ザクレロ(MA)

ページ名:ザクレロ_MA_

登録日:2012/05/27 Sun 15:25:28
更新日:2026/10/12 Mon 18:50:38NEW!
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▽タグ一覧
ガンダム 機動戦士ガンダム gジェネ msv-r ma 試作機 ジオン アクシズ 出オチ 一年戦争 ザクレロ ビグロ ms_era ガンダム+ゲルググ ザクとレロ←レロってなんだレロって ジオン軍のびっくりどっきりメカ うっかりざくれろ 怪獣メカ




「デミトリーは以前から、モビルアーマー・ザクレロの、テストパイロットをやっておりましたので……」



ザクレロとは、TV版『機動戦士ガンダム』に登場するモビルアーマー。
型番は「MA-04X」。



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【概要】

ビグロやグラブロに先駆けて開発されたMAであり、いわば試作機である。
だが度重なる設計変更や会社の不手際のせいで完成は予定より大幅に遅れた。


基本戦法としては口の拡散メガ粒子砲で周囲の敵を掃討しつつ、超加速ですれ違いざまにナタで敵をぶった斬るという辻斬りなコンセプト。
だが推進力はあったが肝心のスピードが期待値に達しなかったため、宇宙空間のテストをされるまでもなく量産計画は中止。
試作機も廃棄処分待ちという悲劇を味わうことになった。


その後は武器のテストが行われた後にザンジバルに積まれてジオン本国に送られることになったが、その途中の無断出撃でぶっ壊された。
一説には大気圏外のテストを行う予定だったが搭載後に処分が決まったとも言われている。…酷い話である。



【武装】

両腕の先に装備している鎌状の刃。
ヒートホークの技術が活かされており、これでラリアットの如く敵を斬っていくのが当初のコンセプトだった。


  • 拡散メガ粒子砲

大口から放つビーム砲。射程は短いがパワーコンデンサーにより連射が可能。
なぜ「拡散」なのかというと、この時はまだ「収束」の技術が確立していなかったため。
またこのコンデンサーを使った連射の技術はスキウレにも活かされたという。


機体側部に2基搭載。


  • 顔

ある意味最大の武器。
機体前面が丸ごと「つり目+大口(牙付き)」という違う作品のメカ怪獣か何かの様な顔面になっており、そのコミカルともとれる様な強烈な面構えは、一度見たら忘れられない凄まじいインパクトを持つ。
ちなみに目の大きさは伊達ではなく全方向の視界が確認できるらしい。何気に凄い。
敵に恐怖を与えるためにこんな顔にした、というのが有力な説だが詳しくは不明。
『機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート』に収録されている短編「バカがボオルでやってくる!」に登場したデミトリーの友人ディックはBガンダムとの交戦の結果、今際の際にその有用性を認めている。




【劇中での活躍】

第32話でデミトリーがトクワン(ビグロのパイロット)の敵討ちのため無断出撃。
ガンタンクに殴られつつも胴体の中央付近にナタを喰らわせ、ガンダムMAモードのヒジを破壊するなど奮戦したが、結局動きを見切られビームサーベルを喰らい撃破された。


アムロ・レイには「簡単に動きが読めた」、つまりビグロよりノロかったと断言され、
シャア・アズナブルにはトクワンから説明をうけていたにもかかわらず覚えていなかったり、挙句撃破されても惜しむ素振りすら見せなかったなどとことん酷い扱いだった。
ザクレロが何をした。


しかし、ザクレロの攻撃のせいでガンダムは修理をしなければならなくなり、ドレン率いるキャメル艦隊との戦いにガンダムは出撃が遅れることとなった。
このせいでホワイトベースは結構な被害を受け、このままではシャアのザンジバルには勝ち目が薄いので、サイド6に進路をとった。
ザクレロがいなかったためガンダムが最初から出撃した劇場版では、キャメル艦隊は3分もかからずに撃破されたあたり、ザクレロが間接的に与えた被害はなかなかすごい…のかもしれない。


どちらかというと驚くべきはガンダムのビームライフルがザクレロの目に何発も直撃したのにまったく無効だったことである。
これまでのジオンの機体でガンダムのビームを喰らって「耐えた」とか軽傷で済んだとかではなく
キィンというSEとともにそのまま反射させて無傷だったという例は存在しない。仮に同等のビーム同士がぶつかっても爆発くらいするはずである。
このためアムロもまさか無効だったとは思わず「外れたのか?」と複数回射撃して全部当てたがザクレロの勢いを止めることすらできていない。ガンタンクの砲身パンチの方がまだ効いてた
結局ビームサーベルに持ち替えて直接刺し殺したが、いわゆるIフィールドバリアはビグ・ザムが最初に搭載しており
対ビームコーティングも塗装もこの時代に満足なものは実用化していない。
この異常な対ビーム性能の謎は解けないままだが、これをもっと他の機体に回していればジオンは善戦できたのではなかろうか。



【関連機体】

  • ザクレロ改

『MS ERA-ガンダム戦場写真集』に登場。
目や牙は飾りになっておりモノアイカメラになっている。またナタも斧に変更された。
元々は「0080版ザクレロ」としてのデザインだった。


  • ガザレロ

『Gジェネ』の携帯機シリーズに登場。
元フラナガンの技術者が造ったNT専用機であり、メガ粒子砲やトランスポータービットなどかなり強力になった。
というか、もはやザクレロの面影が全くない。
だが結局キュベレイに負けたので製作されず。
造っておいたほうがよかったと思うが…。


  • ブラレロ

『MSV-R』に登場。型番は「MAN-00X-2」。
ブラウ・ブロの量産型として開発された機体。
サイコミュ機には加速性が重視されなかったのと、パワーコンデンサーが良かったのでザクレロが選ばれた。
完成した機体はNTの練習機として使われたほか、複座式だったので普通のパイロットが何人か乗ってア・バオア・クーに参戦したといわれる。


武器はザクレロ本来の装備に有線ビーム砲が追加。さらにナタは腕が伸びるように改造された。


スマホアプリ『U.C.ENGAGE』では主人公ペッシェが保護者代わりのアシュレイと搭乗。…つまり主人公機となったのである
当初はペッシェがNT能力に目覚めていないため活躍しなかったが、中破したことによってアシュレイが死に、それがきっかけで能力に目覚める。
目覚めた後はジム9機と戦艦2隻とボール数機を撃破した。



【他作品での活躍】

  • 『ガンダム・ザ・ライド』

富士急ハイランドにあったアトラクションでは、あのヘンケン艦長の艦であったフジ級輸送艦「スルガ」を撃沈するという手柄を挙げている。


デンドロのオーキスのような扱いで登場。口の中にザクがいるので余計インパクトが高い。


近藤和久によるTV版『機動戦士ガンダム』のフルコミカライズ作品。
劇場版ではなくTV版をベースにした漫画なので、トクワンとビグロも登場し、ホワイトベース隊と戦い、敗れている。
……が、それに続くザクレロとデミトリーのエピソードは完全カットされてしまった。
いちおうシャアがザンジバルに乗り込んだシーンでザクレロらしき機体が確認されるものの、それは組み立て中か解体中とおぼしき姿であった……


本体が登場する前にザクレロ顔の爆撃機が登場。
そしてTV版とは逆にビグロに勝ってこちらが制式採用され、本番のソロモン戦ではデミトリー機の他複数機が量産され参戦していた。
ビグロは乗りこなすのにG耐性が必要なのでパイロットが制限されすぎるからかもしれない。
ちなみにトクワンはというと、マッドアングラー隊に配属されグラブロに乗っていた。


短編カラー漫画「ザクレロでゆく!」に登場。
新型MAとしてキシリア様からザクレロを紹介されたシャア。
感想を求められたシャアはその独創的なデザインに困惑した末、開き直ったかのように「とりあえずデザインした奴の、顔を拝みたいものですな」と高らかに笑う。
対するキシリア様は「…そうか、よかろう」とその場でおもむろにマスクを脱ぎ始め……「真っ赤に塗って角をつけておけ!」と、整備兵に指示。
かくして、作者自ら製作した「シャア専用ザクレロ」がカラーページで堂々とお披露目されるのであった。
この他、Gファイターともども劇場版で存在が消えたことをネタにされている。実はGファイターは劇場版で2カットのみ登場している。本編映像からの消し忘れだが。


サイド6のバーのママ役として登場。なおバーには店員として何故かオネェ言葉を使うガンキャノンも働いている。
「ロクのザクレロ」の異名でサイド6では名の通った女傑であり、相手が誰であろうと嘗めて掛かってくる者に対しては真っ向から啖呵を切り通す豪胆さを持つ一方、深い包容力とそれに隠れた脆さを持つ女性として描かれている。


日頃のストレスが爆発した結果、酒乱騒ぎを起こして脱走したザクさんが店の前で倒れていた所を何も言わず連れ帰って介抱し、ザクさんもその恩義の為に暫くはガンキャノンと共に店で働く日々を送る内に親密な仲となり始めるが、ある日居所を嗅ぎ付けたゲルググが店に訪れる。
たまたまザクさんは店に立っておらず、またゲルググの態度に腹を立てたザクレロも啖呵を切って追い返すが、結局店の裏の掃除をしていたザクさんの所にゲルググが直接現れる。
「除隊して軍法会議かな」と冷や汗交じりにザクさんは問うが、ゲルググからの返答はソロモン司令官ビグザムからのすぐに隊に復帰せよという命令、そして己がどれだけ周りに頼りにされているのかを自覚した方が良いという言葉であった。


その晩、ザクレロはザクさんに対して出来ればずっと店に居てほしいという思いを遠回しに伝えるも、ザクさんの気持ちは揺れ動く。
ガンキャノンからも「ママを泣かせるような事があれば許さない」と、中途半端な気持ちでいることを戒める言葉を掛けられるがその後、ソロモンヘ連邦軍が侵攻作戦を進めているのをニュースで見たザクさんは居ても立ってもいられなくなり戻る事を決意。


それを聞いたザクレロはいつもの豪胆さを見せて気丈にザクさんを送り出すが彼の居なくなった店のステージで、ガンキャノンの弾くピアノでかのガンダムシリーズを代表する名曲の一つ「哀、戦士」を歌いながら、静かに涙を流して想いにケジメを付けるのであった。


  • SDシリーズ

SD化するとかなり愛嬌のあるデザインなのが気に入られたのか、SD界隈ではいわゆるマスコットキャラクターとしてちょくちょく登場する。
映画『SD戦国伝 暴終空(あばおわくう)城の章』では鯱誇雑呉朗(シャチホコザクレロ)という鯱誇として登場し、333年に一度出現する暴終空城の天守閣に自軍の鯱誇を捧げれば天下を取れるとされていた事から、頑駄無軍団の鯱誇頑駄無(シャチホコガンダム)と鯱誇の取り付け合い、奪い合いが繰り広げられた。
『SDガンダム外伝』ではなんと迫害されたザクレロキャットが人間への憎しみで闇の皇帝ジークジオンに憑依されて肉体を与えていたという設定で登場。そのジークジオン自身もザクレロモチーフ*1であり、つまりれっきとしたラスボスとして出演した。
他にも『SDガンダム英雄伝』ではザードの地帝星の乗機である地帝機獣ザクレロとして登場したり、『超戦士ガンダム野郎』で千生将軍のモチーフの一部となったり、ザクレロへの優遇は止まらない。



【ゲームでの活躍】

初代から登場。
宇宙用なことと防御力に不安があるが、武装の優秀さから意外と使いやすい機体でありジオンのMAに開発できるので生産して損はない。
ちなみに何故かガンダムとゲルググの設計で生産可能になるので「何故!?」と思った人は多数(『ギレンの野望』のアンソロでもネタにされていた)。
あまりに突飛すぎて、Gジェネのアンソロジーではガンダムとゲルググの外見を足して二で割った謎のMSがザクレロを名乗って現れる始末。
「私?ザクレロですよ、ザクレロ」
他にもわかりやすい設計として「ザクとレロでザクレロ!」「いやザクレロはガンダムとゲルググで…」「レロってなんだレロって!!」なんてネタも
…だがWORLDでは不可になってしまい、憤慨した人も多かった。
『魂』からは『ガンダムFACT FILE』に掲載されたデザインで登場し、「俺の知ってるザクレロと違う」と感じたプレイヤーは数知れず。


『ZERO』の警告メッセージではマシュマー・セロが搭乗。
しかも彼曰く、ヤクト・ドーガやゴトラタン以上の改造を重ねたらしい。
だが∀ガンダムを駆るロラン・セアックにやられてしまった。


トライアルミッション専用MAとして登場。
ゲロビや強誘導のミサイルも厄介だが、何より格闘が凶悪。
格闘の伸びと突進速度が異常なので、距離を取って射撃戦をしようにも、一瞬で距離を詰められてしまう。
また、MAにしては機動力が高くサイズも意外と小さいため、射撃が刺さりにくい。
……と、本編でのダメっぷりが嘘のような活躍を見せる。
しかし火力や耐久自体はそこまで無いため慣れるとそこまで苦戦しなくなる。


ちなみにミッションによっては味方になることがあり、放っておいてもジムやガンダムを塵芥のように蹴散らしてくれる。


EXVSFB以降にも続投。
EXVS家庭版準拠の攻撃能力に「至近距離でプレイヤーが射撃したらシールド効果持ち攻撃を合わせる」という凶悪ルーチン、
ガードされても怯まないナタラリアットのせいで「シールドしたらまとわりつかれて刻まれる」。
とりあえず長距離からゲロビか単発高威力射撃で仕留めるのが吉。


射撃が貧弱な代わりに、ある程度距離を取っていないと発動=確殺を意味する強力無比なSPA 必 殺 鎌 乱 舞 を持つ。
ザクレロワロスwと笑ったプレイヤーを片っ端から微塵切りにし、サイコガンダムとは違ったトラウマを植え付けた。


…ちなみに…


「バトルユニバース以前はSPアタックはシールド無視!!」


つまり回避しか手がないのである。G-3ガンダムやこいつがトラウマメーカーになるわけだ……


『第2次』『第3次』とそのリメイク『コンプリートボックス』、『A』とそのリメイク『APortable』に登場。
『第2次』では敵ユニットなのに修理装置持ちという変な機体であった。が、所詮雑魚。リメイクの『第2次G』には登場しない。
『第3次』ではデミトリーが乗るも登場時期の割に非常に性能が低く、射程も1しかないので苦戦はしないだろう。


『A』ではなんとルー・ルカがこれに乗って参戦する。しかも敵として出てこない味方オンリーの機体である。
ジュピトリスIIに搭載されていたようだがいったいなぜこんな骨董品を積んでいたのだろうか…。
と思いきや、なぜかνガンダムにも匹敵する高性能機で、しかも15段階まで改造可能(『A』は機体によって改造上限が異なり、強力な機体は7段階程度までしか改造できない)で武器改造費が安価なので、資金を注ぎ込めば純粋な機体性能では最強クラスの一角となりうる。
そのうえパーツスロットも多いため、V-UPユニットの恩恵まで受けられる。
欠点はLサイズなので運動性が高い割にやや回避率が劣ること(とはいっても全体で見て回避率は高い方だが)。
また、武装は扱いやすいものがそろっているものの、MAP兵器も必殺技もファンネルもないので独自の魅力にかける。UC系のパイロットは射撃が高いキャラが多いのに最強武器が格闘なのも残念(ノリス等格闘が高いパイロットがいないわけではないが)。
そしてなによりの欠点は参戦が非常に遅く、ルート次第では残りたった4話しか使えないこと。
というのも、ジュドー・アーシタとルーがハマーン・カーンを倒していないのに原作終了後で木星に行っていてなかなか戻ってこなかったのである。
これ以外にも『A』のUC関係は結構カオスなので必見。



【立体化】

ガンプラでは1/250に1/550のオマケが付属するキットが発売された。
劇中の設定通りに腕とナタが可動する他に、同じ話に登場したガンダムMAが付属する。


ガンダムのアクションフィギュアシリーズの『MS in Action』でも販売されていた。
電池を使って背中の赤くて丸いコブを押すと劇中同様のメガ粒子砲の発射音を再生すると同時に口の中が光るギミックがある。
何故かジョニー・ライデンのゲルググとセットになっている。


それ以外にも『SDガンダム戦国伝』シリーズでは風車の百式とうっかりザクレロのセットとして販売もされている。


2019年12月には「ハロプラ ザクレロハロ」が発売。
こちらはザクレロに模したハロとなっている。



【余談】

なんでこんな強烈なデザインなのかというと、当時メインスポンサーのクローバー社のみならず、制作局の名古屋テレビや広告代理店の創通エージェンシーといった「番組の上層部」から「もっと子供に分かりやすい、怪獣のような敵(巨大ロボット)を出して数字(視聴率)を上げろ」という理不尽な突き上げを受けていた富野監督が、その反発(意趣返し)として「立体化(商品化)できるものならしてみろ」というヤケクソな気持ちでデザイン原案を提出したという逸話が有名である。


彼ら番組上層部や地方テレビ局にとって最重要課題は、前半の視聴率低迷の打破であった。そのため、当時のロボットアニメの王道である「一目で強そうだと分かる巨大な怪獣ロボット」を毎週出すよう制作現場に要求していたのである。


ここには、当時の創通やクローバー社が内包していたキャラクター版権ビジネスの限界があった。1979年当時の玩具業界において、ビジネスの中心はあくまで「主役ロボット(味方メカ)」単体の販売であり、「敵側のメカ(ミリタリー要素の強いザクやドムなど)はオモチャにしても絶対に売れない」というのが絶対的な常識であった。実際、のちに大人気となる「シャア専用ザク」ですら、当時のクローバー社からは一切オモチャ化(商品化)されていない。つまり、上層部は「ザクレロを玩具として発売したい」から要求したのではなく、単に「テレビ画面の中で、主役であるガンダムを引き立てるための分かりやすい引き立て役(怪獣)が欲しい」という、前時代的な『マジンガーZ』スタイルの視聴率対策を求めていたに過ぎなかったのである。


よくネット上では「放送当時は(ザクなどの敵メカを含めて)商品化が想定されていなかったため、この説は後世の創作ではないか」という疑問が持たれることがある。しかし、これは放送終了から半年後(1980年7月)に始まったバンダイの「ガンプラ(プラモデル)」の発売時期と混同された誤解である。


実際には、放送当時メインスポンサーだった玩具メーカーのクローバー社から「ガンダム」やテコ入れ用の「Gアーマー」などのダイカスト(合金)玩具がすでに多数商品化されており、番組はそれらの売上(商業都合)に完全に支配されていた。富野監督の「モデル化してみろ」という発言は、バンダイのプラモデルではなく、当時の主流だった「クローバー社の金属玩具の金型技術では絶対に商品化(ギミック再現)できないような、異形かつ歪な怪獣を出してやる」という意味であり、時系列や当時の状況とも完全に合致する事実である。


また、この大人の事情による「強引なノルマ消化」の歪みは、デザインのみならず、ザクレロの劇中における描かれ方そのものにも強烈な異様さとして現れている。
まず挙げられるのが、その極端な出番の短さである。劇中、ガンタンクに乗るハヤトがザクレロを視認してから、アムロのガンダムに撃墜されるまでの所要時間はたったの2分30秒に過ぎない。さらに異常だったのがその戦闘の絵面である。本来は重力下用の陸戦兵器であり、宇宙空間にはおよそ不釣り合いな「無限軌道(キャタピラ)を持つガンタンク」が宇宙へと出撃し、この異形な「ザクレロ」と1対1で殴り合うという、宇宙世紀のリアルな世界観を根底から揺るがすような不条理極まりない『ゲテモノ対決』が演じられた。
さらに、劇中で撃破された際の上官シャア・アズナブルの対応も冷酷そのものであった。直前の第31話で部下のトクワン大尉からわざわざ「試作段階で放棄されたMA(ザクレロ)」として存在を説明されていたにもかかわらず、シャアは出撃報告を聞いても「ザクレロ? 気がつかなかったな」と名前すら覚えておらず、撃破された後も惜しむ素振りすら見せなかった。デザイン、出番、対戦相手、そして作中の扱い、そのすべてが他のジオン軍兵器とは一線を画す異例尽くしの「出落ちメカ」だったのである。


また、第32話「強行突破作戦」の脚本・SF考証を担当した松崎健一氏は、本来「ガンダムは修理中でお休み」という緻密なSFドラマを執筆していた。松崎氏が描こうとしていた本来のプロットは、前戦でのダメージによって「ガンダムは完全に修理中」とし、アムロとセイラを強制的に休養させる展開であった。主役機が不在という絶望的な状況下で、ホワイトベース隊はハヤトのガンキャノンのみを警戒に出し、シャアの要請に応えて急襲してきたドレン大尉率いるジオン軍「キャメル・パトロール艦隊」のムサイ級軽巡洋艦3隻と対峙する。一進一退の息詰まる「純粋な艦隊戦」と、かつてシャアの副官だったドレンとの因縁のドラマをハードな軍事・SF考証をベースに魅せる――それが当初の緻密なシナリオだった。
にもかかわらず、絵コンテ段階で富野監督からこのザクレロの戦闘シーン、および玩具都合の変則形態(ガンダムMAモード / 別名ガンダム・スカイ)を無理やりねじ込まれた。
ここで言う「玩具都合」とは、当時のメインスポンサーであったクローバー社からの『年末商戦の目玉である新商品(Gパーツ / Gファイター)を毎話画面に出して宣伝しろ』という絶対的な販促ノルマを指している。
しかし極めて皮肉なことに、当時の決定版玩具『ガンダムDX合体セット』の取扱説明書(ガンダム合体計画書)には、このガンダムMAモードの遊び方は一切記載されておらず、実際の玩具の物理的な構造上も、この形態を完全再現することは不可能な仕様になっていた。
当時のクローバー製玩具でガンダムとGパーツの後ろ半分(Bパーツ)を結合させるには、ガンダムの下半身(脚部)を折りたたんで丸ごとパーツ内に差し込む構造しかなく、アニメのように「下半身を取り外して上半身とコア・ブロックだけでダイレクトにロックする」ためのジョイントが玩具側に存在しなかったからである。組み立てようとするとガンダムが固定されず、裏表が逆になるかポロポロと崩壊してしまう設計だった。
つまり、ガンダムMAモードは玩具のギミックをそのまま動かしたものではない。現場に課せられた「玩具(Gパーツ)の宣伝をしなければならない商業都合」と、松崎氏が書いた「ガンダムの下半身が修理中で出撃できないというドラマ都合」の二大矛盾を同時にクリアするため、富野監督らが映像表現のハッタリ(アニメの嘘)としてその場で捏造した、まさに大人の事情の産物であった。
松崎氏はこのスポンサー優先の商業主義と、自身の緻密な脚本をオモチャの販促のために歪められたことに激怒し、のちに公式設定資料集『機動戦士ガンダム 記録全集』などの座談会において、世界観を壊す玩具主導のギミックやメカ展開を指して「無条件にどうしようもないオモチャ」とまで発言して酷評している。






追記・修正は威圧感のあるデザインでお願いします。



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  • 『機械獣ザクレロM4』とか呼ばれても何も違和感がない -- 名無しさん (2014-03-09 15:03:09)
  • ほんまやな -- 名無しさん (2014-03-09 15:29:28)
  • 武者ガンダムシリーズではシャチホコとして、騎士ガンダムシリーズでは人間への憎しみで皇帝ジークジオンと化した猫として登場した -- 名無しさん (2014-04-27 20:30:53)
  • サンダーボルトでもまさかの出演 -- 名無しさん (2014-05-06 00:57:30)
  • ↑編隊組んでたな。 -- 名無しさん (2014-05-06 11:14:53)
  • 形状的には鉈っていうより鎌に近いんだが名称はヒートナタである


    -- 名無しさん (2014-09-01 03:27:22)
  • このページにも書いてあるがガンバトでのトラウマ -- 名無しさん (2014-09-01 03:35:42)
  • そして結果、皆に愛されている。 -- 名無しさん (2015-03-26 21:47:12)
  • 千生将軍もザクレロ(頭)だな -- 名無しさん (2015-03-26 21:55:19)
  • 千壱将軍の本体も確かザクレロ -- 名無しさん (2015-03-26 22:09:27)
  • スパロボAのザクレロは改造上限が高いので、資金をつぎ込めば最強クラスのMSになる。攻略本では同時に参戦するZZよりもザクレロを改造することを推奨されていた。 -- 名無しさん (2015-04-26 10:25:39)
  • ↑ただし当時のスパロボ攻略本はフル改造前提で執筆してるから、すべてを鵜呑みにしない方がいい。改造資金が無いのならΖΖの方が強い -- 名無しさん (2015-06-15 18:26:16)
  • え?ジークジオンってザクレロしかも猫の化物だったんか・・・しらなかった -- 名無しさん (2016-09-09 13:55:26)
  • ↑2 ところが、実はAのザクレロは妙に性能が高く、主役級と比べても見劣りしない(ただしLサイズなので回避面では運動性が高い割に他のMSに劣るが)。また、燃費の良さも魅力。とはいえマップ兵器やファンネルはないのでプレイスタイルによって評価は変わってくるだろうが。何より最大の難点はΖΖともども参戦が遅すぎる。ルートによってはわずか4話しか使えない -- 名無しさん (2017-07-02 13:31:58)
  • ガンプラ甲子園という帯ひろ志先生の漫画があるが、ガンプラコンテストで主人公のタクミ君が『口が開く』というザクレロらしい改造を施して会場の観客の皆さんを口あんぐり→大爆笑させてたっけw -- 名無しマン (2017-07-21 13:54:57)
  • ↑ライバルが破壊されたザクの哀愁漂いまくるジオラマを作ったので、逆にガンプラの楽しさを活かすギミックで対抗したんだっけ? -- 名無しさん (2017-07-21 15:41:40)
  • そういえばガンダムビルドファイターズ23話の『ガンプラ・イブ』でチョマーが専用カラーに塗ったザクレロを動かしてて、その7年後が舞台のビルドファイターズトライ10話じゃHGUCで発売されてたなあ…どうしたんだチョマーよ、その出世ぶりは -- 名無しさん (2019-01-04 11:21:01)
  • クロスボーンガンダムDUSTではガブスレイをベースにして再現されたもんが出た -- 名無しさん (2019-04-11 23:07:30)
  • ザクレロはMAの中でも一番好きかなー -- 名無しさん (2019-11-27 22:29:04)
  • そんなものはーーーないっ! -- 名無しさん (2020-01-07 17:44:33)
  • 濃爆おたく先生というマンガで描かれた「ザクレロ狛犬説」というのが妙に印象に残っている -- 名無しさん (2020-02-28 05:17:17)
  • 『MS ERA-ガンダム戦場写真集』版だがリアルロボット戦線に出てた -- 名無しさん (2020-02-28 12:51:21)
  • SDガンダムからガンダムに入ったので本編のザクレロの出落ちっぷりには驚いた。 -- 名無しさん (2022-06-06 00:24:29)
  • スパロボAのザクレロって実はフル改造時の装甲がトップタイ(もう一機はミネルバX)だったんだね。攻略本パラ見しなおして驚いたわ。 -- 名無しさん (2022-08-17 23:28:43)
  • スパロボAPだと最高威力は他の機体に負けるものの、デンドロのメガビーム砲と同等のヒートナタを無消費で使えるなかなかの壊れ性能。おまけに有射程なのでガンファイトで伸ばすと5まで届く。欠点は遠距離武器のミサイルは弾が少なく拡散ビーム砲はEN総量に比して消費が多いこと。 -- 名無しさん (2023-04-17 14:21:33)
  • 現実の戦闘機でもシャークマウス描いたりするし、実は意外と普遍性のあるセンスなんだよね。 -- 名無しさん (2023-07-11 12:29:01)
  • ↑この項目でも触れられてるザクレロ改がまさにそういう解釈での再デザインだしな -- 名無しさん (2023-07-11 12:32:30)
  • ケロロの映画でPGザクレロ出てたけどすごいチョイスだったなwww -- 名無しさん (2024-02-16 16:34:37)
  • もしかしてだけど白兵戦MAとしては優秀なのか?(やたらとNT専用機の参考になる) -- 名無しさん (2024-09-10 12:11:35)
  • えらい!えらい! -- 名無しさん (2024-09-10 12:33:42)
  • ↑18 迫害されてたザクレロキャットが憎しみに付け込まれてジークジオンの依代になった感じだな。ちなみにその後はザクレロキャット自身は無事だったのでサンタガンダムに扮したスペドラを通じてジム・ヘンソンJr.にプレゼントとして贈られ、幸せな日々を過ごせるようになった -- 名無しさん (2025-03-28 17:36:34)
  • 大まかな機体構成はビグロに似てるよね。失敗作とは言え実は惜しい所まで行っていたのかも知れない -- 名無しさん (2025-08-29 16:20:13)
  • オリジンやサンボル、バリエーション機が出るあたり最近、コイツが優遇されてきてますね -- 名無しさん (2026-01-25 14:15:36)
  • トミノメモだと予定ではそもそも登場せず「前回の戦いでガンダムは修理中」という説明だけで済ませる予定だったらしいのでモデル化関連かどうかはともかく何らかの予定変更はあったようだ。 -- 名無しさん (2026-01-25 16:09:26)
  • なんでビグロの回想シーンじゃダメだったのかと考えたらガンダムMAモードを使いたかったからか、もしかして -- 名無しさん (2026-03-22 18:43:24)
  • ある意味ジオンらしいデザインかもしれない(公王庁を見ながら) -- 名無しさん (2026-03-22 19:22:06)

#comment

*1 ただしどこぞの怪獣王との合体モチーフであり、ぱっと見ではザクレロと気付かない。

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