登録日:2014/11/15 Sat 21:56:24
更新日:2023/12/21 Thu 13:37:08NEW!
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ウルトラセブン 宇宙人 工作員 市川森一 悲しい結末 後味の悪いオチ 救いがない マゼラン星人マヤ 盗まれたウルトラ・アイ 吉田ゆり 恒星間弾道弾 他人の星 標的は踊る マゼラン星人 迎えはまだか
こんな狂った星を……?
見てご覧なさい、こんな星侵略する価値があると思って?
『ウルトラセブン』の第37話「盗まれたウルトラ・アイ」に登場した宇宙人。
身長:1.6メートル
体重:40キログラム
演:吉田ゆり
概要
地球を「狂った星」と見なすマゼラン星から送り込まれた工作員の少女。
マゼラン星から発射された「恒星間弾道弾」を地球に命中させるため、セブンに邪魔をさせないようにウルトラ・アイを盗み出すことが任務。
地球人と変わらない容姿をしているが、口を開かずテレパシーで会話ができる。
とある山中に飛来した球状の未確認飛行物体から地球に侵入。
近くを走っていた黄色のダンプトラックを奪い、アマギの指示によって検問を張っていたダンを襲ってウルトラ・アイを盗み取る事に成功。
その後は、とある街のスナック・ノアに潜伏し、マゼラン星に「ムカエハマダカ ムカエハマダカ」と、作戦の完了を終えた自身の回収を要請する通信をひたすらに送っていたが、その電波を探知したウルトラ警備隊に発見され、赴いたダンとテレパシーで会話。踊り狂う若者たちの中で自分もまた踊りながら、地球を「狂った星」「侵略する価値がない」と項目冒頭のように語り逃走する。
しかし、ウルトラ警備隊がリズムボックス内の通信機を回収。マヤと同じ内容の通信を送り続けた結果、地球に向けて恒星間弾道弾が発射された事。そして、彼女がマゼラン星に既に見捨てられている事が判明。
ダンからそれを伝えられると落胆し、ダンにウルトラ・アイを返す。
迎撃するステーションV2を破壊し、地球目掛けて突き進む恒星間弾道弾はウルトラホーク1号と2号のレーザー攻撃でも破壊出来なかったが、内部に進入したセブンによって軌道を反転させられ宇宙へ飛び去った。
午前0時。地球の命を終わらせる弾道弾が命中する時刻を過ぎても何も起こらない。迎えが来ることもない。
マヤがジュークボックスを操作すると、白い煙が中から吹き出てきて彼女の身体を包んでいく。やがて煙が消えると彼女の姿もどこにもなく、後には身につけていたブローチだけが残されていた。
マヤは裏切られた絶望から自ら命を絶ってしまったのだった。
解説
本作は序盤に円盤こそ登場するが、巨大な宇宙人も怪獣も一切登場しないという異色の回である。
物語の本筋はダンと自分の星に見捨てられた宇宙人の少女との人間ドラマであり、当時の子供たちにはかなり難解だったと思われる。
本作のようにセブン本人以外の着ぐるみ怪獣or宇宙人が一切登場しない話は、他には第33話「侵略する死者たち」と第43話「第四惑星の悪夢」がある。
脚本の市川森一氏は「あるときね、新しい宇宙人造れないって言うんだ、造る金がない……。その前の回で先輩たちが使っちゃうんでね……。
何とか宇宙人なしの回を1回出来ないかって注文が来たんですよ」と語っており、予算不足による苦肉の策だったらしい。
タイトルは「盗まれたウルトラアイ」だがウルトラアイは第3話のピット星人、第4話のゴドラ星人、第17話のユートムにも盗まれており、今更なタイトルである。正しいタイトルは「またまた盗まれたウルトラ・アイ」
余談だがマヤの自害の演出は、ジュークボックスの「J」「7」のキーを押すと白い煙が発生して彼女を包み、煙が晴れた時には彼女の姿は無いというものだった。
このジュークボックスのキーには「I」が無く、母星から見捨てられたマヤには母星からの「愛」が無かった、という意味だと解釈される事があるが、
実はジュークボックスのキーには、元々アルファベットの「I」「O」が存在しない。数字の「1」「0」と混同しないようにするためである。
ちなみに、ジュークボックスの曲名はよく見ると確認でき、
- D9:小指の思い出 KOYUBI NO OMOIDE
- D10:夜霧にかくれて YOGIRI NI KAKURETE
- E7:夜霧のブルース YOGIRI NO BLUCE
- E8:俺は待ってるぜ ORE HA MATTERUZE Sam Taylor
- E9:碧空 BLAUER HIMMEL アルフレッド ハウゼ楽団 Alhred Hause & his Orch
- E10:ジェラシー JEALOUSY アルフレッド ハウゼ楽団 Alhred Hause & his Orch
E7、E8は石原裕次郎の曲をサム・テイラーがカバーしたもの。なお、マヤが押した「J7」は画面外のためわからない。
準備稿
本作の準備稿として、「他人の星」という脚本があった事が知られている。
決定稿との違いはマヤの名前が「マーヤ」となっている位で、話の筋に大きな違いはない。
しかし、「他人の星」のさらに準備稿「標的は踊る」という脚本がある事はあまり知られていない。
こちらは、「他人の星」と比べて決定稿と大きな違いがある。
決定稿では、マヤは母星のため任務を成功させたが結局は見捨てられ、捨て駒とされた事に絶望し、命を絶ってしまうが
「標的は踊る」ではマヤは初めから死を覚悟しており、ダンから迎えが来ない事を告げられても絶望するどころか、
「勿論そうね。でも死ぬのは私一人じゃない! あなたも、地球も、大陽も、皆で一緒に死ぬのよ!」と言い放つ。
当然、マヤがダンにウルトラ・アイを返すシーンも存在せず、ダンは力ずくでウルトラ・アイを取り返す流れになっている。
そして、マヤは任務に失敗した事を悟り、自決する。
ラストシーンは、フルハシとパトロールをしているダンの前を、1台の車が通りすぎる。
フルハシはドライバーを見て「あの娘だ!」と叫ぶが、ダンは直前でマヤの死を知っている。
しかし、フルハシが尚も「確かにあの娘だった!」と言うのでダンもその気になり、アクセルを踏み込むというシーンで完結する。
「標的は踊る」と「盗まれたウルトラ・アイ」(並びに「他人の星」)では、マヤのキャラクターに大きな違いがあり、
なぜここまでの変更になったのかは、はっきりとした理由は分からない。
その他の作品
- 漫画『ウルトラマン超闘士激伝』では、カネゴン共々モブ観客の常連としてほぼレギュラーキャラになっている。
復刊ドットコムの完全版第4巻では何故か闘士になったイラストまで書き下ろされた。
- 『ウルトラマンオーブ』では毎話過去作品のサブタイトルが登場人物のセリフ等に含まれている「サブタイを探せ!」というお遊びが行われており、
第20話「復讐の引き金」ではメトロン星人タルデのセリフに本作の準備稿タイトルである「他人の星」が含まれているが、正解は「円盤が来た」である。
なお、メトロン星人ならびに「円盤が来た」のどちらも「ウルトラセブン」関連である。
追記・修正は「夜霧のブルース」を熱唱してからお願いします。
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▷ コメント欄
- 「盗まれたウルトラアイ」。既にピットやゴドラに盗まれてるんで、今更なタイトルである。 -- 名無しさん (2014-11-15 22:09:56)
- 酒場で踊る人々が、なぜかニセウルトラアイを身に着けて、ダンを襲うシーンがシュール且つホラー。 -- 名無しさん (2014-11-15 22:24:31)
- マヤにとって狂った星と断じた、地球の人間たちに交じって生きていくことは自分も狂った生き物になると同じだから自殺したんだろうな -- (2014-11-15 23:08:46)
- あの爆弾、何気にセブン劇中では最強の兵器では?数多くの円盤を撃墜してきたウルトラホークの攻撃が通用しないし。 -- 名無しさん (2014-11-15 23:35:31)
- 最初は「他人の星」ってサブタイトルだったって聞いた事ある。 -- 名無しさん (2014-11-15 23:37:25)
- 地球を侵略する価値のかけらもない狂った星とマゼラン星人たちは呼んでいたけど、自分たちの価値観で星の破壊を行う、目的のために同胞を捨て駒として扱うなど、地球人から見ればマゼラン星人は「狂ってるのはどっちだよ・・・。」という言葉しか思いつかないどうしようもない宇宙人である。 -- 名無しさん (2014-11-16 21:33:53)
- ところでマゼラン星は反転した恒星間弾道弾で爆破なんかな?やっぱ。 -- 名無しさん (2014-11-16 23:19:20)
- 恒星間弾道弾、ステーションV2ぶっ壊して、誘爆もせずにそのまま前進って、どんだけ頑丈なんだよ -- 名無しさん (2014-11-16 23:37:07)
- さんざん利用されて捨てられて…可哀想な子だよな。せめて「地球人」との交流があれば人間として生きていく道も選べたろうに… -- 名無しさん (2014-11-17 00:36:25)
- どうかな -- (2014-11-17 00:46:01)
- (続き)交流したところでマヤが地球と地球人を受け入れられたとは思えないがなぁ -- (2014-11-17 00:46:45)
- ↑それは触れ合う地球人次第だと思う。マヤは地球人の醜い面しか見てないんじゃないかな。ある意味ダンとは対極の存在。 -- 名無しさん (2014-11-17 01:00:33)
- ↑10 他のマゼラン星人はそう考えたから、マヤを見捨てたのかもしれないなぁ・・・やはり「狂った星」にしか思えんわ -- 名無しさん (2014-11-17 20:03:20)
- ↑2 ダン、というよりウルトラマンは地球人の醜い部分があることも認識したうえでそれでも地球人の美しい部分を愛してるから一方的に狂った星として恒星間弾道弾発射するマゼラン星人と対極っていえるかな? -- 名無しさん (2014-11-17 20:15:46)
- マゼラン星から見てそんな狂った星を狙う侵略宇宙人達はどう写るのか -- 名無しさん (2014-11-17 20:20:05)
- 着ぐるみ出ない3部作の2番目(1番目は33話、3番目は43話) -- 名無しさん (2014-11-17 21:29:04)
- 『ウルトラアイは三度盗まれる』に改名しなよ -- 名無しさん (2015-02-03 01:55:33)
- マヤの自害シーンで何故「J」「7」のキーだったのか子供の頃はわからなかったが、PCのキーボード見るようになったらなんとなく納得した。 -- 名無しさん (2015-02-27 17:35:35)
- サイコキノ星人たちはGUYSの交流があったからなんとかなったんがなあ -- 名無しさん (2015-11-23 10:54:27)
- マゼランも多くの狂った侵略者と大差ない -- 名無しさん (2017-03-08 13:54:17)
- レオの話でもあったね 母親や熊の親子をドギューに殺されたボックにゲンは「この星で生きたら?」と言うが「この星には悲しい思い出が多すぎます」と言い帰るんだよね・・・ -- 名無しさん (2018-08-03 21:43:27)
- ↑4 ウルトラセブンが制作された1960年代にPCがあるもんかい…と思ったら、1950年代には既にタイプライターのキーボードで現行のカナ配列の原型ができあがってたのね。つまり「J7→マヤ」の「暗号」はセブン放送当時でもわかる人にはわかるものだった。 -- 名無しさん (2020-02-04 17:34:08)
- 姿が消えた、それを見てどこかで生きてるとも思えてしまう -- 名無しさん (2020-05-01 19:29:02)
- そもそも彼女は本当に「マゼラン星人」だったのかね? 単に自分の事を人間(マゼラン星人)だと思いこんだアンドロイドだと解釈すれば捨て駒として見捨てられた点とか納得できる。 -- 名無しさん (2021-04-15 20:25:52)
- マゼラン星人はこの恒星間弾道弾運用に『友情プロジェクト』とか名付けていたりして -- 名無しさん (2021-04-15 20:44:08)
- ペガッサ星人とかケンタウルス星人の系列のエピソード -- 名無しさん (2022-02-05 21:21:47)
- CG版ウルトラマン第二期で彼女とワイルド星人の合わせキャラが出るらしいが -- 名無しさん (2022-04-08 15:52:33)
- 曲名、はっきり確認できないが、本当にわかるのか? -- 名無しさん (2022-07-09 19:17:53)
- 反転した弾道弾が無事マゼラン星に返って迎撃破壊すればそれでよし、逆にマゼラン星が破壊されても自業自得だろうけど、ちょっとでも反転軌道がずれていたら別の天体を破壊してしまいギエロン星の悲劇の再来になるかも…… -- 名無しさん (2022-08-25 06:28:16)
- 予算が本当にヤバイという中で作られたエピソードなのだが、いったいどこまでヤバかったのか。 -- 名無しさん (2022-09-29 20:16:39)
- 実際、3クール目の後半あたりから視聴率、1クール目の半分くらいにまで下がっていた。 -- 名無しさん (2023-03-25 20:14:33)
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