呪いの仮面は冷たく笑う(名探偵コナン)

ページ名:呪いの仮面は冷たく笑う_名探偵コナン_

登録日:2015/05/13 Wed 00:36:23
更新日:2024/06/06 Thu 10:13:25NEW!
所要時間:約 12 分で読めます



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呪イノ仮面ハ血ニ飢エテイル。生贄ハダ~レダ?



『呪いの仮面は冷たく笑う』とは、かつて「名探偵コナン」において江戸川コナンが解決した事件のうちの一件。
原作漫画にはないアニメオリジナルエピソードであり、2000年3月13日にテレビアニメ第184話(1時間スペシャル)として放映され、2004年9月20日には『秋の本格ミステリースペシャル』として再放送された後、2018年3月31日にはデジタルリマスター版(R72話)として2度目の再放送され、コナンでは珍しく合計で3度放送されている。
脚本は越智浩仁氏が担当した*1



以下、ネタバレにご注意ください。



【あらすじ】
交通事故遺児救済のチャリティーショーに出演することになった小五郎は、コナン、蘭とともにその主催者である蘇芳紅子のパーティに招待された。彼女の邸宅へ向かう途中、道路の真ん中に倒れた木に「すおうべにこのチャリティーに協力するな後悔するゾ 呪いの仮面の使者」というメッセージが貼ってあった。


到着すると、同じくチャリティーへの招待を受けた各界の著名人が続々姿を見せた。
蘇芳の邸宅は、内部で東西に分断されており、泊まる部屋の側の玄関から入場するというしきたりになっていた。それを破れば呪いの仮面により災いがもたらされるという。そして東西に分断された館内は2階の「仮面の間」で唯一繋がっており、そこには蘇芳のコレクションである古今東西の仮面が陳列されていた。その中でも一際目を引いたのは、仮面の間の壁を埋め尽くす200枚の「ショブルーの仮面」であった。


蘇芳にショブルーの仮面について説明された小五郎は、「現実の人間の悪意の方が怖いかもしれません」と木に貼り付けてあったメッセージを見せるが、他の招待客も同じ趣旨のメッセージを受け取っていたという。小五郎は警察に届けるよう勧めたが、蘇芳は「チャリティーを始めてからよくある嫌がらせ」であるとして気に留めなかった。


一行は夕食のタンシチューやワインに舌鼓を打ち、その後はビリヤードなどに興じていたが、午前0時になると仮面が勝手に一人歩きすることがあるため、それを防ぐため仮面の間に通じる東西の扉に鍵をかけるしきたりとなっていた。従って東西の行き来が出来なくなるので、小五郎たちは部屋に戻ることにした。


夜中、コナンたちの部屋に呪いの仮面の使者から内線電話がかかってくる。小五郎たちは直ちに仮面の間へ向かったが、何とショブルーの仮面が全てなくなっていた。すると蘇芳のいる上の階から物音がしたため、仮面の間の西側の扉を開けて3階の蘇芳の寝室へと向かった。すると、鍵のかかった寝室の中で喉をナイフで刺されて殺害された蘇芳が、返り血を浴びたショブルーの仮面に埋もれているという悲劇の彫刻家ショブルー・ゴンザレスのような状態で発見されたのであった…。


蘇芳の寝室は、西側から行くことができる唯一開閉できるドアにはつまみと南京錠の2つの鍵がかかっている上、東側から行くことができる隣の寝室につながるドアはかなり前に封鎖されており、その上の欄間からは腕一本通らない。更に部屋の窓ははめ殺しで侵入不可能であり、不眠症に悩み睡眠薬を服用していた蘇芳が自ら鍵を開けたとも考えにくい。仮面の呪いが起きてしまったかのような今回の事件、一体犯人はどうやって蘇芳を殺害したのだろうか…?



【ショブルーの仮面】
スペイン人彫刻家であるショブルー・ゴンザレスが作り上げた200枚の仮面。別称「呪いの仮面」
有り余る才能を持ちながらそれを妬んだ兄弟子によって全てを奪われた悲劇の彫刻家・ショブルーが、亡くなる直前に何かに取り憑かれたように作り上げた。
仮面を作り終えたショブルーは自ら命を絶ち、彼の遺体のそばには200枚の仮面が返り血を浴びて散乱し、まるで仮面が生き血を啜ったかのように見えたという。
その後仮面は様々な人の手に渡ったが、所有者はことごとく不幸な最期を遂げ、このことから仮面は所有者の生き血をすする呪いの仮面と恐れられるようになった。
蘇芳は呪いを霊媒師に封印してもらったから安心、と述べていたが…。



【館の構造・部屋割り】

  • 仮面の間

館の2階、中央に位置するエリアで、ショブルーの仮面などが飾られている。
館は東と西に分かれており、外からの出入り口を除けば、この仮面の間を通ることでしか行き来することが出来ない。
0時を過ぎると両扉に鍵がかかるが、鍵自体は誰でも持ち出し可能。ただし、片方のドアから仮面の間に入ることは出来ても反対側のドアを開けることは出来ない。古い鍵のようで、合鍵も存在しないとのこと。


  • 1階東側

藍川冬矢、下笠穂奈美
コナンたちが呪いの仮面の使者から電話を受けた後、蘭に起こされた穂奈美が仮面の間東側の扉を開けた(ここでショブルーの仮面がなくなっていることが発覚)。
上の階から物音がした後、騒ぎを聞きつけて藍川が姿を現した。
ちなみに階段横にはたいそう立派な甲冑が飾られており、同時に本作のオチを飾ることになる。


  • 1階西側

稲葉和代、下笠美奈穂
美奈穂は穂奈美から連絡を受けて仮面の間西側の扉を開けた。
稲葉はワインを飲みすぎてぐっすり眠っていたため、唯一事件時の騒ぎには気づかなかった。


  • 2階東側

小五郎、蘭、コナン
呪いの仮面の使者から電話を受けた直後、蘭は穂奈美を起こした。コナンは戸締りを確認し、電話が内線であったことから呪いの仮面の使者は邸宅内にいると考えた。


  • 2階西側

片桐正紀、松平守、長良ハルカ
3人とも騒ぎを聞きつけて蘇芳の寝室のもとにやってきた。


  • 3階東側

空席。ここから蘇芳の寝室まで行けるが、ドアは封鎖されているため入れない。
恐らくだが、推理時にトリックの再現用に使われたのはここにある部屋だと思われる。


  • 3階西側

蘇芳紅子
犯行現場。蘇芳の寝室へは西側からしか行けないため、西側にいた5人に疑いの目が向けられた。



【事件関係者】

  • 片桐正紀(かたぎり まさのり)

CV:野島昭生
写真家。45歳。世界中を旅し美しい風景を写真に収め続けている。
20年前に妻を交通事故で亡くしたため、蘇芳からチャリティーへの招待を受けたときは亡き妻も喜んでくれるに違いないと考えた。
(事件後、妻が亡くなった事故は藍川の母親が起こしたものだと告白した。


  • 松平守(まつだいら まもる)

CV:石井康嗣
プロ野球選手。24歳。ホームラン王。
打席に立つ際は、手袋の色をハルカの占いのラッキーカラーにしている。
名前の由来と容姿のモデルはプロ野球選手で読売巨人軍に当時所属していた松井秀喜
中の人はのちに中森銀三(2代目)を演じている。
意外にも招かれた客の中で最年少。


  • 長良ハルカ(ながら‐)

CV:浅川悠
タロット占い師。25歳。テレビや雑誌で人気。
事件前、蘇芳の邸宅から不吉な予感を感じ取っていた。夕食後には小五郎に新しいことを始める絶好のチャンスだと占った。
事件後は勘の鋭さを見せ、「返り血を拭う時間がある人物が犯人」だと指摘したが、それを機に疑われた稲葉につかみかかられ、その際アクセサリーが外れて宝石がバラバラになった。


  • 下笠穂奈美(しもがさ ほなみ)

CV:飯島京子

  • 下笠美奈穂(しもがさ みなほ)

CV:長沢美樹
蘇芳家メイド。21歳。双子の姉妹。
穂奈美は邸宅の東側、美奈穂は邸宅の西側に客を案内する。
少々ミステリアスな雰囲気で仮面にまつわる数々のしきたりを淡々と守っているが、事件発生後は呪いが起きたと年相応(?)に怯えていた。
穂奈美は蘭に起こされて鍵を持参、美奈穂はその穂奈美に内線で起こされて反対側の鍵を開けた。
後にアニメオリジナルエピソード「黒いイカロスの翼」にも登場する。
美奈穂の中の人はのちに沖野ヨーコ(2代目)を演じている。


  • 蘇芳紅子(すおう べにこ)

CV:谷育子
歌手・紅プロモーション社長。63歳。落ち着いた物腰の老女。
かつては「東洋のカナリヤ」と呼ばれた有名な歌手で、現在は芸能プロ「紅プロモーション」の経営に多忙な日々を送っている。
20年前に付き人をしていた藍川の母親が轢き逃げ事故を起こしたのを機に、15年前から交通事故遺児救済チャリティーを始めた。
仮面集めが趣味らしく、館には様々な仮面が飾られている。
事件前には、片桐の妻が亡くなった事故について詳しい調査を小五郎に依頼した。
不眠症らしく、睡眠薬がないと眠れないらしい。また、霊媒師の言いつけで部屋にはドアロックに加えて南京錠で二重閉止にしている。
鍵のかかった寝室で寝ていたが喉をナイフで殺害され、その周りにはショブルーの仮面が散らばっていた。仮面のうち1枚は派手に返り血を浴び、他にも口の周りに血がついているものが数枚あった。


  • 稲葉和代(いなば かずよ)

CV:松岡洋子
蘇芳の秘書。40歳。
彼女に心酔している節がある他、ちょっと酒癖が悪いなど、終始小物臭漂う人物。
事件後、ハルカの一言を機に疑いの目を向けられ、彼女を「インチキ占い師」と罵倒しつかみかかった。


  • 藍川冬矢(あいかわ とうや)

CV:緑川光
ロックシンガー。26歳。蘭曰く人気No.1のロックシンガーで、全国ツアーの最中であり、蘇芳の邸宅に少し遅れて姿を見せた。
父親を早くに亡くし、蘇芳の付き人をしていた母親が轢き逃げ事故を起こした(その被害者が片桐の妻である)のち自殺したため、親戚中をたらい回しにされていたが、蘇芳から色々と援助を受けたため、彼女は恩人のような存在である。
中の人はのちに諸伏景光を演じている。



【レギュラー陣】

  • 江戸川コナン

ご存知主人公。
蘇芳の寝室が施錠されていたため、小五郎が天窓を割ったところから寝室に入り彼女の死を確認し鍵を開けた。
呪いの仮面の使者がわざわざ自分たちに電話をかけてきたこと、そして密室にしながら自殺に見せかける工作をしなかったことに疑問を抱く。
余談ではあるが、今回全ての謎が解けた際、ニュータイプの如く頭にビビット来る何かが走ったの同時に、彼自身どこかへ衝撃で吹き飛ばされるというシュールな独特な演出となった(その直後に何事も無いかのようにドヤ顔で犯人が分かったと決めているので、なおさらシュール独特である)


  • 毛利蘭

ご存知蘭姉ちゃん。
夕食後はコナンとチェス勝負をしていた。
小五郎に指示されて穂奈美を起こしに行き、厨房に鍵があったことも確認、証言している。
その際、空手仕込みの身軽さで、階段から飛び降りるシーンがある。
1度寝たら起きない性質のはずなのだが、今回は珍しく、電話の音でコナン達と一緒に目を覚ましていた。


  • 毛利小五郎

ご存知迷探偵。
蘇芳からの依頼料200万に舞い上がり、酔った稲葉に紅プロモーションからの歌手デビューを勧められると舞い上がる。
基本いつも通りのおっちゃんだが、事件発生直後に天窓を割って現場の様子を確認した際、
蘇芳の安否を確認するべく「割った窓から体の小さな自分が部屋に入る」というコナンの提案を「それしかないか」と即座に認めて実行、
部屋に入ってドアにカギがかかっていることに一瞬気を取られたコナンに「蘇芳さんの様子を早く!」と促すなど、
人命を最優先に行動する元刑事らしい姿を見せている。


  • 目暮十三

ご存知警部殿。


  • 高木渉

ご存知高木刑事。
稲葉とハルカの揉め事を仲裁した。解決編ではトリックを実演してみせた。


  • トメさん

CV:中嶋聡彦
アニメでよく姿を見せる鑑識さん。
ナイフの柄の部分にまで血がついている、仮面の1つがたくさん返り血を浴びているが他の仮面は口の部分に僅かに血がついているのみ、など妙な点を指摘した。


  • 小林刑事

CV:布目貞雄
アニメでたまに姿を見せる無精ひげの刑事。目暮の部下。
邸宅の外に足跡がないことを確認した。



【以下、事件の真相…さらなるネタバレに注意】






























あの女は…蘇芳紅子は…慈善家の仮面を被った悪魔だ!
そんな女を恩人として何年も慕っていたのかと思うと…俺は…俺は…!



  • 藍川冬矢

この事件の真犯人「呪いの仮面の使者」


母親は実は例の事故の犯人ではなく、事故のあった20年前の10月31日の夜は「藍川の6歳の誕生日を祝っていた」というアリバイがあった
しかし母親は事故の真犯人・蘇芳に自殺に見せかけて殺害され、それを知らなかった藍川は援助をしてくれた蘇芳をずっと慕っていた。
しかしつい2ヶ月前、母親の遺品の中にあった手紙を読んでこれらの真相を知り、母親の仇である蘇芳を長年そうとは知らず慕っていたことを激しく後悔した。
そして、片桐が蘇芳のチャリティーに(彼女が妻殺しの真犯人とは知らずに)参加することが到底我慢できず犯行に及んだ。


密室トリックはナイフを通したゴム紐に仮面の間から持ち出した200枚のショブルーの仮面を数珠繋ぎにし、東側からだけ行ける被害者の部屋の隣の部屋で、封鎖されたドアの上の欄間を通して1枚ずつ寝室内に入れるというもの。
この状態でゴム紐を引っ張ると、仮面は引っ張られてぴったりと重なり合い、ヘビのように長く連なった状態の(15mm×200枚=)長さ3mの物体になり、先端のナイフが蘇芳の喉元まで届くのである。
この仮面の連なりを物差しなどで押すことで、ナイフを蘇芳の喉元に刺して殺害、さらにゴム紐を切断することで、束ねられてい仮面が弾け飛んで寝室中に散らばり、ショブルーのような死に様となったのである。
またこのトリックを用いたことで、先頭の仮面だけ派手に返り血を浴び、後ろの数枚には口の部分から飛び込んだ血が付着したほか、直接握ってないナイフには柄の部分まで返り血がついた。
犯行声明も、部屋に入っていない以上、おそらく欄間から落とし入れたものと思われる(実際コナンも、封鎖ドアの前でそれを拾っている)


このように寝室に一歩も入らず外側から犯行を成し遂げたため、自殺に見せかける偽装工作などは不可能であった。
また、東側にいる自分を容疑から外すため、コナンたちの部屋に電話をかけ騒ぎを起こすことで、寝室へは西側からしか行けないことを印象付けさせた。コナン達は仮面の間で上からの呻き声を聞いているため、仮面を200枚入れるという準備が整ったうえで一度電話をし、犯行を決行したのだろう*2
ちなみに仮面の間の鍵は厨房にあったため、ショブルーの仮面を盗んだのち再び施錠し鍵は元の場所に戻した。
なお、この犯行は当然ながら自身が館の東側に泊まるようにしなければ実行できない。しかし、冒頭の案内にもある通り部屋割りは恐らく蘇芳が決めている。明言されていないが、彼が遅れてやってきたのは、メイドによる案内をやり過ごして東側の玄関から入ることで、館のルールに従い東側に寝室を用意してもらえるように仕向けたものと考えられる*3


ところが、事件後に「あの子(蘭)らが穂奈美を起こしに来たのには気づいていた」と発言。
コナンに当時自分は声を発していなかったことを指摘されると、少しドアを開けて外を見たからだと釈明。
しかし、実際はコナンは戸締りの確認をしていたために蘭に同行しておらず、穂奈美を起こしに向かっていたのは彼女1人だったため、それができるはずがなく、かえって墓穴を掘った。
当然犯行に及んでいたとき3階から騒ぎを聞いていたわけだが、実際に小五郎は、蘭とコナンの2人に指示をしていた。それを聞いていたため、コナンが蘭と共に穂奈美を起こしに向かったと勘違いしたのである。
蘭の証言からも当時コナンが一緒にいなかったことが裏付けられ、この矛盾を指摘されて、遂に犯行を自供した。


長年恩人かと思っていた人物が憎むべき母親の仇であったという事実を知って、蘇芳への憎しみ以上に自らへの怒り(あるいは悔しさ)を募らせたに違いない。
事故は20年前の出来事なので公訴時効が成立しており、更に片桐のチャリティー参加が犯行を後押しする決定打となったのであろう。
殺人は決して肯定されるべきではないが、彼の立場を思うと他に選択肢があったのだろうかと思えてしまう程である。
人気絶頂のロックシンガーが殺人を犯したということで世間には大きな衝撃が広がったであろうが*4、同時に彼の犯行の動機に多くの同情の声が寄せられたことだろう。まだ若手なので、いつかは立ち直ってもらいたいものである。


蘭「もしかしたら、藍川さんも仮面の呪いに取りつかれていたのかもしれないわね…。」


ちなみに蘭による上記の締めは、同じく被害者が外道の極みであった(かつ犯人に同情できる要素があった)ドラキュラ荘殺人事件と類似している。


  • 蘇芳紅子

片桐の妻が亡くなった事故の真犯人。
それを隠蔽するに留まらず藍川の母親に罪を着せて自殺に見せかけて殺害までした、慈善家の仮面を被った悪魔
また、事件前の夕食時、片桐の話を聞くまで彼が事故の被害者の夫だとは気づいていなかったようであり、小五郎に事故の調査を依頼したのもこのため(突き止めた後どうするつもりだったのかは不明)。
また、15年続けてきたチャリティーでも、元々売名行為という噂(陰口)があったようだが、実際は売名どころか収益を着服していたらしい。
生前は好人物としての顔を見せていたが、実際は外道の極みであった
不眠症に陥っているところや、独り身となった藍川を引き取ったりしている辺りからは一応罪の重さを自覚しているとも考えられるが、もしそうならばせめてチャリティーくらいは真面目に取り組んでもらいたかったものである。


仮面の歴代の所有者同様不幸(?)な最期を遂げたが、落馬やら強盗に射殺されたなどの過去の所有者と違い、彼女自身が吐き気を催す邪悪であった為、このケースに関してはまさに自業自得だろう。
真実が明るみに出たことで、死後彼女の名声は地に堕ち、手がけていたチャリティー事業もオジャンになったに違いないし、彼女のこれまで出した楽曲も封印作品となった可能性があり、社長をしていた紅プロモーションも恐らく倒産したと考えられる。
『コナン』にも外道な被害者は多く登場しているが、今回の被害者はトップクラスに下衆な人物で非の打ち所ありまくりパターンであった*5


『コナン』の世界ではメディア関係者が被害者になりがちだが、そのほとんどが今回のように問題のある人物ばかりであるが、今回の蘇芳のようにメディア関係者でかつ会社経営者としても問題のある人物が登場する事も少なくない。


‐稲葉和代
藍川が犯人だと発覚した後は、長年蘇芳から恩を受けていたはずの彼を激しく非難した。
彼が蘇芳の過去の罪を暴露しても嘘だと決めつけ、その後も彼女を「15年もチャリティーを続けてきた立派な方」と擁護し続けた。
しかし、蘇芳が着服したチャリティーの収益のお零れを頂戴していたことを藍川が糾弾すると、それ以上反論することができなかった。
チャリティーの裏を知りつつも、自らも甘い蜜を吸っていたために盲目的に蘇芳に従っていたのだろう。


また、前述の通りハルカにつかみかかった際宝石がバラバラになったが、コナンはこれを見て例の仮面を数珠繋ぎにするトリックを思いついた。
そのため、コナンが事件を解決するきっかけを作った人物とも言える。


事件後の動向は不明だが、蘇芳の悪事にある程度加担しているため、重要参考人として警察に逮捕されたと思われる。


  • 片桐正紀

妻が亡くなった事故の真犯人が蘇芳と知り驚愕していた。
藍川が犯行に及ばなければ、妻殺しの真犯人が主宰するチャリティーに携わるところであった。
今回の事件で真実を知り落胆したであろうが、彼が憎むべき蘇芳は既にこの世にはいないし、藍川共々立ち直ってほしいものである。


  • 毛利小五郎

事件解決後、連行される藍川を見ながら、藍川も仮面の呪いに取りつかれていたのかもしれないと蘭が呟いた。
小五郎は呪いなんてただの迷信だと言いながら階段から降りようとしたが、小五郎は足を滑らせて、尻餅をつきながら転げ落ちてしまう。
そして、小五郎が転げ落ちた拍子に、1階に飾られていた甲冑の斧が外れ、そのまま小五郎の目の前に斧が振り下された。
小五郎は呪いだと泣き叫びながら逃げまどい、そんな小五郎を見ながらコナンは、心の中で「それは呪いじゃなくて、おっちゃんがとろいんだ」とツッコんでいた。


【余談】
藍川はチャリティー参加者に脅迫状を送っていたが、なぜ毛利探偵事務所にのみ脅迫状を送らず、わざわざ倒木の上に釘で刺す形式にしたのかは不明。小五郎が受け取るとは限らないし、樹を倒すのはチェーンソーが必要なのでかなり手間がかかる。倒木のせいで危うく事故りかかっていたので、もしかするとこれから行う犯行の邪魔になる探偵を足止めさせようとしたのだろうか。


藍川が犯人と言う証拠となった発言が無かったらどう追い詰める予定だったのかは不明であるが、実はこのトリックには犯行に使ったゴム紐やそれを斬るナイフ、仮面を押し出すための道具などを処分出来ないという欠点がある*6。これらが見つかれば必然的に推理通りのトリックが行われたことの裏付けになり、後は状況証拠で犯行が可能な藍川のみに容疑が絞られることとなる。
更にこのトリックを行うとゴム紐には血痕が付着していることは間違いないので、本来であれば封鎖されたドア付近や欄間のどこかに血痕が付着するという欠点も生じ得たと思われる。そんなゴム紐を回収したことで手や服などに血痕が付着していれば、動かぬ証拠となっていたであろう。


エンディングのムービーでは中盤に放送時の映像がダイジェストで流れるのが恒例となっているのだが、よりにも寄って「いつも 傍で笑ってる」の歌詞が流れるシーンで不気味に微笑むショブルーの仮面の登場シーンが流れる。せっかくの癒し系ソングが台無しである*7


2004年の再放送時はしばしば再放送が続く形となっており、放送終了後にはメインキャラが司会を勤める視聴者応募型クイズが出題されるようになった。ちなみに司会役はアイキャッチの度に登場しては放送後にクイズがあることを予告する役も行っていた。
本作でクイズを出題する役を任されたのはご存じおっちゃんで、クイズの内容は「今回の事件の犯人は誰だった?」と言うもの。
だが、選択肢が(それぞれイラスト付きで)A.藍川冬矢、B.怪盗キッドとかいう、もはや間違えさせる気が一切ない抱腹絶倒もののクイズとなっている。最低限、劇中の登場人物から選択肢を出せばいいはずなのに、一体どこから怪盗キッドが出てきたんだろうか……。




追記・修正は仮面を数珠繋ぎにしながらお願いします。


  • コメントが多くなってきたのでリセットしました -- 名無しさん (2017-12-16 13:21:25)
  • こ、これは…。 どーん! -- 名無しさん (2018-01-11 20:45:39)
  • そういや今度再放送するらしいな -- 名無しさん (2018-03-26 13:57:25)
  • 再放送やったけど、ハルカさんとメイドさん二人がやっぱ可愛かった -- 名無しさん (2018-03-31 20:47:33)
  • ゴム紐で繋げた200枚の仮面を片手で支えつつ、もう片方の手で物差しか何か持って押し込む・・・できる? -- 名無しさん (2018-03-31 21:57:19)
  • 黒の組織とかの話の大筋に関係ない一時間回だからか、番組の改編期に高確率で再放送される -- 名無しさん (2018-03-31 21:59:54)
  • 後に緑川さんはスコッチを演じます。 -- 名無しさん (2018-04-03 15:17:27)
  • 夕食の占いで「新しいことを始めるチャンス」と言われて、魔術師かなと思ったけど、オチを見るとおそらく出たのは死神(の逆位置)。もっとも死神のカードは「仮面の呪いよー!」で出てきたので意外性はないか(ちなみに蘇芳の悪行やタロットの本来の意味を考えると、THE TOWERのほうが似合う) -- 名無しさん (2018-06-10 02:10:02)
  • バラバラになった宝石を見てトリックに気づく時のコナンのリアクションが変。 -- 名無しさん (2018-06-14 23:01:34)
  • サラマンデス&ダマラス&ガンマジン&ブクラテススーパー戦隊シリーズノレギュラーが4人いる -- 名無しさん (2018-08-14 05:56:14)
  • 後に金田一少年の事件簿のある事件でも「〇〇ら」と複数形であることを決定的な証拠とされた事件があったな。 -- 名無しさん (2020-02-15 18:59:35)
  • アニオリコナンの3大外道被害者ってタグがあるけど、それよりも多い気がする。 -- 名無しさん (2020-03-07 10:32:01)

「あの子(蘭)らが穂奈美を起こした」なんて言ってないって言われたらどうすんだろ、ボイスレコーダーがあれば心配ないけど -- 名無しさん (2020-04-30 19:27:43)

  • ↑そもそも物的証拠がない -- 名無しさん (2020-07-14 19:06:41)
  • 寝たら絶対起きない蘭が、電話の音程度で起きている矛盾・・・ -- 名無しさん (2020-07-14 22:40:18)
  • ↑3 大勢の前(警察含む)で言ってるから、「言ってない」なんて言い訳は通らないだろう。 -- 名無しさん (2020-07-15 22:10:29)
  • 「犯人は西側にいた人間だ」 レッ〇〇ム「それじゃ、まるっきり三文ミステリー小説よ」 -- 名無しさん (2020-07-20 16:26:35)
  • 月姫やリゼロに繋がる大きな館に使えるメイドは双子という流れの開祖か? -- 名無しさん (2020-08-10 21:03:37)
  • 犯人たちの事件簿風にしたら、「た、大変だな…200枚の仮面を持っていくのも、部屋の中に1枚ずつ入れるのも…」という感じになるかな? -- 名無しさん (2020-08-10 21:50:00)
  • トリックがピンポイントすぎる。 被害者が1回でも寝返りを打ったらどうするつもりだったのか。 -- 名無しさん (2020-09-29 06:08:35)
  • ↑3 館モノと言うより、伝奇モノに双子はお約束の組み合わせだぞ。『メイド』に限って言えばどうかは知らんけど、そこまでエポックメイキングな設定じゃない。 -- 名無しさん (2020-10-21 14:52:48)
  • こ -- 名無しさん (2020-10-25 01:56:48)
  • 新一最初の事件とフーリガンとこの回の犯人は情状酌量してほしい。 -- 名無しさん (2020-10-25 01:58:33)
  • ↑3 双子の侍女ってのは海外でも昔からあるしな。 -- 名無しさん (2021-01-03 20:50:59)

作画が凄い好みだったから調べてみたらコナン作監の中でも特に評判の高い青野厚司さんと大島美和さんが作監やってたのね -- 名無しさん (2021-04-03 14:15:36)

  • EDテーマの「いつもそばで笑ってる」の歌詞の部分で不気味な笑みの仮面のダイジェスト映像が流れて曲にホラーなイメージがついてしまった思い出。あと被害者が外道なのはわかるが楽曲が封印とか会社が倒産とか作中で言及されてもいないことを妄想で書くのはちょっとどうかと思う。 -- 名無しさん (2021-04-18 21:29:45)
  • 普段は単独行動で怒られてばかりのコナンだけど今回はその単独行動がお手柄になってる -- 名無しさん (2021-04-21 00:45:00)
  • クズなのにどういう意図で冬矢を支援してたんだろう、さすがに罪悪感があったのか -- 名無しさん (2021-07-06 13:58:48)
  • 後悔するゾ 語尾ゾで某先輩がちらついて仕方ない病気 -- 名無しさん (2021-09-10 12:31:01)
  • クイズ覚えてるわww -- 名無しさん (2021-09-19 17:42:26)
  • 被害者は芸能プロの社長なのに犯人以外に芸能人がいないのも裏の顔の伏線だったんだな。カメラマン・プロ野球選手・占い師・名探偵全員著名人だけど芸能人じゃない -- 名無しさん (2021-09-23 19:35:04)
  • 松井秀喜、ゴメラに続いて再登場 -- 名無しさん (2022-03-17 05:42:35)
  • K3事件に稲葉さんが声なしで出てるよ -- 名無しさん (2022-05-29 16:07:53)
  • 浅川悠さんが美人すぎる -- 名無しさん (2022-05-30 17:37:17)
  • 飯島京子じゃなくて飯島杏子だね。 -- 名無しさん (2022-12-30 15:23:17)
*1 絵コンテ・演出も担当
*2 犯行予告の内線電話は恐らく3階で行ったものと見られる。館が左右対称で、トリックの再現を行った場所が犯行現場と同じと言うことは、この部屋が3階東側の部屋であり、そのテーブル上にある内線電話を使ったと考えられる。
*3 よく見ると彼は初登場時、東側のドアから仮面の間に入っている。また、蘇芳も自室に鍵を2つかけるなど律義に霊媒師の言いつけを守っていたので、藍川の泊まる部屋は東側が選ばれるようになるという算段である。
*4 蘭もファンだったのか、彼の証言が偽りであることを裏付ける際に一瞬動揺しているのが分かる。
*5 余談だが、越智氏が脚本を担当した(宇恩寺稚子名義での脚本を含む)エピソードは多くはないが、担当した場合は今回のように被害者のほとんどが下衆な人物で非の打ち所ありまくりパターンである事が多い。
*6 犯行後すぐに自分が騒ぎを聞いて駆け付けた素振りを見せなければならないため、そんな短時間でそれらを処分するのは困難である。
*7 放送時のエンディングテーマは倉木麻衣のシークレット・オブ・マイ・ハートである。

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