガナ因子を引き寄せない限り、見つけることはないと判断。
クビア発生を回避するという番匠屋の目的は結果的に達成されることになった。
しかし、「第八相 コルベニク」の碑文使いPCであるオーヴァンが行動を開始したことに気づく。
オーヴァンがリーダーを務めるギルド名「黄昏の旅団」から、オーヴァンがハロルドや黄昏の碑文のことを、ひいてはアウラの存在を知っているのではないかと考え、これを最悪の事態だと判断。
「誰でもいい、あの男を止めてくれ」「全てはオーヴァンが握っている」と警鐘を鳴らす。
- File12 第十二次報告書―妹へ―
Gate of Uroboros “無限の扉”
最後に解放されるこのファイルは、番匠屋の妹に対するメッセージとなっている。
そのメッセージは妹が「第七相 タルヴォス」の碑文使いPCの適格者であること、そしてこの碑文使いPCを使ってThe Worldにアクセスして欲しい、というもの。
ファイル内の映像でも、この妹が何者なのかが明確にわかる描写がされており、最後までゲームを遊んでくれたプレイヤーに向けた特典のようなものである。
なお、このファイルが見られた時には番匠屋は既に消息不明になっていたとされている。
- 余談
「.hack//Link」には、番匠屋淳およびこのファイルそのものが密接に関わってくる。
特に天城丈太郎は、Linkの物語の核心にいるため、このファイル自体が.hack//シリーズの根底にあると言っても過言ではない。
また、「.hack//Versus」に収録されている「タナトスレポート」では13番目のファイルが存在することが示唆されている。
追記・編集等お願いしますm(__)m
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